以下は考察ログであり、文法はこちらにまとめてある。
コーパスをかき集めてきたので、解読を試みよう。
語尾の情報とかを元に頑張ってみた。
語 義 品詞 同根語 Bhát バート 子音幹名詞 牌huet,藍phedu zepha 言語 母音幹名詞 牌zep1,藍chepo bháma 私たち(包括) 母音幹名詞 aṭam 神、皇帝 子音幹名詞 牌tam2,藍atam hemúl ある 動詞 牌aim2,藍aima lási 一 母音幹名詞 牌et2,藍asi ríka 二 母音幹名詞 牌ik2,藍iku dhoḷop 島 子音幹名詞 牌dop1,藍dopiai ṣibhai 国 母音幹名詞 牌sip1 ákíjam 東 子音幹名詞 牌kiak1 hem 完了の無変化動詞 無変化動詞 nána 関係代名詞 母音幹名詞 cepatepa 会話 母音幹名詞 legha 絵 母音幹名詞 牌lek1 ám 否定副詞 副詞 ká 三人称女性単数 母音幹名詞 bhoma 手 母音幹名詞 牌hop1,藍phobo bhomúl 取る、持つ 動詞 牌hop1,藍phobo káṇa 時間,時刻? 母音幹名詞 cákíkúḷ 集まる? 動詞 dhárad 連合? 子音幹名詞 hórabát 文化? 子音幹名詞 dhárad 共同体? 子音幹名詞 jó または? 助辞? sá ? 母音幹名詞 vóghit ? 子音幹名詞 cájau ? ṣóma ? 母音幹名詞 hína ? ṣíkahúḷ ? 動詞 ṣiṇṇa ? baukká ? kóli ? 母音幹名詞 aghauṭa ? 母音幹名詞 ákúḷ ? 動詞 aḍuhazóúḷ ? 動詞 há ? ko ? sujúl ? 動詞 heyáúḷ ? 動詞 ema ?
以上のを語彙集ver0と呼ぶこととする。プレーンテキストとGoogleスプレッドシートでも用意した。
まず、文字について。リパライン倉庫の表記にそぐわないやつがあるかどうか確かめる。
リパライン倉庫のに準拠するなら、ptcxkhrzmnljwbdsgyṭḍṇḷṣaiuáíúeoで書けるはずである。
-e-と-é-、-o-と-ó-は確か同一音素の表記揺れに過ぎなかったはずだから、óの登場については気にしない。
vóghitに謎のvが出てくるが、まあこれはwのことだろう。
はいOK。
不定詞語尾は-úḷのはずなのだが、PMCFショーケースの転写を見ても燐字海を見ても-úlになっている。
「実は二種類の活用がある説」とかも面白そうだが、面倒だし、単純に「面倒なので-úḷの点を打たないことがある」でよかろう。バート文字においても区別は点でなされるし。
考察が長くなったので分割。フルバージョンはこちら。以下要約。
PMCFショーケースに貼られている画像を解読したところ、デーヴァナーガリーのような「ダイアクリティカルマークで母音を表す」ではなく、母音がそれ自体で独立した字として使われていることが分かった。一方、ダイアクリティカルマークで書いている例もある。ということで、ダイアクリティカルマークで書くのを「伝統表記」、独立して表記するのを「現代表記」とすることにした。そうすればOSで実装するのも楽だし。
なるほど。
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2017年11月24日
1. 頑張ったけど完全には文が解読ができなかったので、単語集とかがあったら下さい
2. 文字を書いたのは誰なんだろう
1. ラネーメ祖語辞書を参照すると好い。
— Fafs/தமிழ் மாணவன் (@sashimiwiki) 2017年11月24日
2. 文字を書いたのは私ですが
ということで、ラネーメ祖語辞書を手に入れたので、解読&転記していく。
なるほど、ákúḷは「読む」か。
cájau[後置詞]「~と共に」だそうだ。
などなどやって、暫定辞書進化版(またの名を語彙集ver1)ができた。スプレッドシートはこちら。
流石に辞書があればそれなりに読める。一部引っかかったものとか有用な情報とかを抜粋する。
ṣiṇṇa(しかし) baukká(だんだん、ゆくゆく) kóli(疲れ) -dhel(母音幹単数対格) cákík(来る 訪れる 来訪する) -akátá(指示・固有過去分詞) hem(完了の無変化動詞)
直訳するなら、「しかし、だんだん疲れを(非生物が)訪れた。」だが、これでは妙である。
DMでfafs氏と話したところ、cákík(来る 訪れる 来訪する) -akátá(指示・固有過去分詞)ではなくcákíka(訪れさせる) -kátá(指示・固有過去分詞)なのではないか、という結論になった。ということは、他動詞化語尾-aの存在が考えられる。
バート語の人称変化は主語との一致である。(fafs氏曰く、「人称変化が対格一致の言語は確か悠里に無い」とのこと。)
ということで、「〜するだろうか」が固定でzúḷ heyákáṣloであるのは、不定詞zúḷが主語となるからということのようだ。
そもそも論として、語順はSOVだったりする。パイグとかリパラインとかと違うので意識する必要あり。ただし、関係節は後置修飾である。
「Legha jó cepatepa ám hemúl ema.ってhemúḷが後置格にならなくてええんかね」と聞いたところ、「動詞不定形は名詞の曲用には従わないけど名詞節になるらしい。」となった。「emaが名詞を取る時は原則どおり後置格、不定詞を取る時は無変化、という感じかな」となった。
@sashimiwiki 「国」、ṣibhaiにします?síbhaにします?
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2017年11月24日
ṣibhai: Ákíjamán dhoḷopáná ṣibhaiomá dhárad
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2017年11月24日
síbha: Ámaom cákíkamúná síbha? ká ṣomazená káom síbhaḍi hína.
消すとめんどいので両方採用したいと思います(要するに二重語)
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2017年11月24日
(偶然にも)祖語辞書の例文ではṣibhaiは「国・国家」の意味でのみ、síbhaは「出身・故郷」の意味でのみ使われているので、そういう分割にします
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2017年11月24日
#メモ
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2017年11月24日
祖語辞書の「ek[助詞]らしい みたいだ」にbtと書く
#メモ
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2017年11月24日
nímaṣ[名詞]民族、部族 にbt
たまにバート語なのに祖語辞書でbtついてないやつがある。つらい。
@sashimiwiki Ámaom cákíkamúná síbha? 「あなたは何処の出身ですか?」における過去分詞のこの用法が謎(直接名詞を修飾できるんですかね)
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2017年11月24日
修飾できるのでは(分詞って言うし
— Fafs/தமிழ் மாணவன் (@sashimiwiki) 2017年11月24日
)
なるほどね(なるほどね)
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2017年11月24日
@sashimiwiki nímaṣáná taku 連邦 と+taku>ṣomatáku.bt[名詞]共産 集産 に出て来るtakuが分からん(そもそもバートで語頭にtが立つ例が他に無いが)
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2017年11月24日
takuってなんだろう
— Fafs/தமிழ் மாணவன் (@sashimiwiki) 2017年11月24日
なんだろう(理語・牌語共に発見できず)
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2017年11月24日
ホエール(@ransewhale)の担当言語から流れてきた何かってことにでもしようかなぁ(てきとう)
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2017年11月24日
ṣoma(堤 土手) +taku > ṣomatáku(共産 集産)
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2017年11月24日
nímaṣáná(民族たちの〜) + taku > nímaṣáná taku (連邦)
さて、なんだろう
takuってなんだろう https://t.co/lDdYw3Jjfe
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2017年11月24日
話は変わるが、フォントを作ってみた。
現代表記はほぼアルファベットなので、このように比較的楽に作れるのである。
恒例のごとくPythonで分割し、JavaScriptで並べてやると
と、うまくいってくれるわけである。
せっかくなので、アリスでも載せてみるか。
なるほどなぁ。
1-4.でやったことも含め、軽くまとめてみる。
リパライン倉庫にあったKáṇa nána bháma cákíkadíha hem?「私たちが集まる時間は何時ですか?」を考えてみると、
káṇa(時間 時) nána(関係代名詞) bháma(一人称複数包括) cákík(来る 訪れる 来訪する) -adíha(一人称未来分詞) hem(~は~である)
káṇaが関係節の内側のcákíkuḷとどう関係するかは明示されていないことがわかる。ということで、明示しないという設定で確定としよう。
ちなみに、外側の動詞とのやりとりは先行詞が格変化することで示される。その例としてはká aghauṭadhel nána sáhomá woghit ákaze aḍuhazozená hem.「彼女は姉が読む本を見た。」がある。
ká(三人称女性単数) aghauṭa(本、図書) -dhel(母音幹単数対格) nána(関係代名詞 何) sá(女性 女) -homá(母音幹単数属格) woghit(兄弟、姉妹、同胞) ák(読む) -aze(三人称女性終止詞) aḍuhazo(見る 観測する) -zená(三人称女性過去分詞) hem(完了の無変化動詞)
となると、関係代名詞って格変化する必要がないな(あ、属格はあるかもね)。格変化しないということは名詞ではないに違いない。ということで、名詞nána「何」と関係代名詞nánaを別語判定しよう。
とりあえず全品詞を書き出して、それぞれに解説や解釈を書いていく。ちゃんと全例文が説明できるようにせねば。
よし、
káṇa(時間 時) nána(関係代名詞) bháma(一人称複数包括) cákík(来る 訪れる 来訪する) -adíha(一人称未来分詞) hem(~は~である)
以外は説明がついた。
hem、コピュラ用法があるらしいが、例文に他に見つからないので険しい。
コピュラどうしよう。とりあえずSOVについて軽く読んでみるか。
Relative clauses preceding the nouns to which they refer usually signals SOV word order, but the reverse does not hold: SOV languages feature prenominal and postnominal relative clauses roughly equally. -- Wikipedia contributors, "Subject–object–verb," Wikipedia, The Free Encyclopedia, https://en.wikipedia.org/w/index.php?title=Subject%E2%80%93object%E2%80%93verb&oldid=809535274 (accessed November 25, 2017).
あ、そうなん。SOVであっても、関係詞節が後置修飾なのは別に珍しくないのね。
fafs氏に訊いたところ、
káṇa(時間 時) nána(関係代名詞) bháma(一人称複数包括) cákík(来る 訪れる 来訪する) -adíha(一人称未来分詞) hem(完了の無変化動詞)
であって、「私たちが集まるであろうその時は何時か?」であるらしい。
コピュラの仕様については、
fafs「私の意図的には主 主 hemで省略して主 主になる」-- 悠里とFAFss #ラネーメ
ということらしいので、それでいこう。
バート語の音韻についても、ちゃんとまとまっていなかった気がするのでまとめたい。
j.v「思ってたのだが、s[z]なのにṣ[ʂ]なのって謎では?現世転写としてならともかくバート文字としては。」 fafs「たしかに」 j.v「『cに点』に変更しようかね」 fafs「s.y.に確認しておきましょ?」 j.v「ですな」 qafopwa「あー、s.になってるのか」 qafopwa「c.でええんやない?」-- 悠里とFAFss #ラネーメ
j.v「バート文字、バート語に存在するkh用の文字がないやん」 fafs「な、なんだってー!?」 j.v「ないです。そして語はあります(khak「父」)」 fafs「kに点を打つのが統一感あってよさげ」-- 悠里とFAFss #ラネーメ
ということで、音韻をまとめていたと思ったら文字を改定していた。フォントとか直さねばなぁ。
ちゃんと音韻もまとめたぞい
とりあえず、ṣとkhに対処せねばな。あと、ビットマップフォントのbhが微妙に気に入らないのでそれを直そう。
まず、過去ログを破壊しないようにすべく、古いやつを_oldというのに改名。
そして書く。
「考察する」をinvestigate.htmlに改名して、index.htmlにはリンク集を貼ることにした。
これで多少はアクセスしやすくなったはずだが、まあまだまだ足らんよなぁ
1-4-8.にあるtaku問題について。
牌tak1や藍taku「服、布」と同根であって、祖語では「縫う」とかの語義も含んでおり、「流れ、繋がり」のような語義としてバート語に入ったという説になった。
ただし、これは(珍しいことに)バート語固有の単語ではなく、後世に周辺言語から借用したものだという説が濃厚となった。以下にその理由をいくつか挙げる。
なお、nuttaはファスマレー(改定試験に通過)ではnuddadだそうで、「重子音は清音のみ許容」という(通言語的にも自然っぽさある)音韻規則があると思われる。ちなみに、重子音の他の例としてはsakkáやnínaccú, accúḷ, rakkúḷなどが挙げられる。woghitについては、まあコーダならtになっても何らおかしくないでしょ。*fokjutだし。アイルでdadoである語はバートではdháradなので、別に有声阻害音を禁じてはいないっぽいが。(今の所コーダに立ってるのはlḷmntzpkṣdであり、dhárad以外は流音か無声かという風潮ではあるが、まあ主格以外は後ろに母音が来るわけだし、普通に保たれたんでしょ)
さて、takuが解決したので、ついに暫定辞書をver2にできる。
語彙集(ver2)csv 語彙集(ver2)csv Googleスプレッドシート
さて、とりあえずOTM-JSON化しますかね
しました。
特に違いは意図していないらしい。ただ、コーパス見るに一般名詞は-homáになりやすく代名詞は-omになりやすいらしい。
肯否疑問文決めてなかった。アイル語とかタカン語とかでどう言うんだろう。
とりあえず、パイグ語のA y mun1? > A yn2?に倣ってA jo ám?でいいか。
hemは鼻母音で読んで良いという話を聞いていたので、音韻メモに追記した。あと、-úḷが-úlとも書かれる話についても記載した。
例文を見ながら、細かい点を記載していく。
「アリス」のlásihomá káṇa jo ríkahomá káṇaḍi hínaを根拠に、「数詞の属格 + 名詞」で「A個のB」であることを明記。また、複数の名詞をjoで結んだときに格変化するのが後ろだけであることも分かるので、それも記載。
「感動詞」と「間投詞」を「間投詞」で統一。辞書も祖語辞書もそうした。
「高低(というか高低と強弱の中間みたいな感じだな。イントネーションですな)をどう付けるか」というのを、PMCFショーケースの動画も参考に設定してみた。作業の様子はこちらにログを残してある。
あと、母音幹単数対格の-dhelが2音節で読まれているので、そういう規則にしよう。語末の-lは[ɾə]と読むということに。あと、普通に語中のlが[ɾ]でも読まれてる気がする。
あ、-úḷが-úlとも書かれる理由ってそれか。本来の語末lは[ɾə]であって[l]ではないので、[uːɭ]と読んでも[uːl]と読んでも通じるのか、なるほど。
ならaはシュワーでは読まんだろうな。æもeっぽさあるし用例ないし不採用でいいか。
とりあえず雑に統合、古いやつはリダイレクトに。
fafs氏と話し、aに[ə]と[æ]を復活させ、wに[v]と[w]を足した。
「冠光―アイル共和国国歌」が漏れていたのでコーパスに収録した。bhán voghitináとなっている箇所をvoghitiná bhánと直してもらった。
また、表記揺れを解消した「正規化コーパス」を作成。
さらに、新たに登場した間投詞áを辞書登録。
1.4.5でsíbhaを「出身, 故郷」、ṣibhaiを「国, 国家」と分離したが、「冠光」ではsíbhaを「国」という用法で用いている。ということで、síbhaは「出身, 故郷, (我が)国」という意味の日常的な語であり、ṣibhaiは「国家」というような感じの比較的正式な語といった風にしよう。
文法書に文字の画像と情報を追加。
文法書をリパライン倉庫のページ(ミラー)の完全上位互換にしたいし、「文化情報」みたいな欄も作るか。文法書としてどうかという話は置いておいて。
まず概要欄を転記。
名前の欄もコピー。
造語とか語法考察とかやっていくよ
hemは無変化動詞なので、過去分詞や未来分詞を形成できない。ということで、「〜であった」とか言いたいときには補充形を使いそうである。さて、何が用いられるだろう、と考えたところ、パイグ語bap「同じ」の同根が使えそうだという気がしてきた。えーと祖語はbaepか。
さて、格支配どうしよう。日本語は「AがBと同じ」、韓国語は「A가 B와 같다」、英語は"A is the same as B", "A is identical to B", "A equals B"、フランス語は"A est identique à B", "A égale B" (mêmeは "A faire le même C que B" という風に使うっぽいので除外)、アラビア語はよくわからんけどとりあえず対格とるっぽい、タミル語はfafs氏曰くA மற்றும் B ஒன்றுதான்だそうで、『「~も~も」って感じ』だそうな。
まあ、通言語的に対格で取らない傾向がそこそこ強いのかもしれない(なお6言語では統計取れるほどの言語数に全くもって届いていない模様)が、égalerとか見るに対格も普通にありそうだな。
j.v「A is the same as BもA is identical to BもA equals Bもあるし、パイグに合わせればええやろ(ええやろ)」 fafs「パイグに合せすぎるなよ(系統細かくは違うんだから)」 j.v「アイル語の文法書と語法書が待ち望まれる」 j.v「タカンも」
ということで、迷った時の鉄則 †ダイスロール† を使うことにした。えーと、実質対格・hínaの2択だと思うので、1, 2, 3なら対格、4, 5, 6ならhína。
6。ということでhínaになった。さて、あとは祖語baepがどうなるか。
唇音 | 歯茎音 | そり舌音 | 軟口蓋音 | |||||
鼻音 | m | |||||||
破裂音 | t | d | k, kk | |||||
gh | ||||||||
摩擦音 | cc | h | ||||||
接近音 | ||||||||
ふるえ音 | r |
z | j |
ということで、bhápúḷ「〜と(hína)同じである」を立てることにしよう。hemの補充形としての役割も果たすという感じで。
んー、もっと漂白してコピュラにしてもいいか。ラテン語stō「私は立つ」が後世でコピュラ化した例もあることだし。
ということで、面白いのでコピュラにしていきたいと思う。bhápúḷ「〜(hína)である」なので、例えば「かつて土手であった土地・領域」はṣomaḍi hína bhápakátá epaとかepa nána ṣomaḍi hína bhápakátáとか表せることになる。
「バート語、時間あたりの情報量密度がかなり低くないか?」と思ったので「アリス」で検証してみよう。単母音・ai・auを1、長母音を2として数えると、"alic sáhomá woghiti cájau ṣomaḍi hína ṣíkahazená hem. ṣiṇṇa, baukká kolidhel cákíkakátá hem."は53で、
アリスは川辺でおねえさんのよこにすわって、なんにもすることがないのでとても退屈しはじめていました。日本語訳(© 1999 山形浩生;クリエイティブ・コモンズ・ライセンス)
は50。ということで、「低いっちゃ低いけど日本語もそんなもんやろ」という感じか。子音クラスタもないし閉音節も限定的だし、まあそんなもんでしょ。たった1文で判断するのもアレだが。
そういえば、「〜から」って造語してないなぁ。作らねば。パイグ語でsak2だし、祖語srakkqから作ることになるのかなぁ。
と思ったら祖語にwosle「〜から」という語があるらしい。タカンではocaだそうだ。じゃあそっちから作るか。
ということで、後置詞oṣa「〜から」を造語。
祖語dradqngを見てみると、
dradqng 集団、団体 dado.ar[名詞]集まり drad>dat2.pk[名詞][動詞]集まり、集団、団体、集まる、集める >dhárad.bt[名詞]連合、連邦、党 dad ng.fs[名詞]集まり、集団、団体 tadu.tk[名詞]集まり、集団、団体
となっていて、-ngの根拠は改定前ファスマレーのdad ngしかない。改定前ファスマレーは滅ぼすことになったので、必然的に-ngの根拠もなくなり、祖語はdradqだったということになった。
造語とか語法考察とかやっていくよpart2
祖語辞書の記載が「ema[後置詞]~のような ~のように (動詞不定形に続いて)~なんて」となっていたので、辞書も修正。
さて、「~のような」って書いてあるけど、「AのようなB」ってどう言うんだろうね。連体修飾って属格と関係詞節と分詞しかないけど。
「AのようなB」ってなんだろう。パイグ語「如」に対応するわけだから比況がメインだろうけど。
「Aに似たB」かなぁ。「火のような色」とか「宝石箱のような景色」とか「子供のような振る舞い」とか。
「AのBに似たB」(「火の色に似た色」「子供の振る舞いに似た振る舞い」)パターンと、「Aそのものに比喩的に似たB」(「宝石箱のような景色」)パターンがあるな。比況と例示の違いなのか?(わかっていない)
「子供のような振る舞い」は「子供のように振る舞う」の名詞化として捉えられるから、emaの意味範囲に収まりそうだよなぁ。「子供のように描く」=「子供が描くように描く」はghátuḍi ema leghúḷだが、「子供のような絵」はどうするか。「子供の描いたような絵」をそのまま訳せばghátuḍi ema leghadína/leghamúná/leghazená/leghabáta leghaと冗長である。まあ代動詞を使えばghátuḍi ema zadína/zamúná/zazená/zabáta leghaと、人称変化がある言語なので過去分詞を使うと作者を特定することになってしまう。
目の前に「子供のような絵」があってもその作者は明らかとは限らないわけで、もっと動作主を漂白した表現が必要である。
別の方面で考えてみよう。
パイグなら「彼は子供のように描く」が「彼如子筆絵」で「子供のような絵」が「如子絵」とか「如子之絵」とかだろう。「タカンのような人」を「如takan」と書いている用例もあるなぁ。とはいえ、「如子之絵」を*ghátuḍi emahomá leghaみたいするのもアレだし。
となると、普通に「AはBに似ている・AはまるでBのようである」(Bは対格)という動詞を立てるのが無難な気がしてきた。なんか使えるのないかなーと思ったら牌cei2,藍ceixei「近」が使えそうだということになった。
ラネーメ祖語に再構されていないので、古パイグsreiを基準にしよう。
s.yと話し合ったところ、祖語形はcrqiでよかろうということになった。その過程で参考にした要素は以下の通り。
さてこれがバートでどうなることやら。動詞なので-úḷがつくことを考えると、*sui > sujúḷから類推するに-júḷなのは確定だろう。末尾でない*qはaになりやすい(*qtaa > adha、*pqra > bhára、*sipql > síbha, ṣibhai)のでaかáかだな、さてどうしよう。
ダイスロールするか。奇数ならa、偶数ならá。3。ということで-ajúḷ。
cr-については、*dradq > dhárad、*srakkq > cákíkúḷから考えるに、c-でいいだろう。
ということで、cajúḷ「AはBに似ている・AはまるでBのようである」を立てよう。さて、対格かhínaか。原義「近い」ならhínaだろ。よし決定。
ついでに、「「「助詞」」」ek「〜らしい, 〜みたいだ」について考えるか。同根語はパイグ「光」とかだなぁ。例文では伝聞で使ってるけど、これって果たして伝聞・推定でしか使えないんだろうか。日本語の語釈だと比況ともとれてしまうが、それだとemaと被るからなぁ。そもそもこの「助詞」ってなんなんだ「助詞」って。まあ終助詞「かしら」みたいなもんと考えればそこまで無理なネーミングではないかもだが。
しかし、文末でしか使えないのかね。「難しいと聞く手術」みたいな言い方ができたら便利ではあるが、まあそういうの表現するのには別の表現を使いそうだなぁ
祖語辞書を「助詞」から「終助詞」に変更、辞書と文法書も変更。
「冠光」足したときに言及し忘れていたが、歌などの場合は動詞の後に名詞が来たり格語尾が落とされたりすることがあることを文法書に書いておこう。格がしっかりしている言語で格語尾が落とせるというのも一見不思議な話だが、まあラネーメですしおすし。
というかṣomaúḷって敬礼の対象を具格に取るのか、謎だ(謎だ)
まあ日本語の「〜である」の「〜で」も形態上具格っぽく見えたりするかもしれないし、そんなもんでしょ(?)
調べてみたらロシア語の具格の用法が思いの外広かった。うむ、全く問題なさそうだな。
文法書の「イントネーション」で出てくる文節が2つの単語から構成されるのは「名詞後置格+後置詞」「不定詞+後置詞」「名詞主格+接続詞」だが、ここでいう接続詞は文と文を繋ぐṣiṇṇa(しかし)などではなく名詞と名詞を繋ぐjo(または)などである。
もしかするとṣiṇṇaに名詞と名詞を繋ぐ用法があったりするかもしれないが、そうでないなら品詞の名前は分離したい。
「文接続詞」vs.「名詞接続詞」でいいか。
長くなったし、アドベントカレンダーの記事にもしたいので分離。
まとめた表がこちら。
造語とか語法考察とかやっていくよpart3
ないですね。パイグとかは「此」で言えるんだろうけど。(あれ、辞書に載ってない。足しとかねば)
j.v「代名詞も考えたんだけど、『彼(かれ)の時』と『この時』って別物な気がするんよ」 fafs「なるほどなぁ。…いや、でも『彼(か)の時』と読めば」 j.v「それは思ったけど、人称変化を変える民族なわけだし分かれそうな気が。ということで日本語の連体詞・韓国語の冠形詞と同様の『形容詞』判定にしたい」-- Skype通話
と思ったら、パイグ「此」と同根なのはバートではko「これ」だから人称は問題ないやん。
あ、そうだ、ko -omの縮約でkomとして形容詞として辞書に載せよう。「これの」はkohomáですな。
ghが[ɡʱ]じゃなくて[ɣ]になってしまう傾向があるので、異音として許容することにした。
辞書にある動詞を「動作動詞」「瞬間動詞」「状態動詞」に分けていこう。「瞬間動詞」「状態動詞」にする場合は例文と要相談。
単語 | 語義 | 判定 |
accúḷ | 書く | 動作動詞 |
aḍuhazoúḷ | 見る, 観測する | 動作動詞 |
ákúḷ | 読む | 動作動詞 |
bhárúḷ | 風が吹く、感染症にかかる、風邪になる、病気になる、カビが生える | 瞬間動詞[0][1] |
bhátúḷ | ~を話す、喋る | 動作動詞[2] |
bhomúḷ | 取る、持つ | 瞬間動詞[0][3] |
bohúḷ | 行く | 動作動詞 |
去る | 瞬間動詞[3][4] | |
cákíkaúḷ | 〜を訪れさせる | 動作動詞 |
cákíkúḷ | 来る、訪れる、来訪する | 動作動詞 |
〜(oṣa)が出身地である | 状態動詞[5] | |
hemúḷ | ある、存在する | 状態動詞[6] |
horúḷ | 書く、記録する | 動作動詞 |
kádúḷ | 光る、目立つ、〜が分かる | 瞬間動詞[0] |
leghúḷ | 絵を描く | 動作動詞 |
rakkúḷ | 生きる、生存する | 状態動詞[7] |
ṣíkahúḷ | 座る | 瞬間動詞[0][8] |
ṣomaúḷ | 〜(具格)に対して敬礼する | 動作動詞 |
ṣomúḷ | 積む、積み上げる、功績を上げる、結果を出す | 動作動詞 |
sujúḷ | 使う、利用する | 動作動詞 |
suúḷ | 商う、商売をする | 状態動詞[9] |
zeúḷ | 巻く、回す | 動作動詞 |
zúḷ | する、行なう | 動作動詞 |
bhápúḷ | 〜(hína)である | 状態動詞 |
cajúḷ | 〜(hína)に似ている・まるで〜(hína)のようである | 状態動詞 |
さて、ここまではいい。残るはheyáúḷ「思う、(動詞節を取ってheyákáṣlo)~だろうか」である。例文を見てみるか。
後者は動作動詞の過去形完了相でいいでしょ。ちなみにユーゴック語は現在時制完了相らしい。まあバート語にそんなものはない。さて、問題は前者である。
単純にして、kodhel sujúḷ heyákáṣlo.「これを使うだろう。」を考えよう。逐語訳すると、「これを使うことがheyáúḷするだろう。」うーん。
考えたが、良い案が思いつかないので、単純に「動詞」とすることにした。だって未来形でしか使わないもん。
さて、これで終わり…と思ったが、前に造語したhuṭeúḷ「始まる」とcánajúḷ「気づく、知る;気づいている、知っている」を辞書に足さねば。「始まる」と「気づく、知る」はは瞬間動詞、「気づいている、知っている」は状態動詞。
造語されていないなぁ。というかthis/thatなのか「これ」「それ」「あれ」なのかも考えなきゃ。
タカンは3つらしい、じゃあバートも3つでしょ。
意味 | パイグ | タカン | アイル | バート |
これ | ka1 | ka | ko | |
それ | ze1 | ti | tisi | |
あれ | zap2 | ki | kisi | |
どれ | nan2 | cu | susi | nána |
タカンでiになるやつってバートだとどうなんだろう。アイルのinusiがタカンでinuci、パイグでnut2だったりするそうな。アイルnimutu、タカンnicu、パイグnim2、バートnímaṣというパターンも。
考えるのが面倒になってきたので、tíとkíで確定させてしまえ。
kíは「彼」に衝突するなぁ。まあいいか。人称変化するから人なのか物なのか分かるし。
複数形どうしよう。「彼」の場合は複数はkíṣloだけど、「あれ」の場合はkízáになったりするのだろうか?
逆に、koやtíがkoṣloやtíṣloとなるという説も面白そうだな。
よし、ダイスロール!
2が出た。ということで、規則複数で行きましょう。
あ、そういえば「彼ら」ってkíṣloじゃなくてkiṣloなのか、知らなかった。
-báṣlo, -káṣloがóになっていたのを修正。
時制のところを執筆。
そり舌音の後のiは当然[ɨ]なのでそれを加筆。
jekto.vatimelijuの「アリス」暗記チャレンジというのをやってみた。気づいたことを幾つかメモっておこう。
ツイートにも書いたが、語末のaとáの区別があやふやすぎるのでちゃんと覚えなくてはいけない。
「彼女の姉」なのにkáhomáじゃなくてsáhomá「女の姉」なのな。もしかしてこれって「女兄弟」の意図だったのだろうか?fafs氏に確認してみないとな。
「ká ṣomazená káom síbhaḍi hína. 彼女は彼女の故郷で功績を上げた。」とかがあるのでkáomやkáhomáとは普通に言えるっぽいしなぁ。
「女兄弟」の意図なら、属格の用法についても考えないといけない。
主格・対格とかの方が後置格+後置詞より前に出る傾向があるっぽいですね。書いとこう。
「aghauṭadhel nána sáhomá woghit ákaze aḍuhazozená hem. 姉が読んでいる本を見た」という部分から見るに、関係節の時制は「事象の起こったときから見た時制」で書くのだなぁ。aḍuhazozená hemが起こっているタイミングではákúḷという動作が行われているので終止詞が使える。
原文 | 翻訳 | 備考 |
So | tíḍi 〜を原因として | 「そのため」 |
she was considering | ká heyáúḷ hemakátá hem | 不定詞は非生物なので-kátáであることに注意 |
in her own mind | káom 心ḍi hína | 「中」は訳出不要と判断 |
(as well as she could, | ṣiṇṇa kom 思考ḍi hína 限界 hemakátá hem. | 訳しづらいので「しかしこの思考には限界があった」と言い換え |
for the hot day made her feel very sleepy and stupid) | káom amáma 眠さ と 愚かさḍi nána 暑さ cákíkaká 〜を原因として | 前述の言い換えに合わせ、「暑さがもたらす彼女の大きな眠さと愚かさのせいで」と表現。原文で地の文もmadeも共に過去形であることから、終止詞で訳す。名詞接続詞の前の格語尾は落ちることにも注意 |
(considering) whether A would be worth B | A B-dhel 勝るúḷ jo ám ema (heyáúḷ) | 肯否疑問文「V jo ám?」を直に埋め込んで肯否間接疑問文。heyáúḷの意味上の目的語は(第一段落にあったように)emaで受けるので、「勝る」を不定詞にしてemaをつける |
the pleasure of making a daisy-chain | 楽しみ nána 花homá 鎖dhel 作るzebá | 思考の時点では花の鎖を作る動作が開始していないので未来分詞。「花dhel 鎖ghi 変えるzebá」でもいいかもな |
the trouble of getting up and picking the daisies | 面倒dhel nána 起き上がるzebá そしてその後 花dhel 摘むzebá | 分詞は名詞ではないので名詞接続詞「〜と」では結べないことに注意。前行と同様の理由で未来分詞 |
(was considering, ) when | tíom káṇaḍi hína | 長過ぎる1文を嫌うので、一旦文を切って「その時、」と続ける |
suddenly | 突然 | 副詞ってどう造語しような。用言で用言を修飾する表現を組み込んでそれで言うという手もあるが |
a White Rabbit with pink eyes | ピンクいkátá adhadhel bhomakátá 白いkátá 兎 | sáhomá woghitiが性質属格であるという結論が出た場合は、「ピンクhomá」でもアリだな。原文では固有名詞扱いだが、ここで人名接尾辞を使うのも違う気がするので一般名詞として翻訳 |
ran close by her | kábhau 〜の近くḍi hína 走るkátá. |
動詞にすることも考えたが、「kábhau(なんか具格の気分だった) 〜に場所的に近いbhápakátá epaḍi hína」は流石に冗長と判断。で、せっかくなので「Aの上」「Aの近く」とかは属格ではなく具格を取るということにした。韓国語だと無格縛りになってたりするし、属格じゃなくてもいい気が…と思ったが、現状の規則だと具格って動詞しか修飾できないのか。よかろう、規則追加だ。 今見てきたら「そもそも具格が何を修飾するか」すら書いてなかったな |
結果:
tíḍi 〜を原因として 楽しみ nána 花homá 鎖dhel 作るzebá 面倒dhel nána 起き上がるzebá そしてその後 花dhel 摘むzebá 勝るúḷ jo ám ema ká káom 心ḍi hína heyáúḷ hemakátá hem, ṣiṇṇa káom amáma 眠さ と 愚かさḍi nána 暑さ cákíkaká 〜を原因として kom 思考ḍi hína 限界 hemakátá hem. tíom káṇaḍi hína 突然 kábhau 〜近くḍi hína ピンクいkátá adhadhel bhomakátá 白いkátá 兎 走るkátá.
造語は後でやるが、辞書に加筆した部分についてメモ
しかし、hínaの頻度本当に高いなぁ、これ本当に毎回わざわざ[xi:na]って言っているんだろうか。というか、今は単数だからまだしも、複数だと-iná hínaとか-dhíná hínáとかになるぞ、流石にアレでは。
うーむ、普通に日常会話だと縮約されそうだな。考えてみるか
-(a)dínaは一人称過去分詞と衝突するっちゃするが、使用状況も違うし衝突してもおかしくないよなぁ
よし、「複数の場合は縮約は義務、単数の場合は縮約は口語的」としよう。今までの例文では単数しか出てきていないので問題ない。
tは語頭に立ちませんが。修正の対象ですね。diにしましょう。
原文 | 翻訳 | 備考 |
There was nothing so VERY remarkable | とても とても 珍しいakátá ものたち ám hemakátá hem | 強調は畳語 |
in that | koḍi hína | hemúḷなので当然hína |
; nor did Alice think it so VERY much out of the way | そして, alic ám とても とても 不思議に思うzená hem. | 「不思議に思う」は一語ということにする |
to hear the Rabbit say to itself, "A" | 兎 自身ḍi ghi bhátúḷ, "A", kodhel ká 聞くúḷ ema | 「〜に対して話す」といった、対象が目標になるような動作はhínaよりもghiで受けるってことにしたい。「花dhel 鎖ghi 変えるzebá」もそれ。最後のemaは「不思議に思う」の意味上の目的語。不定詞は格変化できないので、不定詞を対格にしたいときには一旦-úḷと書いてからこれをkodhelで受けることにしよう。 |
`Oh dear! Oh dear! I shall be late!’ | há káṇa! há káṇa! 遅刻であるdíha hem! | 文脈と人称変化で分かるのでápa訳出不要。状態動詞の未来形なのでhemは義務。時間に追われているときにバート人は「おお時間よ!」と言うらしい。 |
when she thought it over afterwards, | 後homá káṇaḍi nána koḍi ema 再び heyáze hína, | 関係節なので相対時制。日本語につられて過去時制にしないよう注意。 |
it occurred to her that she ought to have wondered at this | 事実dhel nána ká kodhel 不思議に思うúḷ 〜べきであるbhápakátá hem ká cánajazená hem. | 時制をしっかり追いかけよう。「彼女は過去(時刻C)にある事実に気づいた(瞬間動詞過去形)」で、関係節なので中身は「時刻Cが現在」という視点。時刻Aに「喋る兎に遭遇する」という事象があったので、時刻Bに『これを不思議に思うべきである』という状態にあり、しかしそのことを現在時刻Cに気づいた、という構造。これは「過去の特定の時点(時刻B)より昔(時刻A)に『〜する』の点があった結果、過去の時点(時刻B)で『〜である』の点にいた」の構造なので、語幹-bháp-過去分詞語尾 (+hem任意)である。関係節の終わりを明言するのに便利なので、意味上は要求されないhemを書いている。 「〜べきである」をどういう扱いにするかというのはこれから考える。 |
but at the time it all seemed quite natural | ṣiṇṇa, díom káṇaḍi hína ká dízá 全て とても 自然であるúḷ ema heyázená hem. | díom káṇaḍi hínaは「時刻Bに於いては」であることに留意すると、「当時は〜と考えていた」というだけなので過去分詞+hemで十分。これを語幹-bháp-過去分詞語尾 + hemにしてしまうと
「しかしながら、その時に於いては彼女はそれらを全てquite naturalであると、当時から考え終わっていた経験があった。」となってしまって合わない。 なお、こことかalic koḍi ema heyázená hem.とかにhemがついているのは、hemをつけないと「考える作業の最中であった」になるからである。ただ、そこまで考えなくとも、物語を語るときはだいたいhemをつけておけばいいというのもあって、実際第二段落最後の「走るkátá.」(consideringしている最中に走りという行為が突然入ってきているのだからhemは不適)以外は文末にhemがついている。 |
結果:
koḍi hína とても とても 珍しいakátá ものたち ám hemakátá hem. そして, 兎 自身ḍi ghi bhátúḷ, "há káṇa! há káṇa! 遅刻であるdíha hem!", kodhel ká 聞くúḷ ema alic ám とても とても 不思議に思うzená hem. 後homá káṇaḍi nána koḍi ema 再び heyáze hína, 事実dhel nána ká kodhel 不思議に思うúḷ 〜べきであるbhápakátá hem ká cánajazená hem. ṣiṇṇa, díom káṇaḍi hína ká dízá 全て とても 自然であるúḷ ema heyázená hem.
原文 | 翻訳 | 備考 |
but when the Rabbit actually TOOK A WATCH OUT OF ITS WAISTCOAT- POCKET, and looked at it, and then hurried on, | ṣiṇṇa, káṇaḍi nána 兎 なんとまあ 時計dhel díom チョッキhomá ポケットḍi oṣa 取り出すká, そしてその後 kodhel ákaká, そしてその後 走るká hína, | 関係節は相対時制 |
Alice started to her feet, | alic 立ち上がるzená hem, | |
for it flashed across her mind that she had never before seen a rabbit with either a waistcoat-pocket, or a watch to take out of it | チョッキhomá ポケット jo 時計dhel nána kom epaḍi oṣa 取り出すká bhomakátá 兎dhel ká ám aḍuhazobhápazena 事実dhel 突然 cánajúḷ 〜を原因として. | また時制地獄である。「〜という事実に突然気づいた(@時刻C)ということを原因として」だと地獄が深いので、「〜という事実への突然の気づきを原因として」と不定詞で対処。「チョッキのポケット、またはこの場所(=チョッキのポケット)から取り出す(関係詞なので終止詞)時計を持っている(状態動詞現在形)兎を彼女は「過去の特定の時点以前に見た結果、過去の段階で見た経験を持っていた(動作動詞大過去)」ではなかった(=見たことがなかった)という事実への突然の気付きを原因として。」 |
and burning with curiosity, | そしてその後 amáma 好奇心ḍi cájau | 時制がこわいので動詞はできるだけ避けよう |
she ran across the field after it, | ||
and fortunately was just in time to see it pop down a large rabbit-hole under the hedge. |
sáhomá woghitはやはり「女兄弟」の意図なのかもしれない、ということになった。
さて、私が「アリス」を読む時に(大文字=高い)Alic sáhomÁ woghiti cájAUではなくAlic sáhomá woghiti cájAUと読む習慣がついてきた。lásihomá káṇa jo ríkahomá káṇaḍi hína は依然として lásIhomÁ káṇa jO ríkAhomÁ káṇaḍi hínA なので、性質属格の場合は例えばsáhomá woghit全体で1文節という仕様にしよう。日本語の「男の子(Votokáwnokaw)」[a boy] vs. 「男の子(Votokaw-no Kaw)」[a man's child]みたいな感じですな。
バート語は比較的開音節優勢の言語であるが、タカン語ほど開音節縛りが厳しいわけではない。具体的にどのような閉音節が出てくるか見てみよう。バートぐらいなら全列挙できるなぁ
ふーむ。-nt-とかすら無いのか。
さて、となると、バート語での閉音節に関しては「子音幹名詞の主格」と、あと「動詞の命令形」を考えていけばよい。
19-1.に書いた「úḷの前に来る音一覧」を(bhápúḷを追加して)掲載すると
唇音 | 歯茎音 | そり舌音 | 軟口蓋音 | |||||
鼻音 | m | |||||||
破裂音 | p | t | d | k, kk | ||||
gh | ||||||||
摩擦音 | cc | h | ||||||
接近音 | ||||||||
ふるえ音 | r |
z | j |
子音幹名詞の語末に来ている子音でこの表に載っていないのはnとṣだけである。逆に、子音幹名詞の語末にあるのは
唇音 | 歯茎音 | そり舌音 | 軟口蓋音 | |||||
鼻音 | m | n | ||||||
破裂音 | p | t | d | k | ||||
摩擦音 | ṣ | |||||||
接近音 | ||||||||
ふるえ音 |
z |
である。
あとは命令形を解決していけばいい。とはいえ、まあまあ案件あるんよね
さて、accúḷとかrakkúḷとかの命令形はどうしようか。
fafs氏と話した結果、「/assə/や/rakkə/と発音するけどaccやrakkと表記する」ということで良さそう、となった。
しかし、よく考えてみると、バート文字で書いた場合はaを消すほうが手間だったりするわけだ。
ということで、「accやrakkと表記するのが規範だが、発音と一致しないこともあり、あまり守られない」という仕様にする。
fafs「言語って感じだ」 j.v「わかる」 fafs「言語になってきたなぁ」
cánajúḷ /saːnajuːɭ/ の命令形 /saːnai̯ ~ saːnɛː/ は#アンケート #bhaataan
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2017年12月20日
fafs「jって音節末に来ないっぽさあるし、cánajúḷの命令形はcánaiにしたさある」 j.v「問題はsujúḷの命令形なわけだが」 fafs「あー、どうしようなぁ」
子音幹名詞で-jで終わるのがあったりするんだろうか。あった場合、後置格-iがついた場合はどうなるのかという問題があるが、それなら母音幹は-ai、子音幹は-ajと書いたほうが合理的ではある。別に合理的である必要はないが。
とりあえず、
個人的には、音声面では語末に/j/(とか/y/)は立たない気がしていて、しかし正書法でそれをどう表現するかは非自明かなぁ、という感じ。
fafs「sujは気持ちわるいと思います」 j.v「わかる。じゃあどうなんだろう」 fafs「suja…はなんかイヤだなぁ」 j.v「なんかなぁ」 fafs「su…もなぁ」 j.v「suúḷと衝突するからなぁ」
などなど、なかなか結論が出なかったが、ラネーメ祖語の命令語尾*-zeに二人称も-mú-が融合した接尾辞-´zemを使うことになった。
fafs「*-ze+-mú~ -> -zem sujúl(Vj形動詞) -> súzem」 fafs「Vj形動詞 -Vj -> 語幹動詞を長音化し、-zemを付ける。 Aj形動詞 -aj -> -ai(?) 一般動詞 úḷを除くだけ」
cánajúḷについては、発音は/saːnai̯ ~ saːnɛː/であって、綴りについてはいつもの「標準的な綴りとしては規則を重んじてcánajと書くが、音声に合わせたcánaiという表記も比較的見られる」ということにしよう。
祖語辞書には完了連用接続-kjq-と非完了連用形接続-mq-がある。今のところ採用している言語はないが、ちょうどバート語に用言で用言を修飾する表現が欠けているし、採用してみようかなぁ
ということを結構前から思っていたが、acrossを訳すのに使えそうなので採用を考えて行きたい。
問題は、時制を導入するかどうかである。ダイスロールですな。偶数なら導入。
4。導入!(通話にあふれる哀しみの声)(時制地獄は終わらない)(「大丈夫、その苦しみをきっとタカン語が和らげてくれるはず」)
さて考えていきましょう。人称は流石に要らない。
時制があるということなので、完了連用接続と非完了連用形接続をそのまま継承すればよかろう。
祖語fokjutがwoghitだし-kjq-も-ki-…うーん、語中だし-ghi-かもなぁ。-mq-は-ma-でよかろう。
なんか後ろにつける必要あるかな、無いよね。
ということで、-(a)ghiで「〜し終わって」、-(a)maで「〜しながら」ですかな。
原文 | 翻訳 | 備考 |
she ran across the field after it, | 野dhel 横切るma 走るma ká dídhel 追うzená hem. | さっそく-maである。「兎を追いかけて走った」がちょっと言いづらいので「兎は走って追った」と表現。 |
and fortunately | そしてその後 幸運ḍi cájau | 「幸運を伴って」。cájauは便利。 |
was just in time to see it pop down a large rabbit-hole under the hedge. | káṇaḍi nána 兎 垣根bhau 下homá amáma 巣穴ḍi ghi 跳ねるma 入るká hína 折よく kodhel aḍuhazozená hem | 「垣根の下」は基準具格。「下ḍi hína hemakátá 巣穴」は冗長なので性質属格で「下homá 巣穴」だが、amámaが挿入されているので文節は分断される。飛び込む対象・目標なのでghi。「ちょうど間に合った」が訳しにくいので「〜する時間においてちょうど此を見た。」と。 |
よーし終わった。後は造語だ
上記の「兎 自身ḍi ghi bhátúḷ, "A", kodhel ká 聞くúḷ ema」で出てきたが、不定詞は格変化できないので、主格と後置格以外の場合は直後にkoを置いてそれを格変化させることとする。
別に用言が後ろに連なる形というわけではなく、あくまで副詞節を作るための表現なので、「連用」という呼び方ではなく「状況副詞化語尾」と呼ぶことにしよう。
子音で語幹が終わるときにaが挿入されることが記載されていなかったので記載。
suddenlyの翻訳のところで「副詞ってどう造語しような。用言で用言を修飾する表現を組み込んでそれで言うという手もあるが」と書いてあるが、状況副詞化語尾が導入されたしそれを使うかなぁ
最終確認である。まずは翻訳
alic sáhomá woghiti cájau ṣomaḍi hína ṣíkahazená hem. ṣiṇṇa, baukká kolidhel cákíkakátá hem. lásihomá káṇa jo ríkahomá káṇaḍi hína ká aghauṭadhel nána sáhomá woghit ákaze aḍuhazozená hem. ṣiṇṇa, legha jo cepatepa aghauṭaḍi hína ám hemakátá hem. "há, kodhel nánaḍi hína sujúḷ heyákáṣlo?" alic koḍi ema heyázená hem. "legha jo cepatepa ám hemúḷ ema."
díḍi 〜を原因として 楽しみ nána 花homá 鎖dhel 作るzebá 面倒dhel nána 起き上がるzebá そしてその後 花dhel 摘むzebá 勝るúḷ jo ám ema ká káom 心ḍi hína heyáúḷ hemakátá hem, ṣiṇṇa káom amáma 眠さ と 愚かさḍi nána 暑さ cákíkaká 〜を原因として kom 思考ḍi hína 限界 hemakátá hem. díom káṇaḍi hína 突然 kábhau 〜近くḍi hína ピンクhomá adhadhel bhomakátá 白いkátá 兎 走るkátá.
koḍi hína とても とても 珍しいakátá 出来事たち ám hemakátá hem. そして, 兎 自身ḍi ghi bhátúḷ, "há káṇa! há káṇa! 遅刻であるdíha hem!", kodhel ká 聞くúḷ ema alic ám とても とても 不思議に思うzená hem. 時間的な後homá káṇaḍi nána koḍi ema 再び heyáze hína, 事実dhel nána ká kodhel 不思議に思うúḷ 〜べきであるbhápakátá hem ká cánajazená hem, ṣiṇṇa, díom káṇaḍi hína ká dízá 全て とても 自然であるúḷ ema heyázená hem. ṣiṇṇa, káṇaḍi nána 兎 なんとまあ 時計dhel díom チョッキhomá ポケットḍi oṣa 取り出すká, そしてその後 kodhel ákaká, そしてその後 走るká hína, alic 立ち上がるzená hem, チョッキhomá ポケット jo 時計dhel nána kom epaḍi oṣa 取り出すká bhomakátá 兎dhel ká ám aḍuhazobhápazena 事実dhel 突然 cánajúḷ 〜を原因として. そしてその後 amáma 好奇心ḍi cájau 野dhel 横切るma 走るma ká dídhel 追うzená hem. そしてその後 幸運ḍi cájau káṇaḍi nána 兎 垣根bhau 下homá amáma 巣穴ḍi ghi 跳ねるma 入るká hína 折よく kodhel aḍuhazozená hem.
「花homá 鎖dhel 作るzebá」、この用法で属格を使うのか?とも思ったがamilahomá nuttaがあるし問題はなさそう。でも「kodhel díḍi ghi 変える」もついでに造語しておこう。
「but at the time it all seemed quite natural」の部分はピリオドからコンマに変更。直後の「but when the Rabbit actually 〜」と競合しないようにするためである。
「珍しいakátá ものたち」を「珍しいakátá 出来事たち」に変更。
そして造語予定リスト。
【後置詞】〜を原因として 【名詞】楽しみ --【状態動詞】楽しい 【名詞】花 【名詞】鎖 【動作動詞】〜(対格)を作る 【名詞】面倒 -- 【状態動詞】面倒だ 【動作動詞】起き上がる 【文接続詞】そしてその後 【動作動詞】(花を)摘む 【状態動詞】〜(対格)に勝る 【名詞】心 【名詞】眠さ -- 【状態動詞】眠い 【名詞接続詞】と 【名詞】愚かさ -- 【状態動詞】愚かだ 【名詞】暑さ -- 【状態動詞】暑い 【名詞】思考 【名詞】限界 【副詞】突然 【名詞】〜(具格)の近く -- 【状態動詞】〜(具格)に場所的に近い 【名詞】ピンク色 【状態動詞】白い 【名詞】兎 【動作動詞】走る 【副詞】とても 【状態動詞】珍しい 【名詞】出来事 【文接続詞】そして 【名詞】自身 【状態動詞】遅刻である 【動作動詞】聞く 【動作動詞】不思議に思う 【名詞】時間的な後 【副詞】再び 【名詞】事実 【副詞】全て 【状態動詞】自然である 【間投詞】なんとまあ 【名詞】時計 【名詞】チョッキ 【名詞】ポケット 【動作動詞】取り出す 【動作動詞】立ち上がる 【名詞】好奇心 【名詞】野 【動作動詞】横切る 【動作動詞】追う 【名詞】幸運 【名詞】垣根 【名詞】下 【名詞】巣穴(→理語に借用される予定) 【動作動詞】跳ねる 【動作動詞】入る 【副詞】折よく
さて、造語に入ろうと思ったが、2つほど整理しないといかん点があるので考察する。
上記には「事実」と「出来事」が出てくる。どちらも日本語では「〜すること」と訳すやつである。私の頭の中では使い分けができている気がするが、母語で同じなので間違えている可能性があるのと、あとちゃんと言語化しておきたいので、整理する。
原文 | 翻訳 |
it occurred to her that she ought to have wondered at this | 事実dhel nána ká kodhel 不思議に思うúḷ 〜べきであるbhápakátá hem ká cánajazená hem. |
for it flashed across her mind that she had never before seen a rabbit with either a waistcoat-pocket, or a watch to take out of it | チョッキhomá ポケット jo 時計dhel nána kom epaḍi oṣa 取り出すká bhomakátá 兎dhel ká ám aḍuhazobhápazena 事実dhel 突然 cánajúḷ 〜を原因として. |
There was nothing so VERY remarkable in that | koḍi hína とても とても 珍しいakátá 出来事たち ám hemakátá hem. |
「事実」の方はcánajúḷとのみ組み合わせて使っている。「出来事」の方は「事象」とも言えそうだなぁ。
「事実」は「事象が存在すること」である、と言いかえればいいかなぁ。うーん。
というか、現状の用例だとcánajúḷの方も「事実」としか組み合わせていないのか。ならcánajúḷの方の意味を調整して「事実」の定義に合わせてもいいかもな
なんか、客観的・点的な、時間や空間上の位置を指定できる特定の現象を受けるのが「事象」、人の認識・判断が入るような、過去の事象についての人の判断のような、ものは「気づく」と組み合わせる「事実」なのかなぁ。
となると「事象;出来事」と「事実」という訳語がよろしくないので、うまい訳も考えなきゃな。
いわゆる「助動詞」みたいなものを使いそうですな。zúḷ heyákáṣloみたいな。
辞書ではheyákáṣloの用法は動作・瞬間・状態と指定されない無標の「動詞」だが、なんかそれっぽい呼び方を考えたいなぁ。
さて、「すべきである」。うーん。後回しだな。
バートの体系って基本的に
という構造になっている。その体系に当てはまらないbaukká・-ṣlo・káḷdって何なんだろう、という疑問を抱いた。
baukkáについては、歩きながら考えたところ、「もともとbaukhá /bau̯kʰaː ~ bau̯kxaː/だったのではないか」という案が思いついた。祖語はmomorqであって祖語のrはバートでghになれることからも支持される。khってfafs氏の書いた文字資料に欠けていたけど、これって「もともとは帯気音の/kʰ/ではなく破擦音の/k͡x/として意識されていて、kの字とhの字として書かれていたからではないか?」という後付け説明ができるのでは。まあ/kʰ/と/k͡x/を区別する言語とか無さそうだが。
なお、rakkúḷは祖語srakkqなので普通の長子音である。これはraQ-kú-ḷなので体系に普通に合う。
というか、「-ṣloが-ṣ/loって切れて閉音節」という解釈が誤りな気がする。閉音節は語末でもない限り基本的に短母音の後にしか発生しないので、-káṣloとかある以上、ṣlがひとまとまりでonsetだと考えるほうが自然。祖語nimslu, slikau, sljoomq, wosleはそれぞれnímaṣ, ṣíkahúḷ, ṣom-, oṣaになったわけだが、こいつらってもともとṣlと発音されṣlと綴られていたりしたのではなかろうか。祖語辞書で-sl-と書かれるのはバート語の表記に由来したのではあるまいか。
cun^laとかsaphakuとかはもともと/ʃ/であり(当時は/ʃ/はṣと書かれていたのだなぁ)、nimsluなどはṣlと書かれ/ʂ ~ ʂɻ/だったのでは。後に/ʃ/と/ʂ ~ ʂɻ/は合流し/ʂ/となったが、-ṣloでは/ʂɻ/であり続けた。後に綴り字が整理され、ṣl /ʂ/ は同音でありより単純である綴りであるṣ /ʂ/ と書かれるようになったが、/ʂɻ/である-ṣloはそのまま残ったのでは。
ちなみに、紛らわしいかもしれないが祖語のsr-は普通に/s/か/z/ですな。cákíkúḷとかsakkáとか。まあそもそも/ʁ/ですし。
さて、そもそも、-ṣloって音声上-ṣḷoでは?なぜ-ṣloって書く/書いたんだろう。ドットが2つ続くときは後ろを落とすのだろうか?それならkáḷdも説明できる気がする…いやでもṣiṇṇaという例外があるからなぁ。
「まあ、いつもの『表記揺れ』にしようかなぁ」と思ったが、せっかく歴史設定作ったし考えるか。ṣlはもともと/ʂ ~ ʂɻ/である以前は/sl ~ sɹ/であってclと書かれていたのでは。それが/ʃ/のような音に近づいたことによって、それを明記すべく点をつけてṣlと綴るようになったのかもしれない。
よりにもよって「冠光」にあるやん。
まあ、属格語尾すら落ちている「冠光」に今更何を言うかという話ではあるな。普通にこの場合は/rak/なんでしょう。
以下の3つの理由により、kádに変更したい。
kádなら全て解決できる。
ちなみに、私は最初káḷdaにすることも考えていたが、結局体系に合わない(-ḷd-はともかく、長母音の開音節縛り(言語学ではsuperheavy syllableの禁則と言うらしい)は強いので)し、語源に合わないし、あと「冠光」の音節数にも合わなかったりする。
ちなみに理語辞書とかで参照されていないことは確認済みである。
ということで通話をした。
fafs「一つぐらい例外あってもよくない?」 j.v「いや、katならいいんだけど改定前ファスマレーがkodなので。んでḷはこのo由来としか取れない」 fafs「あー、単語自体が」 j.v「そゆこと」 fafs「はい廃止ですね〜例外が消えるぞやったー」
無事廃止。「冠光」も直さねば。
母音幹名詞で末尾が-áなのって、一音節語bhá・ká・sáしかないんよね。
まあ、アレですよな。もともとは完全な「CV・CVV・CVQ」の構造だったのが、語末の-aは落ちて今の子音幹名詞となり、その穴を埋めるべく語末の-áは短くなったんでしょうな。
ちなみに、「単音節の名詞は必ず長母音だったりするんだろうか」と思って調べてみたが、suとkhakが例外。まあ「長い傾向がある」ぐらいか。
音韻的体系が分かったところで、今度こそ造語をしていきましょう。
「巣穴」を理語に借用したいから早く作ってくれ、と言われたので作る。
とりあえずアイルを見ると、
blici {B}巣;《転》すみか,ねぐら pogau 野うさぎの巣 yotue 野うさぎの巣
とかがありますな。
fafs「bliciは鳥の巣とかも指しそう」
ということでpogauかyotue。ダイスロールしたところpogau。
pouje.ar <=> bhán.bt phedu.ar <=> bhát.bt phoobo.ar <=> bhoma.bt pura.ar <=> bhára.bt
とまあ、根拠しかないので頭子音はbh。foku.ar <=> woghit.bt を見てもkoli.ar <=> koli.btを見ても、po-はbho-でまあよさそう。
j.v「gについてはkaga.ar <=> káṇa.btがあったりする。」 fafs「あ、gがṇになるのか」 j.v「祖語^ng由来ですね」 fafs「なるほどね」 j.v「ちなみに、私も今知りましたが、実はバートに現在gは無いです」
auについては、cikau.ar <=> ṣíkahúḷ.bt;chauchu.ar <=> zúḷ.bt。うーん。
hはどこから生えてきたのだろうか。
j.v「最後のauは前例も理由もないし-auでいいと思うが、cikau.ar <=> ṣíkahúḷ.btが気になるなぁ。これ *ṣíkawúḷ > ṣíkahúḷかなぁ。」 fafs「なるほどなぁ」 j.v「となると、命令形はṣíkauにしたいですよね」 fafs「あーー言語だ、いいぞー」 j.v「言語だなぁ」
まあ、ともかく、単語はbhoṇauになって、理語ではphornauと借用されることになった。
造語リストを品詞別に並べるとこんな感じである。
【副詞】 5語 | 【動作動詞】 12語 | 【名詞】 20+6語 | 【状態動詞】 5+6語 | その他 5語 |
とても 全て 再び 折よく 突然 |
(花を)摘む 〜(対格)を作る 不思議に思う 入る 取り出す 横切る 立ち上がる 聞く 走る 起き上がる 跳ねる 追う |
チョッキ ピンク色 ポケット 下 事実 兎 出来事 垣根 好奇心 巣穴 幸運 心 思考 時計 (時間的な)後 自身 花 野 鎖 限界 |
〜(対格)に勝る 珍しい 白い 自然である 遅刻である |
【名詞接続詞】と 【後置詞】〜を原因として 【文接続詞】そして 【文接続詞】そしてその後 【間投詞】なんとまあ |
〜(具格)の近く 愚かさ 暑さ 楽しみ 眠さ 面倒 | 〜(具格)に場所的に近い 愚かだ 暑い 楽しい 眠い 面倒だ |
とりあえず「全て」から…と思ったが、造語をここで始めると「考察する」が埋まるので、造語は別ファイルに分けよう。
coin.htmlを立てた。
文法面としては、そういえばṣíkahúḷの命令形ṣíkauについて書いていなかったなぁ。bházahúḷも造語されたし書いておくか。
ṣlを単一の子音として載せておいた。
後置詞で詰まったので頻度解析。ちなみに、単語の一覧はdat.words.map(a=>a.entry.form).join(",")
で取得するのが早い。
Google Spreadsheetはこちら。-úḷとか外来語とかは取り除いてある。
a 92 á 83 o 31 e 27 í 20 i 15 u 11 ú 8 au 6 ai 5 m 41 k 37 n 34 bh 22 h 20 z 16 t 14 b 11 c 10 d 9 l 9 gh 9 r 9 ṣ 9 dh 8 s 8 ṣl 7 j 7 p 6 ṇ 6 ṭ 4 ḍ 3 w 2 ḷ 1 y 1 kh 1 ph 1
頭子音なしが19語。úḷ以外の母音連続は無し。(あ、無いのか。)
とりあえず2音節語を造語して寝ましょう。
できた。áṣá。
b, p, bh, ph, m, wについて語る。
phをnon-startingにした。gを外来音用としたかったが、gが欠けているのは謎だし、例えばkhはkhak一語しかないわけで、放置しておいた。
「造語する」の方でダイス振って造語していたところ、「唇音の後にeとかuとかúとかって来ないのでは?bhápúḷは不定詞語尾だからともかく。」ということに気づいた。
考えてみれば、祖語phedはbhátだし、祖語fuepqはepaだし、eと唇音が共存できていない感ある。ちなみに祖語lerqはleghaだし祖語zeeはzeúḷだし祖語zeepqはzephaなので、祖語のeは原則としてバートでもeである。
「多分/ɛː/が唇音の後だと/wɛː/になって/wæː/になって/waː/に合流したんでしょ。んで後に介音が壊滅して/aː/。」「uは…qmuile'がamilaになるのは介音の壊滅だろうけど、'munqがámだし、aemuはemaだしなぁ。/bʱu/ → /bʱwə/ → /bʱə/;/bʱuː/ → /bʱuːə/ → /bʱwəː/ → /bʱəː/かなぁ。'munqはmにuが吸収されて/ʔəm.nə/とかになったのからこそのámなのかもね。」ということになりそうだ。
ちなみに、このことを考えると、バート人にとってphúpenなんてのは外来語以外の何物でもないことが分かる。まあ語頭phの時点で確定なのだが。
祖語m-って伐b-になる(momorq → baukká;many → báni;morq → bohúḷ)ので、バートってあまり語頭にmが立たないんよね。manámanはbanámanの異形態に過ぎないし。mábhaはbábhaの異化…というか、被るのを避けるためにm-の変化が妨げられたのかもな。
唇音といえば、「ぴすてぃる」、有語から借用したとしても理語から借用したとしてもphictiḷになるという話があったりする。
fistir /pʰistʰil/ /pʰis/ → 自明にphic /tʰi/ → thは無いのでti /l/ → 語末lは正書法上/ɾə/なのでḷと書くしかない fhistirl /ɸistiɹ/ /ɸ/ → fが無いのでph /ist/ → ict /iɹ/ → iḷ
ṭとḷとyはなんか語頭に立ちそうにない気がするんで、少なくとも乱数では立てないでおこう。
gは、今のところ出てきていないけど未来永劫出ないということはないと思うので、とりあえず0として立てたあとでLaplace smoothingをしておこう。
母音
a 92 93 93 á 83 84 177 o 31 32 209 e 27 28 237 í 20 21 258 i 15 16 274 u 11 12 286 ú 8 9 295 au 6 7 302 ai 5 6 308
子音
m 41 42 42 k 37 38 80 n 34 35 115 bh 22 23 138 h 20 21 159 z 16 17 176 t 14 15 191 b 11 12 203 c 10 11 214 d 9 10 224 l 9 10 234 gh 9 10 244 r 9 10 254 ṣ 9 10 264 dh 8 9 273 s 8 9 282 ṣl 7 8 290 j 7 8 298 p 6 7 305 ṇ 6 7 312 ṭ 4 5 317 ḍ 3 4 321 w 2 3 324 ḷ 1 2 326 y 1 2 328 kh 1 2 330 ph 1 2 332 g 0 1 333 ゼロ 19 20 353
頭子音
m 41 42 42 k 37 38 80 n 34 35 115 bh 22 23 138 h 20 21 159 z 16 17 176 b 11 12 188 c 10 11 199 d 9 10 209 l 9 10 219 gh 9 10 229 r 9 10 239 ṣ 9 10 249 dh 8 9 258 s 8 9 267 ṣl 7 8 275 j 7 8 283 ṇ 6 7 290 ḍ 3 4 294 w 2 3 297 kh 1 2 299 g 0 1 300 (ゼロ) 19 20 320
現状だと、状態動詞「Aは行われるべき/起きるべき行為である」を立てるということになりそうだ。
sy「パイグ『須』には『命令する』という動詞用法があったり」 j.v「なるほど」
意味上の主語は不定詞節で示せるのでOK。
藍liwo牌lyと在るので祖語lyoを使うわけだが、他の言語は目的語で来そうかも?
タカンは動詞連用形+lijuだったりするらしい。バートだとhemúḷと融合したりしないかな。
zauとの融合もアリだな。zalloúḷにしよう。
造語の方の2-6.と組み合わせて、翻訳は今のところこんな感じ。
alic sáhomá woghiti cájau ṣomaḍi hína ṣíkahazená hem. ṣiṇṇa, baukká kolidhel cákíkakátá hem. lásihomá káṇa jo ríkahomá káṇaḍi hína ká aghauṭadhel nána sáhomá woghit ákaze aḍuhazozená hem. ṣiṇṇa, legha jo cepatepa aghauṭaḍi hína ám hemakátá hem. "há, kodhel nánaḍi hína sujúḷ heyákáṣlo?" alic koḍi ema heyázená hem. "legha jo cepatepa ám hemúḷ ema."
díḍi áṣá 楽しみ nána díṣlohomá dhípele 作るzebá 面倒dhel nána 起き上がるzebá そしてその後 díṣlodhel 摘むzebá 勝るúḷ jo ám ema ká káom 心ḍi hína heyáúḷ hemakátá hem, ṣiṇṇa káom amáma 眠さ と 愚かさḍi nána 暑さ cákíkaká áṣá kom 思考ḍi hína 限界 hemakátá hem. díom káṇaḍi hína seṇa kábhau 〜近くḍi hína numíjuhomá adhadhel bhomakátá bházahakátá phúpen kánatakátá.
koḍi hína とても とても bháṭámakátá 出来事たち ám hemakátá hem. ja phúpen 自身ḍi ghi bhátúḷ, "há káṇa! há káṇa! 遅刻であるdíha hem!", kodhel ká 聞くúḷ ema alic ám とても とても 不思議に思うzená hem. 時間的な後homá káṇaḍi nána koḍi ema zu heyáze hína, 事実dhel nána ká kodhel 不思議に思うúḷ zallobhápakátá hem ká cánajazená hem, ṣiṇṇa, díom káṇaḍi hína ká dízá すっかり とても 自然であるúḷ ema heyázená hem. ṣiṇṇa, káṇaḍi nána phúpen deja 時計dhel díom チョッキhomá ポケットḍi oṣa recaká, そしてその後 kodhel ákaká, そしてその後 kánataká hína, alic 立ち上がるzená hem, チョッキhomá ポケット jo 時計dhel nána kom epaḍi oṣa recaká bhomakátá phúpenele ká ám aḍuhazobhápazena 事実dhel seṇa cánajúḷ áṣá. そしてその後 amáma 好奇心ḍi cájau 野dhel 横切るma kánatama ká dídhel 追うzená hem. そしてその後 幸運ḍi cájau káṇaḍi nána phúpen 垣根bhau 下homá amáma bhoṇauḍi ghi 跳ねるma ídaká hína 折よく kodhel aḍuhazozená hem.
例えば、rakkúḷ, nutta, ṣiṇṇa, baukkáとかをバート文字でそのまま書くと以下のようになる。
現代表記 | 伝統表記 | |
rakkúḷ | ||
nutta | ||
ṣiṇṇa | ||
baukká |
バートで語中の閉音節って長子音でしか出ないわけだし、この書き方はなかなか冗長ではなかろうか。(まあ現世でthroughとかQu'est-ce queとか書いたりするときに比べればストレスが少ない方だが。)
ということで、母音字の左下に無母音記号を書くことでこれを短縮表記できる仕様にしたい。
伝統表記(非縮約) | 伝統表記(縮約) | |
rakkúḷ | ||
nutta | ||
ṣiṇṇa | ||
baukká |
問題はaQである。どうしようか。
波線にします。
伝統表記(非縮約) | 伝統表記(縮約) | |
rakkúḷ |
で、現代表記ではどうするかというと、当然無子音字にこれらの符号を適用するのだから、aQは、auQは、iQはでuQは。
文法書にも書いてきた。
とりあえず、aQ・iQ・uQ・auQのビットマップを造らなくては。
あと、「バート語について考察する -- バート文字」で出てきたコンマ、引用符と疑問符、及びそれが複合した字も作らねば。
ちなみに、疑問符はパイグ文字2声記号に由来するらしい。なるほどなぁ。
とりあえずコンマを実装。
引用符・疑問符・引用疑問符を実装。
せっかくなので例文を。上記に書いた"há, kodhel nánaḍi hína sujúḷ heyákáṣlo?"を書いてみよう。
元画像だと-úḷに(非義務なので)点を打ってないし、ṣが非真理設定の字形だったり後ろに無母音が打たれてなかったりするなぁ。
とりあえずこんなもんでいいでしょ。
aQ・iQ・uQ・auQのビットマップを作り忘れていた。
パイグで感嘆がtだったりするらしい。というのも、内破のなかで一番簡単に書けるからだそうだ。
ということで、Qシリーズは向こうではatとかautとか呼ばれてることにしておこう。
あと、今気づいたがバートってコンマの後にスペース入れないのな。
作った。ということで前述の二重子音4単語を書いてみよう。
バート文字を描画するときの内部スクリプトをそれなりにきれいにした。
before: printBhat("quote_h_á_,_k_o_dh_e_l_-_ _n_á_n_ḍ_i_ _h_í_n_ _s_u_j_ú_ḷ_-_ _h_e_y_á_k_á_ṣ_-_l_o_ququ".split("_")); after: printBhat2('"há,koDel- nánḍi hín sujúḷ- heyákáṣ-loQ');
33-2.で唇音の後にeが来ないという話をしたが、もうちょい制約が厳しいという説があるので調べてみよう。
唇音 | 歯茎音 | そり舌音 | 軟口蓋音 | |||||
鼻音 | m | n | ṇ | |||||
破裂音 | p | b | t | d | ṭ | ḍ | k | g |
ph | bh | dh | kh | gh | ||||
摩擦音 | w | c | s | ṣ | h | |||
接近音 | l | ḷ | ||||||
ふるえ音 | r |
x | z | j | y | ṣl |
元からある |
私の造語 |
meあるやん。唇音+eの禁則はどこいった。
まあ、これには即座に言い逃れを思いつくことができて、-homáも存在するのでそれと衝突しないように-homeで残ったんでしょうな。ロシア語において、弱化する位置でも格語尾は対立を示すために弱化せず残る、みたいな話があるらしいし。
cとtは[t͡seːpət͡seːpə]の古めの借用由来と見られるcepatepaでしか出てこないし、実質「有声歯茎音・z・ṭ・hの前でのみ立つ」と言えそう。
???「なぜṭの前で立つの?」 j.v「ṭはzみたいなもんだからです」
とはいえ、なんかhuzeúḷは違和感あるんだよな、と思って調べたら-uz-も-úz-も不存在か。じゃあなんかのタイミングで-uz- > -uṭが起きたんだろうなぁ。
まあとりあえず、基本としては「歯茎音かh」という謎規則があることが分かった気がする。あと鼻音も禁則かな。
唇音 | 歯茎音 | そり舌音 | 軟口蓋音 | |||||
鼻音 | m | n | ṇ | |||||
破裂音 | p | b | t | d | ṭ | ḍ | k | g |
ph | bh | dh | kh | gh | ||||
摩擦音 | w | c | s | ṣ | h | |||
接近音 | l | ḷ | ||||||
ふるえ音 | r |
x | z | j | y | ṣl |
元からある |
私の造語 |
鼻音・g・ghは来ないのな。確かにちょっと違和感ある。
-uz-の案件が出てきたので。
唇音 | 歯茎音 | そり舌音 | 軟口蓋音 | |||||
鼻音 | m | n | ṇ | |||||
破裂音 | p | b | tt | d | ṭ | ḍ | k | g |
ph | bh | dh | kh | gh | ||||
摩擦音 | w | c | s | ṣ | h | |||
接近音 | l | ḷ | ||||||
ふるえ音 | r |
x | z | j | y | ṣl |
元からある |
私の造語 |
うーん。
タカンには準体法(「このカバンは誰『の』ですか?」)があるらしい。バートには現状無いが、あっても困らないので作ろう。
と思ったが、格語尾をどうしよう。
形式名詞「k」を立てて、そこに格語尾をつけるしかなさそう。主格はゼロで現れるということで。
「これはあなたのですか? ko ámaom hem?」「あなたのを使いますか? ámaom kele sujamúha?」
祖語raikqtがバートでkádになっていることについて、こんな案が提案された。
raikqt → /xeːkəd/ → /keːxad/ → /keːɦad/ → /kæːd/ → kád
cf. raikqt → /xeːkəd/ → /eːkə/ → /eːk/ → ek
要するに、祖語のraiが落ちたのではなく、/xeːkəd/が音位転換したものだという説である。これだとqがáになることの説明も同時につくので善い。
シローレーカー(上の棒)だけつなげて書くことでハイフンの役割ができそう。aṭam-kádとか。
とはいえ、リパラオネ文化圏ならハイフンというよりアンダーバーに対応しそうなアレなので、転写はアンダーバーにするか。ハイフンはprintBhatで既に使用済みだし。
こんな感じ。
@sosoBOTpi バート語の他動詞化接辞aだけど、アイル語のAKIと関係があるかもしれない。
— Router(config)# config-register 0x2142 (@sashimiwiki) 2018年1月1日
「させる」か、なるほど。
ちなみに、他動詞化接辞aは1-4-1に出てきたcákíkúḷ「来る、訪れる」→cákíkaúḷ「訪れさせる、もたらす」の接辞のことである。coin.htmlの3-1.で出てきたように、janúḷ「生じる」→janáúḷ「作る」のように-áとして現れることもある。
で、思ったのは、「これってもともと-agh-といった形で、後にghが落ちたのでは?」という説。ṣlのところ(31-2.)で「伝統的な綴り」の存在が示唆されたが、janáúḷはもともとjanaghúḷで、緩衝母音が入る大体の活用でjanagha- > janá- となったのかもしれない。kánaghúḷとかは普通にkánagha-のまま残っているからアレだが。
cákíkaúḷはどんな感じだろうか。*cákíkaghkátá から ghが落ちてcákíkakátá、それが規則化してcákíkaúḷかな。よさそう。kánaghúḷとかは-gh-のほうで規則化したんだろうなぁ。
ということは、使役性他動詞化接辞は-a, -áの他にも-aghで現れたりもしそうだなぁ。
2017年12月25日ぐらいに-ṣloの略記について軽く考えた。確か、私が画面共有しながらお絵かきしてたんじゃなかったかな、そしてS.Yがそれを見ていてコメントしてたはず。
とりあえず、まとまった記事にもなりそうにないし、あれから2週間経ってる(現在2018年1月10日)のでとりあえず載せるだけ載せておこう。
次の42-3.を書くための準備として、printBhat2でサイズ調整ができるようにするのと、あと(リパラオネと共通だからって理由で今まで含めてなかったけど)ピリオドを印字できるようにしよう。
書き初めとして、とりあえずアリス第一段落をバート文字で書いた。もちろんカンペ↓を見ながらである。
さて、よく見ると下から4行目、一番右のkodhelがじゃなくてになっているという。まあ普通にただのミスなのだが、がこの位置に来ることはないことを考えると、「現代表記において手書きとかでたまにこう書かれることがある」みたいにしても面白いかもなぁ。
バート語も、状態動詞の代動詞は存在動詞hemúḷを使う(動作動詞の場合はzúḷ「する」)
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年1月14日
ん、ホンマか?(動作動詞の場合はzúḷだけど、状態動詞はどうだっけ)
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年1月15日
ということで、動作動詞の代動詞はzúḷである。これ書いてなかったので書いておこう。実は21-1.のときぐらいにはとっくに決まっていた仕様だったりするのだが。というか「nánadhel zamú! 何をする!!」って例文あったな
「バート音節表(現状)」というものを作ってみたところ、m以外の唇音に関しては後ろにiやíが来ることもないことが分かった。確かに-bhi-という音素列はバートらしくない気がする。
逆に、mについては-mú-が二人称周辺にあるし、そもそもhemúḷもあってか-mú-に違和感がない。ということで-mú-はアリという感じで。
あ、そうそう、これまで書いてきた諸々って「単一形態素内部」の制約なので注意。禁則の-ne-も「ápa aṭamáná manámanelená bhátadhí.」で出てきたりするし、今回のアリスでもdhípeleを許容している。
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バート語ではそういう言い方をしないけど、不定詞を取る動詞についてまとめてみよう。ちなみに(不定詞|[^h伐]ema)
で全文検索すると一発。
主格で取る動詞
動詞 | 意味 |
hemúḷ | 〜している(進行相;状態動詞化) |
huṭeúḷ | 〜し始める(開始相;瞬間動詞化) |
heyáúḷ | (heyákáṣloで)~だろうか |
zalloúḷ | 〜すべきである |
不定詞+emaで取る動詞
動詞 | 意味 |
heyáúḷ | 〜を思う・〜について考える |
rijúḷ | 〜を望む・〜したい(無主語・1人称主語)・〜してほしい(非1人称主語) |
ṣonáronáúḷ | 〜を不思議に思う |
ちなみに、これ書いてる途中で「emaってだいたい不定詞かkodịを取ってるような」と気づいたので辞書に書いておいた。あと不定詞+emaで「〜なんて」という意味になるのは文末だけなので、それも加筆した。
古タカンについて話していたところ、タカンでpugu「愚かだ」が採用されたので登録。
語幹が単音節(母音が1つ)かつ短音節(長子音を伴わない短母音)の場合の挙動について。え?zúḷ?あれはもはや別枠
^[^aeiouáíú]*[aiu].?úḷ$
で検索すると一発で、
という感じである。
こいつらの活用として特徴的な例として
がある。
ちなみに、-júḷで終わる普通の動詞の活用として確認されているのはcánajúḷのcánajazenáぐらいであり、他は不定詞ぐらいでしか登場していない。ということは活用が異なっている可能性もあるんよな。
とりあえず、-íで始まる名詞化第三接尾辞・名詞化第四接尾辞は短動詞でなくとも-j-なら母音幹扱いでいいんじゃないかなぁ。一方cánajzは違和感があってcánajazであるべきなので、-zの振る舞いに関しては-j-短動詞は特殊かと。
まあこんな感じか。
母音語幹 | j語幹 | 子音語幹 | 具体例 | |
名詞化第一接尾辞 | -z | -az | heyáúḷ「思う、考える」 → heyáz「思考」 | |
名詞化第二接尾辞 | (かつて存在したが今は痕跡的にしか残っていない) | |||
名詞化第三接尾辞 | -ḍíṣ | -íṣ | zíghúḷ「整然としている、規則的である」 → zíghíṣ「時計」 | |
名詞化第四接尾辞 | -hí | -í | nádítúḷ「眠い」→ nádítí「眠さ」 | |
名詞化第五接尾辞 | -káta | -akáta | zeúḷ「巻く」→zekáta「腰巻き」 |
sujakátáとかは微妙に違和感が無くもないが、bházahakátáの後半部分とリズムが同じだし、まあそこまで問題はなさそう。それよりは規則化意識の方が強く働きそう。
-zについては、音節としてsujが立てないのでsúzかなぁ。súzemと同様である。
あれか、「後述する形態素に含まれる母音が1つ以下で短母音である場合は母音語幹判定」とすればいいのか。
heyáúḷ | hemúḷ | cánajúḷ | cajúḷ | rijúḷ | sujúḷ | |
-úḷ / -úḷ | heyá-úḷ | hem-úḷ | cánaj-úḷ | caj-úḷ | rij-úḷ | suj-úḷ |
-mú / -amú | heyá-mú | hem-amú | cánaj-amú | caj-amú | rij-amú | suj-amú |
-ma / -ama | heyá-ma | hem-ama | cánaj-ama | caj-ma | rij-ma | sú-ma |
-z / -az | heyá-z | hem-az | cánaj-az | caj-z | rij-z | sú-z |
-∅ ~ -zem / -∅ | heyá-∅ | hem-∅ | cánaj-∅ | caj-zem | rij-zem | sú-zem |
cajúḷにも-zemを付けることにした。現状の説明だと「sujúḷのように、a以外の母音にjが後続している語幹末の場合、例外的に語幹を長音化して接尾辞-zemを付ける。sujúḷならsúzemである。」ってなっているけど、例えば(コロコロ)sánujúḷという動詞があったとして、これの命令がsánúかsánúzemかと聞かれれば自明にsánúなので、接尾辞-zemの役割は-jというよりも開音節単音節命令形の強調という感じがする。確かに、zeúḷの命令形は(zeでもよさそうだが)zezemの方がしっくり来る。
ただ、その場合suúḷはどうなるだろう?数分考えたところ、長母音+ -zemのeを/ɛː/じゃなくて/ɛ/で読んでいることに気づいたので、sujúḷはsúzem /zuːtʃɛm/、suúlはsuzem /zutʃɛːm/と読む、とすればよさそう。
はい。(はい。)
藍cikauがṣíkahúḷ、藍bwoxouがbhoṣahúḷになるのは、/auV/ → /awV/ → /aβV/ → /axV/ とか /ouV/ → /əuV/ → /əβV/ → /əxV/ というふうに説明していて、だからこそ命令形が-auなんだけど、zúḷも祖語がzauだし同系統なのではなかろうか。
つまり、
zúḷ | cajúḷ | rijúḷ | sujúḷ |
z-úḷ | caj-úḷ | rij-úḷ | suj-úḷ |
z-amú | caj-amú | rij-amú | suj-amú |
zau-ma | caj-ma | rij-ma | sú-ma |
zau-z | caj-z | rij-z | sú-z |
zau-zem | caj-zem | rij-zem | sú-zem |
これならコーパス(zamú)とも合うし、よさそう。
Eat your own dogfoodという格言もあるので、バート語のsnojファイルを書いて発音を綴りから自動生成できるようにした。
rijúḷに状態動詞を追加、ghíyoに祖語*kyooを追加。
「なんでríkahomá káṇaḍi hínaって単数形なの?」というkpht氏からのツッコミを食らった。引き継ぎ前からあった例文なのでjekto.vatimelijuは悪くないのだが、放置するわけにも行かないし「成句」とすることにした。
というか、「複数形」の定義も考えねばな。リパライン語でledydを複数形にして「手が50本くらいありそうに聞こえる。」と言われたこともあったし。
例文を足すようにしてみた。とりあえずアリスを載せた。
ḍázの祖語形がdkoopという説があるが、なんか怪しいので語源不明にしておく。というかḍṭṇḷが語頭に立つ例がこいつしかないんだよなぁ。
cákíkúḷに-akátaがついたらcákíkakátaのはずなのだが、辞書にもcákíkátaで載せているし、意味用法がcákíkúḷからかなりずれていることもあるし、そのまま採用としよう。
emaは「〜のように」という後置詞として解説されているが、実際の用例を見ると、heyáúḷだとṣonaronaúḷだのの対格に不定詞を取りたいときに、不定詞の対格が存在しないのでそれを補充する形として使われている例しか見かけない。しかも最近はácahúḷ「〜(主格)には〜(対格/不定詞+ema)ができる」などという造語もしている。完全に対格と互換性あるやん。
まあ、そんなことになったのは、"kodhel ṣonáronáúḷ" とか "dheseúḷ ema ṣonáronázená" とかがアリスで導入されたからなんだけど、近頃はかなりこの互換性が生産的になっている印象があるので、もう語釈を「〜を」にしていいんじゃなかろうか。「〜について」も良さそうだけど、rijúḷを考えると「〜を」の方がキレイな気がする。「〜を」でいいでしょ。
datの品詞名を「添詞」に確定。それとともに辞書に収録。祖語はtqtq説を立てる。
こいつらの接中辞(というか語幹につく接辞)を登録していなかったので登録する。
ríkahomá káṇaḍi hína、なんでなんだろうなぁ。
他にも、「ríkahoma káṇadi hína」は何故2なのに単数なのか、とkpht氏に突っ込まれて、「実はあれ『単数』ではなく『単数or双数』なのでは?」という説が出ている。基本的に作者移行前の作文に全部辻褄が合うように創作を進める方針なので
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年3月15日
なるほどなあ
— Fafs F. Sashimi@3/1よりガチtourist (@sashimiwiki) 2018年3月15日
今まで複数使ってる例、たしか全部3つ以上なんよね。ákíjamán dhoḷopáná ṣibhaiomá dháradも3つの連合だし
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年3月15日
面白い
— Fafs F. Sashimi@3/1よりガチtourist (@sashimiwiki) 2018年3月15日
もう一つの説としては、あれは「単数と複数」ではなく(リパライン語と同様)「原形と複数形」である、というもの。古理だとどうなんだっけ?(ナデューにも絡むかも)
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年3月15日
古理よく覚えてない……コーパス確認すべきかな。
— Fafs F. Sashimi@3/1よりガチtourist (@sashimiwiki) 2018年3月15日
なるほど、まあ帰国後にでもゆったり考察しよう(今は「j.vがかぱはたに物理を教える」→「かぱはたがそれをユーゴック語でまとめる」→「受験勉強と創作の進捗が同時に生える!」計画とかをやっている)
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年3月15日
一応、有り得そうな説を列挙しておくと
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年3月15日
・単数=双数≠複数(そっちに合流する例ってあるんですかね)
・ríkahoma káṇadi hínaは成句(成句だからって規則破るか?)
・数詞の後は単数(cf. ロシア語)
・複数形の標示は非義務的(cf. https://t.co/gHBHreYAt4)
・原形と複数形(ledydissは手が50本)
辞書では今まで成句説を取っていたが、もっとちゃんと考察したいのでとりあえずは「謎」と書いておこう。
上記の説に番号を振るなら、
1.については、類型論的に見ても、双数が消える時は複数に合流するのが圧倒的に主流っぽいので、如何なもんかなぁという思いがある。
2.は、まあそのまんま「成句だからって規則破るか?」という。
3.。まあロシア語のあれは双数主格が単数属格に合流したものだけど。ちなみにブルガリア語とマケドニア語では「数詞の後では全て双数形由来の形を使う。"count form"や"quantitative plural"として再解釈されている」とのことである。へー。
4.は、なんかWorld Atlas of Language Structuresを見てみたところ、
だそうで、アフリカとかヨーロッパはだいたいAll nouns, always obligatoryだけど、All nouns, always optionalな言語もそれなりにあるので良さそう。
5.。リパライン語はあれ「単数・複数」じゃなくて、「-ss【語尾辞】名詞の物体の数が多いことをあらわす」という接辞だからなぁ。grammatical numberはリパライン語には不存在で、-ssは多数性を表す接辞と見るべきっぽい。
-ssの付いた形態は複数形 eustiraと言うけど、リパライン語では元の語形は単数形 fanklavoloではないので原形 xinirftleという。#lipayuna
— Fafs F. Sashimi@3/1よりガチtourist (@sashimiwiki) 2017年9月22日
そもそも、リパラオネ・ラネーメ全般として文法的数ってほとんど見られないからなぁ。アイル語の「複数形」はreduplicationらしいし。
語の複数形は語を二回言うことで表現できる。Lkurftless'd ai'r - リパライン倉庫
今知ったけど、インドネシア語は複数形がreduplicationだけど、数詞が来たりして "when the context is clear and when the plurality is not emphasized" なときはreduplicationを行わないらしい。なるほど、こういう3.もあるのか
アイル語の「複数形」ってどれくらい義務度が高いんだろう。ちょっと文献を調べてみるか。バート語では複数形を用いる「東諸島共和国連合」はアイル語では"Akiama sauir sakika mapijumi"だそうだ。reduplicationが見られないが。
えーとglossにすると、
akia-ma sau-ir sakika mapiju-mi
太陽-他格 上-PRS 来る ???-自格
東諸島共和国連合
よく分からんが、とりあえずreduplicationが発生していないのは確かである。いせにほで出てきたアイル語でもreduplicationが出てきた記憶がない。となると、この「複数形」の義務度は低めで、eustiraのように「多数性を示す接辞」程度の役割しかないのではなかろうか。朝鮮語-들とかもたしかそんな感じじゃなかったっけ?
-들で調べてみたらgeneral numberというフレーズが出てきた。リンクを踏んだところ、
Many languages, such as Chinese, Indonesian, Japanese and Malay, have optional number marking. In such cases, an unmarked noun is neither singular nor plural, but rather ambiguous as to number. This is called transnumeral or sometimes general number, abbreviated TRN. Many such languages have optional number marking, which tends to be used for definite and highly animate referents, most notably first-person pronouns.Wikipedia contributors, "Grammatical number," Wikipedia, The Free Encyclopedia, https://en.wikipedia.org/w/index.php?title=Grammatical_number&oldid=829700222 (accessed March 15, 2018).
とのことである。
ちなみに、タカン語には『複数』接辞iが存在して、optionalである。やっぱりtransnumeralじゃないか。
東島通商語もtransnumeralで、理set由来のcetを後置して多数性を表せるようだ。
kiṣloとkaṣloは意味上複数だが曲用が単数である。じゃあdíṣloも活用は単数でいいのでは?
実際、コーパスを見るとdíṣlohomá dhípeleとdíṣlodhelとあるが、花輪は複数の花で作るものである。
2つの根拠から単複同形が支持されるなら単複同形でいいでしょ。採用。
歌などで音節数を食いまくることで有名なバート語だが、せっかく主語に応じて動詞が人称変化するのなら、動詞から示唆される主語と対格が明らかに異なるときには対格語尾が省略できるのではなかろうか。
例:
phúpen ∅ aḍuhazo-dhí.
ウサギ [-ACC] 見る-1.REAL
私はウサギを見る。
バート語の分詞には、主に2つの用法がある。
要するに、日本語学的に言うならば終止形と連体形の役割を兼ねるわけだが、ここで問題になるのは「名詞+後置詞」とかは主動詞の後に来ることが許容されるということである。
コーパスの例文で言うと、
ká-∅ ṣom-azená ká-om síbha-ḍi hína
彼女-NOM 功績を上げる-3F.PST.PTCP 彼女-GEN 故郷-POST 〜で
彼女は彼女の故郷で功績を上げた。
これ、ṣomazenáがsíbhaを修飾しているようにも見えるんよね。
ká-∅ ṣom-azená ká-om síbha-ḍi hína kí-∅ phúpen-ele aḍuhazo-bhá
彼女-NOM 功績を上げる-3F.PST.PTCP 彼女-GEN 故郷-POST 〜で 彼-NOM 兎-ACC 見る-3M.REAL
彼女が功績を上げた彼女の故郷で、彼は兎を見る。
のように。
ということで、主動詞が分詞単独でその後ろに名詞+後置詞を置く場合、コンマを要求するようにしよう。終止詞とか命令形の場合は要らないけど。
分詞+hemの場合は、曖昧さ回避の目的では要らないんだけど、先例では入れてるし、なんか入れたほうが自然という感覚があるので入れるようにしよう。
そういえば、バート語に非互換な変更を入れたいんだった(めっちゃ細かい変更だけど) #bhaataan
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年3月25日
この
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年3月25日
ká ṣomazená káom síbhaḍi hína.
が
ká ṣomazená, káom síbhaḍi hína.
になります pic.twitter.com/RNHTKSHz1D
@sashimiwiki 構わんよな?
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年3月25日
リパライン語「非常にその気持ちがわかる」(良いと思うが)
— Fafs F. Sashimi@Tolkappiyam読め (@sashimiwiki) 2018年3月25日
明確な理由があって、というのも分詞が名詞を修飾できる仕様なんよねバート語 pic.twitter.com/z1y2E56uXk
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年3月25日
あれ?これ、Somazenaaって何を修飾してるん
— Fafs F. Sashimi@Tolkappiyam読め (@sashimiwiki) 2018年3月25日
修飾してないんです、文の主動詞なんです(な?分かりにくいやろ?)
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年3月25日
どういうことなの……(「彼女は功績を上げた」「彼女の故郷で、彼は兎を見る」なんですかね?(作文した当初「彼女が功績を上げた→(彼女の故郷)で」「彼は兎を見る」を意図していたんですけどね(そうじゃないんですか……)))
— Fafs F. Sashimi@Tolkappiyam読め (@sashimiwiki) 2018年3月25日
ああそういうことか、これは私の説明が悪かった
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年3月25日
上がコーパスにある文、下が新造した文 pic.twitter.com/stKOrNEirD
なるほどなあ(完全に文脈が理解できてなかった(「彼女は功績を上げた」→(「彼女の」)→故郷で……なのが気持ち悪いのかと思った(理語ならその場合は「功績を上げた」→故郷←「彼女の」「で」となるので理解していた)))
— Fafs F. Sashimi@Tolkappiyam読め (@sashimiwiki) 2018年3月25日
完全に説明が悪かったのでアレ、更新したんでinvestigateの57でも読んどいてくれれば
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年3月25日
バート語、仮定表現がない。ほしい。
タカン語は牌hemをkenと借用し、wa(伐ja)と同等の品詞に分類される。伐jaは文接続詞なので、バートでいうなら文接続詞となるんだろう。
とはいえ、これは牌の借用なので伐でそうなるか怪しい。というか、まあ新造しますハイ。
SY「古皇では連用が已然/未然に分化するので、仮定表現は後に何かしらの用言性の詞を伴って表されたのではなかろうか。」ふむふむ?仮定の助動詞があったのかも、と言われた。
「あーでも連用終止法があるので、用言性の詞がなくてもいいかも」と言われた。うーん。
さて、どうなるだろうか。とりあえず例文を考えてみるか。
「もし風が吹いていないなら、私は火を起こす。」「もし風が吹いていなかったなら、私は火を起こしただろうに。」
「風が吹いていない」は状態動詞bhárúḷの過去分詞なのでám bhárakátá。「私は火を起こす」は動作動詞janáúḷの終止詞でghánidhel janádhí。
アイルyuwiu「もし〜なら」が使えるかも。じゃあjuか。んー、とはいえ、文をどう繋ぐんだろうか。
単純に、"ám bhárakátá júju ghánidhel janádhí."でいいか。この構文にするなら、juだと弱い気がするので、jújuにしよう。
アイル語に-(e)saという仮定の接辞が普通にあった。さて接辞の順序はどうなっているんだろう。
過去-(e)s → 完了-(e)ta、将然-(e)pam → 仮定-(e)sa ぐらいしかデータが見つからなかった。
んー、-kátáのtáは-(e)taとも言われているし、やっぱり仮定の辞は接中辞ではなくて活用語尾の後ろかなぁ。
活用語尾に直にくっついて-sáかな。jújuとは多分何らかの違いか使い分けがありそう。それが具体的に何なのかはこれから考えるけど。
とりあえずWikipedia。implicativeは"states that if one fact holds, then so does another" で "The facts are usually stated in whatever grammatical tense is appropriate to them; there are not normally special tense or mood patterns for this type of conditional sentence. Such sentences may be used to express a certainty, a universal statement, a law of science, etc." とのことである。一方、predictiveは "concerns a situation dependent on a hypothetical (but entirely possible) future event" で "The consequence is normally also a statement about the future, although it may also be a consequent statement about present or past time (or a question or order)" だそうだ。
counterfactualは反実仮想ですな。"The time frame of the hypothetical situation may be past, present or future, and the time frame of the condition does not always correspond to that of the consequence." なので一番面倒である。独立の記事があるので読むとしよう。
考えた結果、反実仮想を示唆する接中辞を導入するのがよさそうということになった。主節には入れるとして、従属節には…(コロコロ)入れない。なるほど。
タカンでは完了表現の挿入で反実仮想の従属節を明示するらしい。じゃあバートもhemでも入れておけばいいか。
従属節が状態動詞・瞬間動詞
従属節 | 主節に反実仮想 | 意味 |
瞬間動詞終止詞 | なし | 今〜となるなら、 |
状態動詞過去分詞 | なし | 今〜であるなら、 |
状態動詞過去分詞+hem | あり | 事実に反してもし今〜であるなら、 |
状態動詞過去分詞+hem | なし | 過去に〜であったのなら、 |
状態動詞過去分詞+bháp | ||
状態動詞過去分詞+bháp+hem | あり | 事実に反してもし過去に〜であったのなら、 |
瞬間動詞未来分詞 | なし | 将来〜となるなら、 |
状態動詞未来分詞+hem | なし | 将来もう〜となっているなら、 |
状態動詞未来分詞+hem | あり | 事実に反してもし将来〜となるなら、 |
従属節が動作動詞
従属節 | 主節に反実仮想 | 意味 |
動作動詞終止詞 | なし | 今〜するなら、 |
動作動詞不定詞+hemúḷ過去分詞 | なし | 今〜しているなら、 |
動作動詞不定詞+hemúḷ過去分詞+hem | あり | 事実に反してもし今〜しているなら、 |
動作動詞不定詞+hemúḷ過去分詞+hem | なし | 過去に〜していたのなら、 |
動作動詞不定詞+hemabhápúḷ過去分詞 | ||
動作動詞不定詞+hemabhápúḷ過去分詞+hem | あり | 事実に反してもし過去に〜していたのなら、 |
動作動詞過去分詞 | なし | 過去に〜したのなら、 |
動作動詞過去分詞+hem | あり | 事実に反してもし過去に〜したのなら、 |
動作動詞未来分詞 | なし | 将来〜するなら、 |
動作動詞未来分詞+hem | なし | 将来もう〜し終わっているなら、 |
動作動詞未来分詞+hem | あり | 事実に反してもし将来〜するなら、 |
とりあえずhemに-sáは付きそうにない。
…と思ったけど、んー、hemasáならアリか。
「男女混合は女性で取る」というルールがだいぶ前から脳内で固まっていたので、明示しておく。
-ṣloで終わる名詞は意味上複数であっても単数の格変化。kiṣlo「彼ら(男性のみ)」、kaṣlo「彼女ら;彼ら(男女混合)」、díṣlo「花;(複数の)花」など。 #bhaataan
— バートさん(bhátaim) (@bhaataan_zepha) 2018年3月31日
ちなみに、上記の通りバートさんというTwitterアカウントを立てた。
バートさんの例文を作り、コーパスに追加していく。
ápa bhátaim. mábha bhátán zephadhel sujúḷ ema rijadína.
私はバートさん。あなた達にバート語を使ってほしい。
なんか作ってみた。
xeju woghit. pedia khak. zepha ṣoya ja bhog. aṭam leghaḍi cájau káṇaisa bohúḷ ema ṣonáronádhí.
シェユは兄弟なり。フェディアは父なり。言語は壁にてまた色彩なり。神が絵とともに折よく行くことを私は不思議に思う。
悠里一それっぽいパングラムになってる
— Fafs F. Sashimi@Tolkappiyam読め (@sashimiwiki) 2018年3月31日
やったぜ。
心はいつもリパコール様のそばに。 #káṇahomá_amila
— バートさん(bhátaim) (@bhaataan_zepha) 2018年3月31日
lipakoḷai ha ṣomadhí「リパコール様に敬礼しよう」
— バートさん(bhátaim) (@bhaataan_zepha) 2018年3月31日
動作動詞ṣomaúḷ「敬礼する」は対象を具格で取る。#bhaataan
lipakoḷ káṇám rakk「リパコール様よ永遠なれ」
— バートさん(bhátaim) (@bhaataan_zepha) 2018年3月31日
直訳は「リパコール様は永遠に生きよ」。二重子音で終わる命令形なので発音上は末尾に[ə]が挿入される。 #bhaataan
心はいつもリパコール様のそばに。#káṇahomá_amila pic.twitter.com/wXM6lP52Pi
— バートさん(bhátaim) (@bhaataan_zepha) 2018年3月31日
バート語の不定詞語尾は-úḷなので、lipakorlesを翻訳借用してlipakoḷ + úḷでlipakoúḷとなる。aḍuhazoúḷ, síyoúḷ, zalloúḷとも韻が踏める自然な音素列である。 #bhaataan
— バートさん(bhátaim) (@bhaataan_zepha) 2018年3月31日
なぜ「人」より先に「リパコールする」が造語されているのか。
バート語にも現在では意味のない記号とか発音と綴りの乖離とかはあったんだろうけど、正書法改革で消えた設定になっている(旧正書法はあんまり創作していない) #bhaataan
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年4月15日
j短動詞絡み:
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年4月15日
・rijúḷに名詞化第一接尾辞-zのついた/riːt͡ʃ/、昔は常にrijzと綴ってたけど、今では語源意識のある『願い事』はrijzで、『明るい見通し』は語源意識が失われたと考えríz
・sujúḷの命令形súzemとかは昔は多分sujzemって綴ってたんだろうなぁ
その他:
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年4月15日
・昔はṣが/ʃ/、clが/sl ~ sɹ/。その後/ʂ ~ ʂɻ/と変化したので点を付けてṣlと綴るようになったが、更にその後に大半の/ʂ ~ ʂɻ/は/ʃ/と合流し/ʂ/となった。故にnímaṣl /niːmaʂ/, ṣlíkahúḷ /ʂɨːkaxuːɭ/ だが、kiṣloは/kiʂɻɔː/のままであった。新正書法では/ʂ/はṣに統一し、/ʂɻ/のみṣl
súzem vs. sujzemをバート文字で見るとこんな感じ。下から2行目が旧正書法、一番下の行が新正書法 #bhaataan pic.twitter.com/RsPz31ejjx
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年4月15日
『願い事』rijzと『明るい見通し』ríz。同源同音異綴。 #bhaataan pic.twitter.com/zDQoyoYdKP
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年4月15日
nánaには「どれ」の意味もあるぞ
主格のときには、意味上単数でも複数として書くことがあるんよ。
以下、Cは子音、長は長音節、短は短音節とする。
母音幹一音節
語尾 | 個数 | 語 |
Cá | 3 | bhá, ká, sá |
Cí | 2 | dí, kí |
Cai | 1 | cai |
Co | 2 | ho, ko |
Cu | 1 | su |
母音幹、penultimate短
語尾 | 個数 | 語 |
短Ca | 3 | adha, amila, aṭaza |
短Co | 2 | kaṣlo, kiṣlo |
短Cu | 1 | ṣabhahu |
短Cai | 1 | ṣibhai |
母音幹、penultimate長
語尾 | 個数 | 語 |
長Ca | 30 | aghauṭa, bhoma, bháhepa, bháma, bhára, bágha, cepatepa, cákíkáta, daupha, díma, dína, epa, háta, híja, káṇa, legha, mábha, nutta, nána, ríka, sáka, síbha, zekáta, zepha, áma, ápa, ásúka, ṣoma, ṣoya, ṣúsa |
長Cau | 1 | bhoṇau |
長Ci | 7 | bhájabáni, báni, gháni, koli, lási, ohi, rauki |
長Co | 4 | bháro, díṣlo, ghíyo, úro |
長Cu | 4 | cainíju, ghátu, nautu, numíju |
長Cú | 1 | nínaccú |
ただし、juecleone, pedia, taku, xeju, ṣomatákuは除外した。
まとめると、次のような感じである。横は末尾母音、縦は最後から二番目の音節の長短である。
a i u á í ú o ai au ∅ 1 3 2 2 1 短 3 1 2 1 長 30 7 4 1 4 1 総和: 63
ここから、以下のことが分かる。
-m | 5 | aṭam, hátaṣom, káṇám, lom, ákíjam |
-z | 4 ~ 5 | bákaz, heyáz, rijz, ríz, ḍáz |
-ṣ | 4 | adheṣ, nímaṣ, rúṣ, zíghíṣ |
-t | 3 | bhát, horabát, woghit |
-p | 2 | dhoḷop, dhíp |
-d | 2 | dhárad, kád |
-k | 2 | k, khak |
-n | 2 ~ 1 | banáman, manáman |
-g | 1 | bhog |
-ṭ | 1 | koṭ |
ただし、júgok, lipakoḷ, phúpenは除外した。
唇音 | 歯茎音 | そり舌音 | 軟口蓋音 | |||||
鼻音 | m | n | ṇ | |||||
破裂音 | p | b | t | d | ṭ | ḍ | k | g |
ph | bh | dh | kh | gh | ||||
摩擦音 | w | c | s | ṣ | h | |||
接近音 | l | ḷ | ||||||
ふるえ音 | r |
x | z | j | y | ṣl |
ある |
ない |
といったことが分かる。
短C | 1 | khak |
短短C | 1 | aṭam |
長短C | 7 | ákíjam, bákaz, nímaṣ, woghit, dhárad, banáman, manáman |
長C | 10 | lom, rijz, ríz, ḍáz, rúṣ, bhát, dhíp, kád, bhog, koṭ |
短長C | 3 | hátaṣom, adheṣ, horabát |
長長C | 4 | káṇám, heyáz, zíghíṣ, dhoḷop |
これに加え、kがある。
動詞がどの格を取るのかを、確定できるものについては辞書に明示した。忘れっぽいj.vはこうでもしないと対格なのかhínaなのかが覚えられないからである。
「用法」欄に書いていたもののうち、他の語との差別化について説明しているものを一括で「類義語の使い分け」と分類した。
ḍaz「店、商店」の語源は*dkoop「島」とされることがあるけれど、音韻も意味も合わないことから、アイル語doche「店」と同根語であるという説が有力。 #bhaataan
— バートさん(bhátaim) (@bhaataan_zepha) 2018年4月21日
ḍazではなくḍáz。
— バートさん(bhátaim) (@bhaataan_zepha) 2018年4月21日
だそうですよ
あと、まだ辞書とかに載せてなかったbháraháta「旗」【風+固有語「布」】を足しておこう。
horabátの-abátって三人称男性過去分詞の-abátaと対応するのでは?zekátaの-kátaが三人称中性過去分詞の-akátáと対応するのだから、三人称男性過去分詞の-abátaに対応するのは-abát∅でしょ。
この接辞の意味ってなんだろう。V-kátaは、zekátaの場合「人が人にzekátaをzeúḷする」が成り立つ。cákíkátaの場合は「cákíkátaが人にcákíkúḷする」…いや、「自然が人にcákíkátaをcákíkaúḷする」だなこれ。「cákík- + -akátaが縮約したもの」じゃなくて「cákíka- + -kátaが縮約したもの」だな。
なぜ三人称中性なのか?まあこれは要するに、「人が人にzekátaをzeúḷする」という動作の描写じゃなくて、「zekátaを付けないわけには行かない、そういう自然の摂理が人にzekátaをzeúḷする」という意識なんじゃなかろうか。
一方、horabátは「人がhorabátをhorúḷする」なので三人称男性過去分詞なんじゃないかなぁ。
「ラテン字転写に感嘆符あるけどこれってなんだろう」という話になり、結論としては「パイグやタカンと同様、単独でtと書くと感嘆を表す記号として機能する、ラテン字転写では感嘆符で転写する」ということになった。
これはもう「数詞などで多数性が明示されている環境では単数形」という文法規則にします。
これも一応触れておいたほうが良さそう。原文では"but it had no pictures or conversations in it"だし。
まあこれは簡単で、不定で否定のときにはバート語は単数なんですね。0は単数扱いなので。一方、「注文して届いているはずの複数の絵がまだ届いていない」とかならkom leghazá ám hemakátá hem. になる。
「そういえば、何故-úḷって-úlとも書かれるんだろう」と思った。考えた結果、「条件異音では?」となった。言われてみれば、語頭は必ずlだし、それ以外ならeとかiとかの隣りにある印象がある。pre-classical Latinではiとeの前でのみlはvelarじゃない、とかあったよな。
いやまあzalloúḷがあるか。うーん。
と思ったが、調べてみると、ラテン語ではllはclear lだったらしい。なるほどなぁ。
全検索したところ、この法則は成り立っていた。
ということで、「語頭」「ll」「eかiに隣り合う」のどれかの条件をみたすときはl、どれも満たさないならḷ、という規則が発見された。複合語形成時に注意すべき音韻法則としても便利そう。特に数詞とか。
これアレだな、旧正書法だと多分同じ文字で綴ってたんだな。ただ、lが完璧に条件異音で/l ~ ɾ ~ ɭ/だった時代はそれで良かったんだろうけど、語末の/l/が/ɾə/になったりしたことで(というよりは、/lə/ > /ɾə/、/ɭə/ > /ɭ/という音韻法則だったのかもしれない。ここは今後要考察。)/l ~ ɾ/と/ɭ/が意識の上で分かれるようになると、例えば借用する際に元々の条件を満たさないphictiḷのような語形が生まれることになって、lとḷを書き分ける動機が生まれたという感じか。
そもそも現正書法はかなり発音と綴りの一致を目指しているし、分ける理由があれば分けて書くだろうな。
kの複数形ká、紛らわしいし気づきにくいので見出し語として立てておいた。
それに付随し、「kの複数であるká」と「三人称女性単数であるká」を区別する表現として、「káná ká」と「káom ká」というのを思いついたので登録する。
Ritchanさんのことを考えていたところ、「ríz『希望』って-anが付きそう、というか一般に-zには-anが付きそう」という発想が得られた。-anや-amが付くことができるようになる条件は未だによく分からないので、サンプルを集めていこう。
作っといて損はないよね。まだ実用的に作れる語彙数だし。
とりあえず文法用語訳さないとどうしようもないよね。訳そう。
まずglossに書いたやつを見ておくか。
略 | 語 | 意味 |
NOM | nominative | 主格 |
ZERO | zero | 無格 |
ACC | accusative | 対格 |
GEN | genitive | 属格 |
INS | instrumental | 具格 |
POST | postpositional | 後置格 |
1 | first person | 一人称 |
2 | second person | 二人称 |
3F | third person feminine | 三人称女性 |
3M | third person masculine | 三人称男性 |
3N | third person neuter | 三人称中性(「指示・固有」) |
INF | infinitive | 不定詞 |
REAL | realis | 終止詞 |
PST.PTCP | past participle | 過去分詞 |
FUT.PTCP | future participle | 未来分詞 |
IMP | imperative | 命令形 |
PFV | perfective | 完結相~完了相などを表す無変化動詞hem |
REL | relativizer | 関係詞 |
NMLZ | nominalizer | 名詞化第一〜第五接尾辞 |
PL | plural | 複数形 |
IPFV.ADV | imperfective, adverbial | 非完了の状況副詞化語尾 |
…これでだいたい良いのでは?
とりあえずファイルを作ってしまおう。まず複製する。
bhán「~を通って, ~と共に」、cájau「~と共に」、何が違うんでしょうねというお話。
例文見てみましょう。
alic-∅ sá-homá woghit-i cájau ṣoma-ḍi hína ṣíkah-azená hem.
アリス-NOM 女-GEN はらから-POST 〜と一緒に 土手-POST 〜で 座る-3F.PST.PTCP PFV
アリスは姉と一緒に土手で座った。
jarúṣi amáma bhaj-hí-ḍi cájau koṭ-áná epa-dhel wákah-ama kánat-ama ká-∅ dí-dhel lánah-azená hem.
そしてその後 大きな 興味がある-NMLZ-POST 〜とともに 草-GEN.PL 地面-ACC 横切る-IPFV.ADV 走る-IPFV.ADV 彼女-NOM それ-ACC 追いかける-3F.PST.PTCP PFV
そしてその後、大きな興味をもって、草地を横切りながら走りながら彼女はそれを追いかけた。
jarúṣi cákíkáta-ḍi cájau káṇa-ḍi nána phúpen-∅ koṭ-áná ṣoya-bhau rúṣán amáma bhoṇau-ḍi ghi kánagh-ama íd-aká hína káṇaisa ko-dhel aḍuhazo-zená hem.
そしてその後 幸運-POST 〜とともに 時-POST REL ウサギ-NOM 草-GEN.PL 壁-INS 下-GEN 大きな 巣穴-POST 〜へ 跳ねる-IPFV.ADV 入る-3N.REAL 〜に 都合よく これ-ACC 見る-3F.PST.PTCP PFV
そして、幸運にも、ウサギが草壁の下の大きな巣穴へ飛び込む時に、都合よくこれ(=ウサギが飛び込む様子)を見たのだった。
aṭam-∅ legha-ḍi cájau káṇaisa boh-úḷ-∅ ema ṣonároná-dhí.
神-NOM 絵-POST 〜とともに ちょうどよく 行く-INF-POST 〜を 不思議に思う-1.REAL
神が絵とともに折よく(どこかへ)行くことを私は不思議に思う。
woghit-iná bhán sakká, á!
兄弟-POST.PL 〜とともに 万歳 あー
兄弟たちと共に、嗚呼!
「〜を通って」の用例、ないやん(ないやん)
でよさそうという気分になった。そもそもアイルpoujeは「〜を通って」だしなぁ。
意味の違いは(設定してあるのだが)辞書に載せ忘れていた。載せておこう。accúḷが「筆記具を動かして文字とかを生み出す」、horúḷが「長い文章とかを書いて意味を記録する」である。だからこそhorabátなのであって。
翻訳は85.7%の単語(251/293)に関して終わっている。
形式名詞の英訳、dependent nounとかどうだろう。韓国語の「依存名詞」(必ず修飾されて使われる名詞)の訳語として使われているのを見た。
採用。87%(255/293)。
自分ではそこそこ分かっているつもりなのだが、説明できるか怪しいのでちゃんと考えよう。まずghi。
ja phúpen-∅ dína-ḍi ghi bhát-úḷ-∅, "há káṇa-∅! há káṇa-∅! bháhe-díha hem!",
そして ウサギ-NOM 自身-POST 〜へ 話す-INF-NOM ああ 時間-NOM ああ 時間-NOM 遅刻である-1.FUT.PTCP PFV
そして、ウサギが「ああ時間だ!ああ時間だ!私は遅刻してしまう!」と独り言を言うこと、
jarúṣi cákíkáta-ḍi cájau káṇa-ḍi nána phúpen-∅ koṭ-áná ṣoya-bhau rúṣán amáma bhoṇau-ḍi ghi kánagh-ama íd-aká hína káṇaisa ko-dhel aḍuhazo-zená hem.
そしてその後 幸運-POST 〜とともに 時-POST REL ウサギ-NOM 草-GEN.PL 壁-INS 下-GEN 大きな 巣穴-POST 〜へ 跳ねる-IPFV.ADV 入る-3N.REAL 〜に 都合よく これ-ACC 見る-3F.PST.PTCP PFV
そして、幸運にも、ウサギが草壁の下の大きな巣穴へ飛び込む時に、都合よくこれ(=ウサギが飛び込む様子)を見たのだった。
これぐらいか。贅肉をそぎ落とせば、
phúpen-∅ dína-ḍi ghi bhát-úḷ-∅
ウサギ-NOM 自身-POST 〜へ 話す-INF-NOM
ウサギが独り言を言うこと、
bhoṇau-ḍi ghi kánagh-ama íd-aká
巣穴-POST 〜へ 跳ねる-IPFV.ADV 入る-3N.REAL
巣穴へ飛び込む
coinも見てみよう。
coinではなくinvestigateの27.5だった。『「〜に対して話す」といった、対象が目標になるような動作はhínaよりもghiで受けるってことにしたい。「花dhel 鎖ghi 変えるzebá」もそれ。』とある。(なるほど、語自体は祖語辞書時代からあって、語彙集ver1なのか。)
まあ書いてあるとおりですね。「対象が目標になるような動作はhínaよりもghiで受ける」傾向があるんでしょう。
辞書自体も見てみるか。…ああ、このbhátúḷとídúḷか。
こっちは大量にあるでしょ。
単語 | 語義 |
bhápúḷ | 〜(hína)である |
cajúḷ | 〜(hína)に似ている cf. 〜(具格)の近くである |
cákíkúḷ | 〜(oṣa)から来て〜(hína)を訪れる |
sujúḷ | 〜(hína)のために〜(対格)を使う・利用する |
意外と少なかった。例文はどうだろう。多くて長いので贅肉を落として載せると、
ṣoma-ḍi hína ṣíkah-azená hem. 土手-POST 〜で 座る-3F.PST.PTCP PFV 土手で座った。 | 場所 |
lási-homá káṇa-∅ jo ríka-homá káṇa-ḍi hína aghauṭa-dhel aḍuhazo-zená hem. 一-GEN 時(=一度)-ZERO または 二-GEN 時(=二度)-POST 〜で 本-ACC 見る-3F.PST.PTCP PFV 一度または二度本を見た。 | その他 |
legha-∅ jo cepatepa-∅ aghauṭa-ḍi hína ám hem-akátá hem. 絵-ZERO または 会話-NOM 本-POST 〜に 〜しない 在る-3N.PST.PTCP PFV 絵も会話も本には無かった。 | 場所みたいなもん(hemúḷ) |
ko-dhel nána-ḍi hína suj-úḷ-∅ heyá-káṣlo? これ-ACC 何-POST 〜で 使う-INF-NOM 思う-3N.FUT.PTCP(=だろうか) これを何に使うのだろうか? | その他 |
ká-∅ ká-om híja-ḍi hína heyá-úḷ-∅ hem-akátá hem, 彼女-NOM 彼女-GEN 心-POST 〜で 考える-INF-NOM 在る(=考えている)-3N.PST.PTCP PFV 彼女は彼女の心で考えていた。 | 場所 |
kom heyá-z-i hína daupha-∅ hem-akátá hem. この 考える-NMLZ-POST 〜に 限界-NOM 在る-3N.PST.PTCP PFV この思考には限界があった。 | 場所みたいなもん(hemúḷ) |
dí-om káṇa-ḍi hína ká-bhau cai-ḍi hína phúpen-∅ kánat-akátá. それ-GEN 時-POST 〜に 彼女-INS 近く-POST 〜で ウサギ-NOM 走る-3N.PST.PTCP その時、彼女の近くでウサギが走った。 | 時と場所 |
ko-ḍi hína bháṭám-akátá ho-zá ám hem-akátá hem. これ-POST 〜に 珍しい-3N.PST.PTCP 出来事-NOM.PL 〜しない 在る-3N.PST.PTCP PFV このことの中に、珍しい事象があったわけではなかった。 | 場所みたいなもん(hemúḷ) |
rúṣ-án káṇa-ḍi hína díma-dhel nána ... ká-∅ cánaj-azená hem, 下-GEN 時-POST 〜に こと-ACC REL ... 彼女-NOM 気づく-3F.PST.PTCP PFV, のちに、...ということにアリスは気づいた。 | 時 |
dí-om káṇa-ḍi hína ká-∅ dí-zá úraj-úḷ-∅ ema heyá-zená hem. それ-GEN 時-POST 〜に 彼女-NOM それ-NOM.PL 普通である-INF-POST 〜を 考える-3F.PST.PTCP PFV 当時は彼女はそれらが普通であると考え(てい)た。 | 時 |
ṣiṇṇa, káṇa-ḍi nána ... hína, alic-∅ bhoṣah-azená hem, しかし 時-POST REL ... 〜に アリス-NOM 起き上がる-3F.PST.PTCP PFV しかし、...たとき、アリスは起き上がった、 | 時 |
káṇa-ḍi nána ... hína káṇaisa ko-dhel aḍuhazo-zená hem. 時-POST REL ... 〜に 都合よく これ-ACC 見る-3F.PST.PTCP PFV ...時に、都合よくこれ(=ウサギが飛び込む様子)を見たのだった。 | 時 |
ká-∅ ṣom-azená, ká-om síbha-ḍi hína 彼女-NOM 功績を上げる-3F.PST.PTCP 彼女-GEN 故郷-POST 〜で 彼女は彼女の故郷で功績を上げた。 | 場所 |
まあ、はい、「事象の起きる時・場所を指定する際に使うのがhínaで、動作の目標を指定する際に使うのがghi」ですね。もちろんhínaはそれ以外の意味用法もたくさんあるけど。
あと、A B hína hemúḷって多用するしhemúḷの欄に書いておいたほうがいいな。
31-5. で
母音幹名詞で末尾が-áなのって、一音節語bhá・ká・sáしかないんよね。
まあ、アレですよな。もともとは完全な「CV・CVV・CVQ」の構造だったのが、語末の-aは落ちて今の子音幹名詞となり、その穴を埋めるべく語末の-áは短くなったんでしょうな。
という話があったのだが、ロシア語の旧正書法が連想されたため、その手の話をする際には転写としてъを用いることにする。また、これはバート語の無母音符号を明示的に転写する方法でもあるとする。
そもそも、バート語では元来無母音符号は語末にしか来ないことを考えると、バート語の無母音符号はあれは普通に母音符号の一種として捉えることもできるだろう。他の符号と違って棒に絡まない(…と思って今見たら普通に棒に絡まない母音符号もあるな。まあいいや。)のは、無標である/a/の変種とみなされたから/みなせる時期だったからかもしれない。
タイトル通り。*cu^nla → ṣiṇṇaの説明。なおṣúはそのままなのでṣúsaとかになる。
バート語のphonotacticsのまとめが欲しくなってきた。とりあえず、今覚えているだけ書き出してみよう。勿論借用語には適用されない。
この内、「語中にъは立たない」と「単純語でのsuperheavyな音節の禁止」は次に登場するbhátnímaṣが抵触するので、「複合語はその限りでない」としたほうがよさそう。
語頭のṣlも禁止して良さそう。(ṣに行ったため)
そろそろ思いつかなくなってきたので、今までのを見返そう。
こんなもんか。結構あるのな。
coin.html見たら追加回収できた。
「バート音節表」に制約とかを追加で書き込んで気づいたこと
ということでバート音節表を更新した。
(TWTにて、2018年6月4日)
lipakoḷ
lexeḷ, ṣabhahum, aghauṭawaim
bánim, kádan
rízan, 語幹 + -(a)z + -an
2018年6月21日、TWTにて。
ということで「バートらしさ」という文法用語を定義することにした。どういう単語にするか考えたが、rásitúḷ「香る, 良い香りがする, 薫る, いいにおいがする」から名詞rásit「香り, 良い香り, いいにおい, 匂い, (肯定的な)特徴」という単語を生めばよいのではという発想に至った。
「バートらしさ」はbhátán rásitとなるわけである。
例文:「phúpenという単語はヴェフィス語から来たのでバートらしさがない」
nautuhomá "phúpen" bhátán rásitele ám bhomakátá, dí ヴェフィス語ḍi oṣa cákíkúḷ áṣá.
ということでwephise。
「〜という単語」はこうやって表すことになった。属格をこう使うのは結構例があるそうな。
例文を登録した。
前に、こんな翻訳をした。
2018年4月11日に「サボっちゃだめかしら?」の翻訳をして欲しいとfafs氏からDMで依頼され、生成された文。
ám bohúḷ, ko danúḷ heyákáṣlo? サボっちゃだめかしら?
ám boh-úḷ, ko danúḷ heyákáṣlo?
〜しない 行く-INF-NOM, これ-NOM 状況的に可能である-INF-NOM 思う-3N.FUT.PTCP(=だろうか)
行かないこと、それは(状況的に)構わないだろうか?
しかし、実はこのセリフは「既に教室についている人物」の発言であり、bohúḷ「行く」が果たして適切なのかという問題があった。
1ヶ月ぐらい(多分)気がかりだったが、解決策を思いついたので記載する。
上記のám bohúḷはhínaを取り「参加する・出席する・顔を出す・通う」みたいな意味であり、「〜へ行く」はghiを取る、としてやれば何も問題がない。はい解決。
というのも、例文をよく見ると、今まで後置詞付きでbohúḷを使ったことがないのである。
バート語の文法用語をリパライン語でどう表現するのであろうかということについて、2018年6月17日にFafs氏と話した。テキストはこちらから。途中で出てくるリンク(ここで作業してる)はこちら。
「三万人」という数値が独り歩きしていたが、「そんな数値は無かった」ということになった。2018年7月2日、FAFss slackにて。テキストはこちらから。
68.2で書いたように、
horabátの-abátって三人称男性過去分詞の-abátaと対応するのでは?zekátaの-kátaが三人称中性過去分詞の-akátáと対応するのだから、三人称男性過去分詞の-abátaに対応するのは-abát∅でしょ。
この接辞の意味ってなんだろう。V-kátaは、zekátaの場合「人が人にzekátaをzeúḷする」が成り立つ。cákíkátaの場合は「cákíkátaが人にcákíkúḷする」…いや、「自然が人にcákíkátaをcákíkaúḷする」だなこれ。「cákík- + -akátaが縮約したもの」じゃなくて「cákíka- + -kátaが縮約したもの」だな。
なぜ三人称中性なのか?まあこれは要するに、「人が人にzekátaをzeúḷする」という動作の描写じゃなくて、「zekátaを付けないわけには行かない、そういう自然の摂理が人にzekátaをzeúḷする」という意識なんじゃなかろうか。
一方、horabátは「人がhorabátをhorúḷする」なので三人称男性過去分詞なんじゃないかなぁ。
ということで、名詞化第五接尾辞に-(a)bátも追加されることになる。
しかし、なぜhorabátは -azená > -azenaではなくて -abáta > -abát なのだろう。
確率割り当ては…2:1:2かな。んーでもよく考えると1.と2.って結果が同じか。じゃあ3:2でロール。
1.または2.となった。とりあえず-azenaは存在しないということで。
バート文字の転写対応フォント(一部未完成、小文字だけなら問題ないはず)を作ったので、テストページを。https://t.co/pa67ctBAxS
— ჰაარ (@HaarLangLove) 2018年7月4日
理語とバート語がリパーシェとバート文字で表記されているはずです。
この中に例文として"ko bhátán zepha hem."と"Fqa es lineparine."というのが出てくる。
"ko bhátán zepha hem."と言えるのかどうか考えている(違和感あるんよなぁ)(「文」は「言語」ではないから、なような気がしている)(んー)(SY「パイグ・タカンは言えそう」)(kpht「まあ無理ってことにしとけばいいんじゃないの」)
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年7月4日
「文」「文章」を造語しろって話ですね
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年7月4日
SY「タカンやパイグはzep1系統は『言語』というより『言う』だからなぁ」
j.v「バートはそこらへんbhátúḷだからなぁ」
まあ "ko bhátán (hem)." かなぁ
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年7月4日
そう言われるとfqa es lineparineもなんか違和感を覚えてきた、こういうときこそコーパスや。
— Fafs F. Sashimi@いせにほ7/5発売 (@sashimiwiki) 2018年7月4日
ない(無い)
— Fafs F. Sashimi@いせにほ7/5発売 (@sashimiwiki) 2018年7月4日
fqa es lipalain.だと結構許されそう。
— Fafs F. Sashimi@いせにほ7/5発売 (@sashimiwiki) 2018年7月4日
lineparine使うと、fqa es lineparine'd krandiurg.までしっかり言いそうな気がする。
— Fafs F. Sashimi@いせにほ7/5発売 (@sashimiwiki) 2018年7月4日
ということでリパライン語と揃えることにした。とりあえず「文」「文章」を造語するか。
まあ藍tauhiであって、藍taupwo・牌tau2が伐dauphaで、牌hauk1が伐raukiで、藍mohoが伐bohúḷ、藍baihaiuがbháheúḷなのだから、dauhiしかありえない……んーー
違和感がある。なぜだろう。hínaとかhíjaとか-híとかあるからhíは問題なさそうだけど。hiは前例がない。
んーdauhi, dauhi, んーー
…「書かれたもの」でaccabátにすればよいのでは。horabátだとややこしいし。
あと、考えてみるとaccúḷって結果目的語ですな。書いた結果文字が生まれるんだから。記載しておこう。
[pʰ] [kʰ]があって[tʰ]がない言語、なんか殆ど無いらしいですね。
ということで案として考えたのが、第二次子音推移みたいなことが起きた、というか、起きている最中、という説。
Wikipedia contributors, "Lenition," Wikipedia, The Free Encyclopedia, https://en.wikipedia.org/w/index.php?title=Lenition&oldid=849018287 (accessed July 25, 2018).
geminated stop → stop → affricate → fricative → placeless approximant → no sound original sound → degemination → affrication → spirantization
(deaffrication)→ debuccalization → elision [pp] or [ppʰ] → [p] or [pʰ] → [pɸ] → [ɸ] → [h] → (zero) → [pf] → [f] → [tt] or [ttʰ] → [t] or [tʰ] → [tθ] → [θ] → → [ts] → [s] → [kk] or [kkʰ] → [k] or [kʰ] → [kx] → [x] →
もちろん、[tθ] か [ts] がどこに行ったのか、という問題は残るわけだが。んー無難にzか?とはいえ*zeepq-zeepqがcepatepaと受容されていることを考えると、同様に「語頭c、語中t」でもいい気はする。あ、「iの前でz、それ以外なら語頭でc、語中でt」にするか。
無いのだが、何故無いのかを考えてみようという話。唇音+iでなにが連想されるかを考えてみると、漢語音韻学で一部の三等韻の前で唇音が軽唇音化するという現象があった。なるほど、/f/に行くというのもアリか。まあ/f/は無いんだけど。
なんとpʲ > kʲ (some Romanian dialects, Tsakonian)すらあるそうな。まあこの言語は/ʲ/の環境で大幅に音韻変化が起きているので、口蓋化であんまり変化が起きないバート語の変化として採用するにはあまり向いていないのだが。
んーやっぱり/f/と/v/かなぁ、その/f/が後にどこに行くのかという問題はあるけど。あと、軽唇音化では変化の際に拗介音が吹っ飛ぶが、本家だと主母音i,eのときには起きていない。(したがってbiとかの音節がある)ということで漢語の軽唇音化とは異なる現象であるのだなぁ。
gは「有気二連続の禁」に抵触したghからのみ発生する(要するにbhog)ことが知られているので、それを書いておこう。そういえば、バートでは語末にghが立たない(語末に有声摩擦音も有気音も来てはならず、ghは[ɡʱ ~ ɣ]なのでどちらでも抵触)わけだが、これは要するに「語末短化」(名詞末尾の-áが-aに、-aが-∅に行くやつ)の少なくとも後者が有声摩擦音・有気音の後では発生しなかったということである。元々gは音素として存在せず、「有気二連続の禁」によって二次的に発生したghの異音だったのだが、「語末短化」の条件を左右することとなって異なる音素として認識され始めたりしたということだろう。
そうそう、ついでに「有気二連続の禁」の条件を調べてみたけど、そもそも h.*[^aeiouáíú]h
(単独hは摩擦音判定であって有気音判定ではないので除外されそう)という語自体が存在しない(ヒットするのはghau ja gháのみ)っぽいな。ふむ、Cʰ…Cʰだけじゃなくてh…Cʰも無いのか。「有気二連続の禁」は後ろの音が無気音化することで回避されるので、h自身は無気音化しないが、後ろの有気音を無気音化させる効果はhにもあるのかもしれない。
他の摩擦音はどうなんだろう。破擦音には反例zephaがある。有声摩擦は反例síbha。ああ普通にṣabh-, ṣibh-がありますねおしまい。
まあバートh /x/ は有気音ではないので、関係ないと見るのが無難でしょうな。
語頭の子音については、今の所こういうデータが出ている。
p類
祖語 | バート | アイル | 古牌 | タカン |
*p- | bh- | p-, {p'-, ph-} | p-, pr- | m- |
*ph- | bh- | ph-, {p-} | f-, [fr-] | m- |
*b- | bh- | b- | b-, br- | m- |
*m- | b-, {m-} | m- | m-, mr- | m- |
*f- (u以外) | w- | f- | f-, fr- | m- |
*fu- | h-, ∅- | h- | [f-], fr- | m- |
t類
祖語 | バート | アイル | 古牌 | タカン |
[*t-] | d- | t-, t'- | t-, tr- | t- |
[*th-] | dh- | th- | [t-, tr-] | [t-] |
*d- | dh- | d- | d-, dr- | t- |
*n- | n- | n- | n-, nr- | n- |
k類
祖語 | バート | アイル | 古牌 | タカン |
*k- | k-, gh- | k- | k- | k- |
*kh- | kh-, gh- | k- | k- | k- |
*k-, *kh- | k- | kr- | k- | |
*g- | g- | g-, gr- | [k-] | |
*ŋ- | gh- | ng- | gr- | [k-] |
バートの特徴として、語頭と語中で許容される子音に差があることなので、語中についても見ていこう。語中のrについては「r₁はrとなる、r₂はhかghとなる、r₃は落ちる」というのが知られているが。
さて、語中を見ていこう。
p類
バート基準 | 祖語基準 |
*baep bhápúḷ (*dkoop) dhoḷop *fuepq epa *taupho daupha *zeepq zepha *saphaku ṣabhahu *siphui síbha, ṣibhai *’munq ám *qmamq amáma *qmuile amila *0₂qmq amúḷ *’tqr₃am aṭam, áṭam *manmanq banáman, manáman *0₂aaim ema *0₁aimq hem, hemúḷ *l₂um lom *nimslu nímaṣ *phoobo bhoma *sljoomq ṣoma, ṣomaúḷ, ṣomúḷ *momor₂q baukká |
*baep bhápúḷ (*dkoop) dhoḷop *fuepq epa *zeepq zepha *taupho daupha *saphaku ṣabhahu *siphui síbha, ṣibhai *phoobo bhoma *’munq ám *qmamq amáma *qmuile amila *0₂qmq amúḷ *’tqr₃am aṭam, áṭam *manmanq banáman, manáman *0₂aaim ema *0₁aimq hem, hemúḷ *l₂um lom *nimslu nímaṣ *sljoomq ṣoma, ṣomaúḷ, ṣomúḷ *momor₂q baukká |
t類
バート基準 | 祖語基準 |
*fokjut woghit *phed bhát *tqtq dat *r₁aikqt ek, *hekad *dradq dhárad *qtaa adha, aḍuha(zoúḷ), aṭa(za) *0₂atheisl adheṣ *manmanq banáman, manáman *0₂anl -án, -áná *many báni *phaen bhán *kani gháni, ghánúḷ *ninq nín(accú) | *qtaa adha, aḍuha(zoúḷ), aṭa(za) *tqtq dat *r₁aikqt ek, *hekad *fokjut woghit *0₂atheisl adheṣ *phed bhát *dradq dhárad *manmanq banáman, manáman *0₂anl -án, -áná *many báni *phaen bhán *kani gháni, ghánúḷ *ninq nín(accú) |
k類
バート基準 | 祖語基準 |
*slikau ṣíkahúḷ *khaka khak *r₁ik ríka *srakkq cákíkaúḷ, cákíkúḷ, sáka, sakká, rakkúḷ *’kiqa ákíjam *0₂akq aghauṭa, ákúḷ *sai^ngq seṇa *ka^nga káṇa | *0₂akq aghauṭa, ákúḷ *slikau ṣíkahúḷ *khaka khak *r₁ik ríka *srakkq cákíkaúḷ, cákíkúḷ, sáka, sakká, rakkúḷ *’kiqa ákíjam *sai^ngq seṇa *ka^nga káṇa |
ふーむ。ちなみに語中khはまだないが、r₂が
*momor₂q baukká *mor₂q bohúḷ *l₁er₂q legha, leghúḷ
という挙動を示す。
ということで考察をやった。
まあこんな感じか。-d-は確証に欠けるけど(dháradは「禁」の影響かもしれないし、kádは*t由来とされていてよく分からないので)
p類
祖語 | バート語頭 | バート語中 | アイル語頭 | 古牌語頭 | タカン語頭 |
*p | bh- | -ph- (ただし「禁」で無気化することが多い) | p-, {p'-, ph-} | p-, pr- | m- |
*ph | bh- | -bh- | ph-, {p-} | f-, [fr-] | m- |
*b | bh- | -m- | b- | b-, br- | m- |
*m | b-, {m-} | -m- | m- | m-, mr- | m- |
t類
祖語 | バート語頭 | バート語中 | アイル語頭 | 古牌語頭 | タカン語頭 |
[*t] | d- | -t- | t-, t'- | t-, tr- | t- |
[*th] | dh- | -dh- | th- | [t-, tr-] | [t-] |
*d | dh- | -d-(「禁」かも) | d- | d-, dr- | t- |
*n | n- | -n- | n- | n-, nr- | n- |
k類
祖語 | バート語頭 | バート語中 | アイル語頭 | 古牌語頭 | タカン語頭 |
*k | k-, gh- | -k- | k- | k- | k- |
*kh | kh-, gh- | k- | k- | k- | |
*k-, *kh | k- | kr- | k- | ||
*g | g- | g-, gr- | [k-] | ||
*ŋ | gh- | -ṇ- | ng- | gr- | [k-] |
また、音韻対応以外にメモっておくべきことは
寝ていたら「yの直後にu, úが来ないのではない、yu, yúのことをju, júと綴るのが正書法なのだ」みたいなお告げが発生した。なおお告げは「yの直後にoが来ないのではない、yoのことをjoと綴るのが正書法なのだ」とも言っていたのだが、バート語にはjoも-yoも存在するのである。お告げ、バート語を理解していないらしい(んーでもjoは現状jo一語だな)(逆に-yoはアイル-uvooに対応する-íyoだけだな)
これ普通にbhobaの異化なんじゃないかなぁ。mábhaの例もあるし、bhVbとbVbhは避けられるのでは。
これでやっと説明がついた。
この説明の何が嬉しいって、pシリーズ・tシリーズ・kシリーズの微妙な差異を、通言語的に比較的不安定と聞く/p/と/g/に全部押しやれることなんよね。
pluricentricな言語ってたのしいですよね。とはいえ複数の規範を持つとなればそれなりに歴史的理由も必要になる。「monocentricな方が歴史考察が楽」vs.「pluricentricな言語ってたのしいですよね」を天秤にかけると、まあダイスロールが適切かなぁと判断。えー奇数ならmonocentric。5。monocentric。
うーむ。まあダイスの思し召しなので仕方ないよね。
まあ地域変種は作りますけどね。標準化はしないと。
ギリシャ語にはπφ, τθ, κχがあるけれど、バートはどうなんだろう。
という問を思いついた直後ぐらいに答えが現れた。そもそも89-8.の音法則から見るに、2. - 4. の時代については語中に来る音素は(流音・摩擦音系列除くと) /pʰ/ /bʱ/ /b/ /m/; /t/ /dʱ/ /d/ /n/; /k/ /gʱ/ /g/ /ŋ/ なので、有声阻害音の重子音禁止則に従うと /ppʰ/ /mm/ /tt/ /nn/ /kk/ /ŋŋ/ (> /ɳɳ/) しか出ないんですな。
さて問題は表記である。伝統表記なら重子音記号を使えばいいが、現代表記だと -p + ph- になりそうか -ph + ph- になりそうか考えねば。とはいえ、点一つでしか違わないしどっちでもいいかもな。
音韻法則とかを眺めていたらバート語に /ppʰ/ がありそうだということになったが、現代表記だと p + ph になりそうか ph + ph になりそうか考える回
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年10月7日
いやまあ点1つでしか変わらないしどっちでもいいんだけど
ギリシャ・サンスクリットはt + thやd + dhを採用してるわな
どっちでもいい説
— Fafs F. Sashimi@いせにほ好評発売中 (@sashimiwiki) 2018年10月7日
どっちでもいいわな
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年10月7日
まあそもそも音節末に有気音来ないし、点を余計に打つのも面倒なだけだし、p+phが普通でしょうな。
ṭ [ʈ], ḍ [ɖ], ṣ [ʂ], ṇ [ɳ], ḷ [ɭ] があって[ʈʂ]系統が無いんよなバート。普通話とかポーランド語とかの「摩擦・破擦はあって破裂はない」パターンではない。[ɭ]は/l/の異音なのでどうでもいいとして。
普通話では中古漢語の
が/ʂ/や/ʈʂ/系統に行き、中古漢語の
が/ɕ/や/tɕ/系統に行っている。逆にポーランド語の方は、Proto-Slavicでのk系統がSlavic first palatalizationで口蓋化してできたč[t͡ʃ]系統が現在の反り舌で、当時はまだ口蓋化していなかったt系統が現在の/tɕ/方面っぽい?わからん。
ああスウェーデンがまんま[ʈ], [ɖ], [ʂ], [ɳ], [ɭ]なのか。あっちは音素じゃないけど。r+子音ですよねあっちは。ノルウェーも[ʈ], [ʂ], [ɳ], [ɭ](一部方言では[ɖ]も)と。へー[ʂ]は音素としてもあるのか。
そういえば「pre-classical Latinではiとeの前でのみlはvelar」という話を71に書いたけど、ノルウェーも母音によるlight l/dark lがあるらしい。依存するのは直前の母音っぽいけど。
…え?インド?えーもちろんたくさんありますよハイ。グジャラーティーとか語頭の[ɳ]や[ɭ]が禁則ですからねピッタリですよそりゃ。
いやでもですね。インドの言語を参考にすると有気音が欠ける説明がつきませんよねハイ。たぶん。ですからまあとりあえず今回は後回しにするということでハイ。
あ、あとどういうそり舌音なのかの話もあったな。個人的にはlaminal post-alveolarを推したい。自分での発音がそれだし。
ここ最近バート語創作あんまりやれてない(9月に至ってはコミット数0)にも関わらず、「アリス」冒頭を久々に書き出してみたら完璧に覚えていたという #bhaataan
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年10月2日
人工言語界隈だと「自分の言語の文法書が書けるぐらいに語彙やら文法やらが整理される」はたしかに一つのマイルストーンではあったりする
— hsjoihs@数情物化語(@hsjoihs@mstdn.jp) (@hsjoihs) 2018年10月16日
私はサボっているので現状全然達せそうにありませんごめんなさい
— hsjoihs@数情物化語(@hsjoihs@mstdn.jp) (@hsjoihs) 2018年10月16日
とか言ってたら依頼が飛んできた。
@sosoBOTpi スキュのバート語訳をした人の名を作りたいのですが、制作可能ですか?(歴史的設定等はこちらで行って後ほど報告します)
— Fafs F. Sashimi@いせにほ好評発売中 (@sashimiwiki) 2018年10月15日
そんなこともあろうかとonomatologyだったりtoponymyだったりの文献を夏の間に軽く調べてはいたんだが、進捗がなかったんよね。
ちょっと考えたが何も思いつかなかった。そうだ、リパラオネ圏から翻訳借用された姓にしよう。
あとどうでもいいのだが、なんか訳者が2人欲しくなったので2人分作るかな。自ら仕事量を増やす理由は謎だがなんか2人欲しいのよね。
síbhabhauって[ziːbʱabau̯]よな、という感想になった。でもaghauṭadhelは[aɣau̯ʈadʱe̞ːɾə]よな、となった。後者は、ghが真の有気音とは限らないことに加え、間にṭaという音節が挟まっていることが負荷軽減に役立っていそうだ。
ということで、格語尾-dhel, -dhelá, -bhau, -bhauná, -dhínáは直前の音節に有気音がある場合に無気化するという規則を立てる。
祖語の対立を残していた古き良き時代(89-8.で書いた、変化3の起こる前の時代)と異なり、語頭であるかどうかを条件に子音が真っ二つに割れてしまった変化3以降は表音表記では形態素が見づらい。
ということで、その対策用にバート言語学者が使う記号というものを考えてみた。清濁をちょっとでも表す要素があると通時的表記として使いづらいので、あくまで祖語に存在した4つの対立を表現するという目的を果たすべく、リパーシェ碑文体を母体にその4つの角に点を打つ方針になった。どこをどの点にするかは乱択で決めたが、結果として便利になったので良き。
なお、ラテン字転写では上付きと下付きの0を使って表すことにする。便利だからね。
祖語との対応は次のような感じ。
p⁰ : *b | t⁰ : *d | k⁰ : *g |
p₀ : *p | t₀ : *t | k₀ : *k |
₀p : *ph | ₀t : *th | ₀k : *kh |
⁰p : *m | ⁰t : *n | ⁰k : *ŋ |
さて、バート語ではkシリーズがどれもgh /ɣ/になりうるという特徴がある。この条件は未解明なので、現代バート語の表記としてはこれを区別して表記したい。ということで
— Fafs F. Sashimi@いせにほ好評発売中 (@sashimiwiki) 2018年10月8日
これをそのまま流用することができ、現代音で書き分けるときには現代gから持ってきてやればいい。現代gを使うもよし、点を落としてΠ型にするもよし、Λの異形態に過ぎないことを明記すべくΛみたいにしてもよかろう。
さて、現代バート語話者がこの表記法を活用するためには、それぞれの表記がバート語のどの音に対応するかを知らなければならない。そのためには、以下の4行を口唱すればよいだろう。
bʱa, | aba, | dʱa, | ada, | kʰa, | aka, | ɣa, | aɣa |
p⁰a | ap⁰a | t⁰a | at⁰a | k⁰a | ak⁰a | g⁰a | ag⁰a |
bʱa, | apʰa, | da, | ata, | ka, | aka, | ɣa |
p₀a | ap₀a | t₀a | at₀a | k₀a | ak₀a | g₀a |
bʱa, | abʱa, | dʱa, | adʱa, | kʰa, | akʰa, | ɣa, | aɣa |
₀pa | a₀pa | ₀ta | a₀ta | ₀ka | a₀ka | ₀ga | a₀ga |
ba, | ama, | na, | ana, | ka, | aɳa, | ɣa |
⁰pa | a⁰pa | ⁰ta | a⁰ta | ⁰ka | a⁰ka | ⁰ga |
だいたいこんな感じだろうな。
タカンも右上の点で濁音らしい。へー。どっちかがどっちかに影響したということにできるな。
/bʱabʱa/は[bʱaba]だからですね。
eとai, oとauに関して、次のような方言差がありそうだということを思った。
合流する方言(2.)もあれば、ai, auに追い出されてe, oが狭くなる方言(3.)もあるということである。
さて、文法書に1.が載っているということは、1.がもっとも力を持った方言なんだろうな。となると、母語が3.である話者が正式な場で話そうとするとe [eː], o[oː], ai [ai̯], au [au̯]という体系になったりするのかもしれない。まあそもそも1.の話者は3.の体系を苦労なく聞き取ることができるでしょう。2.もまあどうせ文脈で分かる。
例文に足しといた。
88. に『あと、考えてみるとaccúḷって結果目的語ですな。書いた結果文字が生まれるんだから。記載しておこう。』と書いてあるが、記載していないので辞書に載せた。
10月26日頃、寝ていたら、『形容詞bhá「全ての」って複合語bháhepa「国際的な・国際的に」とかを作るけど、そんな感じで状態動詞と複合語を形成することで形容詞の補充形を作りそうだ』という話が自然発生した。
寝てたら久々に文法方面の天啓が在ったので書いておくか。
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年10月26日
ん、でもどういう意味論になるんだろうな。そもそもbháの例文も無いのでbháの語義もしっかり考えなきゃ。
bháって今の所bháhepaしか派生語が無いし、例文も無いな。じゃあ今から精密な語義を決めてもいいのか。
そもそも類推する方向が違うよね。bhá + kとかで「すべて」、bhá + káṇaとかで「常に」とかの副詞を生むんじゃないの?用言用法なんてなかったんや。(あ、amámaは用言用法あってもいいかもね。)
さてどういう複合語になるんだろう。まあbháhepa (< bhá *fuepq) 見ても分かるように名詞句から派生した副詞なので、名詞の語末短縮は起こっているとしてよさそう。
さてbhágháṇaは一応禁則ではないが(現代のghは有気じゃないので)、kが反映形として許されている以上類推上も不利だし、まあbhákáṇaでしょう。問題はbhá + kで、というのもこれはbhágが許される。3.の時代(いい加減名前付けたいですね)bhogが許されるので語中ならなおさら濁らないんだが?bhákáṇaとbhákで確定。
しかしこれ「bhá káṇaかbhákáṇaか」「bhá kかbhákか」という正書法の問題が出てくるな。
bhá kは簡単で、字義通りの「全てのもの」ならbhá káなので…いや、文法書にある通りbháも「多数性を明示する表現を伴っている場合は複数形接辞を用いない」のでは?epaやkáṇaは連続的だからよく分からんけど。じゃあ結局揉めるわけだ。
ともに2番目がいい気がしてきた。そうしよう。
bhákáṇaはkáṇámとの使い分けも気になるが、まあ普通にkáṇámは様々な格で使えるんでしょ。「彼は永遠さを欲する」とか。あと、káṇámはどちらかというと未来に無限に続くことを意図するのに対し、bhákáṇaは単に「常である」様を表す。
とりあえずbhákáṇaを登録。
ポーランド以外のスラブにおいては鼻母音と化して脱鼻母音化した(代償延長したりいろいろしたりしたらしい)、という話があるそうですな。まあスラブは-NN-も無いんですが。
まあそれに関しては、バートにはシャッダ(いやバート語で名前つけようぜ)だけがあったという話が影響を与えてるのかもね。
シローレーカー(上の棒)だけつなげて書くことでハイフンの役割ができそう。aṭam-kádとか。
とはいえ、リパラオネ文化圏ならハイフンというよりアンダーバーに対応しそうなアレなので、転写はアンダーバーにするか。ハイフンはprintBhatで既に使用済みだし。
バート語におけるシローレーカー、音素列の中から単語を切り出してまとめるために導入されたように思われるんよな(cf. 一方サンスクリットのデーヴァナーガリー表記とかは単語境界を超えて棒が全部連なる)。ということでnautu方面で作るというのがよさそうなんよな。
「nautuに何がくっつくんだろう」「『軸』かなぁ」「『軸』ってどうなるんだろう」「*ρ-でアイルreae、じゃあバートeかなぁ」「短いなぁ」「現代語で使われてなさそう」「でも伝統的名称としては残っていても面白いな」「単独語として死んでいれば『eという語』という義に誤解される恐れがないという副次的利点もあるな」「じゃあそうしよう」
特に違いは意図していないらしい。ただ、コーパス見るに一般名詞は-homáになりやすく代名詞は-omになりやすいらしい。
とあるが、明文化していなかったので、『-omと-homá、-omáと-homeの差は特にないが、-omは代名詞に使われることが多く、一般名詞には-homáと-omáが使われる傾向がある。ただしkoに関しては*koomではなくkohomá。』と記載。
これについては、「-cも立てたが、こっちは/h/かなんかにdebuccalizeした後に消えたのではないか」という説を立てた。歯音以外はdebuccalizeしなかったのでṣは残ったという説。
根拠の一つとして、woghit ákazeなどにおいて-tが声門閉鎖音として実現できるという話がある。-p, -kに関してはこれが起きていないので、歯音を特別視するのがセーフになるのではという説である。
英語版辞書を日本語版辞書に追いつかせた。現在311単語で、英訳終わってないのは現状21単語なので93.2%翻訳が終わっている。
英語版 日本語版ちなみに未翻訳は[^\s!-~áíúṭḍṣṇḷ藍牌→←伐理ヴェフィス皇]
で検索すると一発で分かる。
長母音ゼロコーダになると思います。「日本」ならniho.
バート語のphonotacticsについてwikirlevipに記事を書いた。
シローレーカー(上の棒)だけつなげて書くことでハイフンの役割ができそう。aṭam-kádとか。
とはいえ、リパラオネ文化圏ならハイフンというよりアンダーバーに対応しそうなアレなので、転写はアンダーバーにするか。ハイフンはprintBhatで既に使用済みだし。
↑これ、自分の中では定めていたけど正式採用し忘れていたので正式採用する。
このaṭamとkádは合わさって一単語化しているとみなし、シローレーカー(nautuhomá e)でつないで書くので、ラテン字転写ではアンダーバーで繋いでaṭam_kádとするのが通例。
— バートさん(bhátaim) (@bhaataan_zepha) 2019年2月25日
バートさんもそう言ってるし。
とりあえず文法書に書いてこよう。あとaṭam_kádを辞書に載せ、ついでにアンダーバーをsnojファイルに対応させた。
ehai「王冠」、bhoúḷ「満たしている」を造語。あとついでに造語だけしてたlíṇabáni「燐字」も辞書に突っ込む。
私「aiとauという転写、-a + i- や -a + u- という複合語が生えたときにバート文字だと区別できるけどラテン文字だと区別できなくて困るのでは?」
辞書「そもそも現状i-やu-で始まる単語がありません」
私「はい。」
かなり前(少なくとも2018年7月中旬より前)に「aiの字形がuっぽくてauの字形がiっぽいのなんでやねん」という話になった。
まあ結論としては、aiは子音字jを母音符号のように付記したものということになった。auはなんだっけ。忘れた。
ちなみに、現世におけるこういう見かけ上の入れ替わりの例としては、
アラビア文字を作った人を小一時間問い詰めたい。 pic.twitter.com/AWto5BvgY7
— 中村明裕 (@nkmr_aki) 2018年11月14日
などの例がある。
で、これについて、燐字を引いて「山字に水あれど山は水ならず。字の形必ずしも義を表さず。」みたいなフレーズがありそう、みたいな話になった。今回の場合表してないのは義じゃなくて音だけど。
冠光のバート語名をehaihomá kádとした。なお、英語版辞書も作ってあるので、テキトーに "The Light of the Crown" (national anthem of Ai'ren Republic) とか説明を書いておいた。
before: 『バート文字は、パイグ文字などから派生したラネーメ系文字の一つである。元々は完全なaアブギダ(「伝統表記」)である。しかし、現在では、元々の子音ゼロの字に母音符号のついた形をそれそのままで母音字として用いる、よりアルファベット的な書かれ方をする(「現代表記」)。』
after: 『バート文字は、パイグ文字などから派生したラネーメ系文字の一つであるが、リパーシェの影響も強く受けている。元々は完全なaアブギダ(「伝統表記」)である。しかし、現在では、元々の子音ゼロの字に母音符号のついた形をそれそのままで母音字として用いる、よりアルファベット的な書かれ方をする(「現代表記」)ことも多い。』
(t|d|dh|c)iがない。dí, dhíはめっちゃある。実際ciとかbhátán rásitに欠けている気がする。ちなみにciが無くてsiがあるのはパイグ語にも見られる特徴。なんかこれ(ciが口蓋化により失われているのにsiは口蓋化しない)(要するに、「なぜかジャ行が避けられる」)は言語連合なのでは、と前にどこかで言及した気がする。
発掘。discordの「ラネーメの諸言語」チャンネル。
ということで、bhátán rásitも感じられないし、(t|d|dh|c)iも禁則なのではという仮説を立てておこう。あとcíやtíもなんかバートっぽくない。
そういえばバート音節表更新してないな、更新せねば。えーとkáom káまでは反映してあるらしい。
dákínúḷによりdáを追加。ceṣloもあるし、cepatepaにしかないceをバートらしくないと言い張るのも微妙だと思ったので(✓)から✓に格上げ。ehaiによりhaiを追加。んで今増えた禁則のマスを白くしてターンエンド。
口語的であって規範的ではないとされる、jo ámの縮約があるのではないか、と思った。
さて、語形がどうなるかである。oが合口なので、y-になる可能性がある。語頭にy-が来る例は現状無いが、別に禁じてもいない。
バート文字だと点一つの差しかなく、かつ口語的表現なのだから、どちらも辞書に載せればいいことに気がついたので、そうする。
品詞は…「文末に置く。」とだけ定義されている終助詞かな。
メモ帳にはこんなふうに書いてある。
ということで2. 7. 8.の性質を持つ変種が考案された。
唇音 | 歯茎音 | そり舌音 | 硬口蓋音 歯茎硬口蓋音 | 軟口蓋音 | ||||||
鼻音 | m [m] | n [n] | ṇ [ɳ] | ṇ, nь- [ɲ] | ṇṇ [ŋŋ] | |||||
破裂音 | p [p] | b [b] | t [t] | d, dh [d] | ṭ [ʈ] | ḍ [ɖ] | k [k] | (g [ɡ]) | ||
破擦音 | z [ts] | z [ʈʂ] | zь-, kь-, khь- [tɕ] | |||||||
摩擦音 | ph [f] | bh, w [v ~ ʋ ~ w] | c [s] | s [z] | ṣ, ṣl [ʂ] | x, hь- [ɕ] | kh, h [x] | gh [ɣ] | ||
接近音 | l [l] | ḷ [ɭ] | j, y, lь-, ghь- [j] | |||||||
ふるえ音・はじき音 | r [r ~ ɾ] |
ьはi, í, 一部のeの前かなぁ。heyákáṣloが[ɕe̞ːjaːkaːʂo̞ː]になる感じか。bhátán zephaが[ʋaːtaːn tɕe̞ːfa]。
この変種、俗称としてwátánとか呼ばれてそう。
kádという語のkáḷdという綴り、kádが何らかの別の単語と紛らわしいために余計なlが挿入されて生まれたものでは無かろうかという気がした。(cf. アラビア語では、点なしではminhu「彼から」と紛らわしいmi'at「百」に余計なアリフが入ったりする)
で、「zúḷ『する』との曖昧さ回避では」となった。kの第一画は左にはねるのだが、その次の画と連ねて書くとたしかにだいぶzと紛らわしい。
ということで、これを避けるために綴り字上ではlが挿入され、語頭でなくeにもiにも隣り合わずṣの直後にも来ていないのでlとḷの綴りが分化した際にそれに従ってḷとなり、最後に表音主義で吹っ飛ばされて今に至る、って感じとすればよさそう。
俗称wátán、まあ「ズーズー弁」などと同様、話者自らではなくbhとwの対立のある話者が言う表現であろう。それはそう。
で、wátánというのは多分bhとwの対立がない変種全般を指すのであって、その中でもいくらかバリエーションもあるだろう。名前考えねばなぁ。
とりあえずwát絡みの単語を辞書登録。
81.に「leghúḷの命令形について考察が必要」と書いてある。zíghúḷやkánaghúḷにも同様の理由で命令形の考察が必要である。
あと、bohúḷの命令形ってどうなるんだ?
とりあえず、ácahúḷはácauだけど(今さっき立った)cahúḷはcauzemであることには異論がない。
bohúḷの命令形、普通にbozemな気がするが。
あと、cahúḷ + -zはcahazではなくてcauzに決まっているので、zúḷと同じ扱いに載せておこう。
zíghúḷのように直前に長母音がある場合は(bhogと同様)zígとgになり、kánaghúḷのように直前が短母音である時は代償延長を起こしてkánáです。これで決まり。
「~しようとする」のための動詞接中辞。 cf. 越淮書房 - 文法詳説
祖語が*bである-bháp-, -abháp-の挙動からして、普通に語頭判定であって-boh-, -aboh-でしょうな。
「貝葉」。貝の一種ではなく、pattra >「貝多羅葉」の略だそうな。伐英辞書ではpalm-leaf manuscriptとしている。Wikipediaさまさまである。で、まあaccúと言ってるんだし、manuscriptだし、「貝葉コレクション」というのは書き込まれたものしか含んでいないだろうし、書き込まれたもののことしか指せない(未記入のには使わない)気がしたのでそうする。
nín単独、まあ「紙」でしょうな。で、-úだけど、これが幻の「名詞化第二接尾辞」なのでは。意味用法はよくわかんないけど。
*nu'a [nuʔa]がnuttaになるのはまだ分かるとして、*0₂i'q [iʔə]がhínaなのはわけが分からんが。あ、まあ*i'q の後に鼻音で始まる別形態素がくっついたと考えればありえそうか。
lexeḷを辞書に載せ忘れていたので載せた。
一音節で短母音からなる子音幹はあと鼻音しかありえないので、長子音化するという規則がありえる。納得がいったので採用。ちなみに2019年3月末ぐらいにはあった発想。
というか、zúḷやcahúḷとまとめて-au系のをひとまとめにしてもよい気がしてきた
バート語の仮名への転写法を定めた。
バート語創作者であるjekto.vatimelijuがあまりにもバート文字とバート語文法を覚えていないのを憂いて、バートさんが直々にjekto.vatimelijuにバート語を教えてくれることになった。やったぜ。
内容はこちらから確認できる。
ところで、このセクションのタイトルがどのような文字列であるか確認してみようか。
使役接辞 -a- は非使役と区別がつかず紛らわしい。ということでzúḷに使役接辞入れたzáúḷを補助動詞として使うという形も用意されていそうだとなり、採用した。
…んー、aḍuhazozáúḷはなんか違う気がするな。aḍuhazobhápazenáは違和感ないけど。aḍuhazoazáúḷ…んー。zallozáúḷは違和感ないのでaḍuhazo-だけ無理なのかな。まあ元々zúḷが入ってるし。あ、aḍuhazáúḷだな、これだ。末尾がzúḷだからこうなるのか。
recúḷの命令形recがあるんだし、末尾cにも普通にbhátán rásitはあるのでは?debuccalizeして消えたという説に根拠がそんなにない。ただ、閉音節化の対象では(なぜか)なかったがために語末にあまり来ないのかもしれない。
ただ、accúḷの命令形がacc [assə] であることを考えると、recúḷの命令形はrec [re̞ːsə] なのかもしれない。-lと同じく-cもシュワー挿入を起こすのかもしれない。
reṣになるという可能性もあるのかもしれない。ちょうど-ṣúḷは空席だし。ちなみにそもそも語中cはもともと語根acc-とjuecleoneしかなかったという話もあったりする。
考えてなかった。考えよう。
考えた結果、元の文の目的語は対格で保持、元の文の主語は†具格†に化けることとなった。ほんと何にでもでてくるな具格。「〜を用いて」以外では。
まあ、具格の最も基本的な意味は「〜を用いて」であって、それ以外の特殊な用法ばかり辞書に載っている、というだけだろう。
あ、「基準具格」という用語を文法書に足していなかった。リパライン語訳も載せとくか。leusursans fon fisartとかでいいんかな?じゃあこれと対比して「使役具格」という用語も足せばいいか。
「fisartの意味範疇が違和感あるかも、faiiumとかを使ってみるとしっくり来たのでこれが良いと思うよ~」とのこと。
92.5%だった翻訳率を94%まで上げるなどした。
私が人工言語で気になるのは書き言葉が先にあって音声になったときにどうなるのかがあまり記述されてない傾向がある気がすること。別の言い方をするとイントネーションや韻律単位があまり言及されない。等時性の単位とかも誰も気にしない。
— 日本語の新しいローマ字『教育ローマ字』 (@awesomenewways) 2019年5月23日
けど時雨さんが言ってる古参勢ってつまり悠里界隈だと思うけどあの界隈ではこういうのはやってみて観察する主義なので決める必要がないのかもしれない。
— 日本語の新しいローマ字『教育ローマ字』 (@awesomenewways) 2019年5月23日
SYも「二年ぐらいパイグ語を運用してみた結果、やっと声調の基底形と表層形の関係の説明がついた」とかこの前言っていたし、わりとこの傾向はありそう https://t.co/3EL0FqL3m7
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2019年5月24日
人工言語を運用して修正するんじゃなくて運用して実態を明らかにするっていうのはいつかはすじょいさんが出してた調査のレポートのようなものを見るまで本当に発想がなかった
— 日本語の新しいローマ字『教育ローマ字』 (@awesomenewways) 2019年5月24日
バート語の等時性の単位については研究が発達途上だけれど、一つあるとすれば「あれって『長 /iː/』と『普通 /i/』というより『普通 /i/』と『超短 /ĭ/』だったりするのでは?」という仮説は立っている。
ピッチカーブについては、Low・Mid・Highがあり、
あと、これに加えて、alicやaṭamが主格単独である際にHMになれる現象が観測されており、説明が必要である。
と書いたが、 -kaha-, -kah-, -khá-, -kagha-, -ká- ぐらいはいそう、という気持ちになった。
地理設定考えなきゃなー、グォン・アルト藩国を9つに分けたやつもそろそろ正式にリリースしなきゃなー、
いやでも語中閉音節の獲得が比較的最近なのだったら「大移住」の後かもしれないぞ?
んーでもjuecleoneとかあるし、「大移住」のちょっと前ぐらいかなぁ。
「大移住」ってなんて言うんだろう。amáma boh- ... amáma bohúかなぁ、名詞化第二接尾辞。
『「大移住」(amáma bohú)。「大退去」とも。バート人がグォン・アルト藩国を去らなくてはいけなくなった2000年の痛ましい事件とそれに次ぐ混乱を指す。 単に「行く」の意味もあれば「(永久に)去る」の意味を持つbohúḷは(訳語が揺れるのはそのため)、 心の故郷であるグォン・アルト藩国に帰れる見込みの乏しいバート人の思いをよく表現しているともいえよう。』とか書いとくか。
2019年5月30日に、j.vが「バート人ってあまり酒やらタバコやらをしなそうなイメージが勝手にあるけど、どう思う?」とFafs氏に訊いたところ、「明確な根拠を持って『そうなりそうだ』というのは思いつかないけど、イメージとしてはまあ分かる」と言われた。それに対しj.vが「バートってラネーメの中で一番リパラオネの影響がでかいと思うんよ。最初期から明確にリパーシェの影響を受けた文字で横書きをしているし。リパラオネ教徒みたいに『酒を飲むな!!!』と叫んだりはしなそうだけど、『酒とか飲むなんてダサいよねー (*´・ω・)(・ω・`*)ネー』みたいな感じになっているのではないか」と返し、Fafs氏はそれに納得した。
S.Y「逆に一番影響受けてなくて酒飲みそうなのどこだろう。タカン人か。」
ちなみに、他のリパラオネ要素としては、「ラネーメ祖語 r₁([ʀ]か?)が 現代語 r [r] に行きうる(その他の反映としては、語頭ではゼロ、語中では gh [ɣ]がある)し、ラネーメ祖語 r₂([ʀ̥]か?)が語頭では現代語 r [r] に行きうる(語頭・語中共に h [x] に行くのが普通)という、「フリッチのレイチャット化」をリパライン語と同様に起こしていることなどが挙げられそうである。
52. rer遣い
— Fafs F. Sashimi@6/29 架空世界学会 (@sashimiwiki) 2018年9月20日
デュテュスンリパーシェはr/Rの二文字がある。これらをどのように使うかがrer遣いである。古理のʁが消えたことによる代償延長にRを使うのかどうかなど、細かく派閥が分かれていて、正書法でどれを採用するか対立している。ちなみにこの議論が始まったのは2003fが作られてからである。 pic.twitter.com/9pf6iKJbZ0
adhahomá を綴り字通りに発音するのが険しいので、『-homá と -home は、直前の音節が「bhかdh」 + 短母音 である場合、それを無気化させる。綴りは保たれる。(例:adhahomá, síbhahomá)』という規則が発生した。-dhel, -dhelá, -bhau, -bhauná, -dhínáは直前の有気音により無気化させられることを考えると、やはりbh, dhってバート語においてわりと有標性が高く失われやすいのかも。
ettoであるという説があったが、長母音のあとに長子音が来るはずもなく。かといってittoでは語頭i始まりで、これまたよろしくない。
この二律背反の抜け道として、ghittoという道があった。これはghittoですな。
そもそも、フルネームは「父親の名前 ghátu 名前 (苗字/bhátnímaṣ)」という形式だけど、今の所観測されているフルネームって
ぐらいしかない…と思って調べてたら「人を殺すフォント - リパライン倉庫」からwoghitam ghátu epam bhátnímaṣという人名が発掘された。なるほど。
悠里資料を漁ってたら知らないバートの人名を発掘したので、さっそく辞書登録に向かっている #jurli #bhaataan
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2019年6月27日
えーと woghitaim は知ってるけど woghitam は……あれ、 woghitaim も未収録だが。
現状載っているのは aghauṭawaim, bánim, kádan, lexeḷ, lipakoḷ, rízan, ṣabhahum だけか。ここに「人名」「姓」「外来姓」であるghittoを足して、lexeḷもリパライン語辞書を見る限りfixa.lexerl以外では姓として用いられていることから「姓」「外来姓」タグを足して、あ、あとせっかくだから káḷd, káḷdan がサジェストで旧正書法として出るようにしておこう。
とりあえずまずこれで一旦コミット。あー第三課さっさと書いてコミットしないと。
第三課も復習回とすることでとりあえずコミットできたし、えーあとはwoghitam, woghitaim, epamを辞書に足せばいいかな。
さて話を戻すと、フルネームは「父親の名前 ghátu 名前 (苗字/bhátnímaṣ)」という形式だけど、今の所観測されているフルネームって「父親の名前 ghátu 名前」か「父親の名前 ghátu 名前 bhátnímaṣ」であって、苗字が明示的に出てきている例というのはない。
ということで、バート人は本来的には「姓」というシステムを用いず、外来姓と対比する形で「bhátnímaṣ」と付けて呼ぶのであって、bhátnímaṣというのが他民族の「姓」に当たる、という運用のされかたをしているのではなかろうか。
これを支持する証拠として、いせにほ#184にある
Jeska ad jumili'a-'d adkonsterlz-en lertasal-∅ reto letix-er-∅ ferlk-∅ zu es <xelken>-∅.
イェスカ ~と~ ユミリア-GEN 共産主義-ADJR 政党-NOM 殺す 持つ-する者-ACC 名前-ACC REL である シェルケン-DAT
イェスカとユミリアの共産党はシェルケンって名を持っている人間を殺している。
Cun, letix-o-∅ ferlk-e-stan-∅ es es-o-∅ fentexoler-∅ fal siss.
なぜなら 持つ-すること-NOM 名前-EPE-定性-ACC である である-すること-DAT 反革命主義者-DAT にとって→ 彼-PL
その名前を持っている人間は彼らにとって反革命主義者だから。
<Hinggenferl> adit <bartnirmax>-∅, <kjaska>-∅ at veles reto-o-∅.
ヒンゲンファール ~や→など バートニーマシュ-NOM キャスカ-NOM 同じく~も される 殺す-すること-ACC
ヒンゲンファールもバートニーマシュもキャスカも殺された。
とまあ、明らかにバートニーマシュが姓として扱われている。
(対訳は第四部対訳 - いせにほ資料集積所より引用)
2019年6月28日:
Fafs『bhátnímaṣの他にも姓に当たる存在はあるみたいだけど、カッコ付けされているから元々は「父名 ghátu 名前」が基礎的な形だったんだろうね。思うに姓というシステムが本来的に用いられなかったから、後世外来姓と対比する形で付けられたと考えるのは、位置的にはヴェフィスやリナエストの名前形式に準ずる位置であり、バート人が王朝時代からリナエスト藩国と接していたことを考えると後世に他民族語のそれに合わせるために付与されたタミル語的なものを感じる。恐らく、あまり大きな間違いはないと思いますよー。』
j.v『bhátnímaṣ以外で姓に当たる存在、まああっても少数派ということですね、了解です』
Fafs『少数派かはどうなんだろうなあ、アイル共和国での制度とかによる気がしなくもないんだよね。』
j.v『ふむふむふむ』
Fafs『戸籍的なものが存在するならばとか、そもそも法的な「家」概念が存在するかとか。』
Fafs『@SY アイル共和国に戸籍制度(国民国家が国民を把握する際に家族単位を登録する制度)はあるのか否かについて考えたい~』
SY『「家」の概念あるのかな』
Fafs『そこが疑問。少なくともヴェフィスには家門のようなの概念はあるけど、リパラオネ全体にそういったものが重要視されたのかは良く分からない。近代法制から影響されるのであれば、独立国家戦争時代のリパラオネ連邦における民法に注目が行くわけだけど当時のリパラオネ連邦は社会主義体制だったので国民を登録するシステムはあってしかるべきだろうなあ。』
なるほど。
形式名詞「k」は主格ではゼロになるのが規範的だが、口語ではk + hem の場合 /kʰe̞ːm/ として k が表れる形がありそう。
-rúḷの命令形、-ṣになる可能性があるのでは?ṣonáronáとか考えても。んーでもbhárúḷの命令形はbhárがしっくり来る気もする。
*-ṣúḷが無いことも考えて、んー -r ~ -rúḷ と -ṣ ~ -rúḷ が両方存在しうる?
母音の長短かもしれないが実際どうなのやら。
そういえば、rって(ja + rúṣ + -i である jarúṣi を除いて)いまのところ短母音の後に来ないんだよな。なおかつ *-rr- は不存在。これ、例えばbhárúḷ が *bharrúḷ と対立せず、重子音命令形で bharr → /bʱar.rə/ → [bʱaː.rə] なのかもしれない。(cf. ラテン語 con- [kɔn] + ferō [ˈfɛ.roː] → cōnferō [ˈkõː.fɛ.roː] の長音表記)
んー。
んーー。
そうだ。
(少なくとも歴史的には)基底にρとλがあって、これらは対立するはずが、母音間で短音化すると対立が失われる、というのはどうだろう。二重子音ならそのまま。
母音間で短音化したときというのはまた周りの母音から影響を受けやすいため、もともと同一音素だったのが口蓋化の影響で後に2つに割れる。
まとめるとこういうこと。
条件 | 基底形 | 現代音 | 綴り |
語頭 | ρ | [r] | 〈r〉 |
語頭 | λ | [l] | 〈l〉 |
母音間 | ρρ | [ːr] | 〈◌́r〉 |
母音間 | λλ | [ll] | 〈ll〉 |
母音間、eかiかíに隣接 | ρ = λ | [ɾ] | 〈l〉 |
母音間、eかiかíに隣接しない | ρ = λ | [ɭ̴] | 〈ḷ〉 |
そういえば、語頭の〈l〉が規範的には[l]であることはとっくに規定事項だったけど、辞書のsnojに反映させていなかったので反映させた。
あ、上記の分析はあくまで歴史的な分析であって、現代語としては短母音 + r は普通に許される。
「また、ám hem, 主格 主格. という言い方が許され、この場合もコンマが必要である。 *hem, 主格 主格. は不可。」という規定が増えた。言えそうなので。
という規則が増えた。ついでに別の箇所にも
と補足。ややこしく見えるが、まあ、とりあえず不存在なら何でもかんでもám hemakátá.と言っておけばいいということである。
「yの直後にu, úが来ないのではない、yu, yúのことをju, júと綴るのが正書法なのだ」ということを思っていたら、なんか普通に89-6.に書いてあった。なるほど。
文法書にも書いとこう。
開きと閉じの形が完全に同じである以上、引用符の中で引用符を使うための記号が必要である。
引用符 ⣀ に対して、二重引用符はそれを重ねた ⣤ にしそうだと思った。三重引用符は ⣶ にすると書くのが面倒なので、少なくとも手書きでは高さ60%ぐらいの縦棒2本かもな。
疑問符との複合は……んー個人の裁量に任されそう。
バート語の引用符には、(特に「zúḷの形」みたいな、文法用語とかを表す際に)単語の意味ではなく単語そのものについて述べるときに使うという用法があるように思えた。
そこに格語尾を付ける際に、トレデュニオンを引用符の上に重ねるのがよろしそうである。みたいな感じか。"zúḷ"_homá(子音で終わっていても母音幹用の語尾を付けることに注意)のようになるんかなぁ。
とはいえ、今の段階では二重引用符・三重引用符ほどの確信をもっての採用は難しいので、後回しである。文法書に載せるのも後回し。
elameniác、末母音が長短交代する可能性がある。-meniác は LLH だけど、 -meniácán だと LHLH になるのでそれを嫌って -meniacán にする可能性がある。ただしaccabátではaccabátánを嫌う理由がないんだよな。
んーー。
もうちょい色々考えてからだな。
文法書にあるけど「どのようなものであるか」を書いてないな。「分詞・名詞の属格・関係詞節のいずれかによって修飾されていることを要求する名詞」ですね。正直「依存名詞」の方が名前として好きなんだがなぁ。
両方の名前を載せておくか。あと、下位分類として「抽象的形式名詞」というのを立てておいたのと、kの複数主格の話を書いておいた。
言われてみれば、kを(分詞 or 名詞の属格)と関係詞節で挟むのはセーフだなぁ、と思った。まあ話者意識としては(分詞 or 名詞の属格)の準体法を関係詞節で修飾しているだけなんだろうけど。
バート文字・バート語文法速習 第零課「経緯」にて、「母語話者からのウケが悪く完全に名前負けしている現代表記」という歴史設定を文法書に載せていないことが指摘されていたので、是正した。
98-3.で考案されバート文字・バート語文法速習 第二課「文化」で決定しているように、bhá「全ての」は多数性を明示する表現なので直後の名詞は複数形にしない。
翻訳率の計算に使う正規表現が
[^\s!-~áíúṭḍṣṇḷ藍牌→←伐理ヴェフィス皇]から
[^\s!-~áíúṭḍṣṇḷ藍牌→←伐理ヴェフィス皇アイツォ]になった。
えー未翻訳は 25/361 だから 93.07% 翻訳済か。
東島通商語の「上行LT論」を書いている際、句読点と引用符が組み合わさったときの振る舞いについて「他言語どうなる?」とSYと話した。
ゆえに、バートでどうなるかを決めねばならない。
前例に基づき、そもそも「文の引用」と「単語列リテラル」の2種の用法があることを明文化し、
となった。表にするとこんな感じ。
↓用法\後続→ | ピリオド | 疑問符 | カンマ | 普通の単語 | 終助詞t + ピリオド |
文の引用 | 引用符 + スペース | 引用符 + スペース + 疑問符 | 引用符 + スペース + カンマ | 引用符 + スペース + カンマ + 単語 | 引用符 + スペース + 終助詞t + ピリオド |
文の引用(ラテン字転写) | 引用符 + スペース (U+0022 U+0020) | 引用符 + スペース + 疑問符 (U+0022 U+0020 U+003F) | 引用符 + カンマ (U+0022 U+002C) | 引用符 + カンマ + 単語 (U+0022 U+002C ...) | 引用符 + スペース + 感嘆符 (U+0022 U+0020 U+0021) |
単語列リテラル | 引用符 + スペース + ピリオド | 引用符 + スペース + 疑問符 | 引用符 + スペース + カンマ | 引用符 + スペース + 単語 | 引用符 + スペース + 終助詞t + ピリオド |
単語列リテラル(ラテン字転写) | 引用符 + ピリオド (U+0022 U+002E) | 引用符 + 疑問符 (U+0022 U+003F) | 引用符 + カンマ (U+0022 U+002C) | 引用符 + スペース + 単語 (U+0022 U+0020 ...) | 引用符 + 感嘆符 (U+0022 U+0021) |
45.で触れた、不定詞を取る動詞についてもう一度まとめてみよう。ちなみに(不定詞|[^h伐]ema)
で全文検索すると一発。
主格で取る動詞
動詞 | 意味 |
hemúḷ | 〜している(進行相;状態動詞化) |
huṭeúḷ | 〜し始める(開始相;瞬間動詞化) |
heyáúḷ | (heyákáṣloで)~だろうか |
zalloúḷ | 〜すべきである |
danúḷ | 〜してもよい |
síyoúḷ | 〜しすぎている |
不定詞+emaで取る動詞
動詞 | 意味 |
heyáúḷ | 〜を思う・〜について考える |
rijúḷ | 〜を望む・〜したい(無主語・1人称主語)・〜してほしい(非1人称主語) |
ṣonáronáúḷ | 〜を不思議に思う |
ácahúḷ | 〜を実行できる |
さて、現時点での辞書だと『不定詞またはkoḍiが直前に来て、「〜を思う」など主に思考にまつわる動詞の意味上の対格を表すのが普通である。』となっているが、『〜を実行できる』ってそうか?
単純に対格なのでは?『一旦-úḷと書いてからこれをkodhelで受ける』でもできるけど。heyáúḷ以外は名詞の対格と交換可能とされてるしなぁ。
んーどうなんだろう。emaの方が使われる動詞が限られるんだろうか。dheseúḷ『~を聞いている』とかはema不可としてよさそうだし。
「『思考にまつわる動詞 (heyáúḷ, rijúḷ, ṣonáronáúḷなど) 』または『機能語的性質が強い動詞 (rijúḷ, ácahúḷ)』ぐらいしかemaで意味上の対格を受けることができない」みたいな制約でもあるのかなぁ。まあなんかこの解釈は納得がいって、というのも、機能語的性質が強ければその動詞は「動詞不定詞を対格に取った述語構造」ではなく「動詞不定詞を助ける補助要素」と意識したくなるため、コンマで切るようなことへの抵抗感が高まりそう。
さて、なぜこの話をしたかというと、不定詞 + ema + zúḷ という可能性を考えるためである。多分「不定詞 + ema + zúḷ」をそのまま使うことはなくとも、例えば添詞を突っ込んで「不定詞 + dati + ema + zúḷ」(「(不定詞)しかしない」)みたいな表現が作れそう。
nutta は [nut̚.ta] の他に [nuʔ.ʔa] も許されることになった。というかまあ他言語から分かるようにこっちの方が古い発音。
ただし、ghitto [ɣit̚.to̞ː] を [ɣiʔ.ʔo̞ː] と発音させることは誤りとされておくようにしよう。これは単語ごとに覚えなきゃいけない情報。
[je̞ː] でもいい。
ナウトゥホーマーエーは単語が完成したときに上に引く線なのだが、ということはつまり単語が完成していないときには引かないということである。ということで、「バート語においては単語内の改行が許容され、かつ、それを行った場合は2行にまたがっている単語にはナウトゥホーマーエーを書かない」という話を2019年9月4日に思いついた。
ゆーてマス目文化圏であるラネーメなので、行末まで文字を詰めて改行を単語内で許すことも(少なくとも手書きでは)可能としそうであるからこそである。
もともとスペースすら無く、ナウトゥホーマーエーを切ることで分かち書きを実現していた言語なので、まあ往々にしてこういうことしそうである、と。
SY「フォント作成者がキレそう」
hsjoihs「単語内で改行しなければいいので、手書きでないときは他の言語と同様単語内の改行が起こらないように組版すればいいだけの話」
この規則を文法書にも書かないとな。
『ghを[ɣ]で読む多くの話者にとって g [ɡ] はかなりmarginalな音であり、借用語を除けば「音素 /ɣ/ に母音が後続せず、かつ直前に長母音がある場合」の反映でしかない。[ɣ]と[ɡ]が語幹末で交替する語根の正書法上の扱いは名詞語幹と動詞語幹で異なり、名詞語幹の場合は一貫してgで書き(母音が後続しない形である主格は頻用されるため)、動詞語幹の場合は[ɣ]をgh、[ɡ]をgと綴る(母音が後続しない形である命令形はそこまで頻用されないため)。』と文法書に書いておいた。
今の所未翻訳が25/367で93.18%なのだが、これをいちいちinvestigateに書くのもアレだし、upload_log.tsvってやつで管理することにした。
『歌や詩、また口頭的な発話の場合は格語尾が部分的に省略されることがありうるが、一般的な文では基本的に省略されることはない。対格や具格において省略される場合、「動詞の人称変化の情報から主格と紛れることがない」という条件が必要である。』という規則がある。機能語的性質が強い動詞に対しての不定詞 + emaは意味上の対格であるため、この規則が適用されてもよさそう。
ということで載せた。
-zá / -á ってなんやねん、という話だが、実はパイグのgeと同根である説が浮上した。こんな感じ。
という説。わりとおもろいのでは。
似ているものを同根というのは普通、似てないものに対して「これって実は同根では???」とやるのこそがおもろいのだからな。
p | f | |
リパライン語 | p | 基本的にp、ヴェフィス周りはph |
パイグ語 | ph | - |
ヴェフィス語 | 不明 | ph |
リパライン語は全体的に話者間で有気無気が一貫していないのかもしれない。話者数多いし。パイグはわりと一貫して有気なんだよな
辞書に載っていないので載せた。
「文化」をcultureにし忘れていた箇所があった。あとPMCFを表す三単語が載ってなかったので載せた。
複数の標準発音があるやつについて発音記号が検索にヒットしてしまうので、 [^\s!-~áíúṭḍṣṇḷ藍牌→←伐理ヴェフィス皇アイツォʂːɔ/ʔʰʱɻəɣɨɛʈɖɭɳʋɾʃɥɡ] に変更。 27/374か。
「風邪にかかる」の義では主格に人を取る。じゃあ「風が吹く」「風が吹いている」のときは?英語版で "for the wind to blow" としているからには主格は取らないのか?ホンマか?
英語版で語義を "for 主語 to V" で書いてあって "for [nominative] to" でない動詞を探すと、
bhárúḷ | for the wind to blow / for the wind to be blowing |
cákíkúḷ | for the hometown to be [oṣa] |
danúḷ | for it to be permissible to do [infinitive] |
このうち danúḷ はコーパス
ám boh-úḷ, ko danúḷ heyákáṣlo?
〜しない 行く-INF-NOM, これ-NOM 状況的に可能である-INF-NOM 思う-3N.FUT.PTCP(=だろうか)
行かないこと、それは(状況的に)構わないだろうか?
からも分かる通り不定詞を主格に取る動詞。cákíkúḷは……明らかに「~(主格)は〜(oṣa)から来る」の状態動詞化なので、for the hometown (of [nominative]) to be [oṣa] とでもすべきだろう。
えーさてbhárúḷだけど、うんbháraとかを主語に取れるんじゃないですか多分。「北風と太陽」みたいなので擬人化したらアニマシー語尾も取ることができたりするんでしょどうせ。
ṣ は多くの場合 laminal flat postalveolar であるので、「ṣ は多くの場合 laminal flat postalveolar である。」とした。
リパライン語ではtesnokalon oloven ziechija / restutalon oloven ziechija、英語では right-connecting form / left-connecting formとなることとなった。
能動人称語尾は
一人称 | 二人称 | 三人称女 | 三人称男 | 指示・固有 | |
終止詞 | -(a)dhí | -(a)mú | -(a)ze | -(a)bhá | -(a)ká |
過去分詞 | -(a)dína | -(a)múná | -(a)zená | -(a)báta | -(a)kátá |
未来分詞 | -(a)díha | -(a)múha | -(a)zebá | -(a)báṣlo | -(a)káṣlo |
であるわけだが、このたび受動人称語尾
一人称 | 二人称 | 三人称女 | 三人称男 | 指示・固有 | |
受動終止詞 | -lo / -(a)ḷo | -(a)ní | -(a)sá | -(a)ṣí | -(a)ho |
受動過去分詞 | -loná / -(a)ḷoná | -(a)nína | -(a)sátá | -(a)ṣíná | -(a)honá |
受動未来分詞 | ✗ | -(a)níha | -(a)sáṣlo | ✗ | -(a)hobá |
ができた。過去分詞末尾が二人称でだけ伸びないのは一人称能動の類推。三人称男性で類推が働かないのは母音の音価が違うから。
この -lo- みたいなやつを「人称語尾幹」と命名することにする。人称語尾の幹となる部分なのだなぁ。
人称語尾幹の変化で丁寧語を表すという案を思いついた。ちなみに三人称男女が合流する。
必然的に、述語が動詞でないときには丁寧語は無い(丁寧語と非丁寧語が同じ語形となる)。具体的には、
この規定により、日本語訳がですます体で訳されているどの例文との互換も切られない。
ちなみに表はこんな感じ。
一人称 | 二人称 | 三人称 | |
終止詞 | -ladhí / -(a)ḷadhí | -lamú / -(a)ḷamú | -(a)cai |
過去分詞 | -ladína / -(a)ḷadína | -lamúná / -(a)ḷamúná | -(a)cainá |
未来分詞 | -ladíha / -(a)ḷadíha | -lamúha / -(a)ḷamúha | -(a)caiha |
hemúḷ とか ám hemúḷ とかについては補充形があるかもしれない。ようわからん。
主語にアニマシーがない場合は -(a)ká / -(a)kátá / -(a)káṣlo のままな気がしてきた。文法書には
なお、「指示・固有」は、端的に言えば人や動物などのアニマシーがあるもの以外に対して用いる。ただし、性別が不明な場合など、アニマシーがあっても「指示・固有」を用いることができる。
とあるが、丁寧語では性別対立が消えるのでアニマシーがある場合はアニマシー形を用いることになる。「アリス」で「ウサギが走った。」は "phúpen kánatakátá." と訳しているが、「ウサギが走りました。」なら "phúpen kánatacainá." になるということだ。
という話があったのはこれの伏線なのだが、受動不定詞 -áḷ というものが生えて補充形として -áḷ ema zúḷ (動作動詞) / -áḷ hemúḷ (状態動詞) / -áḷ ema bhom (瞬間動詞) が使えるという話が2019年8月~9月前半辺りに立っていた。受動で命令形とか作りたかったらこう逃げるしかなさそう。
-áḷ はヒアートゥスを生むけどよいのか。まあ良いんじゃないかという気はするが自信がない。
母音語幹 | 子音語幹 | 意味 |
-ma | -ama | ~しながら;非完了の状況副詞化語尾 |
-áká | ~して;無アスペクトの状況副詞化語尾 | |
-ghi | -aghi | ~し終わって;完了の状況副詞化語尾 |
母音幹での処理方法が思いつかなかったので6月13日辺りからずっと保留とされていたが、このたび母音で終わる動詞の受動不定詞で「-áḷ はヒアートゥスを生むけどよい」ということになったので無事採用の運びとなった。
「不思議の国のアリス」の朗読で冒頭のalicだけ下降で読まれていたことについて、「外来の固有名詞はどう読んでも良い。」という定式化をしていたが、これは違うのではないかということになった。話し始めるとき、特に長い文章を話し始めるときには、話のまとまり(要は段落である)の頭の単語を下降で読むように思えてきた。そういえば、パイグ語の xi1 zi1 a. はhigh-high-lowと読むが、バートの xízía. はhigh-fall-lowと読む。挨拶というのは段落頭に来るようなもんなので、一貫性がある。
ということで、「外来の固有名詞はどう読んでも良い。」という規則を、段落頭に下降がつくというルールへと直す。
この下降の付け方、「127. 等時性・ピッチカーブ」で雑にまとめたっきり文法書に載せられていないので、載せねば。
とりあえず
という説明がリパライン語→日本語辞書に足された。具体的な詩の形は次の通り。
低長 | 高短 | 低長 | 高 | → | 低長 | 高短 | 低長 | 高 | → | 低長 | 高 | → | 低 | 低 | 高 |
低長 | 低長 | 高 | 低長 | 低長 | 高 | 低長 | → | 低長 | 低 | 高 |
下に例を挙げる。これは2019年6月13日に書き始めて2019年8月21日に書き終えた。
長短・高低は次のようにして分かる。なお、詩形のカウントでは段落頭下降と文末下降は無視される。
長短:
高低:(注:ここの「低」は「127. 等時性・ピッチカーブ」のMidに相当)
なんか二段落目がサラッと書けてしまったが。
これは解説しておくか。一行目、ピッチ句は[ásúkazá ja] [síbha] [wáḷa] [janáká] なので
低長 | 高短 | 低長 | 高 | → | 低長 | 高短 | 低長 | 高 | → | 低長 | 高 | → | 低 | 低 | 高 |
低長 | 低長 | 高 | 低長 | 低長 | 高 | 低長 | → | 低長 | 低 | 高 |
二行目、ピッチ句は[ám síbha] [hemáká] [sáka] [ám hemúḷ] なので
低長 | 高短 | 低長 | 高 | → | 低長 | 高短 | 低長 | 高 | → | 低長 | 高 | → | 低 | 低 | 高 |
低長 | 低長 | 高 | 低長 | 低長 | 高 | 低長 | → | 低長 | 低 | 高 |
あとは同様。
-l, -ḷで終わる動詞は現状無いことが知られているが、これはもちろん-lú-が不可であることによる。
さて、-lに無理矢理 -úḷ を付けたら、まあ前が異化して回避されるケースも有り得なくはないが、-lú- > -lo- に加えて後ろが異化して -lor となりそうである。
さてさて、そしてこうなるともちろん不定詞感が消えるため、更に-úḷを付加した -lorúḷ という形が現代語の形であろう。ただし-lorで終わらせて古さを演出する用法もあるかもである。
もちろん、不定詞語尾でなければこの現象は起きないため、-lazenáなどといった形に全く問題はなかろうが、levelingが起きて-lorazenáと規則化する動詞もあるだろう。逆に、-lor ~ -lの交代が文法化された結果として語源的に-lorであるものまで-lに交代するケースもあるかもだけど。
あと命令形。-lが残ったり-lorにlevelingされたりとまちまちではありそう。不定詞古形と区別がつかない?いや別に困らんやろ。
さらに鼻音短動詞問題もある。鼻音じゃないけど。例えば、dan- と同型の *dal- という形の語根を想定すると、不定詞 daḷor(úḷ)(l-darkeningに注意), 三人称女性過去分詞 daḷazená, 命令形 daḷ(or), 名詞化第四接尾辞 dalí(当然 light l), 名詞化第一接尾辞 dallaz(語幹の強化、二重のlは常にlight) という変幻自在っぷりを見せてくれることだろう。
え、流音短動詞があるならなんで -r で起きないかって?そりゃ本来的単語において -r の前は長母音だからだよ。本来的でない場合?えーどっから借用したらそんな語が生えるの。アイル?アイルか。まあとりあえず *dar を想定すると darúḷ, darazená, dar, darí, dáraz かなぁ。-rr-は不可なので直前の母音の長化として反映。
koli「疲れ」の動詞化とか適用できそう。koḷorúḷ …「長年の使用により材料が劣化すること」かなぁ。活用表書くか。
一人称 | 二人称 | 三人称女 | 三人称男 | 指示・固有 | |
命令形 | koḷ | ||||
不定詞 | koḷorúḷ | ||||
終止詞 | koḷadhí | koḷamú | koḷaze | koḷabhá | koḷaká |
過去分詞 | koḷadína | koḷamúná | koḷazená | koḷabáta | koḷakátá |
未来分詞 | koḷadíha | koḷamúha | koḷazebá | koḷabáṣlo | koḷakáṣlo |
名詞化第一接尾辞 | koḷaz | ||||
名詞化第二接尾辞 | koḷorú | ||||
名詞化第三接尾辞 | kolíṣ | ||||
名詞化第四接尾辞 | kolí | ||||
名詞化第五接尾辞(中性) | koḷakáta | ||||
名詞化第五接尾辞(男性・女性) | koḷabát |
「〜を願います」「〜をしてほしいです」はよく使うので、丁寧一人称/丁寧二人称は規則的rijaḷa-の他にríla-も許可。
*rílaúḷとかは不可なので、特殊縮約として文法書に載せるしかないわな
というか丁寧形そのものが文法書に載っていない。載せなきゃ。
ちなみになぜrijladhíと綴らないかという話だが、まあlの直前がスクーン()で直後がファトハ()だとḷになっちゃうからでは?となった。
「洗う」。まーた動詞活用パラダイム同値類が増える。まあそういうもんでしょ。 まあ要するに「nuʔʔ- > nú-」「nuʔʔə > núa-」ということなんですが。
ちなみに母音の後にaが来る例って他にea(間投詞)、pedia(借用)、xízía(借用)しか観測されていないわけで、かなり変則的。 全部声門閉鎖のせいだ。
二重声門閉鎖、「偽りのt」みたいな名称がついてそう。文字名案件あったな。
(juecleoneとかは一単語中に2ピッチ句だけど)を説明し、ピッチの完全解明をせよ。
前に「woghit ákazeなどにおいて-tが声門閉鎖音として実現できる」と書いた。(ákazeの前にも声門閉鎖があるので、結果として長い閉鎖となる。)
ここで、tがáと結びついて1音節を構成していないことが前から知られている。つまり、これは「文節」をまたぐとアンシェヌマンが起こらないということを意味する。
一方、rúṣán ákíjamでは声門閉鎖が入らず/naa/と発音できているので、「文節」内ではアンシェヌマンが起こることが分かる。
さて、ここでの「文節」ってピッチの話をしたときの「文節」よりも広く取られるので、曖昧さ回避のために前者を「ピッチ句」と呼ぶようにしていた。アンシェヌマンにまつわるのはアンシェヌマン句となる。
この下にさらに「段落」がある。ここまで入れてやっとピッチが分かる。というのも、159. ピッチ再考にあるように、
というのがあるからである。
なお、階層構造には以下のように例外もある。
具体的なピッチについても、私の実験とFafs氏の音声の両方からデータを導き出せるはず。
今測ってみたら私はおよそlow 97Hzでmid 114Hzでhigh 164Hzといった感じだった。2019年6月22日に測ったときのを確認してみるとLow G2(~F#2), Mid Bb2(~A2), High F3(~E3)と書いてある。
Fafs氏のをpraatで見てみると、mid→highは以下の通り。
いい感じのガウシアンを書いてやることでいい感じになる。
基準音高に対して、
するといいっぽい。
ところで録音です。この文はhighが結構多いので優秀。
もうなんか既に書いてある気もするけど。
バート語の文章の標準的な読み上げをするときは、音の高低についても気を配らねばならない。イメージを掴むために、とりあえず著者(jekto.vatimeliju)の発話の録音を一つ聞いてもらおう。
このように、「文中のたいていの音節を同じ高さで読むが、たまにそれよりかなり高く読む音節があり、さらに文末では音が下がっていく」というのが、標準的な読み上げの基本である。音の高低に気を配ることは、文を読み上げる際だけではなく、シャハバート詩の構造を理解する際にも不可欠である。どこを高く読み、どのように文末の音を下げていくのかを自力で導出するための方法を以下では説明していく。
バート語の文章はnautu【正書法上の語。文字にしたときにナウトゥホーマーエーでひとまとまりに繋がっているもの。】の集まりからなることは明らかだが、音の高低を明らかにする上では、nautuの集まりからなる「ピッチ句」というものを基準にものごとを考える必要がある。たとえば、sáhomá woghiti cájau【姉/妹と一緒に】という表現は3つのnautuから構成されるが、単一のピッチ句からなる。例外的に、juecleone【ユエスレオネ】などの一部の外来語は、単一のnautuでありながら複数のピッチ句で構成され、juecとleoneがそれぞれピッチ句を成す。
次に、ピッチ句が集まってできる「アンシェヌマン句」という階層がある。これはピッチとはほとんど関係ないので詳細な説明は割愛するが、子音終わりの単語の後に母音始まりの単語が来た際に、アンシェヌマン句の中では子音とそのあとの母音をひとまとまりに発音することが許される(たとえば、rúṣán ákíjam【新たな日】は単一のアンシェヌマン句であるので、rúṣá nákíjamであるかのように発音される)一方で、複数のアンシェヌマン句をまたぐ場合はそれができない(たとえば、sáhomá woghit ákaze【姉/妹が読む】においてはsáhomá woghitが一つのアンシェヌマン句、ákazeが一つのアンシェヌマン句を成すので、sáhomá woghi tákazeのように発音することはできない)。
アンシェヌマン句が集まったものがaccabát【一文】である。accabátはピリオドや疑問符によって終了する。ピリオドはaccabátの終わりに置いて音が下がっていくことを表す。疑問符はaccabátの終わりに置き、音が一旦下がってから最後に上がることを表す。
accabátが集まることで段落ができる。これは話のひとまとまりを表し、話し始めるとき、特に長い文章を話し始めるときは、注意を引くために段落の頭の単語は高く読み始めてそこから音が下がっていくような読み方となる。
段落が集まることで文章ができる。
low・mid・highの三種類に分類して整理する。参考までに著者(jekto.vatimeliju)の発声を掲載しておく。
普通に出せる声域の最低音ぐらいの高さ。
この音源では89Hzくらい(サンプル点20個のうち平均89.40Hz、標準偏差1.16Hz)。
会話をする際にもっとも自然に発することのできる高さ。
この音源では112Hzくらい(サンプル点20個のうち平均111.8Hz、標準偏差0.8Hz)。
midから勢いよく音を高くして自然に到達することのできる高さ。
この音源では168Hzくらい(サンプル点20個のうち平均168.3Hz、標準偏差0.9Hz)
後置詞・名詞接続詞は直前のnautuと同じピッチ句に属する。ゆえに、複数のnautuが単一のピッチ句に入る例としては、たとえば以下のようなパターンが挙げられる。
これ以外にも複数のnautuが単一のピッチ句に入るパターンはある。たとえば、sáhomá woghit(sá【女】、woghit【兄弟姉妹;はらから】)は単一のピッチ句で読むと【女という性質を持った兄弟姉妹】、つまり【姉妹】の意味であり、一方「ある女にとって兄弟姉妹に当たる人」の意味の場合は二つのピッチ句に分けて読む。一般に、名詞の属格が所有属格としても性質属格としても使えるとき、性質属格として使われるときは属格が直後の名詞と同一のピッチ句に属する場合がある。また、ピッチ句は必ず一音節以上であるという制約から、k hem【〜のものである】などについても複数のnautuが単一のピッチ句に入ることとなる。
1音節からなるピッチ句は常にmidで読む。
例: ko【これ】: mid
ピッチ句が複数音節からなる場合、ピッチ句の最終音節はhighとなり、それ以外は基本的にmidである。
例: aghauṭaḍi hína【本に】: mid-mid-mid-mid-mid-high
á, í, ú, e, o, ai, auがあるような2つのmidな音節に挟まれた短音節は、midではなくhighとすることが多い。(midでもよい。)この操作のことをdhez【小休憩】と言う。
例: cepatepa【会話】 : mid-high-mid-high または mid-mid-mid-high
条件「2つのmidな音節に挟まれた」を満たさない場合に注意。
例: ṣomadhí【私は積む/私は敬礼する】 : mid-mid-high であって mid-high-high ではない
条件「短音節」を満たさない場合にも注意。
例: nínaccúzá【貝葉(複数)】 : mid-mid-mid-high であって mid-high-mid-high ではない
accabátの高低は、それを構成するピッチ句の高低を集めた後に、文末に変更を加えることによって構成される。ピリオドで終わる文はlowで終わるようになり、疑問符で終わる文は最後から2番目の音節でlowに達した後に最終音節をhighで読む。
以下の規則を、ピリオドで終わる文はそのまま適用、疑問符で終わる文は最終音節を無視して適用することで、accabát単位での高低が得られる。
文末に来るのが1音節語であり、á, í, ú, e, o, ai, auを含むのであれば、音節内で mid → low へと下げる。
例: hem.【である。】 : fall
文末に来るのが複数音節からなる語であり、最後から二番目の音節が長いならば、最終音節は low となる。最後から二番目の音節については、その音節が母音や鼻音で終わる場合は音節内で mid → low へと下げ、そうでないならば mid である。
例: ema.【〜だなんて。】 : fall-low
例: ammán.【形態素。】 : fall-low
例: nutta.【水。】 : mid-low
そうでなくて、最後から三番目の音節が長音節なら、その音節が上記と同様に mid → low または mid となり、それ以降が low。
例: rúkasa.【老婆。】 : fall-low-low
例: ammama.【降りながら。/上回りながら。】 : fall-low-low
例: rakkama. 【生存しながら。】 : mid-low-low
そうでなくて、最後から三番目の音節が短音節ならば、mid-low-low で終わらせる。
例: aṭaza.【思想。】 : mid-low-low
文末に来るのが1音節語であり、á, í, ú, e, o, ai, auを含まないのであれば、直前の単語と繋げて前述の規則を適用する。
例: sujadína su.【私が使った金銭。】 : mid-mid-fall-low-low
例: sujamúná su.【あなたが使った金銭。】 : mid-mid-mid-fall-low
文末に来るのが2音節語であり、最後から二番目の音節が短いならば、mid-lowで終わらせる。
例: adheṣ.【王。】 : mid-low
疑問文の場合の例は以下の通り。
例: heyákáṣlo?【〜だろうか?】 : mid-fall-low-high
例: cákíkamúná síbha?【あなたの出身は?】 : mid-mid-high-mid-high fall-high
例: káṇa nána bháma cákíkadíha hem?【私たちが集まる時間は?】 : mid-high mid-high mid-high mid-mid-high-fall-low high
最後の例においては、cákíkadíhaはピッチ句の時点でdhezが起こっておりmid-mid-high-mid-highとなっていて、それの最後の2音節が疑問文文末規則により変更されているのであることに注意。疑問文文末規則により-dí-はfallとなり、もはやkaはmidとmidに挟まれていないが、dhezはピッチ句の段階で起こる現象なのでそのことは関係ない。
段落単位での高低は、段落を構成するaccabátの高低を集めた後に、段落頭に変更を加えることによって構成される。
例: ¶xízía.【こんにちは。】 : high-fall-low
例: ¶alic ṣíkahazená hem.【アリス(現世人名)は座った。】 : high-low mid-mid-mid-mid-high fall
こんぐらい書いとけばいいか。
ásúkazá nuttahomá sujaze ja ṣibhai ásúkaomá sujaká.
— まい/まいさん/MIT@言語垢 (@mai_lang0) February 15, 2020
人間は水を使い、国家は人間を使う。
これは文意不適で、対格の代わりに属格になってしまっているせいで「人々は水に属するなにかを使い、国は人々に属するなにかを使う。」の意味になってしまう。
-homá や -omá は属格接辞。今回は対格なので -dhel と -dhelá。 https://t.co/eZXP8quJJD
— バートさん(bhátaim) (@bhaataan_zepha) February 15, 2020
ásúkazá nuttaḍi ema hem.
— まい/まいさん/MIT@言語垢 (@mai_lang0) February 15, 2020
人間は水のようである
これでええんか?
これも文意不適である。
emaはパイグ語emなどと異なり「〜のような、〜ように」として使われることは少なく、不定詞の対格を補充する目的で使うのが普通。さらにそれ以前に、「〜ように」だったとしてもそもそもhemは名詞主格を2つ取るので、これだと「人間はナニカである」を「水のように」で修飾している形となる。 https://t.co/OE2Kyyo8i6
— バートさん(bhátaim) (@bhaataan_zepha) February 15, 2020
「まるで〜のようである」を表すときに使うのは状態動詞cajúḷ「まるで〜(hína)のようである」。
— バートさん(bhátaim) (@bhaataan_zepha) February 15, 2020
ásúkazá nuttaḍi hína cajazená.
とすればよい。
なお、「空間的に近い」の意味用法のときはhínaではなく具格で受けることに注意。
bohúḷ ema rijadína t.
— まい/まいさん/MIT@言語垢 (@mai_lang0) February 26, 2020
これは問題ないはず。
完全に書いたことを忘れていたのだが、58. 仮定表現に
さて、どうなるだろうか。とりあえず例文を考えてみるか。
「もし風が吹いていないなら、私は火を起こす。」「もし風が吹いていなかったなら、私は火を起こしただろうに。」
「風が吹いていない」は状態動詞bhárúḷの過去分詞なのでám bhárakátá。「私は火を起こす」は動作動詞janáúḷの終止詞でghánidhel janádhí。
アイルyuwiu「もし〜なら」が使えるかも。じゃあjuか。んー、とはいえ、文をどう繋ぐんだろうか。
単純に、"ám bhárakátá júju ghánidhel janádhí."でいいか。この構文にするなら、juだと弱い気がするので、jújuにしよう。
やっぱり仮定の辞は接中辞ではなくて活用語尾の後ろかなぁ。
活用語尾に直にくっついて-sáかな。jújuとは多分何らかの違いか使い分けがありそう。それが具体的に何なのかはこれから考えるけど。
考えた結果、反実仮想を示唆する接中辞を導入するのがよさそうということになった。主節には入れるとして、従属節には…(コロコロ)入れない。なるほど。
タカンでは完了表現の挿入で反実仮想の従属節を明示するらしい。じゃあバートもhemでも入れておけばいいか。
従属節が状態動詞・瞬間動詞
従属節 | 主節に反実仮想 | 意味 |
瞬間動詞終止詞 | なし | 今〜となるなら、 |
状態動詞過去分詞 | なし | 今〜であるなら、 |
状態動詞過去分詞+hem | あり | 事実に反してもし今〜であるなら、 |
状態動詞過去分詞+hem | なし | 過去に〜であったのなら、 |
状態動詞過去分詞+bháp | ||
状態動詞過去分詞+bháp+hem | あり | 事実に反してもし過去に〜であったのなら、 |
瞬間動詞未来分詞 | なし | 将来〜となるなら、 |
状態動詞未来分詞+hem | なし | 将来もう〜となっているなら、 |
状態動詞未来分詞+hem | あり | 事実に反してもし将来〜となるなら、 |
従属節が動作動詞
従属節 | 主節に反実仮想 | 意味 |
動作動詞終止詞 | なし | 今〜するなら、 |
動作動詞不定詞+hemúḷ過去分詞 | なし | 今〜しているなら、 |
動作動詞不定詞+hemúḷ過去分詞+hem | あり | 事実に反してもし今〜しているなら、 |
動作動詞不定詞+hemúḷ過去分詞+hem | なし | 過去に〜していたのなら、 |
動作動詞不定詞+hemabhápúḷ過去分詞 | ||
動作動詞不定詞+hemabhápúḷ過去分詞+hem | あり | 事実に反してもし過去に〜していたのなら、 |
動作動詞過去分詞 | なし | 過去に〜したのなら、 |
動作動詞過去分詞+hem | あり | 事実に反してもし過去に〜したのなら、 |
動作動詞未来分詞 | なし | 将来〜するなら、 |
動作動詞未来分詞+hem | なし | 将来もう〜し終わっているなら、 |
動作動詞未来分詞+hem | あり | 事実に反してもし将来〜するなら、 |
とりあえずhemに-sáは付きそうにない。
…と思ったけど、んー、hemasáならアリか。
とか書いてあった。これ全然書いた記憶がなくてすごい。
とりあえずjújuってアレなのでたぶんこれ歴史的綴りで、現代的正書法ではjoyaって綴られているはず。あと、hemの後にjoyaが来ると緩衝の-i-が自明に入るはずであり、問題はそれをどう綴るか。
hem i joyaではないだろうし、hem ijoyaでもないだろうし、まあhemi joyaか? hemijoyaかもしれない。hemijoyaですね。
まずjoyaの例文。
ám bhár-akátá joya gháni-dhel janá-dhí.
〜しない 風が吹いている-3N.PST.PTCP ならば 火-ACC 作る-1.REAL
もし風が吹いていないなら、私は火を起こす。
一方の-sá。多分-sáとjoyaを併用することもできる。あと反実仮想にはjoyaは使えなそう。でも-sá joyaだと不可能とは言い切れない反実仮想ぐらいが言えそう。-sá joyaで不可能と言い切れる反実仮想を言うのもセーフ。普通の仮定文に-sáを使うのも問題なさそう。
ám bhár-akátá-sá gháni-dhel janá-dhí.
〜しない 風が吹いている-3N.PST.PTCP-COND 火-ACC 作る-1.REAL
もし風が吹いていないなら、私は火を起こす。
ám bhár-akátá-sá joya gháni-dhel janá-dhí.
〜しない 風が吹いている-3N.PST.PTCP-COND ならば 火-ACC 作る-1.REAL
もし風が吹いていないなら、私は火を起こす。
-sáだと倒置ができる。
gháni-dhel janá-dhí ám bhár-akátá-sá.
火-ACC 作る-1.REAL 〜しない 風が吹いている-3N.PST.PTCP-COND
もし風が吹いていないなら、私は火を起こす。
反実仮想を示唆する接中辞が主節に要るらしい。考えなきゃ。
-(a)ni-になりました。
ám bhár-akátá-sá gháni-dhel janá-ni-dhí.
〜しない 風が吹いている-3N.PST.PTCP-COND 火-ACC 作る-CF-1.REAL
もし風が吹いていなかったなら、私はいま火を起こしただろうに。
倒置もできる。
gháni-dhel janá-ni-dhí ám bhár-akátá-sá.
火-ACC 作る-CF-1.REAL 〜しない 風が吹いている-3N.PST.PTCP-COND
もし風が吹いていなかったなら、私はいま火を起こしただろうに。
ピリオドが文末下降を、疑問符が文末下降後の上昇を表すのだから、段落頭下降もそれを表す記号があって然るべきである。実際に話者がそれを日常的に使うかどうかは別問題として。
とりあえずこれを
こうして
SYに投げること12分。
完成(SYの手によって)。
hodhel nána ká nána dímadhel nána adheṣá ám zámabhápakátá accabáta hem bhá rízele zádebáta cánajamúná?
— まい/まいさん/MIT@言語垢 (@mai_lang0) March 27, 2020
王は親切でないものであったと書いた者がすべての希望を恐れていることをお前は知っているか?
抽象的形式名詞を3種類すべて使った文を書いてみた#bhaataan
えーhoがcánaj-、k-áがzáde-、dímaがacc-の主語や目的語になっている文構造。
気になる点は3つ。まずcánaj-はhoではなくdímaを取るのではないかという疑惑。
次に、kは人を指せないのではないかという疑惑。
最後に、さすがに関係詞節3重入れ子とそれに付随する名詞と動詞の間の長すぎる間隙は非常に読みづらい文をもたらすという話。
ほーでーる・なーな・かー・なーな・でぃーまでーる・なーな(情報量実質ゼロ)
— まい/まいさん/MIT@言語垢 (@mai_lang0) March 27, 2020
coin.htmlの方に「客観的・点的な、時間や空間上の位置を指定できる特定の現象を受けるのが『ho』、人の認識・判断が入るような、過去の事象についての人の判断のような、ものは『気づく』と組み合わせる「díma」なのかなぁ。」という記載がある。
「dímaは『hoが存在すること』である、と言いかえればいいかなぁ。うーん。」と書いてある。
dímaの例文は次の通り。
díma-dhel nána ká-∅ ko-dhel ṣonároná-úḷ-∅ zallo-bháp-akátá hem ká-∅ cánaj-azená hem,
こと-ACC REL 彼女-NOM これ-ACC 不思議に思う-INF-NOM 〜すべきである-PRF-3N.PST.PTCP PFV 彼女-NOM 気づく-3F.PST.PTCP PFV,
彼女はこれを不思議に思うべきであった、ということにアリスは気づいた。
cainíju-homá hátaṣom-i jo zíghíṣ-ele nána kom epa-ḍi oṣa rec-aká bhom-akátá phúpen-ele ká-∅ ám aḍuhazo-bháp-azená díma-dhel seṇa cánaj-úḷ-∅ áṣá.
チョッキ-GEN ポケット-ZERO または 時計-ACC REL この 場所-POST 〜から 取り出す-3N.REAL 持っている-3N.PST.PTCP ウサギ-ACC 彼女-NOM 〜しない 見る-PRF-3F.PST.PTCP こと-ACC 突然 気づく-INF-POST 〜を原因として
(というのも)チョッキのポケットや、そこ(=チョッキのポケット)から取り出す時計を持っているウサギを彼女は見たことがないことに突然気づいたからだ。
hoの例文は次の通り。
ko-ḍi hína kit kit bháṭám-akátá ho-zá ám hem-akátá hem.
これ-POST 〜に とても とても 珍しい-3N.PST.PTCP 出来事-NOM.PL 〜しない 在る-3N.PST.PTCP PFV
このことの中に、非常に珍しい事象があったわけではなかった。
ちなみにcánaj-は不定詞は取れるっぽい。
ám ghíyo hemáká cánaj-∅ bom rakk-úḷ-∅
ない 塩-NOM 在る-ADV 知る-IMP できない 生きる-INF-POST
塩無き命は無しと知れ。
「cánajúḷで『~という過去の事象に気づく』という表現をする際、気づく対象は事象そのものではなく『事象が存在するのだということ』だからdíma」、ってことか?んーでも上記例文ってどちらも『事象が存在するのだということ』ではないよな。『するのが当然であったのにしなかった』『~したことがない』であって、ともに事象の不存在。
んー、いろいろ考えたが、今回の場合はhoとcánaj-の相性というより、状態動詞zádebátaが指しているのは「時空内の点」ではないからダメ、というべきっぽそう。
アイルとパイグは指せます。しかし英語との辞書でもthingとしているしバートは男女中性が対立するし。
んー、前置修飾が掛かっているときはギリギリ人を指せなくもないように思えるが、少なくともká nánaとかkele nánaとかについては「物」でしか使えないという直感がある。
前置修飾で人を指せるホンマか?前置でゼロで現れているなら行けそうだが、kで現れていると無理であるように思えるぞ。
なんかゼロでも無理な気がしてきた。無理ですね。
↑の文を目にしたときの私の感想:↓https://t.co/IdX41jympA
— バートさん(bhátaim) (@bhaataan_zepha) April 2, 2020
という気分になった。
添削結果を書こうとして気づいたが、辞書に「accúḷは、『文字を書く』などのように、あくまで筆記具を動かして文字などを生み出す動作を表す。一方、horúḷは『書いて記録する』『まとまりのある文章を書き表す』といったような、意味を記録する方に重点が置かれる動詞である。」「accúḷの目的語は、書いた結果生まれるもの(『文字』など)である。」であるのでここでaccúḷは不可であり、horúḷであらねばならない。
まあとりあえず、ásúka nána adheṣá ám zámabhápakátá dímadhel horabáta hem bhá rízele (zádebáta díma|zádeúḷ ema) cánajamúná?にすることで全て解決しそう。後者、dímaは不可ではないだろうけど不定詞の方が無標(したがって無難)かなぁというのがある。
「adheṣá ám zámabhápakátá」、ダメじゃん、なにゆえ中性?「ただし、性別が不明な場合など、アニマシーがあっても『指示・固有』を用いることができる。」とは一応文法書にあるが、これ原文がitのウサギに関して足した規定だった気がするし……。人の複数だしデフォは男女混合で女性じゃない?
調べた。性別不明規定は2018年3月2日に文法書に書かれている。特にウサギ文脈は見当たらなかった。
ちなみに、
とあるんだけど、これって三人称での男女中性の情報においての矛盾である場合って適用されるんだろうか。「ká [nána ...] bhá rízele zádebátaにおいてkáは「もの」または「彼女」であり男性にはなりえないので、『うーん、このkáは具格語尾の省略!』といえる」という推論は無理があるように思われる。男性になりうるかどうかで解釈が変わるというのは流石にアレである。
意図は「人称変化によると主語が三人称だけど一人称が主/無で浮いているとき」とかであって、三人称どうしではこの排除の推論の根拠たりえないと思う。
ということで記述に加筆が要る。
「なぜ中性?」の質問への応答が返ってきた。
j.v「adheṣá ám zámabhápakátáが指示・固有なのなにゆえ?」
s.m「王の性別についての歴史設定がわからんかったので逃げた(たしか性不定は指示・固有で取れなかったっけ)(あれ複数の人間で混ざってる場合は女性か?)」
j.v「ということで今回のコメントには【「ただし、性別が不明な場合など、アニマシーがあっても『指示・固有』を用いることができる。」とは一応文法書にあるが、これ原文がitのウサギに関して足した規定だった気がするし……。人の複数だしデフォは男女混合で女性じゃない?調べた。性別不明規定は2018年3月2日に文法書に書かれている。特にウサギ文脈は見当たらなかった。】という文字列が含まれました。」
s.m「なるほど」
中性を女性に直して、ásúka nána adheṣá ám zámabhápazená dímadhel horabáta hem bhá rízele zádeúḷ ema cánajamúná?にすることで全て解決しそう。不定詞の方が無標(したがって無難)なのでそっちで載せる。
[ɾə]で読まれる語末-lの転写は「ラ」である、としていたが、「ル」も許容することにした。
ゆかたゆさん(@yukata_yu_vrc)のDiscord鯖でskurlavenija.mavija氏が生成した文をもとに
という二つの例文が生まれた。前者は状態動詞を瞬間動詞的に使って「今この瞬間あなたのことがこわくなりました」、後者は状態動詞を普通に使って「あなたのことがこわいです」。ともに文脈に合う。
「ところでこのwátimilíju ghittoって格をどう扱えばいいんだ?呼格とか多分ないぞ」「『黄色い、または、黒い、勇者のシンボルであるよ!』みたいな感じの単立主格でいいのでは」「まあそうだよなぁ。んーこれピリオドで綴るべきか?」「見た目のまとまりの良さのためにカンマで綴るけどピッチとしては二文として読まれるんでしょ」「それだ」となった。
ちなみにこういうwátimilíju ghittoみたいなのはそれぞれの単語がピッチ句を構成します。
71. lとḷにて
が記述されていたが、そり舌音の後のiは[ɨ]であるので、-ṣil-や-ṣíl-といったケースについてはlの直前のi/íはlをlightにする作用を持たない気がした。
逆にḷのあとにeが付いたときって-ḷí- [ɭɨː]になったりするんかね。少なくとも母音対立が消えそうという気持ちがある。ほんまか。
あ、そもそもdark lとlight lってどうやって言うんだろう。文字名案件だ。
2019年11月16日に「dholopánáの2番目のoは短い」という知見が観測された。
その後、2020年1月6日にlinepáneが登場したことにより、linepánehomáでこの話が再燃。2020年2月6日に「ピッチ句末に4連続で長母音が並ぶなら、最後から三番目が短縮(e, oでも構わない)するが、kúcúhomáという綴りから分かるように綴りは保たれる。」ということが分かった。
2020年4月12日になってそれをやっと文法書に収録。
詳しい経緯はcoin3の56-4.に載せてあるが、
nやmで終わる名詞の中には、単数主格と単数属格が同じ形になるものがある。特に、nやmで終わるバート人名は基本的に主属同形である。
その中でも、ṣán「5」などの名詞には対格語尾として-elと-eleのどちらも用いることができる。
主格 | 無格 | 対格 | 属格 | 具格 | 後置格 | |
単数 | ṣán | ṣáni | ṣánel ṣánele | ṣán | ṣánai | ṣáni |
non「劣悪なもの」は単数対格語尾として-elのみを取る。
主格 | 無格 | 対格 | 属格 | 具格 | 後置格 | |
単数 | non | noni | nonel | non | nonai | noni |
複数 | noná | noná | nonelená | nonáná | nonainá | noniná |
ということになった。「non『劣悪なもの』は」は「nonなどは」になるかもしれないけど、non一単語というのもおもろいので今のところはこれで。
ちなみに固有名詞のみ振る舞いが異なる現世言語ってのは普通にあったはずで、ハワイ語とかタガログ語とかがそう。
検索クエリは[^\s!-~áíúṭḍṣṇḷ藍牌→←伐理ヴェフィス皇アイツォʂːɔ/ʔʰʱɻəɣɨɛʈɖɭɳʋɾʃɥɡāīēōū]
フィラーea [e̞ːə], aḍí [əɖɨː], gaṇṇí, khaṇṇí, khaṇḍí
2020年2月15日に提案され、「PMCFショーケース確認して検証しなきゃね」ということになった。
2020年5月7日にSYからの同意が得られた。
2020年5月13日(今日)に調べてみたところ、そもそもPMCFショーケースにbha, dha, bhá, dhá はなかった(baukkáはbauなのでカウントしない)。
ということで問題が一切なく実情に合うので採用。
b, dのあとのá は [æ̞ː](非円唇前舌広母音、IPA本来の[a]、普通話ānとかの母音)、a は [ä](非円唇中舌広母音、よく[a]と書かれるやつ、日本語のア行)。bh, dh のあとの á, a は [ɑː], [ɑ](非円唇後舌広母音)、または[ə]。
例えば
xízía, ápa-∅ wátimilíju ghitto-∅ hem.
こんにちは 私-NOM ワーティミリーユ ギットー-NOM である
こんにちは、私はワーティミリーユ・ギットー。
という文において、xízíaとápa wátimilíju ghitto hemは二つのaccabátに分かれるのだが、これを厳密に表現するためにカンマを2重にするという表記があることになった。
というのが最初期からあるわけだが、このghátuにどのような文法的解釈を与えられるかという話が前から上がっていた。
2020年2月16日においては、「固有名詞は無格が-∅であり、ghátuは名詞接続詞である」という説が上がっていた。「固有名詞と名詞の曲用が違うのは前例アリ」ということもあって。
ただ、「nやmで終わるバート人名は基本的に主属同形である。」により、まあ普通に「[父親の名前]の子、[名前]」という常識的な解釈がされるべきとなった。
さて、こういう名詞並列による同格表現、痕跡的なのか生産的なのかを考えないといかんよなとは思う。直感では生産的でないと思う。かつ、前に来る方の名詞は主格形なのか?それとも無格形なのか?今回ghátuになったことによってその点は不明となった。わからん。まあとりあえず現在は生産的ではないと思うんですよね。
ユーゴック語discordでバート語の格について話していた2020年5月21日。話しているうちにいくつかの既知の事実を言語化できた。
わりと具格は間接目的語を指す用法が多い、という話になった。じゃあなんで具格のことを与格と言わないのかを考えるに、多分「『与格を受け取る』と決まっている動詞以外にそれをくっつけた際の主要な意味が『~を使って』方面である」という要素があるからではなかろうか、となった。
与格みのある使用例は次の通り。
一方で具格性のつよいやつもわりとある。
あとはもちろん連体修飾語としての「基準具格」用法。
さらにいえば、hínaも与格みのあるアレを作り出すことを忘れてはならない。
「与格、具格が吸収した説」というのも提示された。実際-aiと-bhauが混交するのは不思議なのでとてもあり得る。
具格が「与格になれる具格」であるなら、hína格は「与格になれる処格」といえるのかもしれない(てきとう)。
処格っぽさある用例:
与格みのある用例:
実情に合わせ、「ラテン字転写では感嘆符で転写する。」から「ラテン字転写では感嘆符で転写してもよいし、そのまま t. と転写してもよい。」へと変更。
Mandarin Chinese―A Functional Reference Grammar に "sentence-final particles" という記載があったので、伐英辞書に採用。
あと終助詞は基本的に主観性を表現するのに使うんだよな(したがって例えばthird person omniscientであればほぼ使わない)。
聞き手であれば入らない。-lo-系統と融合して-(a)mallo-となる。訳語「~やがる、how dare he ...」。2020年3月24日辺りに着想。
まあ
で主に使われ、
に使うこともまあできる、という感じかなぁ。
2020年3月17日辺りに被害受身みたいなものの表現方法がほしいとなって生まれたものであり、まあ受け身と相性がよい接辞となった。
全体としてはこんな感じかな。
一人称 | 二人称 | 三人称女 | 三人称男 | 指示・固有 | |
命令形 | -(a)mán | ||||
不定詞 | -(a)manúḷ | ||||
終止詞 | -(a)manadhí | -(a)manamú | -(a)manaze | -(a)manabhá | -(a)manaká |
過去分詞 | -(a)manadína | -(a)manamúná | -(a)manazená | -(a)manabáta | -(a)manakátá |
未来分詞 | -(a)manadíha | -(a)manamúha | -(a)manazebá | -(a)manabáṣlo | -(a)manakáṣlo |
受動不定詞 | -(a)manáḷ | ||||
受動終止詞 | -(a)mallo | -(a)manní | -(a)manasá | -(a)manaṣí | -(a)manaho |
受動過去分詞 | -(a)malloná | -(a)manína | -(a)manasátá | -(a)manaṣíná | -(a)manahoná |
受動未来分詞 | ✗ | -(a)maníha | -(a)manasáṣlo | ✗ | -(a)manahobá |
これを辞書に足さねばならない(現在2020年7月21日、4ヶ月放置)。足した。
口語縮約。rにつられてdhがそり舌化、しかし/iː/は引きずられない。口語縮約は長母音+長子音が許されんだろうなぁ。ということはbaukkáって比較的最近の語形なのか?過去考察を振り返らねば。バート文字で表音的に書く方法ないけどどうしよう。ああまあbháQ-ḍъ-íとは書けるか。
skurlavenija.mavijaが「バート語の時制・相の構造の思想」という文章を書いてくれた。便利なので文法書からもリンクしておこう。
バート文字における点、明らかに機能負担量が低いので無くても全然読めるのでは、という説が2020年8月30日にjekto.vatimelijuによって提唱された。
実際にやってみたところ、
kodi hína kit kit bátámakátá hozá ám hemakátá hem. ja púpen dínadi gi bátúl, "há kána! há kána! báhedíha hem!", kodel ká deseúl ema alic ám kit kit conáronázená hem. rúcán kánadi nána kodi ema zu hejáze hína, dímadel nána ká kodel conáronáúl zallobápakátá hem ká cánajazená hem, cinna, díom kánadi hína ká dízá báci kit úrajúl ema hejázená hem. cinna, kánadi nána púpen deja zígícele díom cainíjuhomá hátacomi oca recaká, jarúci kodel ákaká, jarúci kánataká hína, alic bocahazená hem, cainíjuhomá hátacomi jo zígícele nána kom epadi oca recaká bomakátá púpenele ká ám aduhazobápazená dímadel sena cánajúl ácá. jarúci amáma bajhídi cájau kotáná epadel wákahama kánatama ká dídel lánahazená hem. jarúci cákíkátadi cájau kánadi nána púpen kotáná cojabau rúcán amáma bonaudi gi kánagama ídaká hína kánaisa kodel aduhazozená hem.
「あっめっちゃ読める」となった。強いて言うならbhとbがわずかにつらいか。
とはいえ、文を書いた本人である私が読んでもアレなので、skurlavenija.mavijaにも読ませてみることにした。
結果「バート文字の点いらない説」が立った。やってみた結果、やっぱり点は無くても全然読めることがわかった。やっぱり。
あと、ṣonáronázená が ṣonáronazená と読まれており、よく考えたら動詞活用に長母音4連続回避は発生しないなという内省が生えたので、その旨書いた。
SY「ところでじゃあなんで点書いてあるんだろう」j.v「旧正書法があまりにひどすぎたのでそれの反動、という説がある」SY「なるほどね。でもひどい正書法って創作しにくいのよな」j.v「わかる。スキュリオーティエ・バートもやらんとね」
具体的には úro vs. hor- あたりをなるべく一貫して綴るみたいなひどさがほしい。
ˈæɾəm ~ əˈtʰɑːmɪk みたいな交替を示す言語が「格変化と動詞の変化が少なくて簡単です」みたいな扱いされているのおもろいよな
— jekto.vatimeliju@hsjoihs@.sozysozbot. (@sosoBOTpi) June 18, 2020
Arialになってくれないと ḷ とかがきれいに表示されないので、デフォルトをArialにするようにスタイルシート側で指定した。
coin2の29-3.に載っている
パイグgau2 gua2「武器」のような、複数の形態素の並立からなる語をバートで借用するときには、ghau ja gháのように、jaで並立させることとした。当然、格変化するときにはそれぞれの文法に従うので、格変化表を書くなら次のようになる。
ghau ja ghá「武器」
主格・無格 | 対格 | 属格 | 具格 | 後置格 | |
単数 | ghau ja ghá | ghau ja ghádhel | ghau ja gháom ghau ja gháhomá | ghau ja ghábhau | ghau ja gháḍi |
複数 | ghauzá ja gházá | ghauzá ja ghádhelá | ghauzá ja gháomá ghauzá ja gháhome | ghauzá ja ghábhauná | ghauzá ja ghádhíná |
に対してskurlavenija.mavijaが非自明の意を表明していた。これに対してのjekto.vatimelijuの解答は以下の通り。
せっかくなので文法書にも載せた。
skurlavenija.mavijaの『バート語アリス文をしゃぶりつくす』という企画で、『3-1-1. ṣonáronázákátá、何?』という疑問が提示された。
えー"ṣonáronázákátá epaḍi hína hemakátá alic"か。読むか。
一単語目、ṣonáronázákátá。-kátáって語尾あったな。辞書に曰く指示・固有過去分詞。ṣonáronáúḷで「〜(不定詞+ema, または対格)を不思議に思う」って動作動詞か。-zá-何?
へー使役化接辞。じゃあ「不思議に思わせた」。は? 「不思議の国」でしょ? 状態動詞でとって「不思議に思わせるような」にしたいが?
wátimilíju ghitto: -zá-、動作動詞って制約あったっけ、ṣonáronáúḷって状態動詞だから使役化しても... え、動作動詞? じゃあ使役化したら状態動詞になるんでしょ。
やったー(白目)。使役化して動作/瞬間/状態のどれになるか非自明なのか。
wátimilíju ghitto: ṣonáronázá- に「不思議に思わせる」(動作動詞)と「不思議である」(状態動詞)の両方を語義として載せるべきなんだよな
なるほど。比喩的な使役了解。
ということでこのことを辞書と文法書に載せねばならない。というか動詞接中辞のセクション作るか。
おっと、-ni-は載せてるのに-ani-を辞書に載せていない。まずい。
『3-1-4. 我々はalicを女の子だと思っとったが』にも載せたが、このような会話をやった。
あれ、alicなのにhemakátá(hemúḷの指示・固有過去分詞)なの? hemazená alicじゃないんか。
wátimilíju ghitto: えーとhemúḷには指示・固有しかないとすると...矛盾が生じるから、えー「分詞が修飾する名詞がその分詞にとっての主語であるとき、分詞の前に名詞が出てこないので指示・固有になる」とすれば解決ですね。なんと反例がない。この規則、後で間違えそう。
今になってアリス文から規則が生成されるのウケるな。
翌日(2021年3月27日)桜を見に行ったところ、次のようにするのがよいと分かった。
ということで、その旨文法書に記載。あと、連体修飾語として働く分詞のglossはPTCP.RELという表記にすることにした。
skurlavenija.mavija が上記の説明を読み、 2021/03/28 に『固有名詞、「Aの範囲が非常に狭い」に入りそうだから不自然なことには変わりなくないかと思ったが、バート語社会が「Aliceは女性名である」という直感を共有していないから説明つくのかな』と書いた。
「誤読の可能性があるとは思っていたがまあいいや」と思っていたところが見事に誤読された形である。
その後 skurlavenija.mavija は jekto.vatimeliju の言いたかったことを理解し、誤読を言語化することに成功した。
ということで、
ぐらいには言葉を尽くしておくことにした。
「〜しようとしている」「〜するつもりである」を作る -(a)boh- だが、これの由来は当然 bohúḷ である。さて、この接辞自体が bohúḷ 由来の動詞に付くときは、規則通りの bohabohúḷ も許容されるが、 bomohúḷ という形もアリであろう、という結論になった。
SY「cf: mormoku.tk」 j.v「はい、そういうことです」
janúḷ「生じる」と複合した jamohúḷ「なんらかがどこかから出る」とか jammohúḷ「人が物理的に外に出る」などがこのグループに入りそう。
skurlavenija.mavijaが「命令形は語幹末の子音が外気に触れるのでめんどくさい」という表現をした。気に入ったので採用するか。
koḷorúḷとbhoḷorúḷは共に-ḷor語幹だけど、もちろん直前の母音によっては-lor語幹もあるはず。zalloúḷのことも考えると-llorúḷの形もありえる。
あと短動詞と-lorの組み合わせもありうるな。と思ったらちゃんと書いてあった。suḷorúḷは不定詞 suḷorúḷ, 三人称女性過去分詞 suḷazená, 命令形 suḷ, 名詞化第四接尾辞 sulí, 名詞化第一接尾辞sullazという変幻自在っぷりを見せてくれるわけだ。
とりあえず現状の案件としては、
という考察が2020年3月22日に行われ、そのまま放置されていた。現在は2021年4月10日である。つまり1年以上放置されていたことになる。こんなんばっかりだな。
「文法書だとどうだっけ」と思って見てみたら、なんと載っていない。coin3.htmlの 48. 法に「-ḷor語幹、文法書にしっかり載せなきゃね」とか書いてある。おい。
えーと辞書に載っているのは?bhoḷorúḷ「法を定める」、koḷorúḷ「長年の使用により材料が劣化している」、naunilorúḷ「〜(対格)を刺す」、suḷorúḷ「〜(対格)の葬儀をする」。どれも -ḷor / -lor 語幹として辞書に掲載されている。
えー現在2021年7月13日。naunilorúḷの一人称単数受動をツイートしたかったが、受動をどういうのか考えてなかったのでツイートできなかった。
というか動作動詞なのか。瞬間動詞じゃないのね。いずれにせよ言いたいのは過去分詞 + hem。
本来的な語幹 naunil- に -loná hem をそのまま付けて naunilloná hem でいいんじゃないの?さて、suḷorúḷのほうは同様に sulloná hem なんだろうけど、じゃあ bhoḷorúḷ と koḷorúḷ みたいに直前が長い場合はどうなんだろう。bhulloná は bhátán rásit に欠けるし、bhoḷoraḷoná かなぁ。koḷorúḷ は、んー、koḷoná と koḷoraḷoná の両方可かね。
そもそもバート語の動詞って何個の principal form を覚えればいいんだ?とりあえずlor動詞を忘れると、
一人称 | 二人称 | 三人称女 | 三人称男 | 指示・固有 | |
終止詞 | A-dhí | A-mú | A-ze | A-bhá | A-ká |
過去分詞 | A-dína | A-múná | A-zená | A-báta | A-kátá |
未来分詞 | A-díha | A-múha | A-zebá | A-báṣlo | A-káṣlo |
受動終止詞 | L-o | A-ní | A-sá | A-ṣí | A-ho |
受動過去分詞 | L-oná | A-nína | A-sátá | A-ṣíná | A-honá |
受動未来分詞 | ✗ | A-níha | A-sáṣlo | ✗ | A-hobá |
丁寧終止詞 | L-adhí | L-amú | A-cai | A-ká | |
丁寧過去分詞 | L-adína | L-amúná | A-cainá | A-kátá | |
丁寧未来分詞 | L-adíha | L-amúha | A-caiha | A-káṣlo |
命令形 | 外気-Ø / -zem |
不定詞 | 不定-úḷ |
受動不定詞 | 不定-áḷ |
名詞化第一接尾辞 | A強-z |
名詞化第二接尾辞 | 不定-ú |
名詞化第三接尾辞 | Í①-ṣ |
名詞化第四接尾辞 | Í② |
名詞化第五接尾辞(中性) | A-káta |
名詞化第五接尾辞(男性・女性) | A-bát |
非完了の状況副詞化 | A強-ma |
意図性・近接性のある未来 | BOH |
に対して
-úḷ | -∅ / -zem | -z | -mú | -o | -ṣ | |||
不定 | 外気 | A強 | A | BOH | L | Í① | Í② | |
子音幹 | cákík- | cákík- | cákíka- | cákíka- | cákíkaboh- | cákíkaḷ- | cákíkí- | cákíkí |
二重子音 | rakk- | rakk- /rakkə/ | rakka- | rakka- | rakkaboh- | rakkaḷ- | rakkí- | rakkí |
c幹 | rec- | rec-, reṣ- | reca- | reca- | recaboh- | recaḷ- | recí-, reṣí- | recí, reṣí |
ah語幹 | ṣíkah- | ṣíkau- | ṣíkaha- | ṣíkaha- | ṣíkahaboh- | ṣíkahaḷ- | ṣíkahí- | ṣíkahí |
oh語幹 | roh- | ro- | roha- | roha- | rohaboh- | rohaḷ- | rohí- | rohí |
bohúḷとその派生 | boh- | bo- | boha- | boha- | bohaboh-, bomoh- | bohaḷ- | bohí- | bohí |
長母音+gh語幹 | zígh- | zíg- | zígha- | zígha- | zíghaboh- | zíghaḷ- | zíghí- | zíghí |
短母音+gh語幹 | kánagh- | káná- | kánagha- | kánagha- | kánaghaboh- | kánaghaḷ- | kánaghí- | kánaghí |
m短 | am- | am- | amma- | ama- | amaboh- | amaḷ- | amí- | amí |
n短 | dan- | dan- | danna- | dana- | danaboh- | danaḷ- | daní- | daní |
cazúḷ | caz- | cazau- | cazau- | caza- | cazaboh- | cazaḷ- | cazí- | cazí |
cahúḷ | cah- | cau- | cau- | caha- | cahaboh- | cahaḷ- | cahí- | cahí |
zúḷ | z- | zau- | zau- | za- | zaboh- | zaḷ- | zauḍí- | zauhí |
núḷ | n- | nú- | nú- | núa- | núaboh- | núaḷ- | núaḍí- | núahí |
j語幹 | cánaj- | cánaj- | cánaja- | cánaja- | cánajaboh- | cánajaḷ- | cánajḍí- | cánajhí |
uj語幹 | kúcuj- | kúcú- | kúcuja- | kúcuja- | kúcujaboh- | kúcujaḷ- | kúcúḍí | kúcúhí |
aj短 | caj- | caj- | caj- | caja- | cajaboh- | cajaḷ- | cajḍí- | cajhí |
rijúḷ | rij- | rij- | rij- | rija- | rijaboh- | rijaḷ-, ríl- | rijḍí- | rijhí |
uj短 | suj- | sú- | sú- | suja- | sujaboh- | sujaḷ- | súḍí | súhí |
母音幹a | cákíka- | cákíka- | cákíka- | cákíka- | cákíkaboh- | cákíkaḷ- | cákíkaḍí- | cákíkahí |
母音幹e | bháhe- | bháhe- | bháhe- | bháhe- | bháheboh- | bháhel- | bháheḍí- | bháhehí |
母音幹á | zá- | zá- | zá- | zá- | záboh- | záḷ- | záḍí- | záhí |
suúḷ | su- | su- | su_zau- | su- | suboh- | suḷ- | suḍí- | suhí |
といったところかな。なんかちょこちょこ既存の説明にない語形がある気がする。書き足さないと。
ヌッ、迷惑幹忘れてた。まあでもこれL幹周りだから、lorとともに考えよう。
あ、そう、rohúḷ「平らである;(海などが)穏やかである」を作ってあったけど公開していなかったので、例示に使っちゃった以上載せておこう。
-rúḷの命令形は(少なくとも直前が長母音なら)-rでいいっぽいということになっており、「-lorにlevelingされる命令形」があってもいいということになっている。
「命令形 suḷ」「命令形 koḷ」と書いてある。bhoḷorúḷ は bhoḷor かなぁ。 bhoḷog だし。naunilorúḷ は両方アリな気がする。
分析そのものは、迷惑幹の処理だけ追加ですればいいっぽい?
一人称 | 二人称 | 三人称女 | 三人称男 | 指示・固有 | |
終止詞 | A-dhí | A-mú | A-ze | A-bhá | A-ká |
過去分詞 | A-dína | A-múná | A-zená | A-báta | A-kátá |
未来分詞 | A-díha | A-múha | A-zebá | A-báṣlo | A-káṣlo |
受動終止詞 | L-o | A②-ní | A-sá | A-ṣí | A-ho |
受動過去分詞 | L-oná | A②-nína | A-sátá | A-ṣíná | A-honá |
受動未来分詞 | ✗ | A②-níha | A-sáṣlo | ✗ | A-hobá |
丁寧終止詞 | L-adhí | L-amú | A-cai | A-ká | |
丁寧過去分詞 | L-adína | L-amúná | A-cainá | A-kátá | |
丁寧未来分詞 | L-adíha | L-amúha | A-caiha | A-káṣlo |
命令形 | 外気-Ø / -zem |
不定詞 | 不定-úḷ |
受動不定詞 | 不定-áḷ |
名詞化第一接尾辞 | A強-z |
名詞化第二接尾辞 | 不定-ú |
名詞化第三接尾辞 | Í①-ṣ |
名詞化第四接尾辞 | Í② |
名詞化第五接尾辞(中性) | A-káta |
名詞化第五接尾辞(男性・女性) | A-bát |
非完了の状況副詞化 | A強-ma |
意図性・近接性のある未来 | BOH |
-úḷ | -∅ / -zem | -z | -mú | -ní | -o | -ṣ | |||
不定 | 外気 | A強 | A | A② | BOH | L | Í① | Í② | |
子音幹 | cákík- | cákík- | cákíka- | cákíka- | cákíka- | cákíkaboh- | cákíkaḷ- | cákíkí- | cákíkí |
二重子音 | rakk- | rakk- /rakkə/ | rakka- | rakka- | rakka- | rakkaboh- | rakkaḷ- | rakkí- | rakkí |
c幹 | rec- | rec-, reṣ- | reca- | reca- | reca- | recaboh- | recaḷ- | recí-, reṣí- | recí, reṣí |
ah語幹 | ṣíkah- | ṣíkau- | ṣíkaha- | ṣíkaha- | ṣíkaha- | ṣíkahaboh- | ṣíkahaḷ- | ṣíkahí- | ṣíkahí |
oh語幹 | roh- | ro- | roha- | roha- | roha- | rohaboh- | rohaḷ- | rohí- | rohí |
bohúḷとその派生 | boh- | bo- | boha- | boha- | boha- | bohaboh-, bomoh- | bohaḷ- | bohí- | bohí |
長母音+gh語幹 | zígh- | zíg- | zígha- | zígha- | zígha- | zíghaboh- | zíghaḷ- | zíghí- | zíghí |
短母音+gh語幹 | kánagh- | káná- | kánagha- | kánagha- | kánagha- | kánaghaboh- | kánaghaḷ- | kánaghí- | kánaghí |
迷惑幹 | zaman- | zamán- | zamana- | zamana- | zaman- | zamanaboh- | zamall- | zamaní- | zamaní |
ilor幹 | naunilor- | naunil-, naunilor- | naunila- | naunila- | naunila- | naunilaboh- | naunill- | naunilí- | naunilí |
oḷor幹① | koḷor- | koḷ- | koḷa- | koḷa- | koḷa- | koḷaboh- | koḷ-, koḷoraḷ- | kolí- | kolí |
oḷor幹② | bhoḷor- | bhoḷor- | bhoḷa- | bhoḷa- | bhoḷa- | bhoḷaboh- | bhoḷoraḷ- | bholí- | bholí |
uḷor短 | suḷor- | suḷ- | sulla- | suḷa- | suḷa- | suḷaboh- | sull- | sulí- | sulí |
m短 | am- | am- | amma- | ama- | ama- | amaboh- | amaḷ- | amí- | amí |
n短 | dan- | dan- | danna- | dana- | dana- | danaboh- | danaḷ- | daní- | daní |
cazúḷ | caz- | cazau- | cazau- | caza- | caza- | cazaboh- | cazaḷ- | cazí- | cazí |
cahúḷ | cah- | cau- | cau- | caha- | caha- | cahaboh- | cahaḷ- | cahí- | cahí |
zúḷ | z- | zau- | zau- | za- | za- | zaboh- | zaḷ- | zauḍí- | zauhí |
núḷ | n- | nú- | nú- | núa- | núa- | núaboh- | núaḷ- | núaḍí- | núahí |
aj語幹 | cánaj- | cánaj- | cánaja- | cánaja- | cánaja- | cánajaboh- | cánajaḷ- | cánajḍí- | cánajhí |
ij語幹 | lásij- | lásij- | lásija- | lásija- | lásija- | lásijaboh- | lásijaḷ- | lásijḍí- | lásijhí |
uj語幹 | kúcuj- | kúcú- | kúcuja- | kúcuja- | kúcuja- | kúcujaboh- | kúcujaḷ- | kúcúḍí | kúcúhí |
aj短 | caj- | caj- | caj- | caja- | caja- | cajaboh- | cajaḷ- | cajḍí- | cajhí |
rijúḷ | rij- | rij- | rij- | rija- | rija- | rijaboh- | rijaḷ-, ríl- | rijḍí- | rijhí |
uj短 | suj- | sú- | sú- | suja- | suja- | sujaboh- | sujaḷ- | súḍí | súhí |
母音幹a | cákíka- | cákíka- | cákíka- | cákíka- | cákíka- | cákíkaboh- | cákíkaḷ- | cákíkaḍí- | cákíkahí |
母音幹e | bháhe- | bháhe- | bháhe- | bháhe- | bháhe- | bháheboh- | bháhel- | bháheḍí- | bháhehí |
母音幹á | zá- | zá- | zá- | zá- | zá- | záboh- | záḷ- | záḍí- | záhí |
母音幹o | aḍuhazo- | aḍuhazo- | aḍuhazo- | aḍuhazo- | aḍuhazo- | aḍuhazoboh- | aḍuhazo︎ḷ- | aḍuhazoḍí- | aḍuhazohí |
suúḷ | su- | su- | su_zau- | su- | su- | suboh- | suḷ- | suḍí- | suhí |
という言及の仕方はわりと適切で、不定詞(→不定)・命令形(→外気)・二人称過去分詞(→A)・名詞化第一(→A強)・名詞化第三(→Í①)に加えて二人称丁寧過去分詞(→L)が取れれば、あとは
だけ気に掛ければいい。Í②は、Í①が -ḍí で終わってたらそれを -hí にし、そうでなければそのまま。
これをskurlavenija.mavijaに見せたところ、いい感じの反応が得られた。
j.v「ところで、núḷの受動って *náḷ ではないだろ。」
skurlavenija.mavija「たしかに *náḷ ではないように思える」
j.v「núáḷ だなぁ。カラムが増えるぞ~」
ということで、結論その②は以下の通りである。
一人称 | 二人称 | 三人称女 | 三人称男 | 指示・固有 | |
終止詞 | A-dhí | A-mú | A-ze | A-bhá | A-ká |
過去分詞 | A-dína | A-múná | A-zená | A-báta | A-kátá |
未来分詞 | A-díha | A-múha | A-zebá | A-báṣlo | A-káṣlo |
受動終止詞 | L-o | A②-ní | A-sá | A-ṣí | A-ho |
受動過去分詞 | L-oná | A②-nína | A-sátá | A-ṣíná | A-honá |
受動未来分詞 | ✗ | A②-níha | A-sáṣlo | ✗ | A-hobá |
丁寧終止詞 | L-adhí | L-amú | A-cai | A-ká | |
丁寧過去分詞 | L-adína | L-amúná | A-cainá | A-kátá | |
丁寧未来分詞 | L-adíha | L-amúha | A-caiha | A-káṣlo |
命令形 | 外気-Ø / -zem |
不定詞 | 不定-úḷ |
受動不定詞 | 不定②-áḷ |
名詞化第一接尾辞 | A強-z |
名詞化第二接尾辞 | 不定-ú |
名詞化第三接尾辞 | Í①-ṣ |
名詞化第四接尾辞 | Í② |
名詞化第五接尾辞(中性) | A-káta |
名詞化第五接尾辞(男性・女性) | A-bát |
非完了の状況副詞化 | A強-ma |
意図性・近接性のある未来 | BOH |
-úḷ | -áḷ | -∅ / -zem | -z | -mú | -ní | -o | -ṣ | |||
不定 | 不定② | 外気 | A強 | A | A② | BOH | L | Í① | Í② | |
子音幹 | cákík- | cákík- | cákík- | cákíka- | cákíka- | cákíka- | cákíkaboh- | cákíkaḷ- | cákíkí- | cákíkí |
二重子音 | rakk- | rakk- | rakk- /rakkə/ | rakka- | rakka- | rakka- | rakkaboh- | rakkaḷ- | rakkí- | rakkí |
c幹 | rec- | rec- | rec-, reṣ- | reca- | reca- | reca- | recaboh- | recaḷ- | recí-, reṣí- | recí, reṣí |
ah語幹 | ṣíkah- | ṣíkah- | ṣíkau- | ṣíkaha- | ṣíkaha- | ṣíkaha- | ṣíkahaboh- | ṣíkahaḷ- | ṣíkahí- | ṣíkahí |
oh語幹 | roh- | roh- | ro- | roha- | roha- | roha- | rohaboh- | rohaḷ- | rohí- | rohí |
bohúḷとその派生 | boh- | boh- | bo- | boha- | boha- | boha- | bohaboh-, bomoh- | bohaḷ- | bohí- | bohí |
長母音+gh語幹 | zígh- | zígh- | zíg- | zígha- | zígha- | zígha- | zíghaboh- | zíghaḷ- | zíghí- | zíghí |
短母音+gh語幹 | kánagh- | kánagh- | káná- | kánagha- | kánagha- | kánagha- | kánaghaboh- | kánaghaḷ- | kánaghí- | kánaghí |
迷惑幹 | zaman- | zaman- | zamán- | zamana- | zamana- | zaman- | zamanaboh- | zamall- | zamaní- | zamaní |
ilor幹 | naunilor- | naunilor- | naunil-, naunilor- | naunila- | naunila- | naunila- | naunilaboh- | naunill- | naunilí- | naunilí |
oḷor幹① | koḷor- | koḷor- | koḷ- | koḷa- | koḷa- | koḷa- | koḷaboh- | koḷ-, koḷoraḷ- | kolí- | kolí |
oḷor幹② | bhoḷor- | bhoḷor- | bhoḷor- | bhoḷa- | bhoḷa- | bhoḷa- | bhoḷaboh- | bhoḷoraḷ- | bholí- | bholí |
uḷor短 | suḷor- | suḷor- | suḷ- | sulla- | suḷa- | suḷa- | suḷaboh- | sull- | sulí- | sulí |
m短 | am- | am- | am- | amma- | ama- | ama- | amaboh- | amaḷ- | amí- | amí |
n短 | dan- | dan- | dan- | danna- | dana- | dana- | danaboh- | danaḷ- | daní- | daní |
cazúḷ | caz- | caz- | cazau- | cazau- | caza- | caza- | cazaboh- | cazaḷ- | cazí- | cazí |
cahúḷ | cah- | cah- | cau- | cau- | caha- | caha- | cahaboh- | cahaḷ- | cahí- | cahí |
zúḷ | z- | z- | zau- | zau- | za- | za- | zaboh- | zaḷ- | zauḍí- | zauhí |
núḷ | n- | nú- | nú- | nú- | núa- | núa- | núaboh- | núaḷ- | núaḍí- | núahí |
aj語幹 | cánaj- | cánaj- | cánaj- | cánaja- | cánaja- | cánaja- | cánajaboh- | cánajaḷ- | cánajḍí- | cánajhí |
ij語幹 | lásij- | lásij- | lásij- | lásija- | lásija- | lásija- | lásijaboh- | lásijaḷ- | lásijḍí- | lásijhí |
uj語幹 | kúcuj- | kúcuj- | kúcú- | kúcuja- | kúcuja- | kúcuja- | kúcujaboh- | kúcujaḷ- | kúcúḍí | kúcúhí |
aj短 | caj- | caj- | caj- | caj- | caja- | caja- | cajaboh- | cajaḷ- | cajḍí- | cajhí |
rijúḷ | rij- | rij- | rij- | rij- | rija- | rija- | rijaboh- | rijaḷ-, ríl- | rijḍí- | rijhí |
uj短 | suj- | suj- | sú- | sú- | suja- | suja- | sujaboh- | sujaḷ- | súḍí | súhí |
母音幹a | cákíka- | cákíka- | cákíka- | cákíka- | cákíka- | cákíka- | cákíkaboh- | cákíkaḷ- | cákíkaḍí- | cákíkahí |
母音幹e | bháhe- | bháhe- | bháhe- | bháhe- | bháhe- | bháhe- | bháheboh- | bháhel- | bháheḍí- | bháhehí |
母音幹á | zá- | zá- | zá- | zá- | zá- | zá- | záboh- | záḷ- | záḍí- | záhí |
母音幹o | aḍuhazo- | aḍuhazo- | aḍuhazo- | aḍuhazo- | aḍuhazo- | aḍuhazo- | aḍuhazoboh- | aḍuhazo︎ḷ- | aḍuhazoḍí- | aḍuhazohí |
suúḷ | su- | su- | su- | su_zau- | su- | su- | suboh- | suḷ- | suḍí- | suhí |
ところで、rohakátá とか ṣárahakátá とかって縮約して rokhátá, ṣárakhátá と発音されそうよね。(ṣíkahzená とか ṣíkházená といった俗な発音に関する言及が既にあるし。)
こういう俗なやつをどう綴るんだろうな。とりあえずラテン字においてはaが飛んだところにъ入れとくか。
非縮約 | 縮約 | 発音 |
ṣárahakátá | ṣárahъkátá | ṣárakhátá |
ṣíkahazená | ṣíkahъzená | ṣíkahzená |
ṣíkъhazená | ṣíkházená | |
rohakátá | rohъkátá | rokhátá |
2021年10月16日、skurlavenija.mavija が bághadhelá zúl kohomá aghauṭa というタイトルの文章を提出してきたので、jekto.vatimelijuはとりあえず「た、たしかに文法書にある記述を見たら -úḷ kohomá が通ってしまうけど、いやいや不定詞の属格は無理ですって。分詞にして名詞に掛けてください」とコメントした。三日後の2021年10月19日、jekto.vatimeliju はこれが許されない理由について改めて考察し、その結果、以下の文言を文法書に書き加えるべきだという結論に至った。
たとえば eghizá「石(複数)」が ĕjza という単数名詞として振る舞う変種。woghit とかも wŏjta って反映してそう。ághi は縮約していない形が再借用されており、その方言においても複合語の構成要素として ai- が見られることぐらいでしか確認できないんだろうな。
-ḍi ghi とかも -ḍij [ɖiː] になってそうだな。-radhí [ɖɖʱiː] と同様の、そり舌音の後にも [iː] が立つやつ。
「犬を殺害する」→「犬の殺害」、「私たちに影響する」→「私たちへの影響」、「足で移動する」→「足での移動」などの動詞句の名詞化だったり、「ヤトゥキヤからのテティェン」といった一般名詞の修飾だったり。まあ「動詞を補って言うのが普通」という可能性はあるけど。
-homá というのは bhom-「持つ」由来らしいとされているけれど、「私たちへ持った被害」ではないということを根拠に、-homá 方面の形を取らず、-án 方面の形と「~へ与える」方面の形を取るという挙動が推察された。
ghi というのは ji であることから、まあ ghi + -án は ján 、一方で「与える」としては dákín- の異形(方言形としてどっかにあるかもな)がくっついた ghidín(古くは ghadín)かなぁ。
-dhel sujakátá と迂言的にする手がまずある。具格は名詞を直に修飾する用法があるわけだが、こういう手段に関するときに直に掛けるのは古い表現かもしれん。あとは、-bhau + -n と形が類似していることも相まって、bhán と混用される可能性があるな。となると bhán はそれ自身が擬属格用法を持つのか。
そういや前に
とか言ってたな。
無難に -án のついた oṣán だけではなく、「来る」系統と融合した osakán という形がありそうだな。
「-dhen, -elen, -dhelán, -elenán が一応あるにはあるものの、わりと翻訳調的であり、むしろ対格になっていた名詞が直後の語と複合語を構成する方が普通」とかな気がする。
対象の性に関わらず「指示・固有」で取りがちな hína hemakátá がありますね。存在というよりも動作であるときに使う hínazáwán (hína + zau + -án)って形があってもいいかもな。内省したところ mid-mid-mid-high になっていて dhez が起こっていないので、これは hínázáwán と綴ってからの4連続長母音短音則だな。
お前は bhán。
稀なほうの用法に連体用法がある以上、emaそれ自身に擬属格用法アリとしていいでしょう。
じゃあ áṣán で。
辞書に足した。うおー日本語版と英語版を両方メンテするのめんどい。
あ、「古くは ghadín」載せてない。まあいいや。現代語ではないという扱いで。
さて文法書に足さないといけないんだよな。
バートでは xalli- が ánom につくので、 i が落ちて(あっじゃあ xall- を載せなきゃ)xallánom だけど、えっとリパライン語だとどう言うんだ?
xaleerl, xaleon の用例としては、いせにほ#244の
xaleerl es loler fal lkurftless-e-stan-a-ss.
似たもの である 多い 〜において 言語-EPE-定性-EPE-PL
それらの言語(リパライン語とヴェフィス語)において似てるの(=単語)は多いんじゃないかな。
Kranteerl y io xal の
fi liaxu la_lex xale-on mol, elx xeleback niv.
もし PROG LALEX ~のような-ADV 在る ELX 埒が明かない状態が終わる ~ない
このままじゃ埒が明かない。
そして liqkaxy io ircalart lot sulaun の
floaple larta-ss-a-'s la_lex xale-on es.
自分勝手な 人-PL-EPE-SUBJ LALEX ~のような-ADV である
そういうものなのか、まったく、勝手な奴らだ。
xale が項を取っている例が古いやつしか見当たらない、というのは少し気になるけれども、とはいえまあ他の動詞派生名詞のことを考えても、まあゼロマーキングで項を取って派生名詞になれるんじゃないかな。ということで diursans xaleerl にしましょう。
67. ḍázの語源に書いたように、
ḍaz「店、商店」の語源は*dkoop「島」とされることがあるけれど、音韻も意味も合わないことから、アイル語doche「店」と同根語であるという説が有力。 #bhaataan
— バートさん(bhátaim) (@bhaataan_zepha) 2018年4月21日
ḍazではなくḍáz。
— バートさん(bhátaim) (@bhaataan_zepha) 2018年4月21日
これ ḍáz が 借用語で、アイル do- 周りの何かを ḍá- で借用しているのかもしれないな。[t̪] と [ʈ] を持つ言語だと他言語の [t] が [ʈ] へと借用されたりするというし。
49-4. ḍázに書いたように、
ḍṭṇḷが語頭に立つ例がこいつしかないんだよなぁ。
ということで、ḍáz も何らかの借用であって、本来語の語頭にはこいつらは立たないとするのが良いかなぁ。同じ反り舌音でも ṣ は語頭に立ちまくる気がするが、これはそもそも ṣ が多くの場合 laminal flat postalveolar で発音される以上、ḍṭṇḷ のような反り舌音とは異質の存在と見た方がいいのだろう。
最近辞書を ZpDIC Online に上げてなかった。発音表記とかを増やした結果、翻訳率の計算に使う正規表現は
[^\s!-~áíúṭḍṣṇḷʔʈɳɾɔːʃʋʱāəʂīēō藍牌→←伐理ヴェフィス皇アイツォ]になった。
えー未翻訳は 27/635 だから 95.74% 翻訳済か。
2022年1月25日に、skurlavenija.mavija が以下のような詩を Twitter に投稿した。
okákadína bhodihomá bhogele
— MIT(Μίττον)@大学垢 (@mit00042) January 24, 2022
ṣot rízai rúṣi hína ám heyádhí.
bhajъdína sádhel seṇa ghaccáká
bhá káom káḍi hína rakkúḷ huṭeúḷ.
okákadína bhodihomá bhogele
ṣot rízai rúṣi hína ám heyádhí.
kádakátá sádhel seṇa ghaccáká
bhá káom káḍi hína rakkúḷ huṭeúḷ.
これを収録しようと思ったが、最終行の意味が取れない。
としか読めないのよな。とりあえずこの káḍi は kádi の誤りだろう。あと「~のすべて」は bhá じゃなくて nau を用いるんですよね。そもそもなんで ká が属格になってる?
skurlavenija.mavija「káom で『彼女のもの』にしてそれを bhá『すべての』で修飾している意図だった」
jekto.vatimeliju「属格単立ってなにが許されるんでしょうねぇ~」
てなわけで、最終行を káom nau kádi hína rakkúḷ huṭeúḷ. へとすり替えて登録。nau は一音節からなるピッチ句なので普通はピッチが上がらないのだけど、まあ詩でなら上げて読むこともできるのでしょう。
困る。
ほしい。
一応「192. h語幹の縮約」にありますね。ここではh語幹を縮約したときの話としてしか出てきていないけど、一般に「俗なやつを綴るには、とりあえずラテン字においてはaが飛んだところにъを入れる」という運用にする。
2022年2月23日に、skurlavenija.mavijaが以下の短歌(?)を発表。
kaikaziná bhán もがきを通り抜けた (5) ápaom ṣot nautu ja 私の多くの言葉と (7) kom híjadhel この心を (5) kádakátá sáḍi ghi 輝く女性に (7) dákínabohadína. 私は与えたい (7)
これに対して、2022年3月25日、jekto.vatimeliju は「-aboh- なので、直訳は『与えたい』からもう一歩踏み込んで『与えようと思う』ぐらいですね。」と返答し、文法書の例文にこれを収録した。あと、-(a)boh- の伐日での説明を改良した。
ついに ṣahabát という語を辞書に載せた。どうして今まで載っていなかったのか。
ついに訳語を変更。まあこの方がいいよね。
今までお世話になってきた頻度表、しかしながら
という問題点がある。一念発起して作り直すか。
まず657個の見出し語を取り出す。
dat.words.map(a=>a.entry.form).join(",")
で取得するのが早い。
ありがとうございます過去の自分。
スペースやアンダースコアの入ってる単語を取り除いて626個。
目視でいろいろ削って394個。まあこんぐらいでいいか。
-a-, -abháp-, -aboh-, -abát, -aghi, -aim, -akáta, -am, -ama, -an, -ani-, -az, -azá-, -bháp-, -boh-, -bát, -dhelán, -dhen, -dhína, -elen, -elenán, -ghi, -hí, -i, -ij-, -ilor-, -itaim, -itam, -káta, -m, -ma, -n, -ni-, -sá, -waim, -z, -zá-, -á-, -í, -ína, -íṣ, -ú, -ḍíṣ, -ṇauṭu, acc-, accabát, adha, adheṣ, aghauṭa, aibhausa, am-, amila, amm-, ammán, amáma, asíja-, aum-, aḍuhaid-, aḍuhazo-, aḍuhazá-, aḍí, aṭam, aṭaza, bacú, banáman, baukká, bhai, bhaj-, bhattá, bhaum, bhaṣ, bho-, bhodakí, bhodi, bhodíyo, bhog, bhohe-, bhom-, bhoma, bhoman, bhoḷog, bhoḷor-, bhoṇau, bhoṣah-, bhá, bhá, bháhe-, bháhepa, bhájabáni, bhákáṇa, bháma, bhámaum, bhán, bháp-, bhár-, bhára, bháro, bhát, bhát-, bházah-, bházau, bháṇ-, bháṣ, bháṭám-, boh-, bohamátuj-, bom, boṇ-, bácuj-, bágha, bák-, bákatú, bákaz, báni, bánim, bániwaim, bániṣom, bátat, bátuj-, báṣi, cah-, cai, cainíju, caj-, catíg, cau-, caz-, cekhai, cepatepa, ceṣlo, coghi, coghom, com, coraj-, coḍu, coṇaná, coṇá, cájau, cákíka-, cánaj-, cátaghi, cáwaṭaim, dan-, dat, daupha, deja, dhedighat, dhese-, dhet, dhez, dhezá-, dhokit, dhozoc-, dhoḷop, dhárad, dház-, dhímat, dhíná, dhíp, doghaj-, doma, dác-, dákín-, dáp, dáṣ, dí, díghi, dílitam, díma, dína, díṣlo, ea, eghi, ehai, ek, elesa, ema, epa, epam, epha-, eyá-, gaṇṇí, ghacc-, ghau, ghauṣ, ghi, ghidín, ghikísa, ghá, ghán-, ghána-, gháni, ghátu, gháyo-, ghíyo, ha, helazá, hem, hem-, hemasá, hemijoya, heyá-, heyáz, ho, hor-, horabát, huṭe-, há, háta, hátaṣom, híja, hína, hínázáwán, ja, jammoh-, jamoh-, jan-, janá-, jarúṣi, jo, jog, jok, jora-, josed-, joya, jám, ján, k, kaik-, kaṣlo, kaṭádha, khak, khaṇḍí, khaṇṇí, khem, kit, kiṣlo, ko, koli, kom, koraj-, korúṣam, koḷor-, koṭ, kujacú, ká, kád, kánagh-, kánat-, káná, kázalek, káṇa, káṇaisa, káṇám, káṇám, kí, kúcuj-, kúcú, legh-, lom, lábha, lánah-, lási, lásij-, líṇa-, manáman, masátu, mábha, n-, nau, nauki, nautu, nauṇagh-, non, not, nota, nudhor-, numíju, nutta, nádít-, náh-, náhaz, náhepa, nához, nám-, nána, náḷa, nímaṣ, nín, nínaccú, nú-, núdha, núsu, ohi, okák-, osakán, ot-, oṣa, oṣán, rakk-, rauki, rec-, rek, rekasúk, rij-, rod, roh-, rásit, ríka, ríla-, ríz, rúkasa, rúṣ, súḷa, sakká, seház-, sese, seṇa, su, su-, suj-, suḷor-, sá, sáka, sáp-, síbha, sít, síyo-, sú-, woghit, wákah-, wát, wáḷa, yám, z-, zallo-, zau-, ze-, zekáta, zepha, zu, zá-, záde-, zám-, záwaim, zí, zígh-, zíghíṣ, zíṣlo, á, ácah-, ághat, ághi, ághim, ák-, ákíjam, ám, áma, ánom, ápa, áphíyo, ásúka, ázá, áṣá, áṣán, áṭam, íd-, íditaim, újo, úraj-, úro, ḍáz, ṣabhahu, ṣah-, ṣahabát, ṣahe, ṣe, ṣibhai, ṣiṇṇa, ṣoma, ṣonároná-, ṣot, ṣoya, ṣá, ṣán, ṣánom, ṣárah-, ṣásubhoz-, ṣíka, ṣíkah-, ṣím, ṣíyabát, ṣíyá-, ṣúsa
んー、めんどいので語尾は削って、
acc, accabát, adha, adheṣ, aghauṭa, aibhausa, am, amila, amm, ammán, amáma, asíja, aum, aḍuhaid, aḍuhazo, aḍuhazá, aḍí, aṭam, aṭaza, bacú, banáman, baukká, bhai, bhaj, bhattá, bhaum, bhaṣ, bho, bhodakí, bhodi, bhodíyo, bhog, bhohe, bhom, bhoma, bhoman, bhoḷog, bhoḷor, bhoṇau, bhoṣah, bhá, bhá, bháhe, bháhepa, bhájabáni, bhákáṇa, bháma, bhámaum, bhán, bháp, bhár, bhára, bháro, bhát, bházah, bházau, bháṇ, bháṣ, bháṭám, boh, bohamátuj, bom, boṇ, bácuj, bágha, bák, bákatú, bákaz, báni, bánim, bániwaim, bániṣom, bátat, bátuj, báṣi, cah, cai, cainíju, caj, catíg, cau, caz, cekhai, cepatepa, ceṣlo, coghi, coghom, com, coraj, coḍu, coṇaná, coṇá, cájau, cákíka, cánaj, cátaghi, cáwaṭaim, dan, dat, daupha, deja, dhedighat, dhese, dhet, dhez, dhezá, dhokit, dhozoc, dhoḷop, dhárad, dház, dhímat, dhíná, dhíp, doghaj, doma, dác, dákín, dáp, dáṣ, dí, díghi, dílitam, díma, dína, díṣlo, ea, eghi, ehai, ek, elesa, ema, epa, epam, epha, eyá, gaṇṇí, ghacc, ghau, ghauṣ, ghi, ghidín, ghikísa, ghá, ghán, ghána, gháni, ghátu, gháyo, ghíyo, ha, helazá, hem, hem, hemasá, hemijoya, heyá, heyáz, ho, hor, horabát, huṭe, há, háta, hátaṣom, híja, hína, hínázáwán, ja, jammoh, jamoh, jan, janá, jarúṣi, jo, jog, jok, jora, josed, joya, jám, ján, k, kaik, kaṣlo, kaṭádha, khak, khaṇḍí, khaṇṇí, khem, kit, kiṣlo, ko, koli, kom, koraj, korúṣam, koḷor, koṭ, kujacú, ká, kád, kánagh, kánat, káná, kázalek, káṇa, káṇaisa, káṇám, káṇám, kí, kúcuj, kúcú, legh, lom, lábha, lánah, lási, lásij, líṇa, manáman, masátu, mábha, n, nau, nauki, nautu, nauṇagh, non, not, nota, nudhor, numíju, nutta, nádít, náh, náhaz, náhepa, nához, nám, nána, náḷa, nímaṣ, nín, nínaccú, nú, núdha, núsu, ohi, okák, osakán, ot, oṣa, oṣán, rakk, rauki, rec, rek, rekasúk, rij, rod, roh, rásit, ríka, ríla, ríz, rúkasa, rúṣ, súḷa, sakká, seház, sese, seṇa, su, suj, suḷor, sá, sáka, sáp, síbha, sít, síyo, sú, woghit, wákah, wát, wáḷa, yám, z, zallo, zau, ze, zekáta, zepha, zu, zá, záde, zám, záwaim, zí, zígh, zíghíṣ, zíṣlo, á, ácah, ághat, ághi, ághim, ák, ákíjam, ám, áma, ánom, ápa, áphíyo, ásúka, ázá, áṣá, áṣán, áṭam, íd, íditaim, újo, úraj, úro, ḍáz, ṣabhahu, ṣah, ṣahabát, ṣahe, ṣe, ṣibhai, ṣiṇṇa, ṣoma, ṣonároná, ṣot, ṣoya, ṣá, ṣán, ṣánom, ṣárah, ṣásubhoz, ṣíka, ṣíkah, ṣím, ṣíyabát, ṣíyá, ṣúsa
これを sort.html のコンソールで var k = "...";
して、var l = k.split(", ").map(a => syllabifyBaani(lexNautu(a)))
してやる。 var toCount = arr => {var obj={}; arr.forEach(a => obj[a]=arr.filter(b => b == a).length); return obj};
を定義してやって、toCount(l.map(a => a[0][0]))
をしてやれば、語頭回数が出る。
toCount(l.flatMap(a => a.map(b => b[1])))
してやれば、母音。
toCount(l.flatMap(a => {const [_, ...c] = a.map(b => b[0]); return c}))
してやれば、語中子音。
頭子音は、こんな感じ。前と大きくは変わってなくて、いいですね。
∅ 57 57.5 57.5 bh 37 37.5 95 k 27 27.5 122.5 h 18 18.5 141 s 15 15.5 156.5 z 15 15.5 172 ṣ 22 22.5 194.5 n 25 25.5 220 c 22 22.5 242.5 b 19 19.5 262 dh 13 13.5 275.5 d 16 16.5 292 j 14 14.5 306.5 r 14 14.5 321 gh 13 13.5 334.5 l 7 7.5 342 m 3 3.5 345.5 kh 4 4.5 350 w 4 4.5 354.5 ḍ 1 1.5 356 g 1 1.5 357.5 y 1 1.5 359
一応こんな感じなんですが、
a 159 á 156 o 95 e 52 í 53 i 36 u 24 ú 22 au 18 ai 14 aQ 13 iQ 1 uQ 1 auQ 1
だいぶ例外的な -auQ- はともかく、 -iQ- と -uQ- が少ないのは今までのガチャがこれらを misrepresent していたのが原因である。
a が 159 個あるのに対して aQ が 13 あるのだから、iQ は 36 × 13 ÷ 159 = 2.94 個、uQ は 24 × 13 ÷ 159 = 1.96 個ぐらいあってもいいんじゃなかろうか。
……これ、ともに整数にめっちゃ近いな。じゃあもう -iQ- を追加で 2 単語、-uQ- を追加で 1 単語作ることで解決としちゃえばいいか。後でやっておきます。
ということで、結論。
a 159 159.5 159.5 á 156 156.5 316 o 95 95.5 411.5 e 52 52.5 464 í 53 53.5 517.5 i 36 36.5 554 u 24 24.5 578.5 ú 22 22.5 601 au 18 18.5 619.5 ai 14 14.5 634 aQ 13 13.5 647.5 iQ 3 3.5 651 uQ 2 2.5 653.5 auQ 1 1.5 655
e に比べて o が結構躍進しましたね。実際 e ってバート語で少し使いにくい感ある。唇音の後でも k の後でも忌避されるし。
gのうち三つは語末の -gh なので、gh としてカウント。
m 62 62.5 62.5 k 36 36.5 99 n 45 45.5 144.5 bh 7 7.5 152 h 30 30.5 182.5 z 22 22.5 205 t 40 40.5 245.5 b 5 5.5 251 c 13 13.5 264.5 d 14 14.5 279 l 8 8.5 287.5 gh 21 21.5 309 r 19 19.5 328.5 ṣ 18 18.5 347 dh 5 5.5 352.5 s 20 20.5 373 ṣl 5 5.5 378.5 j 25 25.5 404 p 12 12.5 416.5 ṇ 17 17.5 434 ṭ 9 9.5 443.5 ḍ 6 6.5 450 w 4 4.5 454.5 ḷ 8 8.5 463 y 13 13.5 476.5 kh 1 1.5 478 ph 4 4.5 482.5 g 1 1.5 484 ∅ 1 1.5 485.5
tが増えたな!まあ別にいいんじゃないでしょうか。あとbとbhがかなり減ってるけど、これは語尾をカウントから除いたのが効いてそう。
今回のGoogle Spreadsheets、そして 頻度表2022。
2022年6月9日に「例文と辞書をどうにか合一させる機構(まずはバートに導入)」という issue を立てた。
そういや ZpDIC に例文管理機能がついたんだっけ。どういう仕様になってるんだろう。ちょっと見てみなきゃな。
……と思って調べたり訊いたりしたところ、
とのことであった。なるほど。じゃあ私の都合に最もふさわしいフォーマットで先に組んで、あとで仕様が策定された際に適宜それを変換する、という方針にしよう。
語形から一意に引けない語って何個あったっけ。まあスクリプト書いて調べるか。
なるほどね。それはそれとして、いまは Leipzig.js さんによって gloss 組みをやってもらっているわけで、ここに介入して表示をいじることにはなりそう。
Leipzig.js のライセンス見るか。
めちゃめちゃゆるいライセンスっぽいな。まあ改造というのは一般にめんどいので、やらなくていい方法を見つけたらやらない。
それはそれとして、そもそも今回目指すべきは「データ」パートであり、「表示」パートは従属的なので、データとして整理できればそれでいいんだよな。
index.html を丸々複製して、要らんところを全部削っただけの JSON へとしていく作業をするか。
いろいろ考えながら作業してたら 3 時間ぐらい掛かってしまったな。
この後やることとしては、
よし、このうち「とりあえずこの JSON を元の HTML にコンパイルする仕組みを作る」が完了。
corpus/index.html をこの新しいやつで差し替えて、「これは自動生成です」と書いて、もう正式版としてリリースしよう。
その前に、生成したファイルを VS Code で見ると一行がいくらなんでも横に長すぎるので、適宜 "\n" とかのテキストノードを埋め込んだ。インデントもいい感じに。
元の index.html との差分もだいぶ少なくなったな。いい感じ。
2022年8月27日、久々にバート語創作として「二百題で学ぶバート語基礎」を書き進めたところ、サクッと新たな文法現象が生まれた。
しかしながら、この名詞は本質的には gh 性を持つ名詞であって、単数主格以外では綴り字上の g は gh と読み上げられる。単数主格という最も基本的で頻用される形においての字に点を打たないので、残りの形についても点を打つようなことはしない。テキストに丁寧に点を振るのが現代のバート語の原則ではあるが、これに関してはその原則が破られている。
ただし、元の単語が外来語であって、本質的に gh 性を持っているわけではない場合には、音の上でも文字の上でも規則通りに変化することに注意せよ。したがって、リパライン語からの借用である azúg「謀略」・júg「ユーゲ人」・auphphág「マスク」などに関しては活用形においても gh の音を用いない。
ということで、これらを採用する。
なお、auphphág に関して言うと、前に
ギリシャ語にはπφ, τθ, κχがあるけれど、バートはどうなんだろう。
という問を思いついた直後ぐらいに答えが現れた。そもそも89-8.の音法則から見るに、2. - 4. の時代については語中に来る音素は(流音・摩擦音系列除くと) /pʰ/ /bʱ/ /b/ /m/; /t/ /dʱ/ /d/ /n/; /k/ /gʱ/ /g/ /ŋ/ なので、有声阻害音の重子音禁止則に従うと /ppʰ/ /mm/ /tt/ /nn/ /kk/ /ŋŋ/ (> /ɳɳ/) しか出ないんですな。
さて問題は表記である。伝統表記なら重子音記号を使えばいいが、現代表記だと -p + ph- になりそうか -ph + ph- になりそうか考えねば。とはいえ、点一つでしか違わないしどっちでもいいかもな。
音韻法則とかを眺めていたらバート語に /ppʰ/ がありそうだということになったが、現代表記だと p + ph になりそうか ph + ph になりそうか考える回
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年10月7日
いやまあ点1つでしか変わらないしどっちでもいいんだけど
ギリシャ・サンスクリットはt + thやd + dhを採用してるわな
どっちでもいい説
— Fafs F. Sashimi@いせにほ好評発売中 (@sashimiwiki) 2018年10月7日
どっちでもいいわな
— .sozysozbot.@hsjoihs@jekto.vatimeliju (@sosoBOTpi) 2018年10月7日
まあそもそも音節末に有気音来ないし、点を余計に打つのも面倒なだけだし、p+phが普通でしょうな。
ということを書いたが、そもそも今や「現代表記」でも auQ + ph + á + g + ъ と綴ることができるので、「点を余計に打つのも面倒なだけだし、p+phが普通」と主張する論拠が無くなったと考える。さらに、「二百題で学ぶバート語基礎」には「具体的には、ph, bh, s, dh, kh, gh, h, j, y, w が語末に立つことはない。更に h, j, y, w は音節末に来ることもない。」と書かれ、ph が音節末に来ることが禁じられているという記述にはなっていない。よって、ラテン字転写は auphphág とする。
2023 年 1 月 26 日、「二百題で学ぶバート語基礎」の執筆の過程で生まれた議論。
要は、「受動文を作るという行為は、行為者から焦点を外し、環境化するという行為である。しかし、意図的な行為とか、特定の行為者が為す行為とか、一回性のある行為とかは、そもそも行為者を行為から切り離しづらい。受動文というのは、『主語省略の能動』で書いてすら行為者からの焦点外しが足りないと感じられた際に、被動者を主語の位置に持ってくることでますます行為者から焦点外しをする行為なのであって、行為者に明示的に言及して視野に行為者を持ち込んでしまっては、その焦点外しが台無しになってしまう。
不特定の行為者が複数回継続的にやっていても、意図性があるなら『多くの建物が多くの労働者の手で作られた』レベルでも『労働者の努力で』にしたい。この『努力』は依存名詞かな。
では、『努力』がふさわしくないときには?「この橋は台風に破壊された」はどう表すのか。これはもう、「〜の悪事で」(依存名詞 non) だろう。「大きな風の悪事でこの橋は破壊された」。奇特に思えるかもしれないが、日本語の「〜のせいで」がまさにこの構文であるということを考えてみよ。
じゃあ先程の泥棒も「〜の悪事で」か?否。日本語で考えればわかるように、泥棒のせいで財布が盗まれたのではなく、泥棒が財布を盗みやがったのである。この場合は、文の主語である財布が明確に泥棒の元へ移動しているので、(能動ではなく受動を使うのであれば)ghi 格で取るのがやはり自然だろう。 じゃあ、最後に『習慣・慣習として人々に〜される』の場合。これは別に「日本人の手癖」「日本人の習慣」が米と麦を食べたわけではない。日本人が米と麦を食べている。とはいえ、不断の努力で意識的に米と麦を選択し続けてきたわけでもないし、焦点からは外れているので、なにもつけずにそのまま具格。
なので、『例外的に具格で取ることもあるが、多くの状況では具格は好まれない』は正確ではないな。「二百題で学ぶバート語基礎」にはこのように書こう:
受身文を作るときには、意味上の行為者は具格に置かれることもある。
ehaiḍi hína líṇabánizá ṣot nímaṣai sujaho. 「アイル共和国では、燐字は多くの民族に用いられている。」
kom aghauṭa phaigahomá ásúkabhauná ákahoná.「この本はパイグの人々に読まれてきた。」
だが、これは『習慣・慣習として人々に〜されている/されてきた』という状況を表すときに用いる表現であり、非日常的行為や、意図性の強い行為や、特定の行為者が為す行為や、一回性のある行為である場合には、意味上の行為者を具格に置こうとする前に一旦立ち止まり、今後紹介する様々な表現の中から、より適切な表現を選定すべきである。
『習慣・慣習として人々に〜されている/されてきた』という状況を表すときに用いる、という条件、フランス語の「代名動詞による受動文が使える条件」に似ているが、「生まれてこのかた、私はひどい偏見にさらされつづけてきた」とかはバート語だとこの受動で言えるけどフランス語だと無理だろうな
non は「劣悪なもの」なので「悪事」は指せないですね。別の語が要ります
ということで、チートシートが更新され、「二百題」も改められた。
そういえば定めていなかったので考えた。garnishment は法律用語としての用法があるっぽいし、garniture は集合名詞として使うことが多いっぽいので、じゃあ garnish の名詞用法にします。
bhat-to-eng.json も編集した。
2023年7月18日にみっとんからの指摘で気づいた。辞書を直した。
2023年10月29日、「<主格>は<具格>にとって好都合/不都合である」という状態動詞において、一人称をサクッと(つまり、「削ると非文なので、一人称という情報が漏れ出てしまう」という形で)盛り込む方法がほしくなった。しかし、格支配が「<具格>にとって」なので、人称変化によって一人称という情報を入れることができない。
ということで、感情を表す動詞を用いる際、語り手と感情の主体が不一致のときには(adha「目」と同根な、unattested な *dhúḷ に -ama がついて)dhama という副詞を用いるのが自然であるということとなった。
日本語の「~たい」vs.「~たがる」、韓国語の 좋다 vs. 좋아하다 と似ており、この副詞の不存在は一人称を示唆する。
特に、今回のように「動詞側の人称変化に感情を感じる主体の情報が入らない」という場合には、dhama の有無はかなり「最も自然な解釈」の決定に貢献する、としてよかろう。
ただし、この副詞は「他人の心情とは結局分からないものであり、推察するしかない」という事情によって置かれるものなので、語り手が third person omniscient ならば dhama は置かれるべきではない。そう考えると、「不思議の国のアリス」において置かれていないことも自然である。
hsjoihs — 2024/01/16 05:18 「二百題」の第 10 課に登場する語を全部拾って付録に掲載した hsjoihs — 今日 05:32 第 9 課に登場する語を全部拾って付録に掲載 第 8 課に登場する語を全部拾って付録に掲載 hsjoihs — 今日 05:36 第 7 課に登場する語を全部拾って付録に掲載 hsjoihs — 今日 05:43 第 6 課に登場する語を全部拾って付録に掲載 hsjoihs — 今日 05:54 第 4・5 課に登場する語を全部拾って付録に掲載 hsjoihs — 今日 05:58 見出しにハイフンが入っている接辞を除くと、現状辞書には語が 536 個登録されているっぽいな そしてそのうち 255 個が現在付録に掲載されている
その一覧を 200prob_bhaataan_words_2024-01-16.txt としてまとめた。
辞書順チェックのため、それの単語箇所だけ切り出して sort.html に投げると、はいはい「ghánaúḷ ⇀ gháni」と「úroúḷ → úroom」だけミスってますね。
それを直したら OK。
最近は coin3.html で一日 3 単語のペースで辞書に単語を載せていっているが、その際に相互参照を管理するのが面倒で管理していないという問題が慢性化している。
これぐらいは自動化してもいいのではという気になってきた。
というか、ここ最近ずっと相互参照を足してない気がするけど、どんなもんだろ。最後に足したのっていつ頃?
2023-11-09 の eghin (#694) = eghi (#385) + -n (#161) か。
とはいえ、bághaḍi bhán ṣíya (#687) とかも分解可能ではあるが掲載がない。やはりちゃんと全部さらうべき。
えーと、現状存在するリンクの形態は「異形態」「派生関係」「単複」「熟語・定型表現」「類義語」の 5 種か。
「熟語・定型表現」は現状 cákíkátaḍi cájau (#498) にしか使っていない。もっと使うべき。
やるべきことは、
だな。
こういうの jq でサクッとできないかな~
とりあえず、.words | map({"from": [.entry.id, .entry.form], "to": .relations}) | map(.from as $from | .to | map({"title": .title, "from": $from, "to": [.entry.id, .entry.form]})) | flatten
とすれば、
[ {"title": "異形態", "from": [1, "-dhí"], "to": [4, "-adhí"]}, {"title": "異形態", "from": [2, "-dína"], "to": [6, "-adína"]}, {"title": "異形態", "from": [3, "-díha"], "to": [5, "-adíha"]}, ... {"title": "異形態", "from": [10, "-amú"], "to": [7, "-mú"]}, {"title": "派生関係", "from": [10, "-amú"],"to": [477, "-úḷ ám bhátamú"]}, ... ]
とできそうだな。
二段階の map をまとめて、
.words | map([.entry.id, .entry.form] as $from | .relations | map({"title": .title, "from": $from, "to": [.entry.id, .entry.form]})) | flatten
ともできる。
とりあえず、これで変換したファイルを cross_reference フォルダに突っ込んで、差を確認する。
えーと、まずファイルの行数からして日本語版とリパライン語版は 8187 行なのに英語版が 8253 行ですね。幸先が悪い。
現状の訳語の対応は
日本語 | 英語 | リパライン語 |
異形態 | alternative form(s) | etol io |
派生関係 | derived term(s) / derived from | staliulo |
単複 | singular / plural | fanklavolo/eustira |
熟語・定型表現 | set phrase, idiomatic phrase | 熟語・定型表現 |
類義語 | synonym(s) | 類義語 |
なので、追加で
map({"title": {"alternative form(s)": "異形態", "derived term(s) / derived from": "派生関係", "singular / plural": "単複", "set phrase, idiomatic phrase": "熟語・定型表現", "synonym(s)": "類義語" }[.title], "from": .from, "to": .to})
などをかませて diff を取ればよかろう。PowerShell だと文字化けするので、VS Code に diff ツールを入れるか。
ひとつずつ確認していこう。
だった。なんか ríla- 関連のミスがやたら多いな。
いや、ríla- は意図的っぽいな。ríla- が rijaḷa- の縮約であることから、 -aḷaXX 全てとリンクを貼る意図っぽい。
とりあえず、書き漏らしと重複を直し、もう一回 extract_cross_reference.bat を走らせる。
並列なやつの順序は、まあ「辞書順」でいいか。
両者を
で統一することにする。
よし、これで ríla- 案件以外は整備しきった。
ríla- はどうするか。日本語も英語も、ríla- から飛ばす方はすべて -aḷaXX になっている。
逆に、 -aḷaXX から ríla- に飛ばす方に不一致があるということだ。一致させた。
よし、日本語版のと英語版の cross_reference はこれで解決。
ríla- と -aḷaXX の関係が「派生関係」なのは、なんか違うと思う。「参考」とか「See also」枠だと思う。
ということで、直すことにした。「参考」=「See also」枠を新造。
あー、リパライン語の staliulo って「関連事項」だな。じゃあ「派生関係」側の訳語を変更するか。
jujolarmelseso とかにしておくか? ちょっと直訳すぎる気もするが。
んー、「参考」より「関連語」とかにしておきたくなってきたかもな。直すか。直した。
さっさと終わらせましょう、これ。
VS Code で diff を見ながら ZpDIC で作業したらすぐ終わった。よし。
整合を取っただけでは足りなくて、追加もしていかねばならない。
とりあえず、一覧性を上げるために、出力を JSONL にもするようにする。
目下の問題が片付けばいいので、「追加で相互参照を楽に足せるような仕組みを作る」のはとりあえず後回しでええか。
とりあえず bághaḍi bhán ṣíya (#687) の相互リンクを収録。
「バート語は点を振らなくても読める」という話はよくされているが、さらにいえば単語間のスペースもなくてもまあ読めるよね、という話をみっとんとしたことがある。
その際のメモである no_space.txt を資料としてコミットしておくことにした。
hsjoihs — 2023/04/27 01:36 @SY korúṣam ghátu rohatam: 六裁の六投げ棒説 コールーシャム・ガートゥ・ローハタム
「ラネーメ古論に見られる失われた賭博、【六裁】に対し、発掘されたゲームボードをもとにルールを推測し、確率論的観点から六本の投げ棒を用いて遊ばれていたという学説を立てた」人。
まい/MIT — 2022/09/10 16:40 「伐化理名、máwija kúḷawenija かなあ。語頭 sk- の借用に悩むけど」となった hsjoihs — 2022/09/10 19:38 そうにしかならなそうなので、そうです
手元の「新規5@2021-07-04_002405」というファイルに、次のような記述がある。
語幹末に /i/ を付与する形。言うまでもないが様々な変化をもたらしやばいのである。
不透明な変化を引き起こすし、体系として覚えてもらうというよりは、語彙的なものとして覚えさせるものとしたい可能性はある。どうなんだろう。
-ighá まわりを「習慣性の明示」に使えないかなぁと思っている。それの語末短縮形の -igha は名詞で「~するのが習慣だったり職業だったりする人や存在」ですわな。
みっとん「↑ 残念ながらなるなぁ。残念ながら納得がいく」
まい/MIT — 2024/05/13 05:46 Μίττον「私が性格の悪い造語が好きだというのは当然ご存知だと思いますが、思いつきました。rakkigha。何でしょう?」 hsjoihs「えーと『ただ漫然と生きているだけで何も生産的なことを行っていない輩』」 Μίττον「正解!」 hsjoihs — 2024/05/13 05:47 hsjoihs「さすがに末尾に -ṣág ほしくない? まあ文章語なら不要なのかなぁ」 まい/MIT — 2024/05/13 05:50 Μίττον「ちょっと婉曲的な罵倒なので、あえてガチガチの敬語と共に使うのもよいかもと思っている」 hsjoihs — 2024/05/13 05:50 hsjoihs「そんな気がしてた」
この -i- 性接辞のアイデアが背景にあり、2022-03-17 17:40 に《状態動詞を「~になる」という意味の動作動詞にするときに、-i 性のつらさを導入》って名前の file を Google Docs に作っている。
そのあとのどこかのタイミングで SY と「am zie1 は【御広】と綴られているが、この am は【御】と綴るだけであって尊敬の接頭辞とは別語であり、『~化する』という意味の形態素」という話をした。
hsjoihs — 2023/10/20 00:21 j.v「【御】、【御広】以外にもポテンシャルありそうだし活用していきたいよなぁ」
それの組み合わせにより、どこかのタイミングで「-im- か -imm-」という形を思いついた。
hsjoihs — 2024/05/13 05:34 バート語に「状態動詞から動作動詞を作る接辞 -im- (-imm- かも)を足すのを考えているんですよね(i が語幹と相互作用して非常におもろいことになる予定です) SY「母音 -i- だと対応が悪いような? まあでもバートでだと語中だしな」 hsjoihs「まあ文法接辞って往々にして対応悪いですし」 まい/MIT — 2024/05/13 05:39 sápimúḷ「古めかす」などの語形は許容する予定? hsjoihs「『-i がつく形のうち、 どれが類推による平滑を喰らって どれが音法則そのままで どれが失われたか(言わない語形であり、同義の別接辞で analytic に言う) かが不徹底であり、覚えるしかない』、を意図しています」 みっとん「はいはいはい良いですねぇ~~ ありそう」
そしてそのあと、2024/05/13 05:54 には
と決まった。
まい/MIT — 2024/05/13 05:55 「それはそう。こんな好き勝手されている接辞が、自身を見つけやすくするために音韻配列論を壊せるわけがないので、妥当な判断という印象」 hsjoihs — 2024/05/13 06:05 見つけてもらいやすさに関して既に非常に恵まれている存在なので、これ以上優遇してもらえるわけがないんですよねぇ hsjoihs — 2024/05/13 06:20 極端に優遇されている接辞の例:自分専用の音素をもらえている There is also a flap, /ɾ/, which only occurs in one morpheme, the clitic =/ɾa/ "probably". https://en.wikipedia.org/wiki/Jalapa_Mazatec
つまり、
という流れを経たことになる。
hsjoihs「いやぁ息が長いなぁ」 SY「まあ、そういう創作でしょ」
ボードゲーム「ラウツァイト・セプ」において、組合せ公開時とラウツァイト・セプ宣言時でワイルドを別の駒として扱ってよいか尋ねた人物。
2024 年 7 月 20 日に jekto.vatimeliju が書いた投書に登場する人物。
「仮に有印私文書偽造による辞表の捏造があったとして政府は保護してくれるのか」などと相談する投書を執筆した人物。
2023 年 2 月 2 日に、jekto.vatimeliju が
荒洲、汚いバート文字に対する唾吐きはしそうだがバート文字に宗教的な愛着なさそうだし、実用のためにリパーシェ表記も教えたりする可能性が脳裏をよぎった Q. リパーシェ表記って? A. 真面目に書くとき: alic sarhormar worghiti carjaw xormadry hirna xirkahachernar herm. xinrnra, bawkkar korlidherl carkirkakartar herm. larsihormar karnra jor rirkahormar karnradry hirna kar aghawtradherl narna sarhormar worghit arkacher adruhachorchernar herm. xinrnra, lergha jor cerpaterpa aghawtradry hirna arm hermakartar herm. "har, kordherl narnadry hirna sujur'l heryarkarxrlor?" alic kordry erma heryarchernar herm. "lergha jor cerpaterpa arm hermur'l erma." xerju worghit. perdi'a kkhak. cherpha xorya ja bhorg. atram lerghadry carjaw karnrajsa borhur'l erma xornarrornardhir. 真面目に書かないときは反舌音の r がすべて落ちます: alic sarhormar worghiti carjaw xormady hirna xirkahachernar herm. xinna, bawkkar korlidherl carkirkakartar herm. larsihormar karna jor rirkahormar karnady hirna kar aghawtadherl narna sarhormar worghit arkacher aduhachorchernar herm. xinna, lergha jor cerpaterpa aghawtady hirna arm hermakartar herm. "har, kordherl narnady hirna sujur'l heryarkarxrlor?" alic kordy erma heryarchernar herm. "lergha jor cerpaterpa arm hermur'l erma." xerju worghit. perdi'a khak. cherpha xorya ja bhorg. atam lerghady carjaw karnajsa borhur'l erma xornarrornardhir. 「反舌音を書くのに文字の上に xer を載せるという zíṣom ghátu korúṣam の akruliparxergel の表記は、誤解を招きにくいという一点以外全てにおいて不便である」
ということで、「反舌音を書くのに文字の上に xer の文字を載せる」というリパーシェ転記表記を提案した zíṣom ghátu korúṣam という人がいるということを記録する必要がある。
2022 年 3 月 3 日に、「めざせ燐検合格!基本編 [日本語版]」の原著 (fergen'artz linzklarven pormerz!) を書いた原著者名として bániwaim ghátu kádan lexeḷ が用いられている。
ここで「これ以外に私がまだ回収できていない伐名に心当たりあります?」と Μίττον に問うたところ、「7時間くらい気にしてましたが思いつきません」と返ってきた。
ということで、hsjoihs は次の作業に取り掛かることとした。
names.json に対して jq で .words | map(.entry.form)
をし、
[ "bánim ghátu kádan bhátnímaṣ", "kádan ghátu woghitaim bhátnímaṣ", "záwaim ghátu rúkasam", "ághim ghátu íditaim", "dílitam ghátu náḷawaim", "káḷdan ghátu aghauṭawaim", "woghitam ghátu epam bhátnímaṣ", "wátimilíju ghitto", "líyatápic bhalí", "korúṣam ghátu cáwaṭaim jok", "eghin ghátu ṣádhosammá", "korúṣam ghátu rohatam", "máwija kúḷawenija", "ádhín ghátu bániwaim", "ághim ghátu bánim", "zíṣom ghátu korúṣam", "bániwaim ghátu kádan lexeḷ" ]
この中から wátimilíju ghitto, líyatápic bhalí, máwija kúḷawenija を除去すると、こうなる。
2024/08/13 現在、バート人名は 14 個生成されている。 父名と子名を合わせて 28 個、「名前の確率分布」から乱択されたのである。 さて、その内訳は - 4 回: kádan - 3 回: korúṣam - 2 回: bániwaim, bánim, ághim (3 種) - 1 回: zíṣom, eghin, ṣádhosammá, aghauṭawaim, woghitam, epam, ádhín, woghitaim, záwaim, rúkasam, dílitam, náḷawaim, cáwaṭaim, íditaim, rohatam (15 種)
ということで、
というのをこなしたい。
さて、「順位と出現率」を log-log plot にしたときに、だいたい直線に載るという話はよく知られている(Zipf とか discrete Pareto とか呼ばれがち)。
ただし、これはどちらかというと long tail の挙動を示すものであり、上位十数個~数十個に関してはその直線からかなり外れることも多い。
そして、「上位で確率の高いやつが大きくずれている」というのは困る。
さて、名前についての「順位と出現率」をザっと漁ってみる(surname zipf とかで画像検索すると手っ取り早い)と、まあ雑に「最初の方は傾きが小さめの負の直線、途中から傾きが大き目の負の直線」といった感じにしておけばよかろうという気持ちになってくる。
ということで、これを折れ線で近似する。折れ目の x 座標を U とでもしておく。
グラフの上下方向の位置には自由度が無い(確率の総和は 1 にする必要があるので、後で正規化すればいい)ので、とりあえずグラフが (U,0) を通るようにして、x が U 未満のときと U 以上の時で分岐するようなプロットを書けばいいことが分かる。
という関係式にしておけばいい。
あとは、ガチャ回しのためのコードを書くだけだ。(name_parameter_estimation/main.ts)
function get_env(props: { cutoff_rank: number, popular_slope: number, unpopular_slope: number }) {
const V = props.popular_slope; // slope where popular
const W = props.unpopular_slope; // slope where unpopular
function rank_to_unnormalized_prob(rank: number) {
const x = Math.log(rank);
const U = Math.log(props.cutoff_rank);
const y = x < U ? V * (U - x) : W * (U - x);
return Math.exp(y);
}
const total_unnormalized_prob = (() => {
let sum = 0;
for (let i = 1; i <= 2e5; i++) {
sum += rank_to_unnormalized_prob(i);
}
return sum;
})();
function rank_to_prob(rank: number) {
return rank_to_unnormalized_prob(rank) / total_unnormalized_prob;
}
function uniform_to_rank(uniform_rand: number) {
let sum = 0;
for (let i = 1; i <= 2e5; i++) {
sum += rank_to_prob(i);
if (uniform_rand < sum) {
return i;
}
}
return 2e5;
}
return { uniform_to_rank, rank_to_prob };
}
function search_main() {
const params = {
cutoff_rank: Math.random() * 200,
popular_slope: Math.random() * 2,
unpopular_slope: Math.random() * 2
};
const ranks = Array.from(
{ length: 28 },
(_) => get_env(params).uniform_to_rank(Math.random())
);
// group by occurrence
const rank_to_occurrence = new Map<number, number>();
for (const rank of ranks) {
rank_to_occurrence.set(rank, (rank_to_occurrence.get(rank) || 0) + 1);
}
// console.log(rank_to_occurrence);
const occurrences = Array.from(rank_to_occurrence.values());
occurrences.sort((a, b) => b - a);
//console.log(occurrences);
if (JSON.stringify(occurrences) === JSON.stringify([
4, 3, 2, 2, 2,
1, 1, 1, 1, 1,
1, 1, 1, 1, 1,
1, 1, 1, 1, 1])) {
console.log(`DING!`);
console.log(`params`, params);
console.log(`ranks`, ranks);
}
}
function search() {
for (let i = 0; i < 1e6; i++) {
if (i % 1e3 === 0) {
console.log(i);
}
search_main();
}
}
これを実行してみたところ、ほどなくいくつかの結果が得られた。
その中で最も気に入ったのが、
DING! params { cutoff_rank: 43.36831499130107, popular_slope: 0.9488784563321069, unpopular_slope: 1.9872547841234591 } ranks [ 38, 13, 1, 8, 55, 11, 10, 67, 30, 19, 2, 2, 1, 16, 2, 9, 18, 8, 50, 1, 19, 56, 1, 6, 22, 3, 105, 3 ]
というもの。
要するに、
という選ばれ方をした結果として、「名前の確率分布」から 28 個乱択したとき、20 種類の名前が出てきて出現回数が [4, 3, 2, 2, 2, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1] となったのである、というモデル。
さて、モデルがだいたい決まったので、あとは名前と順位を紐づけるだけの作業。
独断と偏見で、「まあこの名前は 18 位くらいかな~」「こいつは 38 位でいいや」などを決めていく。
みっとんからの意見も受け、以下のような列でよかろうという判断になった。
回数 順位 名前 4 1位: kádan 3 2位: korúṣam 2 3位: bánim 1 6位: eghin 2 8位: bániwaim 1 9位: epam 1 10位: woghitam 1 11位: záwaim 1 13位: aghauṭawaim 1 16位: woghitaim 1 18位: rúkasam 2 19位: ághim 1 22位: íditaim 1 30位: ádhín 1 38位: zíṣom 1 50位: dílitam 1 55位: ṣádhosammá 1 56位: náḷawaim 1 67位: cáwaṭaim 1 105位: rohatam
一旦この「折れ線」を雑な近似として、
で運用を年単位で回し、ある程度データが溜まってきたところで再度モデルを修正する、ぐらいでいいのかも。造語自体もそうやってきたし。
Q. 「父称」の分布と「名前」の分布は一致するの?
A. どうせ名前から性別が全く導出できない言語圏あるでしょと思って調べたら現世にもいくらでも例が出てきた。さらにみっとんから「ファイクレオネはわりと導出できないがち」との意見があり、たしかにそれはそうかという気がしてきた。
まあ、「-kí」など明確に gendered なものが付いている(そして、鼻音終わりではない)イレギュラーな名前とかについては、名前での頻度より父称での頻度のほうが高いかもしれない。
さらに、太古の昔(2018年6月21日)に
と、「名前から性別が予測できない」としていたのだなぁ、ということが分かった。
これをもとに、「伐名提案器」を実装した。
「※重要:「名前を造語せよ」と出たら、めんどくさがらずにちゃんと名前を造語すること」と書いておいた。
なぜ 2023 年 2 月 2 日の私が zíṣom という名を思いついたのかは謎だが、まあ z-「する」 + -íṣ「名詞化第三接尾辞」 + -om「属格」という構成なのだろう。
ただまあ、ちょっとこれはこじつけ感もあるし、ṣíṣ「動物の足」+ -om「属格」の方言形であると仮定した方が筋がいいかもしれん。
……いや、普通にこれ zíṣlo「蔓植物」+ -m では?? 絶対そうだ。なるほどね。
ということで、辞書に足した。
辞書の「人名」タグを見たところ、bhoman と síbham があった。これはなぜだろう。
人名の一覧がそろそろほしくなったので建てた。
その過程で「サーム講和条約 - リパライン倉庫」に「bhoman ghátu síbham bhátnímaṣ(ボマン・ガートゥ・ジーバム・バートニーマシュ)」という知らない人名が載っていたので辞書に載せた。ところで「ボマン」ってことは短音なので例外だなぁ。
その際に人名辞典にも載せておかんか~い。
ということで、「伐名提案器」を回したところ、
と言われたため、bhoman は第 14 位、síbham は第 28 位に配属された。
さて、bhoman ghátu síbham bhátnímaṣ を収容するか。リパライン倉庫はリンク切れしているため、新リンクを辿ると、サーム講和条約を締結したときのグォン・アルトの当主か。
辞書の「人名」タグには、ṣabhahum もあった。これは最初期に語学教材を書こうとしたときに出てきたやつである。
「伐名提案器」を回したところ、
と言われたため、ṣabhahum は第 29 位に配属された。
名前周りのタスクをだいぶ片づけた。
残りをやっていこう。
def split_name: (. | split(" ")) as $a
| if $a[1] == "ghátu"
then {"patronymic": $a[0], "name": $a[2], "surname": $a[3]? }
else {"name": $a[0], "surname": $a[1]?} end;
.words | map({"content": .entry.form | gsub("káḷdan"; "kádan") | split_name, "tags": .tags}) | .[]
を names.json に適用すれば
{"content":{"patronymic":"bánim","name":"kádan","surname":"bhátnímaṣ"},"tags":[]}
{"content":{"patronymic":"kádan","name":"woghitaim","surname":"bhátnímaṣ"},"tags":[]}
{"content":{"patronymic":"záwaim","name":"rúkasam","surname":null},"tags":[]}
{"content":{"patronymic":"ághim","name":"íditaim","surname":null},"tags":[]}
{"content":{"patronymic":"dílitam","name":"náḷawaim","surname":null},"tags":[]}
{"content":{"patronymic":"kádan","name":"aghauṭawaim","surname":null},"tags":[]}
{"content":{"patronymic":"woghitam","name":"epam","surname":"bhátnímaṣ"},"tags":[]}
{"content":{"name":"wátimilíju","surname":"ghitto"},"tags":["伐化理名","現世の民"]}
{"content":{"name":"líyatápic","surname":"bhalí"},"tags":["伐化理名","現世の民"]}
{"content":{"patronymic":"korúṣam","name":"cáwaṭaim","surname":"jok"},"tags":[]}
{"content":{"patronymic":"eghin","name":"ṣádhosammá","surname":null},"tags":[]}
{"content":{"patronymic":"korúṣam","name":"rohatam","surname":null},"tags":[]}
{"content":{"name":"máwija","surname":"kúḷawenija"},"tags":["伐化理名","現世の民"]}
{"content":{"patronymic":"ádhín","name":"bániwaim","surname":null},"tags":[]}
{"content":{"patronymic":"ághim","name":"bánim","surname":null},"tags":[]}
{"content":{"patronymic":"zíṣom","name":"korúṣam","surname":null},"tags":[]}
{"content":{"patronymic":"bániwaim","name":"kádan","surname":"lexeḷ"},"tags":[]}
{"content":{"patronymic":"bhoman","name":"síbham","surname":"bhátnímaṣ"},"tags":[]}
となる。
空文字列が 9 個、bhátnímaṣ が 4 個、jok が 1 個、lexeḷ が 1 個。
ん~、現段階では何らかの仮説を立てることができる状況にはないと判断。モデルとかなんも考えず、いい感じにそれっぽいのを組んでいきましょう。
まあ一応、rule of succession を雑に使って、10 : 5 : 3 で「空文字列」「bhátnímaṣ」「その他」を出してくれるようにはしておくか。
ん~、めんどいし、どうせある程度までは手動で足さなきゃいけないのは目に見えているから、今のところは自動化しないでおくか。
ここらで、名詞と動詞の交替について今一度まとめ直しておくか。
動詞 | 名詞 |
rásit- | rásit |
dhokit- | dhokit |
kád- | kád |
non- | non |
rod- | rod |
su- | su |
úro- | úro |
ṣom- | ṣom |
動詞 | 名詞 |
bhár- | bhára, bháro |
bhát- | bhát |
bházah- | bházau |
codhá- | codhi |
ghán- | gháni |
kúcuj- | kúcú |
legh- | legha |
lásij- | lási |
ṣíyá- | ṣíya |
動詞 | 名詞 |
suḷ- | súḷa |
rabháṭ- | rábhaṭ |
ghibháṭ- | líbhaṭ |
nudhor- | núdha |
bácuj- | bacú |
coin3 の 141-3. rábhaṭ「破片、粒」にて、「CaCVVC という語形の名詞がかなり嫌われていそうである」ということが記述されている。
短音節で始まる名詞を調べてみると、(C)V|CVVC は adheṣ, catíg, azúg の 3 種のみが知られている一方で、(C)VV|CVC は dhárad, nímaṣ, woghit, bákaz, áṭam, rásit, bánim, kádan, rízan, epam, náhaz, bátat, ághim, cajxit, síbham, dhokit, toyat, dhímat, ághat, eghin, rábhaṭ と 21 個も知られている。なるほどなぁ。
ところで、こういうのを自動で調べるためのスクリプトを書いて、scansion/noun_scansion.htmlを吐くようにした。これで分析がラクになる。
動詞 | 名詞 |
hor- | úro |
heyá-, rij- | híja |
núʔa- | nuʔʔa |
よくわかりませんでした! いかがでしたか?
coin3 の「29. 石」の時点で「語頭のゼロ声母のeはjが挿入されるという話…はもう文法書に書いてあった。よしよし。」と書いているのに、辞書の akrantiain にそれを反映していなかった。直した。
最近辞書を ZpDIC Online に上げてなかった。発音表記とかを増やした結果、翻訳率の計算に使う正規表現は
[^\s!-~áíúṭḍṣṇḷéśāʔʈɳɭɾɛɨɔːʃʋʱɥāəʂīēō藍牌→←伐理ヴェフィス皇アイツォ]になった。
えー未翻訳は 38/787 だから 95.17% 翻訳済か。
baukká, rakkúḷ, sakká が知られている。
31-1. (2017 年 12 月 22 日) において
との記載がある。
さて、そこから 7 年近くが経過しようとしていて、実際バート語は語中の -kh- を(パイグ語からの借用を除き)完全に欠いている。これはやはり -kh- > -kk- を仮定できるのでは。
語頭の kh- については 牌kuak1・藍kuaka の例がある。w 性の音はなんだかんだバートで帯気性の音で反映される傾向があり、例としては藍taupwo ~ 伐daupha を挙げることができる。
meloviliju とともに「だいぶ疑わしいのでは」「なんなら、これをもとに他の言語における『生きている』を立ててもいいのでは」という話になった。
「ラネーメで比較言語学をする」を見る限り、バートの語頭 r- は原則として r₁-(藍・牌でゼロ子音。『暫定案』は /ʀ/ としている)か r₂-(藍・牌で h。『暫定案』は /ɣ/ としている)に由来している。
当時も「*sr-のバート4種類あるの何なん?まあcákíkúḷとsakkáとrakkúḷがあるからしょうがないけどさ」と書いている。さすがにこれは overloaded であり、説としての疑わしさが非常に高い。
ありうる譲歩としては、「rakkúḷ は【来】とは全然別の語根ではあるのだが、それはそれとして書記伝統として【来】の字を借りて書く慣習があったため、向こうの研究者が素朴な祖語再構をする過程で混ぜ込んでしまった」というのは思いつく。
うーむ、語中の *ʀ ‹r₁› が -gh- になりうる(例:legha)らしいし、*ʀaʀ̥- > rakh- > rakk- といったところなのかなぁ。知らんけど。
まあ、たしかに意味的にも rakk- との関連性を見出したくなる語形ではある。
とはいえ、たとえば英語の hip hip hooray とかも語源不詳らしい(ドイツ語からの借用とか言われているっぽい)しな。シンプルによくわからん語であっても全く違和感はない。
もはや「パイグ sak2 ka1【来此】が語源です」とか言われた方が説得力あるかもしれん。
まず etymon が【行行】とされていることが十分疑わしいのよな。
そもそもアイル・パイグ・バートで au と o って本当に全然混ざらないというのがあり、これは最も素直に *maukh- という語根があると見るのがよいのでは。