3te falvelta’d lineparine’d krancia
三代目リパライン語文法書
理 リパライン語
V 母音
C 子音
2019/07/28 内部公開
2019/07/29 21箇所を加筆修正
2019/08/03 2箇所を加筆修正
「間投詞」を追記
2019/08/04 3箇所を加筆修正
「アントヴェール」を追記
2019/08/08 6箇所を加筆修正
2019/08/12 「特記集」を追記
2019/08/13 「こんな歳」を追記
2019/08/14 「言語名について」を追記
2019/10/24 「『考える』という単語について」を追記
「存在動詞とコピュラ」を追記
(この間に詩学章の記述を結構進めているよ)
2019/11/25 「唇摩擦音同化外連声」を追記
「助動詞の修飾制御類と前置詞の縮約語」を追記
2019/11/26 「分数の記号表記と読み」を追記
2019/11/29 「概数」にAncortenを追記
2019/12/07 「指示代名詞の形容詞形」を追記
2019/12/10 「概数」にroを追記
2019/12/15 「助動詞」を加筆修正
2019/12/16 「格省略によるhgh
分類」に変格動詞の分類を導入
「分離標識」に変格動詞に関する用法を追記
2019/12/20 「動詞連体形名詞(派生)」に予約された接辞を追加
2019/12/27 「字体」を追加
2019/12/29 「文字の名称と音価」に<h>, <b>の記述が無かったため追記
2020/03/11 「動詞派生名詞」の説明を分かりやすく修正、「-erlに関して」を追記
2020/03/12 「動詞連体形派生語尾」の項目を修正
2020/04/05 「転写における分離記号ъ」を追記
2020/04/14 「付録1:緩衝音早見表」、「級前置詞の縮約語」を追記
2020/04/21 「概数」を追記、「比較に関して」を追加
2020/06/01 「言語の概要」を追記
2020/07/18 「接置詞の基本」、7.2., 7.3.以下のナンバリングを修正
2020/07/26 「個別形式」を追加
2020/08/21 「修辞技法」を追加
2020/08/28 「NAANの修飾方向明示としてのy」を追加
2020/09/05 「助動詞の修飾制御類と接続詞の縮約語」にiとの縮約を追記、「助動詞の修飾制御類と前置詞の縮約語」にelxifとの縮約を追記、「助動詞の修飾制御類と分離標識の縮約語」を追加
2020/09/10 「独り言におけるco」を追加
2020/10/09 「8.1.2.1. ad, adit, malt」を追加
2021/10/17 「1.2.3. 口語の例外発音」を追加
2022/01/18 「1.2.4. 音の禁則」に追記、「略語」欄を追加、「はじめに」のリンクを修正
2022/06/02 「1.2.2. 口・文語共通の発音規則」の9を修正、同10を追加
2022/06/18 「5.2.5. 従属節明示の-t」、「5.1.1. 格支配による分類」を加筆。「5.2.4. V-en」を修正。
2022/07/05 「3.3.7. 欠格」、「1.1.2.3. 記号類」を修正。
2022/07/17 「5.2.5. 従属節明示の-t」を修正。
2022/08/17 「12.3.4. 呼称類(アステスカント)」を追記。
2022/12/19 「6.2.5.3. 意思の助動詞 jol」を修正。
2023/01/26 「1.1.2.3. 記号類」を修正。
2023/03/01 「6.2.6.4. 助動詞の修飾制御類と接続詞の縮約語」を加筆。
2024/02/21 「6.2.3.4. 完了持続相 liaxe」を修正。
1.1.2.2.2. f, fh, v, vhの区別に対する懐疑説 21
1.1.2.2.3. yの発音選択(テシュティーサポレー) 21
3.5.3.5. 文脈指示代名詞と直接指示代名詞の使い分け 45
3.5.4.5. 理由疑問代名詞 harmy, fontahame 48
6.2.6.5. 助動詞の修飾制御類と分離標識の縮約語 84
9.1.2.1.9 nillast, villast, qillast 104
9.1.2.1.12. alterblixe, firalterblixe 105
11.1.1.2.1. 動詞連体形派生語尾によって派生した名詞の語根化 120
11.1.1.2.2. 古理語の語尾がaである名詞の形容詞形 120
11.1.1.2.3. 継承語・外来語等変化規則など 120
14.2.1.3.1. 音節長の代用(レゾリューション) 137
本文法書で扱うリパライン語は正式名称を「現代標準リパライン語」といい、複数のシェアワールド世界観や小説、音楽などに含まれる世界観背景を持った言語である。シアン大語族リパラオネ語族ユナ・リパラオネ語派に属する。
異世界ファイクレオネのユエスレオネ連邦を中心に広い地域で話されている。ユエスレオネ連邦とPMCF(東諸島共和国連合)では公用語の地位にあり、ハタ王国などでは第一外国語として教育されている。また、ファルトクノア共和国を初めとして、アポラ星系国際連盟(P.J.C.Q.D.)、チャンタ民主戦線共和国などで公的な地位を持つ。
正確な民族の比率や言語社会学的環境、また時代によっての変遷を含めて考えるとリパライン語の話者数を正確に記述することは難しい。リパラオネ人全体のうちの75%がユナ・リパラオネ人であるとすれば母語(第一言語)話者の数は4億1400万人から28億1400万人の間と概算できる。これに加えて諸国に広がる第二言語としての話者を加算すると80億人前後なのではないかと考えられている。
ユナ・リパラオネ人、ヴェフィス人、ラネーメ系リパラオネ人が主に母語話者として存在しており、第二言語話者としてはユーゲ人、パイルターファ・ラネーメ人、リナエスト人が大半である。少数の話者民族としてはチャンタ人、北方系ラペア人、Ancutavaist、Mancutavaistなどが居る。
リパライン語は広く国際的に話されているため特定の産業と結びついていることはないが、イェスカ主義などの思想やウェールフープに関する技術はリパライン語を広める要因の一つになっている。
ユエスレオネ連邦では、ピリフィアー歴2005年10月に言語集中政策(LZEL)が策定されており、その中の「多数派社会・言語教育」として国民統合の言語として現代標準リパライン語が全ての国民に無料で教育を受けられる。ハタ王国やPMCFでは重要な外国語であるとして主要な外国語科目として扱われており、活発度は高い。
リパライン語メディアや著作は活発に出版活動が行われており、また古典的なテクストとしてのスキュリオーティエ叙事詩や宗教文献などにも強い興味が向けられている。
現代標準リパライン語(以下、リパライン語)はデュテュスン・リパーシェ(理: dytysn liparxe、「新しいリパーシェ」)を使って表記される。デュテュスン・リパーシェは基本的には30文字が用いられるが、これに加えて記号類や特殊な状況下で用いられる記号も存在する。デュテュスン・リパーシェには下の表に示している活字体の他に碑文体、書写体、筆記体、手記体などの字体が存在している。
デュテュスン・リパーシェは一つの文字が一つの母音、または子音という音素を表すアルファベットであり、基本的には綴りの規則に沿って読まれる。数字などを除いて綴りの規則に従わずに単語を訓読することはまず無い。
現実世界ではデュテュスン・リパーシェを用いることが出来ない場合が多く、ラテン文字転写で書かれる場合が多い。以下の表の通り、転写とデュテュスン・リパーシェはほぼ一対一で対応する。
デュテュスン・リパーシェには活字体以外にも複数の字体があることは先に述べた。特に現代では手記体が手書き字体として用いられている。しかし、個人ごとに手記体の字体の揺れが大きいことも事実であり、注意して読む必要がある。
碑文体や書写体は本来古くに用いられていた字体であるが、現代では装飾的に用いられることがある。
英語のアルファベットがエー、ビー、シーなどと文字名を持つようにデュテュスン・リパーシェにも文字名が存在する。ここでは、各文字の文字名と音価について解説する。
リパライン語には母音字が6つある。下の図は母音音素が表す音声の範囲を表す。
転写 | 名前(転写) | 名前(カナ) | 標準音 | 自由異音 |
i | ir | イー | [i] | |
y | xenonen ur | シェノネン ウー | [y], [ju], [ɨ] | [ʏ] ,[y ̃] ,[ʏ ̃] , [ɨ ̃] |
u | ur | ウー | [u], [ɯ] | [ɔ] |
o | or | オー | [o] | [ɔ] |
e | er | エー | [e] ,[ɛ] | [ɤ], [ɪ] |
a | ar | アー | [a] ,[ä] | [ɐ] ,[ɒ] ,[ɑ] ,[ʌ] |
母音字には長短が存在し、リパライン語ではこの長短の対立を区別する。
長母音を表記する場合には母音の後にrを続ける。
Le レ ~よりも
Ler レー ~から、~によって
また、リパライン語では母音を強母音a, o, eと弱母音i, u, yに分類する。これは後の発音規則に関わる。
転写 | 名前(転写) | 名前(カナ) | 標準音 | 自由異音 |
p | per | ペー | [p] | |
t | ter | テー | [t] | |
d | der | デー | [d] | |
k | ker | ケー | [k] | |
g | ger | ゲー | [g] | [ɣ] |
z ts | zer ter ser | ツェー テー・ゼー | [ts] | |
m | mer | メー | [m] | |
n | ner | ネー | [n] | |
f | fer | フェー | [f] | |
v | ver | ヴェー | [v] | |
c | cer | セー | [s] | |
s | ser | ゼー | [z] | [d͡z] |
x sh | xer ser her | シェー ゼー・ヘー | [ʂ] | [ʃ] |
w | wer | ウェー | [w] | |
b | ber | べー | [b] | |
j | jer | イェー | [j] | [ʝ] |
l | ler | レー | [l] | [ɾ] |
q | qer | クェー | [kw] | |
h | her | ヘー | [h] | |
r | rer | レー | [r] | |
ch | cer her | セー・ヘー | [t͡ʃ] | |
dz | dzer | ジェー | [ʐ] | [d͡ʑ], [ʒ] |
ng | ner ger | ネー・ゲー | [ŋ] | |
fh | fher | フェー | [ɸ] | |
vh | vher | ブェー | [β] | |
th | ter her | テー・ヘー | [θ] | |
dh | der her | デー・ヘー | [ð] | |
kh | ker her | ケー・ヘー | [χ] | [x] |
rkh | rer ker her | レー・ケー・ヘー | [ʁ], [ʀ] | |
rl | rer ler | レー・レー | [ɹ], [:l] |
太文字と下線で表されている文字は転写では二文字だが、リパーシェでは一文字で表される。
rには2つの文字(hrlich, reichat)が当てられているがこれらには使い分けの規範が複数存在する。以下を参照すること。
f, fh, v, vhは成立した表記法に発音が引っ張られて成立した対立であり、本来のリパライン語には存在しない対立で実際は混同されているのではないだろうかという説がある。
リパライン語にはyの読み方が二つあり各地域や話者でこれが違う。ユーゲ人やラネーメ人などの間では[ju]で読まれ、リパラオネ人の間では[y]で読む傾向がある。ただし、これはどちらで読んでも訛りであるという認識はあまりない。
転写に関して、“nef-hiarbet-ili’a”のようなfh, vh, dzではなくf-h, v-h, d-zのデュテュスン・リパーシェで二文字が繋がる場合はその間に分離記号ъの付して区別する。
記号転写 | リパライン語での名称 | 用法 |
. | larl | 文末を表す。名字と名前の間に、時刻の時と分の間に挟んだりもする(12.2.1.)。 |
, | arlat | 一部の接続詞の前か後ろ(主に後ろ)に来て並列などに使う。 |
! | Xelerdaven akrapt | 感嘆符、文末において驚きや強意を表す。 |
? | Hmeinen akrapt | 疑問符、文末において疑問を表す。 |
‘ | nakrapt | アポストロフィ、幾つかの用法がある。
|
“…” | flandzoven xefdo | 引用や台詞などにつかう引用符である。一般的にはflandzoven xefdoかlicxaven xefdoが用いられる。kadlarlen xefdoは古風な引用符遣いであり、licxakungen xefdoはあまり一般的ではない。 |
:…: | kadlarlen xefdo | |
<…> | licxaven xefdo | |
«…» | licxakungen xefdo | |
... | 3’d larl | 三点リーダ、途切れの悪い言葉であることや語句の説明が続くことを表す。 |
: | kadlarl | コロン、幾つかの用法がある。
|
\ | sur | PMCFで用いられる通貨記号を表す。 |
$ | ledz | ユエスレオネ連邦で用いられる通貨記号を表す。 |
@ | io | 後置詞 io を表す語のリガチャ |
& | la | 名詞化前置詞 la を表す語のリガチャ |
` | ernlarl | アクセント記号、幾つかの用法がある。
|
snyrrsyuはsnyrirsyuになる、ただし唯一例外afeneljrfaを除く。
rlが[ɹ]になったのもこの規則に由来すると思われている。
2018年11月8日に考察された。
Falira.lyjotafisの印象であり、証明はされていない。
2022年1月18日に緩衝音の動作が不明になるため、禁則とされた。
語末のC’の場合は、CCとして扱われる。
単語が連なった場合の発音や音韻の変化を連声と呼ぶ。リパライン語ではいずれの連声も必ず発生するものではなく、話者が自由にそれを決めることが出来る。単語内で発生する連声を内連声と呼び、単語間で発生する連声を外連声と呼ぶ。
単語には単語クラスが与えられる。単語クラスは語の最後の母音(語幹母音)で分けられる。
語幹母音 | 単語クラス | 例 |
a(r),o(r) | 紅クラス クラス1 | flarska, lyjot, fqa, pernal |
e(r),i(r) | 蒼クラス クラス2 | lineparine, meiaqerz, harmie, alefis |
u(r) | 烏クラス クラス3 | ydun, sysnul, kraxaiun, liestu |
y(r) | 葵クラス クラス4 | nyey, dijyk, snyr, chely |
クラスは緩衝音の適用に関係し、緩衝音の適用は常に単語としての最終母音によって決まる単語クラスに影響される。
接辞が単語に付く時に子音または母音が連続するのを防ぐために挿入される音のことを緩衝音と呼ぶ。母音の連続を防ぐ緩衝音を緩衝子音、子音の連続を防ぐ緩衝音を緩衝母音と呼ぶ。なお、一部の形態素(-j, -tなど)が繋がるときには緩衝音を入れてはならない場合があるので注意すること。
緩衝子音 | 緩衝子音の例 | 緩衝母音 | 緩衝母音の例 | |
紅クラス クラス1 | -v- | flarska + -en flarskaven | -a- | lyjot + -‘s lyjota’s |
蒼クラス クラス2 | -rg- | lineparine + -en lineparinergen | -e- | alefis + -’s alefise’s |
烏クラス クラス3 | -m- | liestu + -en liestumen | -u- | sysnul + -’s sysnulu’s |
葵クラス クラス4 | -l- | chely + -en chelylen | -i- | dijyk + -’s dijyki’s |
調音接頭辞 | -eu/eu- | 発音しにくい子音連続に対して適用される |
書いてある綴りに対して緩衝子音や緩衝母音を挿入したり、脱落させて読むことをアントヴェールという。例えば、mylona'dと綴られた文字列をmylon'dと読み、mylon'dと綴られた文字列をmylona'dと読むことがそれに当たる。地域差や個人差、母語によって発生し、リパライン語母語話者でも発生する。緩衝音の有無で区別する単語がアントヴェールされるときはなく、意図した単語とアントヴェールしようとして出来た単語の語義が違う場合にはニシャントヴェール 「誤ったアントヴェール」と呼ばれる。例えば、waxunderger 「(WP学四次元空間的)異世界人」をアントヴェールしようとしたwaxundeer 「異世界・ワシュンデナルの人」は意味が変化してしまうのでニシャントヴェールである。ニシャントヴェールは主に言葉を覚えたての子供や外国人が母語話者のアントヴェールを真似しようとして過剰修正してしまい発生することが多い。
lersa’i (元の形態素) | lersav’i (アントヴェール例) |
farteven’s (元の形態素) | fartevene’s (アントヴェール例) |
verliestraven (元の形態素) | verliesteraven (アントヴェール例) |
1.2.2の9.に該当する促音化が発生し、発音上単語が繋がる場合がある。
es xale [eʂːaːle] エス・シャーレ / エッシャーレ
lamiet zu [lamʲet͡s:u:] ラミェット・ツー / ラミェッツー
語末にi, uがあってそれに母音から始まる単語が始まるとそれぞれj, wが挟まれて発音上単語が繋がる事がある。
mi alfarp [mijalfarp] ミ・アルファープ / ミヤルファープ
alecarnu estj [alecarnuwesti] アレサーヌ・エスティ / アレサーヌウェスティ
語末の子音と同じ子音で単語が続くと長子音で繋がり、発音上単語が繋がる場合がある。
pusnist tierij [pusnist:je:ji] プスニスト・ティェーイィ / プスニスッティェーイィ
lus ci [lus:i] ルス・スィ / ルッスィ
語末の子音が唇系摩擦音fh, vh, f, v, phである単語に同じ有声又は無声の唇系摩擦音で始まる単語が続くと前の単語の調音部位に後ろの単語の語頭が同化する場合がある。また、上記の通常促音外連声も適用されるため長子音化して発音上単語は繋がる。
Alsonif fha niv vhens [alzonif:a niv:ens] アルゾニッファ・ニッヴェンス
phとfの同化の場合、phがpで読まれることが一般的な単語は同化しない。
Alf pherce [alf:e:se] アルッフェーセ
Alf phertars [alf pe:ta:s] アルフ・ペータース
アクセントは単語の語形によってその位置が異なる。
しかし、口語でのアクセント位置はこの規則に沿わない場合があり、非規範的アクセントがどのような規則に沿っているのかは現在調査中である。
一応以下の通り、規則化はされているがアクセントにあまりこだわらないようなので間違えても大した違和感は出てこない。
・備考
・考察中
リパライン語文法では接辞が付かないでそれ単独で文章に出現しうる分節を語幹と呼ぶ。また、語幹や単語に付くことによってのみ出現しうる拘束形態素を接辞と呼ぶ。接辞には語幹の前に連なる前置辞(接頭辞)と語幹の後ろに連なる語尾辞(接尾辞)、小数ではあるが前と後ろに形態素を要求する接中辞(語中辞)が存在する。それぞれの接辞は辞書で文字列に-を付加され表される。表現中に実現されうる語幹或いは語幹に接辞が付いた分節を単語と呼ぶ。現代標準リパライン語では基本的に語幹が変化することはない。
語幹 | lkurf, mi, lineparine, cene…... |
前置辞 | akru-, ata-, dzepar-, fente-...... |
語尾辞 | -er, -anfy, -era, -kant…... |
接中辞 | -v-, -a-, -l-, -e-...... |
単語 | xel (< xel), fiurs (< fiurs), verliestraven (< ve-r-liest-r-a-v-en) |
リパライン語の単語は用途と統語的用法によって以下の品詞に分類される。しかし、方言や時代によっては名称が異なる場合がある。
名詞 (N) | 文の中心となって体言となる。物や状態の名前を表す。 | fqa, larta, pernal, fgir, ferlk, lyjot, dijyk, ydun... | ||
動詞 (V) | 文の中心となって用言となる。述語として物の動作や状態を表す。 | es, firlex, mili, mol, knloan, krante, akranti, text, lkurf, is, lersse... | ||
修飾詞 (Mod.) | 形容詞 (Adj.) | 名詞、形容詞に前置されるか、動詞補語となり、修飾した名詞か、主語を説明する。 | snietij, als, karnicitj, xorlnem... | |
動詞修飾詞 (VMod.) | 副詞 (Adv.) | 動詞、副詞に前置される。動詞を詳しく説明する。 | niv, felifel, xelvin, vatimel, set, ekce, nat... | |
特別副詞 (SAdv.) | 動詞に後置される。動詞を詳しく説明する。 | vel, cel... | ||
助動詞 (Aux.) | 文頭などに置かれる。動詞を詳しく説明する。 | cene, deliu, selene... | ||
接置詞 (Adp.) | 前置詞 (Pr.) | 名詞句の前に置かれる。単語、節に付いて名詞や動詞を修飾したり、節の意味的・統語的関係を表す。 | faller, fal, xale, fua... | |
後置詞 (Po.) | 名詞句の後に置かれる。単語、節に付いて名詞や動詞を修飾したり、節の意味的・統語的関係を表す。 | io, ler, xale, leus... | ||
法制詞 または 相位詞 (Phs.) | 相位動詞 (PhsV.) | 主に語末に置かれる。人格、感情、立場、証拠性などを表す。 | da, dea, lu, ly, lus, ex... | |
相位副詞 (PhsA.) | 主に動詞の前後に置かれる。人格、感情、立場、証拠性などを表す。 | fecca, lif, tof… | ||
接続詞 (Conj.) | 文または句の間に挟まれて、それらを繋げる。 | pa, mal, cun, mag, ol... | ||
間投詞 (Inj.) | 感情やある種の礼儀を表す。 | salarua, xace, nace |
リパライン語には品詞語尾が幾つかある。これらの接辞をつけることで品詞を変更する事が出来る。一部の単語は品詞語尾が付いた際に語義が変わる場合もある。
名詞 | -o | ||
動詞 | -es | ||
形容詞 | -en | ||
副詞 | -on | ||
接置詞 | -an |
複数の単語の集合を句と呼ぶ。
名詞句 | 名詞を中心として、それを修飾する単語・句を含む句。ここでの名詞を被修飾語と呼ぶ。 | ||
動詞句 | 動詞を中心として、それを修飾するなどする単語・句を含む句。ここでの動詞を被修飾語と呼ぶ。 | ||
接置詞句 | 接置詞を中心として、単語・句を含む句。 | ||
リパライン語の支配的語順は口語と文語で異なる。口語の支配的語順はSVO AN(主語・述語・目的語/修飾語・被修飾語)であり、文語ではSOV AN(主語・目的語・動詞/修飾語・被修飾語)である。
Mi tvasnk alefis. 「私はアレフィスを信仰している」(いせにほ#48) |
Mi’s alefis’i tvasnk. 「我はアレフィスを信仰す」 |
ただし、口語では格語尾を用いて比較的自由に語順を変更することが出来る。
Mal, faixesersse’s mi’i lekhnaxaiton tydiest fal fqa melx... 「そして、警察官たちは私を連れて、ここに来た、そして……」(eldjx#3) |
M'ansajarsox' alser's, undermunder stedel. 「全ては和解し、世界平和が達成される」(ISDE#5) |
形容詞、副詞の修飾語順、前置詞、後置詞の反転は -j で行うことが出来る。
Xorlnem lespli feg 「美しい新緑の顔色」(Skyl.2:1 1:3) Fua vent alt da 「不変の勝利のために」(Skyl.4:32 2:2) | Feg xorlnemj lesplij 「美しい新緑の顔色」 Vent alt da fuaj 「不変の勝利のために」 |
副詞、形容詞、接置詞の中には前後から修飾が出来るNAANと呼ばれる単語が存在する。否定を表す Niv がその代表的なものであり、これらは動詞の前からでも後ろからでも -j で標識すること無く修飾できる。
否定、疑問、命令以外でただ単に事実を伝える文章のことを平叙文と呼ぶ。
Mi es ales.xalija. 「私はアレス・シャリヤよ」(いせにほ#3) |
Mylonen vefistess sniejus faltetaj nass'tj. 「誇り高きヴェフィサイトたちは高き忠誠で状況とともに集合する」(Skyl.4:32 2:3) |
否定文は動詞の前か後ろに副詞 niv を置くことによって表現される。他の副詞や前置詞がある場合は niv が優先される。 niv は単語の前か後ろに置いて単語を否定することも出来る。
Miss letix niv eten surul. 「俺たちに他の方法は無い」(いせにほ#16) |
Cirla io tonirsti, liaoll co niv nilirs. 「真に神よ、貴方は負けることが無い」(Skyl.3:1 1:3) |
疑問文は基本的には語末に?を付け、尻上がりのイントネーションで発音することで表される。ただし、疑問詞が付いている場合や疑問の相位詞が付いている場合はこの限りでない。
Da puoi fontlesen lut flanis fuaj lu v'velg ham? 「それで、最初のフラニザは何から出来たのです?」(Skyl.2:9 6:3) |
疑問の相位詞については後に取り扱うが、n, ng, eung, yrng, eun, yrn, neu, men, tirne, dorne, xerne, jarn, jarneu, jarng, jarngeu…...などが挙げられる。疑問詞には harmae, harmie, harmoe, harmue, harmy, hameなどがある。このような単語がある場合はイントネーションは尻上がりではなく、むしろ下がる傾向にある。その他にkarx 「望む」、nun 「尋ねる」などの動詞を使って物を訊く場合もある。話者によっては古典リパライン語の影響で語順をVSOにして尋ねる場合もあるが一般的ではない。
命令文には次の二つの作り方が存在している。
基本的なリパライン語での命令文の作り方として命令の助動詞 shrlo を用いるものが挙げられる。この助動詞を用いた命令文は文語でも口語でも共通である。
Shrlo milion xesniepins ledyd'i! 「止まって手を下に向けろ!」(いせにほ#5) |
Miss'd zirk elmerdiurles melx shrlo nujon niss leus. 「我々の敵は奮い立っている、されば彼らで楽しめ」(Skyl.2:9 6:3) |
口語でのみ、動詞が文頭に来た場合は命令と見なす。
Derokramcol sirg'i! 「奴を引き渡せ!」(いせにほ#49) |
Xel, mi'd latasasti. 「我が腕よ、見なさい。」(Skyl.4:18 6:2) |
感動や感激、激情を表す感嘆文には複数の表現方法がある。主に感嘆符で気持ちの強さを表すことが多く、明確にそれを表す場合は firx や Ers skylarle などが挿入されるがこれも一般化出来るものではない。
Viojassasti! shrlo is zantanascheu! Farviles stoxiet farvil'i no'ceu! 「兄弟たちよ!武器を手に取れ、蒼い旗を掲げよ!」(いせにほ#6) |
Firx xansti! Feg es sime'd icco le jurlet! 「なんて藩主だ、国より顔が大事だ!」(Skyl.2:8 6:3) |
リパライン語の名詞は厳密に数を区別しない。接辞 -ss は多数性を表すがこれが付いていない名詞が単数を表すわけではない。このため、リパライン語文法では接辞 -ss が付いた名詞を複数形(Eustira)と呼び、付いていない名詞を原形(Xinirftle)と呼び分ける。
Fai tonirnascher'd fesela, siss'i lojil'c 「神族の系譜に沿い、彼らが作られたときに」(Skyl.2:7 1:1) |
Ej, harmoe misse's furdzvok mol? 「おい、俺らはいつになったら付くんだ?」(いせにほ#134) |
対象が文脈上で限定できるかどうかを定性と呼ぶ。限定することを定性、限定できないことを不定性と呼ぶ。定性は接辞 gir- もしくは接辞 -stan を使って表すことが出来る。不定性は接辞 -ste を使って表すことが出来る。また、全体に対する部分を表すのに部分格 -sta が用いられる。
Liaxa girpesta io girlarta klie lechal'c. 「ある日、レチのもとに一人の人間が来た」(Skyl.1:3 6:1) |
Lirs, Xolastan is hame fasta jisesnil mi’st men? 「そういえば、あの革命は私が死んだあとどうなったのだろうか?」(eldjx#7) |
Dijykiste es vynut. 「林檎と言うものは良い」(辞書例文) |
Alve es iulosta xale deln pa…...
「祭りは儀式みたいなところもあるけれど……」(いせにほ#175) |
なお、接辞 gir- は生産的ではなく現代語としては合成語や古い文章に現れるのみである。
名詞の文の中での意味や統語的な関係を表す接辞を格と呼ぶ。主格、対格、与格、属格、向格の五つの格は古典語にも同じ形で存在していたことから伝統五格と呼ばれる。以下では、リパライン語で主に使われる格を紹介する。
主格の名詞は動作主などの主語を表し、接辞 -’s によって表される。
Xan's jarlesa'i xel xale la salarua da. 「藩主はいつも通り、鏡を見ていた」(Skyl.2:8 4:1) |
…...pa mi niexix eso si's waxundeener'c. 「……だけど、彼は異世界人だと思う」(いせにほ#4) |
対格の名詞は動作の対象などの目的語を表し、接辞 -’i によって表される。
Xan's jarlesa'i xel xale la salarua da. 「藩主はいつも通り、鏡を見ていた」(Skyl.2:8 4:1) |
Cene xij jazgasaki es cerke'i? 「八ヶ崎お兄さんはパイグ将棋が出来ますか?」(いせにほ#33) |
与格の名詞は間接目的格や方向を表し、主に動詞の格支配として出現する。接辞 -’c によって表される。
Co pothes lovime'c? 「足を怪我しているの?」(いせにほ#179) |
Mili! Sties fynetj yfi’a’c mi’i! 「待って、ちゃんと私のことをユフィアって呼んでよ!」(eldjx#14) |
属格の名詞はその属性、所有などの意味で後ろの名詞を修飾する。これは基本的に接辞 -’d によって表される。
Pa, fi mi firlexain la lex, ci’d jutles es xorln dea. 「それにしても、彼女の語法というのは奇妙なのだ。」(eldjx#9) |
Lecu text blir'erchavil faller siburl'd snenik. 「運命の日の中から幸運の時を選ぼう」(ISDE#4) |
属格は古い文章では同格的意味を強く持っていたため、lkurftlesse'd lineparineやicco'd hataという表記がその特徴を残している。
Lexerlesti, ci lkurf lkurftlesse'd harmie? 「レシェール、彼女は何語を喋るの?」(いせにほ#31) |
Veparle’d nysnysixy nuryrrjolen oniex es la lexe’d jexerrt. 「ガラス窓の中の美味しそうなパンがその証拠だ。」(eldjx#1) |
歴史的経緯によって修飾語順を反転する -j を伴った -’dj という接辞は用いられず、代わりに -’dy という語尾を用いる。
Siss dúes co toxa co'dy faij tof da. 「彼らは貴方の石を使って貴方を打つ」(Skyl.2:1 5:3) |
Lecu fua xalija, miss fenxe elx knloanerl alve'dy! 「シャリヤのために祭りの食べ物を持ってこよう!」(いせにほ#184) |
歴史的経緯によって属格語が一部の動詞の主語になる場合がある。
Liaxu co xutrusnoj felx wioll jol co’d velent. 「ナメてると痛い目を見ることになるよ」(戦う詩人#2) |
向格の名詞は動作がその方向へと向かっていくことを表す。接辞 -’l によって表される。
Fusaf luni'elink la hyrcorfilene'l. 「心は間違いに走る」(Skyl.2:1 1:1) |
Co ulesn fentexoler e'l. 「君は反革命主義者を隠している」(いせにほ#56) |
古い文章や慣用句などでは方向性は無く場所のみを表す場合もある。
Kivuj kmarlikt xineveffe’l. 「猫は床の上で寝そべった」(辞書例文) |
Niss tiexos fqa’l. 「彼らはここで寝る」(辞書例文) |
呼格の名詞は基本的にはその対象への呼びかけを表す。接辞 -sti によって表される。
Xetten pergerssesti! Ci fastirs fal vipyx! 「くっそ!パイグ人め! あいつ台所を爆破させたぞ!」(いせにほ#30) |
Darxansti, darpansti, co's harmy tast fau si? 「家主よ、一人の人よ、何故彼を裏切ったのだ」(Skyl.4:24 1:1) |
リパライン語では名詞は単立することが出来ないため、名詞のみを書く場合などに呼格語尾が付いている場合がある。これは無意味の呼格と呼ばれる。
Cegsti? Harmie co lkurf? 「スパイ? 何のことやら」(いせにほ#61) |
欠格の名詞は対象が動作に欠けていることなどを表す。接辞 -nerfe によって表される。
…...melx edixa la lexal io mi’st akrantierl es elx litarlenerfe. 「……そこで読んだ本は数え切れない」(eldjx#7) |
Pa ni xel las xale plenerfe larta niv. 「しかし、彼はそのような非道徳な人には見えませんでした。」(Skyl.1:5 2:4) |
共格の名詞はそれを伴って掛かる動詞の動作が行われていることを表す。接辞 -’tj によって表される。
Felircasti! Dosnud mi'tj! Fenten niv xalija's at! 「フェリーサ!私と帰りなさい!シャリヤも張り合わない!」(いせにほ#202) |
Shrlo is zantanascheu calanstan'd mena'tj. 「武器を手に取れ、横の墓に埋まることになるであろう同胞と共に」(ISDE#3) |
話題格の名詞は一部の動詞や慣用句の要素になる。接辞 -’sci によって表される。
…...viroto faij larpi’sci delok pa…... 「……会えたことは安心したが……」(eldjx#9) |
Voles niv farfele's fal co'sci mels xalija ti! 「シャリヤに変な気を起こさないでよね!」(いせにほ#201) |
Jol miss ircalart lot mili pesta'sci ex da. 「我々はその時を静かに待つだけである」(Skyl.2:2 6:2) |
多くは慣例的に用いられるだけであり、現代においては生産的ではない。
名詞に付けられる数、定性、格の接辞には自然な順番が存在している。一般的には 定性 - 数 - 格 の順番で付けられることが多い。
No at io lkurferstanassa'd voklisestan…... 「今なお、その話者の目標は……」(文芸翻訳) |
しかし、詩などではこれを逸脱する場合がある。
Co tvarcar n, ixenossastana's…... 「君は信じるかな、この痛みが……」(歌詞翻訳) |
リパライン語の人称代名詞は十種類存在している。人称代名詞は人間或いは擬人化した存在を指すのに使う代名詞である。
一人称 | mi | ||||||
二人称 | co | zi | |||||
三人称 | ci | si | ni | fqa | fgir | ||
四人称 | als |
一人称代名詞 mi は話し手を指す。
Mer......ja, mi es larta. 「えっと……うん、人間だよ」(いせにほ#9) |
Lecu mi's da tals la l' me cel qun' la na'd mi'it ke. 「それを語って、貴君に今の我を分からせよう」(Skyl.4:33 6:3) |
二人称代名詞 co は聞き手を指す。後に説明する zi と区別するために直接二人称代名詞とも呼ばれる。
Cespal…… mi tidest fiunonj patimarl co es lipalain? 「すまない……変なことを訊くがもしや、あなたはリパラオネ人か?」(eldjx#8) |
Sysnulustan es klantez co'd axelixfantil. 「今日こそが汝の偉大なる独立記念日だ」(ISDE#1) |
間接二人称代名詞 zi は話者 mi が正式な対象にはしていないが聞いていると思われる人間を指す。例えば「お前何こっそり話聞いてるんだよ」や「(特に聞いているそぶりを見せないが聞いているであろう)君はどう思う」のような場合に使う。これは mi の対象が主観的に間接二人称の対象に話を聞かれていると思うかで使い分ける。
Zi niv derok lys. 「君は呼んでないよ」(辞書例文) |
Zi tilien xei lu? 「チェックインはお済みでしょうか?」(辞書例文) |
人称代名詞 ci は話し手でもなく、聞き手でもない女性を指す。
Lexerlesti, ci lkurf lkurftlesse'd harmie? 「レシェール、彼女は何語を喋るの?」(いせにほ#30) |
Ci’st flanisa’d nedirg’it diurlon cil mal xesniep mi’d feg. 「彼女はフラニザの袖を揺らして手を合わせてこちらの顔を見てきた」(eldjx#8) |
人称代名詞 si は話し手でもなく、聞き手でもない男性を指す。
Sissepe fynet faljne las. 「奴等が策謀しているのは明白だ」(ISDE#2) |
Siss korlixtel lot es plorul. 「彼らはたしかに可哀想だ」(eldjx#3) |
人称代名詞 ni は話し手でもなく、聞き手でもない男性または女性を指す。
N? Niss mol ete'd molal. 「ん? 彼らは他のところに居るよ」(いせにほ#193) |
Ni's kije tas ple da ple iulo z'eukije 「彼は咎めるべきこと以外を咎めた」(Skyl.4:23 1:1) |
人称代名詞 fqa は話し手でもなく、聞き手でもない人間を指す。
Fqassa’d xelkenepess arlemaxices fhasfa’l ly. 「このシェルケンどもは誰かに電話をしているらしかった」(eldjx#5) |
fua fqa's elmal'c niv mak iso! 「ここが二度と戦禍に巻き込まれないために」(ISDE#5) |
Fqa'i m'dzart el snoipeffe, farfelon reto shrlo! 「よって、崖までつれていって、慣例に沿って殺すのだ!」(Skyl.1:14 1:3) |
fqa とこの後に説明する fgir は基本的に指示代名詞だが、見下げたりしている場合には人間に対しても用いる。
人称代名詞 fgir は話し手でもなく、聞き手でもない人間を指す。
Derok fgir mels e! 「あいつを呼び出せ!」(辞書例文) |
Harmae es fgir’s? 「こいつは誰なんだ?」(辞書例文) |
四人称代名詞 als は世間一般や皆を指す。
Wioll jol als lkurf untirkeno lap ilsa co da. 「皆は自分自身のことのみをあなたの話の上から話すだろう」(Skyl.2:1 4:3) |
Eusalar alsasti, als relod mol fal fqa? 「こんにちは、皆来ているのかね?」(Skyl.4:12 3:1) |
リパライン語の再帰代名詞は「~自身」という意味を表す。本来の代名詞に接辞 -me を付け加えることで作ることが出来る。
一人称 | mime | ||||||
二人称 | come | zime | |||||
三人称 | cime | sime | nime | fqame | fgirme | ||
四人称 | alsame |
Xel come's melx cene co firlex la lex'i. 「あなた自身を見よ、すれば今言ったことが分かるだろう」(Skyl.4:2 6:1) |
四人称再帰代名詞は一般的には用いられない。
リパライン語の指示代名詞は四種類存在する。これらは物や概念を指すのに使われる。
リパライン語の指示代名詞には名詞形と形容詞形があるが、形容詞形は名詞を修飾する際に名詞形に属格を付けるのと同じ意味を表す。文脈指示代名詞には形容詞形は無い。
名詞形 | 形容詞形 | ||||
直接指示 (直示) | 近称 | fqa (qar, qa) | fqiu | ||
遠称 | fgir (gir) | fgiu | |||
文脈指示 (話中指示) | 既述 | la lex | なし | ||
後続 | ny la lex |
近称直接指示代名詞 fqa は近くにあるものを指す。通常、例外的に発音上 f は脱落する。
Fqa es luarta elmo da. 「これは聖なる戦いなのだ」(ISDE#1) |
文体によっては qar や qa のような形も出現する。
Cene qar'd nacy fal y ci is tavola'c. 「彼女は立てる状態になっていた」(Skyl.4:25 3:1) |
近称直接指示代名詞 fgir は遠くにあるものを指す。通常、例外的に発音上 f は脱落する。
Tenvaneuce fgir da nefxeleris ci liax pa, 「あまりにも明るいそれは彼女を盲目にしたが」(Skyl.4:31 3:2) |
fgir と同じように文体によっては gir のような形もある。
Lai forla statium'd gir'd la na tuan cel lena. 「灰の湖のその情景はレナを思い出させた」(Skyl.4:22 3:3) |
文脈指示代名詞 la lex は文の前にある単語や句を指す。
Cierjustel Elmen'iars, lecu fenten la lex da! 「労働者よ団結せよ、共謀に立ち向かうのだ!」(ISDE#2) |
Mi mecceries fonti’a letixerl mi’st. Edixa mi tisod la lex. 「とりあえず、自分の持ち物を確認してみようと思った」(eldjx#1) |
後続文脈指示代名詞 ny la lex は文の後にある単語や句を指す。
Mal alefis lkurf xale ny la lex anax. 「そして、アレフィスは次のように言った」(Skyl.4:2 3:3) |
Fua la lex, mi tisod ny la lex. Niss sietiv co'tj. 「このために、彼らが君と一緒に住むことは妥当だと思うんだ」(いせにほ#134) |
一般的なリパラオネ人の現代標準リパライン語においては直接指示代名詞と文脈指示代名詞は明確に区別される。直接指示代名詞は指で指し示せるような状況で使う代名詞であり、文脈指示代名詞は文中に出てくるものを指し示す。そのため、「その(話に出てくる)林檎は」は «fgir’d dijyki’s» と言うことは出来ず、 «la lexe’d dijyki’s» と言わなければならないし、「そこの林檎」は «la lexe’d dijyk» とは言えず «fgir’d dijyk» と言わなければならない。
ただし「異世界転生したけど日本語が通じなかった」におけるリパライン語話者に見られるように、ファイクレオネで話されるラネーメ語族などで直接指示と文脈指示を区別しないことを知っている話者は外国人とリパライン語で話す際には fqa や fgir を la lex の代わりに使う場合がある。しかしながら、一般的にこの用法は外国人向けの配慮であり、ネイティブ同士の話し方としては不自然に捉えられる。
<la lex>'d kante es fgir ol fqa fal lkurferl. fi selene co lkurf mels elx edixa lkurferl fhasfa'st, elx lus fqa. 「«la lex»の意味は話している内容の「それ」か「これ」よ。 もし、何かを話したことに関してあなたが述べたい時はこれを使うわ。」 (いせにほ#140) |
リパライン語の疑問代名詞は七種類存在している。疑問代名詞は何かを尋ねる際に使う代名詞である。格が付かない状態で目的語として文頭に来る場合があるため、接続詞であると解釈される場合がある。「何故」と「どのように」を表す疑問代名詞は本来接続詞であるが、伝統的には疑問代名詞であると解釈されるため、本項で解説する。
誰 | harmae | ||
何処 | harmue | ||
何時 | harmoe | ||
何 | harmie | ||
何故 | |||
harmy | |||
fontahame | |||
どのように | hame |
対人疑問代名詞 harmae は人に関して訊くときに用いる。
Lu sjaersti, harmae co es ardartirn? 「老人よ、貴方は誰なのかしら?」(Skyl.4:6 1:2) |
Lirs, lkurfer infaynnaj l'es co es harmae. 「そもそも、急に話してくる君は誰なんだ?」(いせにほ#144) |
対地疑問代名詞 harmue は場所に関して訊くときに用いる。
Harmue fqa es apaskenj? 「結局ここは何処なんだ?」(eldjx#6) |
Harmue kali'aho xici tydiest? 「カリアホさんは何処へ?」(いせにほ#145) |
対時疑問代名詞 harmoe は時間に関して訊くときに用いる。
Watt! Harmoe co mol fal fqa!? 「うわっ、お前いつからそこに!?」(いせにほ#30) |
Ej, harmoe misse's furdzvok mol? 「おい、俺らはいつになったら付くんだ?」(いせにほ#134) |
対事物疑問代名詞 harmie は物事に関して訊くときに用いる。
Flence elmilestan io harmie co teles? 「この酷い争いの時にあなたは何をしているのですか」(Skyl.4:30 4:1) |
Co es la tvaxntanfer'l cix tvesce i harmie'i? 「あなたは不信者のために信者として、何をするのでしょう」(Skyl.1:15 3:3) |
しかし、物事を訊く以外にも理由を訊くために用いている場合もある。
Harmie co nacees e’i 「なんで君が謝るんだ」(eldjx#11) |
Harmie xoler tat xarzni’ar’tj…...? 「なんで革命家がシャーツニアーと歩いてんだ……?」(eldjx#13) |
一般的に harmie が理由を訊くために用いられている場合は目的語が取れない自動詞か、他動詞の目的語が既に言われている場合である。そのため、一般的に«Harmie co lkurf?»は「君は何を言っているのか」を表し、«Harmie co lkurf la lex?»は「君は何故それを言ったのか?」と読まれる。
この使い分けは古典リパライン語に由来し、現代語 harmie は古典リパライン語の hamie 「何」と hamye 「何故」が混同してしまったために生まれたと考えられている。明確に「何故」を表したい場合は後述の harmy などを用いる。
理由疑問代名詞 harmy は動作の理由に関して訊くときに用いる。
Harmy co cil fal knloanil? 「なんで食べる時に手を合わせるの?」(いせにほ#74) |
Zu, cene niv si firlex pa harmy co lodiel kranteerl? 「つまり、分からないのに本を貸したということかい?」(いせにほ#77) |
この他にも fontahame という疑問代名詞が用いられる場合がある。
Fontahame co mol fal fqa? 「なんでここに居るのか、知らないのか?」(eldjx#9) |
Mal, fontahame xal lkurf cene pustiej? 「それで、なんで日本語が話せるの?」(理訳版kyix#1) |
後述する hame が「何故」という疑問に用いられる場合がある。おそらく、現代語では古典リパライン語 hamye 「何故」の半母音が弱化したため、混同されたと思われる。
Men hame co systod tvarcarvo mi'st tirne? 「一体なぜあなたは私の礼拝を邪魔するのか?」(Skyl.4:11 2:1) |
様相疑問代名詞 hame は様相に関して訊くときに用いる。
Zu hame la lex es tostesn iulo da ja? 「それはどのような重大な問題なのですか?」(Skyl.1:7 3:1) |
Hame no’d na mol men? 「今の状況はどうだろうか」(eldjx#4) |
一つの物事の全てや全体を指す代名詞を総括代名詞と呼び、リパライン語では als を用いる。文語では alle を用いる場合がある。
Pa, cene niv als larta furnkie fagrigecio. 「でも、人間は母語を変えることはできない」(いせにほ#141) |
Mi firlex niv pa alsa's e'i es xale fqa. 「知らないけど、皆こういうふうにやるんだ」(いせにほ#74) |
不定の対象を指示する代名詞を不定代名詞と呼び、リパライン語では fhasfa などを用いる。
Fhasfa at i mi’it xelon es niv acenlatas’i. 「誰も私をみて敬礼をしないのだ。」(eldjx#1) |
Mi lkurf niv fhasfa xale fgir! 「そんなことは言ってないだろ!」(いせにほ#101) |
Fevi'a'd la elmerss xel fhasfa ad fhasfa. 「フェヴィアの兵はきょろきょろと周りを見渡していた」(Skyl.4:20 1:1) |
Fhasfa’d terso es ystestunuce. 「幾つかの派閥は過激派である」(いせにほ#126) |
Selene mi veles xale fqa i co'c fal fhasfa'd liestu. 「もうちょっとあなたにこのままにされたい」(いせにほ#96) |
上記の例文の通り、人・場所・物・不定の数などのどれであろうと fhasfa を用いる。
基数詞は数詞の基礎の語幹となって用いられる名詞である。これらは基礎数詞と短縮数詞の二つに分けられ、前者は日常的に使われるが後者は学問・通信分野などの特殊な分野で用いられる。
基礎数詞 | 短縮数詞 | |||
0 | iu | |||
1 | panqa | pan | ||
2 | qa | tu | ||
3 | dqa | deu | ||
4 | iupqa | iup | ||
5 | neoqa | fa | ||
6 | xantaqa | xant | ||
7 | xenqa | xene | ||
8 | lekqa | lek | ||
9 | fentiqa | fent |
基本的に短縮数詞は基礎数詞から qa とその前の母音字を取り除いたものである。ただし、2を表す tu と5を表す fa はヴェフィス語から輸入されており、3を表す deu と7を表す xene はe(u)が付いている。
数詞を用いて個数を説明する場合は属格で説明したい名詞を修飾することで表すことが出来る。
Pa, mi's kornites ekce panqa'd ny l' l' nillast. 「では、私には少し一つだけ疑問に思うところがあるのです」(Skyl.2:9 6:2) |
Mi amol dqa’d oniex yst vesesn’c melx edixa xel cwanenala’l. 「私は3つのパンをトレーに置いて、お会計に向かった」(eldjx#2) |
10よりも大きい数は基数詞に以下の位接辞を付けて、作り出すことが出来る。接辞はその数を基数詞に掛けているものであると解釈されるため、10は aniu ではなく anpanqa(anpan) である。
十 | an- | 1/10 | un- |
百 | xan- | 1/100 | xin- |
千 | san- | 1/1000 | sin- |
万 | can- | 1/10000 | cin- |
億 | en- | 1/一億 | on- |
兆 | in- | 1/一兆 | oun- |
京 | etp- | 1/一京 | itp- |
垓 | ilt- | 1/一垓 | elt- |
抒 | pux- | 1/一抒 | pix- |
穣 | fux- | 1/一穣 | fix- |
x2 | -kung | 1/2 | -king |
x5 | -nang | 1/5 | -ning |
数詞の羅列中には例外的に属格が入ることは無いが、古い文章の場合はこれが入っている場合がある。
254000 | cananaqa cananeoqa saniupqa |
254000(古風) | cananaqa'd cananeoqa'd saniupqa |
100万などを表す時は、基本的に大きな位の方を単語の前の方に付けるが、文法的にはどのような並びでもよい。
50万 | canananeoqa |
anacananeoqa |
序数詞は物事の順序を表す形容詞である。序数詞は基数詞の語尾に -te をつけて作る。
Cossa'd lersse'it furnkieo veles lkurfo mi'st fal qate fqa'd lersse. 「あなた達のクラスの変更は二回目のこのクラスで発表されます」(いせにほ#128) |
…...qate io xelken es la harmie fal lojied. 「……それと昨日のxelkenって何者なんだ」(理訳版kyix#3) |
倍数詞はそれの倍数分ものがあることを表す。倍数詞は基数詞の語尾に -tva をつける。
Miss vaxelf denepe'd dieniepe'c qatva'i melx, 「桁の数のそれぞれに二を掛けていけば、」(Skyl.2:6 3:2) |
Fqa es 11/127-tva fon ci. 「これは彼女の127分の11倍だ」(KLP#Viesterl) |
-tva は序数詞と混同されることがある。
Mecceries, Krandiunaliu ler qatva'd xerfnisn delantes. 「とりあえず、語末から二つ目の母音がアクセントです」(辞書例文) |
分数は分母の基数詞 -sta lut 分子の基数詞で並べて表す。
Xantast es liestu’d 6sta lut 1. 「塒は時の1/6である」(辞書例文) |
5sta lut 1 siekion jujol. 「1/5が等しく分離する」(辞書例文) |
分数の記号表記は(分子)(分数記号)(分母)と書かれるが、読み方は3.5.6に沿ったものとなる。
記号表記 | 発音 |
Fqa es 11/127-tva fon ci. | Fqa es 127sta lut 11-tva fon ci. |
累乗表現を表すには接中辞 -inie- を使う。A-inie-B でAのB乗になる。
qavinieqa 「2の2乗」(辞書例文) |
数詞の位が複数の場合は -r- を間に挟んで数詞を繋げる。
anpaninierganiupuriup 「10の44乗」(辞書例文) |
小数は分数位を数詞に付けて表す。
unneoqa | 「0.5」(旧文法書) |
unpanqa xinneoqa | 「0.15」(辞書例文) |
古い文章では0.01*51のような形式で表されている場合もある。
dqa ad xinanpanqa neoqa | 3+0.01(10*1+5)=「0.15」(数学便覧) |
一の位以上の数はadを挟んで前に来る。
dqa ad unpanqa xinneoqa 「3.15」(旧文法書批判版) |
これは larl で表される場合もある。一般的にこれは短縮数詞に用いられ、位の接尾辞は付けられない。
deu larl pan fa 「3.15」(旧文法書批判版) |
「~あたりの」「~くらいの」「約~の」などの曖昧な数の表現としては数詞に-ssを付ける、lovik/xale/ancorten/nefeceilia/roを使うなど複数の方法がある。
Xenqassa'd ketiv anfil. | 「七匹くらいの鳥が止まっている」 (旧文法書) |
Xenqa lovik ketiv anfil. | |
Ketiv anfil xale xenqa. | |
Ancorten xenqa’d ketiv anfil. | |
Nefeceilia xenqa’d ketiv anfil. | |
Ro xenqa’d ketiv anfil. | |
ketiv mele xenqa anfil |
古い文章では以下のような古い数詞や指示詞が使われている場合がある。
数 | 数詞 | 個数 |
0 | iesel | - |
1 | xostit | jusniesn |
2 | jodu | rosnyx |
3 | sinot | lujos |
4 | kieled | selij |
5 | jyvied | nievev |
6 | snulel | soxyx |
7 | nidyr | jenusn |
8 | lykies | roxusn |
9 | snovij | desel |
10 | sojex | stostix |
1百 | nekosn | - |
1千 | rolud | - |
1万 | jusuv | - |
1億 | dulis | - |
1兆 | kijut | - |
近称 | 中称 | 遠称 | 疑問 | |
指示 | stienyl | sisnes | stydet | leost |
場所1 | nirjy | stiduk | xesiel | xokis |
場所2 | jusnys | sustyr | lydiest | nytyl |
形容詞は名詞句に前置され、修飾した名詞句を説明する。
Snerien ladirccosti! Verxen nyrtatasti! 「喜べ祖国よ! 解放の庭よ! 」(ISDE#1) |
Liaxi agvir al'd elminalape's ceces! 「気の早いアルの軍の馬鹿が攻めてきたんだ!」(いせにほ#16) |
または、 es や is など動詞補語となり、主語を説明する。
Shrlo is zantanascheu calanstan'd mena'tj. 「武器を手に取れ、横の墓に埋まることになるであろう同胞と共に」(ISDE#3) |
Menas ietosta'd celavylium is vazirju ly? 「水道設備が調子悪いんだっけ?」(いせにほ#62) |
前に説明した通り、接辞 -j(古語では y ) を伴うと後置修飾をすることが出来る。
Fqa’d bexua m’es niv etxaata skles tersedznojuli’o’d larjust flenecej…... 「この風景が馬鹿で気狂った政府派の悪辣な偽装工作でないとすれば……」(eldjx#7) |
Fgir es puder xorlnemj. 「それは美しい花だ」(辞書例文) |
Larta'c witerj mol niv knloanerl. 「無礼者に食わせる飯は無い」(辞書例文) |
修飾語の並び順は基本的に自由であるが、属格はそこで名詞節を切るイメージが強いためニュアンスが変わってしまう場合があることに注意しなければならない。
Fqa es zexi'o vixabenj mi'dy. 「これは私の祖母の写真です」(辞書例文) |
上記の文の場合、「私が持っている祖母の写真」や「私の親族である祖母の写真」などの意味が想定できる。
Fqa es zexi'o mi'dy vixabenj. 「これは祖母の私の写真です」 |
上の文章では「祖母が持っている私の写真」や「祖母である私が持っている写真」などの意味で取ることが出来る。
「~より多い」や「~の中で一番多い」などの表現を表すために形容詞には級というカテゴリが存在している。級前置詞を形容詞の前(または反転させた場合は後)につけることによってこれらを表すことが出来る。
形容詞の比較級は2つの物の形容詞に関する違いを表す。形容詞の前に le を前置して、その前の単語が比較対象を表す。
Pa, selene mi aklot elx kontydiesto no le xerf afuzarfrirga’it. 「だが、これ以上面倒を抱え込むのも嫌だった」(eldjx#12) |
Selene niv mi veles retoo tel nool le loler larta'st. 「現状より多くの人に死なれたくないもの」(いせにほ#99) |
Harmie alxt es le farte faller flanisa o flaniety? 「フラニザとフラニェテュのどちらが先かだな」(eldjx#15) |
形容詞の最上級はそのグループの中で最も高い形容詞の性質を持つことを表す。形容詞の前に les を前置して、その前の単語が最上級であるグループを表す。
alsat es les kalt ad palpten molo. 「全て最高の品格と独立した存在である」(ISDE#5) |
Siss decafelemes les flen iulo blarda'c…... 「農奴に酷い目を合わせることに献身し……」(Skyl.4:1 4:2) |
形容詞の同等比較は比較対象と形容詞の性質の度合いが同じであることを表す。形容詞の前に ce を前置して、その前の単語が比較対象を表す。
Co es laz ce foi sytet. 「あなたはラツと同じ身長だ」(辞書例文) |
Fi co malfarno, elx cene co inarxt mi'l. La lex es ce vynut. 「困ってることがあったら話してみてもいいんじゃない?」(文芸翻訳) |
le と同じように以上・以下・未満をxo, xut, xyを使って表すことが出来る。
Fqa es fqass xo xorlnem. 「これはこれ以上に素晴らしいです」(旧文法書) |
Fqa es fqass xut xorlnem. 「これはこれ以下に素晴らしいです」(旧文法書) |
Fqa es fqass xy xorlnem. 「これはこれ未満に素晴らしいです」(旧文法書) |
先に説明した級前置詞に -j を使うと比較対象と形容詞の順番を逆にする。つまり、 le につけた lej の場合は形容詞が前に来て、比較対象が後に来る。
Fqa es xorlnem lej fqass. 「これはそれらより素晴らしいです」(旧文法書) |
Fqa es xorlnem lesj fqass. 「これはそれらのなかで最も素晴らしいです」(旧文法書) |
比較対象を取らない比較級、最上級に対しては il, ils という語が用いられる。これは i le と i les のそれぞれの縮約語である。
Qa’d fabikant prorka is il tlest ad il jyvied. 「二人の口論する声はどんどんより曖昧に、より小さくなっていく」(eldjx#18) |
Snyrlylistan es ils adenitax fal kaxilijasastan. 「この農具はこの村では最も主流のものである」(辞書例文) |
なお、il, ilsはi le, i lesとは解釈が異なる場合があるため気をつける必要がある。
Als zu akranti fqa'd kranteerl'it il dat icve paltdzarl. 「この本を読んだすべての人がより多く知識を得る」 |
Als zu akranti fqa'd kranteerl'it i le dat icve paltdzarl. 「この本を読んだすべての人よりも多く知識を得る」 |
どちらかというと 名詞’d 修飾語-o のような解釈になる形容詞が存在し、これを逆流修飾的な形容詞と言う。
kyrnal siert 「レモン水」(辞書例文) |
Cierjustel la vefisait 「ヴェフィス共同体」(辞書例文) |
これらの形容詞の存在は本来名詞であったと思われる。ヴェフィス語などの後置修飾の言語表現を取り入れた際にそれがそのままの形で輸入されたためにリパライン語文法では形容詞として扱わざるを得ないという状況がある。
リパライン語の動詞は格支配に含む格で以下の通りに分類される。なお、この分類における格支配を動詞類型格支配と呼び、個別の動詞の格支配を動詞個別格支配と呼ぶ。
自動詞 | 単純自動詞 | -’sのみを取る動詞。 | ||
dytyafly’erd, alfanustes, alfi’ante, dekut | ||||
複合自動詞 | -’sと-’cを取る動詞。 | |||
alfaovali’et, anfi’eirot, biu, celottiso | ||||
他動詞 | 単純他動詞 | -’sと-’i を取る動詞。 | ||
akhcne, aklot, akranti, aleres | ||||
複合他動詞 | -’sと-’iと-’cを取る動詞。 | |||
ak’in, akrunft, amcol, amol |
リパライン語の動詞は口語では格の省略方法で以下の通りに分類される。
一般動詞 | 動詞の前後に置かれた名詞句が-’sと-’iで解釈される動詞か単純自動詞。 | |||
lkurf, text, krante, akranti, knloan, lersse, duxien, kanti, veles, celes, fasripiet, lusven, melfert | ||||
変格動詞 | Mol型動詞 | 動詞の前後に置かれた名詞句が-’sと-’cで解釈される動詞。 | ||
mol, eska, eski, io, jur, lecistanili, perne, tydiest, virot, zirl(詩語), en(詩語), tudiest(方言語) | ||||
Es型動詞 | 動詞の前後に置かれた名詞句が-’sと補語で解釈される動詞。 | |||
es, is, jella(方言語) |
一般動詞の前後の名詞句はそれぞれ主語と目的語として扱われる。
Alsa's kikud'i misse'c lkurf cel. 「人々は英語を我々に喋らせる」(初学者) |
Cirla io, Cene co lkurf lineparine? 「本当にあなたはリパライン語話せるの?」(いせにほ#7) |
Ci lersse da ja mels da alefis allej. 「彼女はアレフィスに関して全てに関して学んだ」(Skyl.4:3 2:3) |
Mol型動詞の前後の名詞句はそれぞれ主語と与格名詞として扱われる。
Lael las mol harmue? 「地図なんてどこにあるんだ?」(eldjx#7) |
Fixasti, co virot jazgasaki.cen dorne? 「フィシャさん、あなたは八ヶ崎翠と会いましたね?」(いせにほ#53) |
Es型動詞の前後の名詞句はそれぞれ主語と補語として扱われる。補語とは、与格名詞と形容詞のことである。
Fqa es luarta elmo da. 「これは聖なる戦いなのだ」(ISDE#1) |
Cene qar'd nacy fal y ci is tavola'c. 「彼女は立てる状態になっていた」(Skyl.4:25 3:1) |
関係節とは名詞を文によって修飾して説明する節のことを言う。リパライン語では関係説を表すのに複数の方法が存在しており、文体や統語的構造によって使い分けられる。
動詞の前に lex を前置してその前の名詞などを取って、動詞の直後に名詞が来て修飾する。副詞がこの動詞を修飾することは出来ない。動詞が副詞修飾された状態で名詞を修飾したい場合は後に述べる V-en の形式を使う。動詞を否定する Niv は副詞であるが、これだけは lexif という特別な形が用いられる。lex Vが連続することは出来ず、その場合もV-enを用いる。
Pa, Fqa io garcio’i lex veles oniexess es xorln. 「しかし、ここに売られているパンもなんだか奇妙だった」(eldjx#2) |
Lex kafi'a vletwal mol unsesnonj liax. 「光る槍先が落ちていた」(Skyl.4:29 6:2) |
口語では l’- という形で縮約される場合がある。
Ban missen tonir l'es birleen alefis io 「我々の神、恵みのアレフィスにおいて」(Skyl.1:1 banmis) |
動詞の前に lexif を前置すると lex V の動詞を否定したものが名詞を修飾する。これは lex niv V の省略であると捉えられている。
La alefis'it lexif tvasnk la larta at…... 「アレフィスを信仰しないものであっても……」(Skyl.1:21 4:2) |
Mi’st lexif qune hartlirfa’s yuesleone’c molo es niv xorln. 「私が知らない民族がユエスレオネに居たとしてもおかしいことではない」(eldjx#6) |
lexif V には省略形が存在しない。
口語や詩語では動詞の前に zu を前置してその後に名詞などを取って、 zu の直前に名詞が来て修飾する。
Fixa.belche zu es letixer argartanerfe la kysen’it i baxt xel la lex. 「フィシャ・ベルチェ、この底抜けの前向きさの持ち主は、それを見てはしゃいでいた」(eldjx#10) |
Ers lkurferl zu als larta qune. 「全ての人が知っている言葉かな」(いせにほ#90) |
口語では z’- という形で縮約される場合がある。
Snenik's z'es edioll liax la sysnul'c ve vejt m'is…... 「今日であったものがどんどん……」(Skyl.4:34 5:1) |
動詞の前に V-en を前置して名詞などを取って、動詞直後に名詞が来て修飾する。一般的にはこの形は用いない。副詞や yst などが伴う動詞が名詞を修飾する際に用いられる。
Jeteson lkurfen larta 「早く話す人」(旧文法書) | Yst saskranteen mors 「改造したもの」(旧文法書) |
名詞として関係詞 zu を取りたい場合は zuo または la zu の形を取る。この形は、どの派生名詞語尾かを意図的に曖昧にしたいときなどに用いる。
mi lirf la zu co mol mele mi 「君が僕のそばにいてくれる時/状況/ことが好きだ」() |
従属節の格接辞や分離標識には従属節明示の -t を伴うことができる。ただし、その前には必ず緩衝母音が入らない。ただし、属格語尾に -t が伴なう場合は後に -eu が膠着した -teu (-’dteu)という形になる。-t が付くのはその動詞の格支配のみである。
Selene niv mi's mi'st fqa'ct molo'i elx qune. 「私は私がそこに居たくないと知らない」(旧文法書) |
Ciss at es mi'st celdinerlss. 「彼女も私が助けたものなんだ」(いせにほ#189) |
仮名詞 e は特定の名詞の代わりとして利用される。
口語においては動詞が文頭に来ると命令化する。e はこれを防ぐ。
E mol fua harmie......hnn... 「何のために……うーん……」(いせにほ#176) |
E is tvarsnker lipalaone? 「リパラオネ教徒になる?」(いせにほ#180) |
コピュラ動詞 es と e が縮約した形として ers という特別な形が用いられる。
Ers cirla felx lax alorrzelk da es niss da. 「そうであれば、朝敵というものは彼らのことだ。」(Skyl.4:27 2:2) |
Ers tvarler lu! 「泥棒です!」(eldjx#10) |
理語詳解辞書では格の組組み合わせを表すための仮名詞としても使われる。
en 【ft.i】(e's e'i e'c)Ers eskavon amolo e'st e'it e'ct. 【ft.i】(e's e io) Ers e’s molo faller I. 【ft.i】Ers veleso elminal's ternejafnao'i. 【ft.s】(e's e'c/eska) Ers tydiesto e'st eska e. |
en 【他動詞】(-'sは-'iを-'cに)入れる いれる 【他動詞】(-'sはioに)含まれる 入る 【他動詞】(軍隊など)展開する 配置する 【自動詞】(詩語:[mol型])(-'sは-'c/eskaに)入る |
動詞連体形名詞(または動詞派生名詞)は以下の語尾を用いて作られる名詞である。以下の語尾は一般的に伝統的に用いられ、動詞から様々な意味の名詞を派生させる。
~すること(動名詞) | -o |
~する人 | -er |
~されるもの(対象、目的語) | -erl |
~する時 | -il |
~する場所 | -al |
~する方法 | -el |
~する道具 | -yl |
~する状況、状態 | -ol |
~する理由 | -ul |
以下は lkurf(話す)につけて作られた動詞派生名詞の例である。
話すこと | lkurfo |
話す人、話者 | lkurfer |
話すこと、内容 | lkurferl |
話す時 | lkurfil |
話す場所 | lkurfal |
話す方法 | lkurfel |
話す道具 | lkurfyl |
話す状況、状態 | lkurfol |
話す理由 | lkurful |
以下の語尾も動詞から派生名詞を作り出すが、一般的ではなく上記の一般動詞連体形名詞語尾から類推されたものである。
(予約) | -ar |
(予約) | -ir |
(予約) | -ur |
(予約) | -or |
(予約) | -yr |
(予約) | -arl |
(予約) | -irl |
(予約) | -url |
(予約) | -orl |
(予約) | -yrl |
なお、ここで(予約)と書かれている接辞や単語例は将来の接辞のために予約されている語形であり、将来的に意味が追加される。-i, -a, -u, -eは緩衝母音と、-yはy類と衝突するため、存在しないとされている。
(予約) | lkurfar |
(予約) | lkurfir |
(予約) | lkurfir |
(予約) | lkurfor |
(予約) | lkurfyr |
(予約) | lkurfarl |
(予約) | lkurfirl |
(予約) | lkurfurl |
(予約) | lkurforl |
(予約) | lkurfyrl |
動詞連体形名詞はその動詞が名詞を取った状態で作る事ができる。
Lirs, no io mi’st molal es fhasfa’d xorln. 「しかし、私が今いるところは何か奇妙だ」(eldjx#1) |
Mi mecceries fonti’a letixerl mi’st. 「とりあえず、自分の持ち物を確認してみようと思った」(eldjx#1) |
動詞連体形名詞は一般的な動詞と同じように一部の格を省略することが可能である。見た目上では後置修飾や名詞が属格を欠いて修飾しているように見えるが、動詞の格省略に沿った動詞句を名詞化したという解釈が正しい。このような意味作用のために動詞連体形語尾は接辞というより、接語ではないかという主張も見られる[要出典]。
Liaxa tanlater nixiserstan ve veles tirfao falvite'st. 「その犯罪者の弁護人は世間に責められることになった」(辞書例文) |
Pestavilen surul les dytysn fiies l'es kedokel veles luso mels pepudel PCF-99 xelt-an'gil. 「PCF-99 シェルトアンギルの閉鎖機構には当時最新のリーフロックが採用された」 (辞書例文) |
動詞連体形名詞は動詞連体形名詞も取ることが出来るが、どちらがどちらを取っているのか明確に表すことも読み取ることも出来ない。これは文脈から読み取らなくてはならない。
Jetes peno xelerl es jurlet. 「早起きは重要である」 |
以上の例文では peno が xelerl を取っているということは文脈で読み取られている。つまり、文脈を無視すれば xel の主語が peno であると解釈して「早く開けることが見る物は重要である」と読むことも理論上は可能である。しかしながら、pen xelerl が一つの成句であることや前述の通り読んだ場合に意味が通らなくなることなどを考えるとこの訳が適当だと思われる。
動詞の視点を入れ替える動詞と伴った構文のことをリパライン語ではヴォイス(態)と呼ぶ。リパライン語には能動態、受動態、使役態の三種類のヴォイスが存在している。いずれに関しても口語体と文語体では表現が異なる。
受動態は動作対象に対して強い視点を向けるヴォイスである。
口語体では受動動詞 veles が動名詞を取って表される。
:Aldarlirpa veles lazzijavo fai xol.: 「アルダーリーパは革命によって作られた」(いせにほ#70) |
Cenesti, hinggenferl ler co veles kantio fal sysnul at? 「翠君、ヒンゲンファールに今日も教えてもらうのかい?」(いせにほ#85) |
受動動詞に取られる動名詞は目的語を取る場合もある。
Plorul, Niss veles aturko fentedelusonj notulo’it fai chafi’ofeseraver’d ny chafi’ofes. 「多分、この店員は不景気で偽札が流通したために私の札を怪しんでいるのだろう」 (eldjx#2) |
文語体では特殊副詞 vel を用いる。基本的には特殊副詞は動詞の直後に置かれる。特殊副詞を使われた動詞は本来の格支配と同じように使われ、「(主語)は(目的語)をされる」と読まれる。
Vileti dzart vel vi'aca'd snoipeffe'c. 「ヴィレティはヴィアサという崖につれていかれた」(Skyl.1:14 3:3) |
Vileti unsesme vel snoipeffeinse'l. 「遂には、ヴィレティは崖の下に落とされてしまった」(Skyl.1:14 4:3) |
使役態は動作を他人にさせるという動作
口語体では使役動詞 celes が動名詞を取って表される。
Pa, lartassa’d dzeparlertasaler’i celes milio xale fqa. 「しかし、人民の党の党首をこのように待たせる」(eldjx#3) |
Xeu'd la nal io lurfao'i celes ja zuj da…… 「次の一瞬に現れたヴィンカは……」(Skyl.4:23 5:1) |
使役動詞に取られる動名詞は目的語を取る場合もある。
Ar, Xalija celes letixo fqa mal selene mi akranti. 「あー、シャリヤがこれを持たせて、俺が読みたい」(いせにほ#69) |
Liaxa co laozia fafsirl gelx miss celes fyrkjavo la lex. 「お前は問題を起こした だから、俺らはお前にケジメを付けさせる」(戦う詩人#4) |
文語体では特殊副詞 cel を用いる。基本的には特殊副詞は動詞の直後に置かれる。特殊副詞を使われた動詞は本来の格支配と同じように使われ、「(主語)は(目的語)をさせる」と読まれる。
Me, ci's jusnukeu cel da liax josto ci'd ferlk. 「彼女は自分の名前を言って驚かせた」(Skyl.4:35 6:2) |
Lecu mi's da tals la l' me cel qun' la na'd mi'it ke. 「それを語って、貴君に今の我を分からせよう」(Skyl.4:33 6:3) |
リパライン語の副詞は動詞の動作の意味範疇に対して詳しく説明・意味付与を行う。 -j を伴わない場合、リパライン語の副詞は必ず動詞の直前に来て動詞を修飾する。
me xan laj da farnen ve derok dodor ad fane'i lax 「公は馬と荷物を用意した」(LAR#60) |
Anniastan xelvin mol fontalobusenonj. 「その男は既に目の前に居た」(eldjx#11) |
修飾方向を反転する -j を伴う場合、形容詞と同じように動詞を後ろから修飾する。
Da mal ex fua ham ci's klie vej euknonjeu cial'c? 「それでは何のために彼女は来たのだろう?」(Skyl.4:26 6:3) |
Anniastan xelvin mol fontalobusenonj. 「その男は既に目の前に居た」(eldjx#11) |
リパライン語の副詞には形容詞と同じく級が存在しており、級前置詞は形容詞についた時と同じように動作する。
Larta’s routinse’d la lex le dat klie. 「人は前年のそれよりも来た」(辞書例文) |
Iccen lartass les flen jisesn xanastana’s. 「その公主は国民の中で最も惨く死んだ」(辞書例文) |
複代副詞は、主格と対格を同時に指す副詞である。
一人称 | 直接 二人称 | 間接 二人称 | 男性 三人称 | 女性 三人称 | 中性 三人称 | 近称 | 遠称 | |
一人称 | zva | gva | kva | dzva | fva | khva | shva | phva |
直接 二人称 | zvi | gvi | kvi | dzvi | fvi | khvi | shvi | phvi |
間接 二人称 | zvis | gvis | kvis | dzvis | fvis | khvis | shvis | phvis |
男性 三人称 | zvu | gvu | kvu | dzvu | fvu | khvu | shvu | phvu |
女性 三人称 | zve | gve | kve | dzve | fve | khve | shve | phve |
中性 三人称 | zvo | gvo | kvo | dzvo | fvo | khvo | shvo | phvo |
近称 | zvoy | gvoy | kvoy | dzvoy | fvoy | khvoy | shvoy | phvoy |
遠称 | zvoj | gvoj | kvoj | dzvoj | fvoj | khvoj | shvoj | phvoj |
Wioll zvoy lkurf. 「私はそれを言うだろう」(旧文法書) |
複代副詞には-ss(主語の複数化), -euss(目的語の複数化), -t(従属節)が付く事が出来る。
助動詞は動詞修飾詞の一つで基本的に文頭について態、相、時制などを表す。
Edixa leche's lkurfo'i firlex villast mal…... 「レチはそれを聞いて……」(Skyl.1:18 2:1) |
Edixa ipeics niv la doriedesse's. 「作物が育たなくなったのです」(Skyl.1:7 4:2) |
口語体や詩語体では文末や動詞の前後に来ても良いが、比較的崩れた言い方に聞こえる。
Mag, relodass ycax ziechijavol edixa. 「そのために家族はみな姿勢を直した」(Skyl.4:12 2:2) |
Men harmae jisesn edixa falirla? 「一体だれが死んだのですか?」(Skyl.4:11 4:3) |
助動詞の否定は動詞の否定に準ずるが標準的には niv が後ろからくる。
......pa cene niv akranti la lex lapj letixo mi’st akrantianfy’st. 「……が、タカン語が読めるのに私は読めなかった」(eldjx#1) |
Mi pusnist niv co pa elx deliu niv tydiest ete'c. 「止めないけど、他のところへ行くべきじゃないわ。」(いせにほ#54) |
現代標準リパライン語では過去と未来などのテンス(時制)を助動詞で表現する。過去は edioll を、未来は wioll を用いて表す。無標は現在ではなく、時制不定である。
…...melx edioll deliu mi tidest la lex. 「……であれば、私には聞くべきことがあった」(eldjx#19) |
wioll m'adurt com da lax co's reto'l eung 「君は死にに行くのかね」(LAR#67) |
Edioll mi tydiest tokio'd ispien avarpecve'l y io nestile'd snenik. 「東京国際展示場へ前日行った」(辞書例文) |
アスペクト(文法相、相)は行為の進行度や進行における位置を指し示す。無標は特定のアスペクトではなく、アスペクト不定である。
起動相(開始相)はその行為が始まったことを表す点のアスペクトである。これを表すためには liaxi という助動詞を用いる。大抵、日本語には「~し始める」で訳すことが出来る。
Liaxi mi jel ci’d volesel la vxorlnajten’c. 「彼女の生い立ちに興味が湧いてきた」(eldjx#10) |
Mal, fevi'a es farnen mels elmo liaxi. 「そうしてフェヴィアは戦いの準備を始めた」(Skyl.4:17 5:1) |
存続相(持続相)はその行為が行われる途中であることを表す線のアスペクトである。これを表すためには liaxu という助動詞を用いる。大抵、日本語には「~している」で訳す。
Liaxu co tesyl lot lkurf lineparine. 「リパライン語なら上手く話せているよ」(いせにほ#156) |
Liaxu mi tisod pa mi firlex niv. 「考えてますけど、分からないです」(いせにほ#87) |
完了相はその行為が完了したことを表す点のアスペクトである。これを表すためには liaxa という助動詞を用いる。大抵、日本語には「~した」で訳すことが出来る。
Liaxa mi fiur tojil veafelz fal pesta. 「嫌な予感が過った」(eldjx#7) |
Niv, Wioll liaxa co xel fqa melx lecu miss ycax lefhil. 「いいえ、これを見てから爪を切るのよ」(いせにほ#158) |
完了持続相はその行為が完了し、その状態が続いているを表す線のアスペクトである。これを表すためには liaxe という助動詞を用いる。大抵、日本語には「~した状態でいる」で訳すことが出来る。
Liaxe harmie co dzart niv lech fal fqa anne. 「お前がレチを連れてこないでのうのうといるのは何故だ」(Skyl.1:13 3:1) |
Liaxe cene niv co'sci lkurf lineparine ja? 「君がリパライン語を話せないんじゃないか?」(いせにほ#126) |
結果相はその行為が別の行為を起こしたことを表す点のアスペクトである。これを表すためには liaxo という助動詞を用いる。大抵、日本語には「~して、何かが起きた」で訳すことが出来る。
simerguston ezon tisod surul liaxo. 「彼なりの考えがあってのことであった」(Skyl.4:17 6:3) |
...melx liaxo mi arcies lkurferl ci’st melx... 「彼女の話していることをよく聞くと」(eldjx#12) |
結果持続相はその行為が終わってから、別の動作が行われているを表す線のアスペクトである。これを表すためには liacy という助動詞を用いる。大抵、日本語には「~して、~している」で訳すことが出来る。
Liacy lech tvarcar fadolernil'c falirla. 「レチは何日も祈る事をやめなかった」(Skyl.1:7 6:1) |
Firlex, liacy mi ny kenis. 「そういえば、思い出したことがある」(eldjx#7) |
反復相はその行為の反復、習慣性を表す線のアスペクトである。これを表すためには liaoll という助動詞を用いる。大抵、日本語には「(よく)~する、~している」で訳すことが出来る。
Liaoll deliu kynte mol nasteolen larta fua als iulo. 「指導者たるもの、全ての事象に万全でなければならない」(eldjx#1) |
La mylonefferger da dzarhal liaoll ex. 「驕れる者は滅びるものなのである」(Skyl.4:20 6:3) |
口語では時制と相を同時に一つの助動詞で表すことが出来る短縮助動詞を使うことが多い。 liaoll は慣例的にはここに含まれる。
無相 | 開始 | 存続 | 完了 | 完了 存続 | 結果 | 結果 存続 | 反復 | ||
(-oll) | (-xi) | (-xu) | (-xa) | (-xe) | (-xo) | (-cy) | (-oll/al) | ||
無時制 | (lia-) | liaoll | liaxi | liaxu | liaxa | liaxe | liaxo | liacy | liaoll |
過去 | (edi-) | edioll | edixi | edixu | edixa | edixe | edixo | edicy | edial |
未来 | (wio-) | wioll | wioxi | wioxu | wioxa | wioxe | wioxo | wiocy | wioal |
ムード(法)は行為への話者の態度や意図における位置を指し示す。無標は特定のムードではなく、ムード不定である。
命令の助動詞 shrlo は命令を表す助動詞である。口語では一般的に動詞を文頭に置くことで命令を表すため、文語で主に使われる。
Pa mi's ja mol pleon y gelx shrlo co's vietist. 「しかし、私は正しくあろう、さあ答えなさい」(Skyl.4:35 4:3) |
Ispienermedarneust shrlo da enomionas! 「国際共産主義活動よ、連合せよ」(ISDE#1) |
推奨・義務の助動詞 mole は推奨や義務を表す。 deliu と混同される傾向がある。
Ny vilartiust'i es mole niv fua lasyk. 「簡単にするために慣れない方法をするべきでない」(Skyl.4:6 6:2) |
Co set junarle gelx mole morliul. 「凄い怪我ね、治さなきゃ」(いせにほ#195) |
意思の助動詞 jol は意思や可能性、自発的であることを表す。古語では可能性は maki という助動詞を用いて表されていたが、現代では jol に吸収されている。
Mi mol sulaurna pa sulaun niv jol. 「眠いけど眠らないつもりだ」(辞書例文) |
Jol niss metista es enforle ly. 「彼らは客だろう」(eldjx#2) |
義務・推奨の助動詞 deliu は義務や推奨を表す。 mole と混同される事が多い。
Lkurf celx deliu mi qune mal firlex mels ciust. 「言いなさい、あなたの行為の意味を理解するためです」(Skyl.4:30) |
Deliu wioll hame miss sietiv fasta no? 「私達、これからどう暮らしていけば良いんだろう?」(いせにほ#175) |
可能の助動詞 cene は可能を表す。リパライン語では状況可能と能力可能を区別しない。
Nat niv xelerl’i elx cene niv snardze pelx…... 「まだ見ていないものを断言することはできないが……」(eldjx#7) |
Dzeparxarzni'arsti, cene co lkurf mi'd ferlk? 「ジェパーシャーツニアー、私の名前を言うことは出来ますか?」(いせにほ#179) |
Fevi'a'd la elmerss elx cene niv tastalst. 「フェヴィアの兵たちは逃げることができなかった」(Skyl.4:20 5:2) |
希望の助動詞 selene は希望を表す。
Selene mi knloan kysen jujoj...... Cun, no es esil lurli'a'it 「温かい食べ物が食べたい……だって、ルーリア祭の時期よ」(いせにほ#175) |
Xarzni'arsti, selene mi velbarle pesta la lex. 「シャーツニアーさん、その前にヴェルバーレがしたいのですが」(いせにほ#177) |
意思の助動詞 lecu は意思を表す。
Plax, tydiest co's lecu mal plasi mels alefis 「どうぞ、行ってアレフィス様についてお教えください」(Skyl.1:9 5:3) |
Lecu mi's da tals la l' me cel qun' la na'd mi'it ke. 「それを語って、貴君に今の我を分からせよう」(Skyl.4:33 6ː3) |
禁止の助動詞 fe は禁止を表す。
Viojssasti! fe ydicel la lex. 「兄弟たちよ! 何を恐れるか」(ISDE#1) |
Ai'r tvasnko'd tarmzi lkurf niv elx fe lkurfo lineparine 「アイル人の信仰の皇論はリパライン語を話してはならないなんて言ってない」 (いせにほ#207) |
Fe larta xel dexafel filx elx veleser ycaxo fal esil la lex'it. 「切られる人以外火は見てはならないのよ」(いせにほ#158) |
不必要の助動詞 fenxis は不必要を表す。
Xola’d ckurjaver l’es mi is zantanasch melx fenxis elm. 「革命の先導者である私が武装して、戦う必要はなかった」(eldjx#5) |
Fenxis miss ydicel normtaver da. 「もう我々は暴虐者を恐れることはない 」(ISDE#2) |
控えめの希望の助動詞 fi は控えめの希望を表す。しかし、一般的に fi は条件節を作るのに使われる。
Fi mi lius cene werlfurp'i. 「私がウェールフープを使えたらなあ」(辞書例文) |
Fi tysnen sipe. 「奴を倒したいなあ」(辞書例文) |
文頭に付いた助動詞は関係節や動詞連体形名詞の動詞にも適用される。
Jol selene si lkurf lkurferl. 「彼は話したいであろうことを話したいだろう」(初学者) |
これを区切るために eo lex という表現を用いる。
Jol selene si lkurf eo lex lkurferl. 「彼は話すことを話したいだろう」(初学者) |
基本的にこれは動詞の直前に付けられ、助動詞を変更する場合は eo lex と動詞の間に入れる。
Jol selene si lkurf eo lex deliu lkurferl. 「彼は話さなければならないことを話したいのだろう」(初学者) |
口語では elx という省略形が利用される。
Jol selene si lkurf elx lkuferl. 「彼は話すことを話したいだろう」(初学者) |
口語で助動詞が文末に来る場合、elxは確実に省略される。
eo lex niv を口語では elxif と省略する。
Tvaxntanfer es xale elxif icverger gia'it. 「不信心者はまるで宝を受けない者のようである」(Skyl.2:2 1:1) |
助動詞の効力を続けるが、それ以降では助動詞に対する極性(肯定・否定)を反転するためには elxify を用いる。これは動詞の前に無くても良い。
Cene mi lkurf lineparine pa elxify ni lkurf lineparine. 「私はリパライン語が話せるが彼はリパライン語が話せない」(辞書例文) |
助動詞の修飾制御にまつわる単語と一部の接続詞は縮約語が存在する。
elx | elxif | elxify | |
pa(逆接) | pelx | pelxif | pelxify |
mal(順接) | melx | melxif | melxify |
cun(理由) | celx | celxif | celxify |
mag(説明) | gelx | gelxif | gelxify |
zu(関係節前置詞) | zelx | zelxif | zelxify |
ad(単並列) | delx | delxif | delxify |
adit(複並列) | adelx | adelxif | adelxify |
i(閉節) | jelx | jelxif | jelxify |
id(i ad) | idelx | idelxif | idelxify |
idit(i adit) | idielx | idielxif | idielxify |
Selene NIV mi m'is valgante, icve en'iar pelxif veles karseo feyl'i laivnejte'l. 「私はヴァルガンテになりたくもないし、仕事もいらないけれども大通りまでの道を教えてほしい」(戦う詩人#4) |
助動詞の修飾制御にまつわる単語と一部の前置詞は縮約語が存在する。
elx | elxif | elxify | |
fal | falx | falxif | falxify |
io | iolx | iolxif | iolxify |
el | eulx | eulxif | eulxify |
pesta | pestrie | pestrexif | pestrexify |
fasta | fastrie | fastrexif | fastrexify |
le | leceu | leceuxif | leceuxify |
les | lecceu | lecceuxif | lecceuxify |
il | ilx | ilxif | ilxify |
ils | ilxe | ilxeif | ilxeify |
dalle | dallelx | dallelxif | dallelxify |
xale | xallelx | xallelxif | xallelxify |
eska | eskalx | eskalxif | eskalxify |
eski | eskilx | eskilxif | eskilxify |
fai | failx | failxif | failxify |
faller | fallelx | fallelxif | fallelxify |
filx | fillelx | fillelxif | fillelxify |
fon | folx | folxif | folxify |
fua | fulx | fulxif | fulxify |
la | alx | alxif | alxify |
melet, mele, mel | meux | meuxif | meuxify |
mels | belx | belxif | belxify |
Edixu siss yst lkurf belx jol wioll voleserl. 「彼らは起こるであろうことについて話していた」(辞書例文) |
助動詞の修飾制御類と分離標識には縮約形が存在する。
elx | elxif | elxify | |
fau | faulx | faulxif | faulxify |
faus | fausxe | fausxif | fausxify |
fea | fealx | fealxif | fealxify |
feas | feasxe | feasxif | feasxify |
fiie | fiielx | fiielxif | fiielxify |
fiies | fiiesxe | fiiesxif | fiiesxify |
feu | feulx | feulxif | feuxify |
feus | feusxe | feusxif | feusxify |
Cene no io miss tisod elxif edixu eso alarta faulx wioll jol ixfanterl. 「今、私達が考えられるのは組織が統一を目指すものではなかったことだ」(辞書例文) |
リパライン語では前置詞と後置詞の双方がある。これらをまとめて接置詞と呼ぶ。接置詞は名詞句などの前に来て、それに特定の意味を与えて名詞や動詞を修飾する小辞である。
...... Miss'd la tonir tast niv miss xale lartastanss. 「……我々の神はあなたのような人間を裏切らないわ」(いせにほ#54) |
......pa valkarsa eufon y dyrur da fausteu la aldas movenf fal pesta 「……しかし、その時アルダスはヴァルカーザの実を摘んでいた」(LAR#16) |
接置詞は形容詞や副詞と同じように -j を語尾につけることによって前置詞・後置詞を反転させることが出来る。
Als sierosta's nea l'amol dzosnir falj, …... 「草々が今のように草原にある処で……」(Skyl.2:3 1:2) |
Mag, cene miss itepeveal cecioj elx lex deixmelines lanerme ad viojss. 「だから、我々は単に髪を染めただけのラネーメ人と同胞を区別できる」(eldjx#8) |
口語体と文語体では使い分けが異なり、口語体では基本的に自由だが動詞の前では後置詞を用いて動詞の後では前置詞を用いるが、文語体では全てを後置詞にして用いる。
口語体 | Mi mol el jurmil faxinisti'avola's fal fqa. 「私は信号が青になるまで信号のところにいた」(辞書例文) |
文語体 | Mi’s faxinisti’avola’st jurmil elj fqa io mol. 「私は信号が青になるまで信号のところにいた」(辞書例文) |
本項では主要な前置詞を解説する。
前置詞 fal は場所、時間、方法などを広く表す。
Lineparine veles lkurfo fal fqa. 「ここではリパライン語が話される」(初学者) |
Deliu mi melfert lael fal fontles ly. 「まず最初に探すべきなのは地図だろう」(eldjx#7) |
前置詞 filx は欠格を表す。
Lineparine’d la votyn’d liumo veles jato filx fhasfa. 「リパライン語の二次的利用は誰の何に関係なく許可されている」(初学者) |
Jol cene fqa io co veles sleo filx kinium. 「ここに身分証明無しで診察できるところがあるの」(いせにほ#179) |
前置詞 fon は属格、物の性質、名詞の副詞化などを表す。
Fqa es panqa fon rijust. 「これは豚の一種である」(初学者) |
Harmy unde fon ales io gir'i mi kjilf ti? 「アレスの治世に何故私はこのようなことをしてしまうのかしら?」(Skyl.4:22 4:1) |
前置詞 fua は利益や理由を表す。古リパライン語では後置詞だったため、後置詞として使われている場合もある。
Edixa mi klie fua stiestudriso. 「私は強くなるために来た」(初学者) |
Liaoll deliu kynte mol nasteolen larta fua als iulo. 「指導者たるもの、全ての事象に万全でなければならない」(eldjx#1) |
前置詞 melet, mele, mel は近くに存在することを表す。
Agesquiko'tjeu jan vietist ci's melet mian. 「冗談交じりで少女の隣の彼女は答えようとしていた」(Skyl.4:28 3:1) |
Krantjlvil mol mele fi’anxa. 「教会の近くに図書館がある」(初学者) |
Mel la na's la lex da leus co jur la harmie? 「現状の隣にあるそれであなたは何を変えるのですか?」(Skyl.4:31 1:2) |
前置詞 mels は関係することを表し、「~に関する」という意味を表す。
Harmie ci lirf mels lurli'a'd knloanerl? 「彼女はルーリア祭の食べ物だと何が好きかな?」(いせにほ#185) |
Fontalobusen larta es rotist mels fqiu phupurca…... 「眼の前に居る人間がこの意味不明な状況に詳しいと……」(eldjx#19) |
前置詞 ny は名詞に前置して反義語を表す。
Fi co jel la ny luxul, mi nacees pa 「もし快く感じなかったのであれば、ごめんなさい。でも……」(いせにほ#177) |
Co ny lirf niv felx deliu co is tvasnker lipalaone. 「もし嫌じゃなかったら、リパラオネ教徒になったほうがいいわ」(いせにほ#180) |
前置詞 xale は名詞の後ろに来ると「~のような」、動詞の後ろに来ると「~のように」という意味を表す。
…… Mi en diepojasti zu es dotyr larta’s xale lanerme. 「……私はラネーメ人のような人間が商っているその店に入った」(eldjx#1) |
Ers niv kandyravo xale ciantio stokyd? 「トマトを潰すように酷い目にあうのではなくて?」(いせにほ#181) |
xaleは後置詞としても使える。
La lex las xale iulo voles mag fusafa’st jisesno’s corlnon mol. 「あんなことがあったのだから、心が死んで当然だろう」(eldjx#1) |
La lex xale moliupi'a mal yuesleone'ct molo es le vynut. 「そんな扱い、ユエスレオネに居たほうがよかったわ」(いせにほ#205) |
こういった前置詞としても後置詞としても使える接置詞のこともNAANと呼ぶ。
前置詞 eska, eski は内外への方向性を表す。eskaは「~の中で、中へ」、eskiは「~の外で、外へ」を表す。
Snidiafa fudiur eska krantjlvil. 「スニデャファは図書館の中に入る」(辞書例文) |
Klormainsestan faut la lex xelon en eska torparr. 「クローマ生はそれを見て書店の中へと入った」(eldjx#17) |
Lecu miss alvaikon eski fqa. 「とりあえず、この外に出よう」(eldjx#10) |
Fi fqa ler co eski tydiest, elx wioll co niejod. 「もしここから君が出れば、生きられるだろう」(いせにほ#192) |
前置詞 el は到着点や対象を表す。「~へ、~まで、~に対して」と訳される。
…...snusnij el snutokastan plax lu. 「……お部屋にお戻りください」(いせにほ#190) |
Miss axergon cuturl lavol fai desel el retla 「徒歩で出て、レトラまで脱出する」(いせにほ#16) |
文語や詩語では後置詞として扱われる場合もある。
pa marlss lex niliej jurlo fai yeu da jostol si el jol 「しかし、町民たちが恐れたことによって彼に伝えようとして」(LAR#17) |
前置詞 fasta, pesta は物と時間に対して使われるが、それぞれで意味が反転している。間違わないように注意が必要である。
Fasta | 物 | ~の前の、~の前方にある | ||
時間 | ~した後に、~した以後で | |||
Pesta | 物 | ~の後の、~の後方にある | ||
時間 | ~する前に、~する以前に |
co nun mels lineparine fasta misse'd kyrdentixti. 「僕たちの病院の前でリパライン語について質問してたじゃないか」(いせにほ#182) |
Dea klie stedelafa’d klantez dera’d liestu’s fasta la lexil pa…... 「その後にステデラフの偉大な思想の時代が来るのだが……」(eldjx#20) |
Mi m'es melir xici, mol pesta co. 「私、メリーさん。今あなたの後ろに居るの」(辞書例文) |
Xarzni'arsti, selene mi velbarle pesta la lex. 「シャーツニアーさん、その前にヴェルバーレがしたいのですが」(いせにほ#177) |
詩語などでは fast, pest という短縮形が用いられることがある。
Snyror mianastan ta xal mirlia pest berxa. 「麗しい少女はベーシャの後ろに何かを待っているかのように立っていた」 (Skyl.4:28 1:2) |
Fieu niv da josnyn plelajnef la lart's fast fqa,...... 「もし、貴君の前に相応しい者が現れないなら……」(Skyl.4:33 3:3) |
本項では主要な後置詞を解説する。
後置詞 leus は具格を表し、「~を使って」という風に訳せる。実体的な道具や方法を表すが、原因は表さない。
Cene fqa leus miss icve fhasfa? 「これを使ってなにか貰えるかな?」(いせにほ#187) |
Mel la na's la lex da leus co jur la harmie? 「現状の隣にあるそれであなたは何を変えるのですか?」(Skyl.4:31 1:2) |
後置詞 at は並列や付加の意味を付け加える後置詞である。その他の接置詞や格と伴って使われる。
Si qune niv si'd lexissnen mag tvacferlk at melsj si qune tesnoken ferlk lap. 「彼は誕生日を知らないので、祭祀名称は名前のみなんです」(いせにほ#178) |
Cun, fi'anxa'st celdino at es tonir'd birle. 「だって、フィアンシャの助けも神の恵みだもの」(いせにほ#180) |
後置詞 cecio は間にあることを表し、「~の間に、~の間の」という風に訳せる。
E celes euenelsteino cecio fi'anx. 「彼女をフィアンシャと家とで通わせたのである」(Skyl.4:3 2:2) |
Mag, cene miss itepeveal cecioj elx lex deixmelines lanerme ad viojss. 「だから、我々は単に髪を染めただけのラネーメ人と同胞を区別できる」(eldjx#8) |
後置詞 io は場所、時間、方法などを広く表す。前置詞 fal に対応する。
Fqa io deluses morliulel fua kertni'ar? 「ここなんでケートニアーの治療法なんて必要なのか?」(いせにほ#133) |
Snutokastan io pan'd vefisait annia mol. 「その部屋には一人のヴェフィサイトの男が居た」(Skyl.4:3 6:1) |
後置詞 ler は奪格や方法、原因を表す。「~から」、「~によって」、「~をつかって」などと訳される。
Zu, naa'ra fon hata ler ci klie. 「つまり、ハタ王国から彼女は来たということか」(いせにほ#139) |
Cene tvacferlke'd tesnoken aloajerlerm ler mi firlex ci'd ferlk. 「祭祀名称の名前から彼女の名前がわかるのですよ」(いせにほ#179) |
後置詞 cix は「~として」、「~にあたる」と訳される。
Xol’it kyrferger cix mi snesva mal xol ises? 「革命の先導者たる私が居なくなって、革命が成功するだろうか?」(eldjx#6) |
Vefistess la arulf foneu niss da cix is. 「ヴェフィサイトたちは彼らのアーウルフとなっていた」(Skyl.4:37 3:3) |
後置詞 lap は限定を表し、「~のみ」、「~だけ」などと訳される。
Pa, mi lap niejod. 「でも、僕だけは生き残った」(いせにほ#184) |
Si lkurf elx deliu lersseo cosse'st lap ai'r'd lkurftless'it. 「彼は私達だけでアイル語を学ばなければならないと言った」(いせにほ#205) |
後置詞 lar は目標期間を表し、「~まで」と訳される。
Inelnesil lar lersse deliu. 「試験期間までに勉強しなければならない」(初学者) |
Mili lkurfil lar plax. 「話すときまで待っていてください」(辞書例文) |
後置詞 las は「~なんて」と訳され、軽視していることを表す。
La lex las letix niv kante dornerja? 「そんなことに意味はないんじゃないかな?」(eldjx#19) |
Pa ni xel las xale plenerfe larta niv. 「しかし、彼の人はそのようには見えませんでした」(Skyl.1:5 2:3) |
後置詞 it は影響や依拠するものを表す。
Xol it kantio corlain veles furnkieo pa, la lex is niv men? 「革命によって教育も変わったはずだ、そうではないのだろうか?」(eldjx#6) |
Edioll selun es xelken lineparine it. 「子供がリパライン語の影響でxelkenになった」(辞書例文) |
後置詞 lovik は「~あたりの、くらいの」を表す。
Mi letix 300’d ledz lovik gelx jol cene mi dosyt oniex las lyme. 「300レッジュもあればパンくらいは食べられるだろうと思った」(eldjx#1) |
Fqa lovik tierij veles niv tvarlo. 「ここらへんの車は盗まれなかった」(初学者) |
接続詞は文や句を並べ、関係を表すために用いる。句接続詞は名詞句などを挟んで繋げる役目をし、文接続詞は文を繋げる。
Cene si lkurf lineparine ad yrgokk. 「彼はリパライン語とユーゴック語が話せる」(初学者) |
…...mal fqa'd la larfa's da mol seldia fuaj…... 「……この筋は正義のために……」(LAR#3) |
接続詞 ad, adit, malt は並列を表す。2つの名詞句には ad が使われ、3つ以上のものを並列する場合は adit を用いて、2つ目以降をコンマで並べる。adit はそれ以外の物を含むことを明示する場合もある。それ以外のものが含まれないことを明示したい場合は malt を用いる。malt にはコピュラの補語を並立する場合に adit に対して排他的に使われていたが現在ではこれは古い用法になっている。
Jazugasakisti, co ad ci miscaon klie fqa'd lersse? 「八ヶ崎君、君と彼女は一緒にこのクラスに来たのかい?」(いせにほ#130) |
Firlex, pa miss letix niv kanteluesco adit et. 「なるほど、でも教科書とかは持ってません」(いせにほ#204) |
Miss es iccoer malt relod, vioj. 「我々は国民であり、家族であり、同胞だ」(初学者) |
これらは連続して単語の間においても良いが、表現が洗練されていない印象を与える。
なお、i ad, i aditの縮約形として id, idit が使われることもある。
接続詞 ol, maol, o, olt は物事を並べてそれらのうちのどれかを選べることを表す。厳密には ol, maol, o は「AかBか、どちらか一つ」を指し、 olt は「AかBか、またはどちらも」という意味を表すが、口語的には厳密に区別されない。 ol は口語・文語の双方で用いられるが、maol は文語で、o は口語で用いられる。
Korxli'a es ny eno ete'd icco'l fai elmo ol fhasfa. 「難民は他の国へ戦争などで出ていくことだ」(いせにほ#194) |
mag fusaf mol fal fqa cix mi o co dur da. 「そのために心は此処として私かあなたにあるのだ」(Skyl.2:4 6:3) |
Jol mi felifel marvel dilfarst olt staxdirco. 「ガーネットかサファイア、私は好きな方をあげようと思う」(初学者) |
marlasta malt fonticco'd en'iarver cix isnaxte si's. 「市か県の職員として彼は就任する」(初学者) |
接続詞 danif, danifaj はそれぞれ「~でないか~でない、もしくはどちらでもない」「~でも~でもない」という意味を表す。
Mi firlex niv za'kkan danif stelains. 「隕石でも、地震でもないか、またはどちらでもないかは私は知らない」(初学者) |
mi es co'd celdiner danifaj fenxerger. 「私はあなたのお手伝いさんでも給仕でもない」(初学者) |
通常、接続詞と niv を組み合わせた表現(例えば、上記の例文だと«Mi es niv faller co’d celdiner ad fenxerger»など)で表すことが多い。そのため、これらの接続詞を使って表現する場合は強い否定を表す。
文接続詞は文を隔てて文頭に立つ場合などにその後にコンマを打つ場合などがある。
接続詞 mal は順接、理由、帰結などを広く表す。
…mal mi liax xel da velgan ple... 「……我はヴェルガナの正道を見たので……」(LAR#4) |
dejixeceen veýl'i kyrna mal aduarne. 「お互いの文化を理解し合い、前進する」(ISDE#5) |
接続詞 mag, cun は理由を表す。理由節は mag では前に来て、cun では後に来る。そのため、それぞれ「だから、なので」、「なぜなら」と訳すことが出来る。
Si celdin xalija decafeleme'tj mag is jatekhnef. 「彼はシャリヤを自己犠牲の下助けようとしたから疑いは晴れたのよ」(いせにほ#61) |
Cun, co es les yletta faller mi’d aziuk. 「俺の作品の中で一番大切な存在だからね」(eldjx#19) |
接続詞 pa は逆接を表す。
...mal la lex stes liparxe pa pemecepe-lujot ad liparxe waxes. 「…ペメセペ・ルヨットはリパーシェとは似て非なる文字体系である」(KLP#1) |
Mena xel co'd feg pa zelk xel co'd liepop. 「友人はあなたの顔を見ている、敵は足を見ている」(初学者) |
接続詞 fi, fie は仮定を表す。前者は fi A, B で、後者は A fie Bで「もしAならばB」となる。
Fi co letix aziurg, klie fi'anxa. 「何かあれば、フィアンシャまで来てください」(いせにほ#46) |
Fi fqa ler co eski tydiest, elx wioll co niejod. 「もしここから君が出れば、生きられるだろう」(いせにほ#182) |
Miss nat niecis niv fie set larta dat v'ret ka? 「我々が今抗わなければ、何人もの人間が死ぬのですよ?」(Skyl.4:32 5:3) |
接続詞 menial は「さもなければ」のような意味を表す。まず行うべきことが表され、この単語の後にそれが行われなかった場合の帰結が書かれます。
Jeteson cuturl menial jisesn alsa's! 「早く脱出しないと皆死ぬぞ!」(辞書例文) |
No io text melfekasta jisesnal mol mi's pa text niv menial kujite'c mi's tydiest. 「今選んだ所でどのみち死地に居るわけだが選ばねば地獄へ行くことになる」 (辞書例文) |
接続詞 lirs は「…というより」「…というか」というような意味を表す。最初に現れた文がそう表すべきではなかったり、そう表すことが微妙だと思う場合に使われる。
Lirs xij cenesti, deliu co lersse lineparine. 「ともかく翠兄さん、あなたはリパライン語を勉強するべきだ」(いせにほ#37) |
Lirs, nool io mi deluses acirlan... 「まず、今の状況で私が必要としている情報は…」(eldjx#7) |
接続詞 i は節を取る語がどこまでの単語を節として内包するかを明示する小辞である。
Insirznyk fiie ircalart i snenikestan io sninisten tolid xale mol. 「この日の教室は日曜日の朝のように静かだった」(旧文法書) |
Edixa si celes veleso dijyki'st i knloanot mi'st. 「りんごは彼によってわたしに食べさせられた」(辞書例文) |
分離標識(分離詞)は主語と目的語を前後のいずれかに取る機能的な接続詞の一種である。文語では es にのみ利用でき、詩語や口語では全ての動詞に利用できる。分離標識は直前の名詞クラスと語順によって単語が使い分けられる。SO語順では標識の前に主語を取り、後に目的語を取る。OS語順ではこれの反対となる。従属節では -t が付けられる場合もある。
なお、変格動詞の場合は目的語の代わりに取れるものが与格語や補語に変わる。同一語幹の動詞に一般動詞と変格動詞の用法が存在する場合は一般動詞の用法が優先される。
SO語順 | OS語順 | |
紅クラス | fau | faus |
蒼クラス | fea | feas |
烏クラス | feu | feus |
葵クラス | fiie | fiies |
Mi firlex niv eso la lex fea flern. 「彼女の好みは分からないけど」(いせにほ#136) |
Xel. Si jat eso si fea ceg! 「見ろ、スパイだと認めたぞ!」(いせにほ#53) |
一部の接続詞は縮約されて、単語の語頭に膠着する場合がある。多くの場合、口語で動詞の語頭が母音である場合にこれが起こるが、必ず単語の語頭が母音でなければならないわけではない。
原型 | 省略形 | 例(aprartに付けた場合) |
cun | c’- | c’aprart |
fie | f’- | f’aprart |
mag | g’- | g’aprart |
mal | m’- | m’aprart |
pa | p’- | p’aprart |
zu | z’- | z’aprart |
Krantielyren aziuk'it luso p'jel co la agvir'c, la hiurn es niv vynut lys jol. 「文学作品を使うには早いと思うけど、暇なのは良くないからね」(いせにほ#19) |
Marlerss baxt m’emcolisves slvexvijavo,...... 「市民たちが陽気に値切り交渉をし……」(eldjx#20) |
Ja, Edixa mi c'jel si la riesnieste'c,...... 「うん、貧しそうに見えた、だって……」(いせにほ#213) |
F'ret mi vel ja fal no, elx mi fyrkja niv da. 「しかし、今私が殺されれば償いもできなくなります」(Skyl.4:31 2:2) |
Miss g'es nefsietivaler, niejod fai velbarleo. 「私達はホームレスなんです、ヴェルバーレで生きているんです」(いせにほ#189) |
法制詞は相位詞とも呼ばれる品詞で、文に付いて感情や人格、立場や証拠性などを表す。下位分類として、主に文末に付く相位動詞と動詞の前後に付く相位副詞が存在する。しかし、一般的に相位詞は文中の何処に置かれても良く、また間投詞のように単独で登場することも出来る。相位副詞は古語的存在となっている。
Firlex, mili plax ja. 「なるほど、待ってくれよ」(いせにほ#203) |
Fenxis miss ydicel normtaver da. 「もう我々は暴虐者を恐れることはない 」(ISDE#2) |
相位動詞 ja, yn’y, y’n’y は軽い同意を求める問いかけなどを表す。単に語調を親しくする場合に使う場合もある。なお、y’n’y は yn’y の表記揺れである。
Cene co lkurf lineparine ja. 「君はリパライン語が話せるんだね」(初学者) |
Cirla io tidist cel edioll yn’y do. 「俺を本当に怒らせたな」(辞書例文) |
Fgir'd afeneljrfa es kebala y'n'y? 「あのジャケットかっこいいよな」(辞書例文) |
相位動詞 lu は丁寧さや真摯な姿勢を表す。
Ci es liplain lu. 「彼女はリパラオネ人です」(eldjx#8) |
Plax shrlo tuan co'd kranteerle'd ladirrisil lu. 「どうか返却日を忘れないようにしてください」(いせにほ#41) |
相位動詞 plax は命令と合わせて、丁寧な依頼を表す。
Niv, plax lkurf mi cixj <hingvalir>? 「いや、お願いだからヒンヴァリーって呼んでくれる?」(いせにほ#42) |
Ar, Nace. Lkurf lineparine plax, cenesti. 「あー、すまん。リパライン語で話してくれ、翠」(いせにほ#50) |
相位動詞 dea, da は強意、強調を表す。前者は口語で用いられ、後者は詩語で用いられる。詩語で用いられる da は強調の意味が大分薄れている場合があり、特に文末に来ていない da に関しては語調を整えるために挿入されている場合が多い。
Dea klie stedelafa’d klantez dera’d liestu’s fasta la lexil…... 「その後にステデラフの偉大な思想の時代が来るのだが……」(eldjx#20) |
Ispienermedarneust shrlo da enomionas! 「国際共産主義活動よ、連合せよ!」(ISDE#1) |
相位動詞 ly は推論や伝聞を表す。
Selene si lkurf cossa'tj fal finibaxli'd 12:00 ly. 「明日の12時に話があるんだって」(いせにほ#159) |
…...celx selene pemetorles co'tj ly. 「……あなたのそばに居たいからよ」(いせにほ#158) |
相位動詞 lys は同意を求めていることや確認を表す。
Xel la lex leveu yletta na'i da lys ti. 「現状の隣にあるそれであなたは何を変えるのですか?」(Skyl.4:31 1:2) |
…...pa liparxe’it lex krante kranteerl mol laponj lys. 「……けど、どうやらリパーシェが書かれている本はこれだけらしいね」(eldjx#17) |
相位動詞 cis は被害や迷惑を表す。
…...mal firlex niv cis. 「……知る由もないが」(eldjx#) |
fai d'ens, la vaklen zu ret vioj's liacyeu cis da, 「憂いと苦しくも死んでいった同胞の哀訴に従い」(Skyl.4:33 4:1) |
相位動詞 yrt, atif はそれぞれ適当・不適当を表す。
…...gelx deliu siss es farnen mels elx plelajnef moliupi'ao yrt. 「……だから、それ相応の始末を覚悟してもらう必要があるだろう」(eldjx#3) |
Cierjustelerss vejt tisod la l' da fal atif. 「集まっていたものは強く強くそれを思っていた」(Skyl.4:32 3:3) |
相位動詞 nillast, villast, qillast はそれぞれ他意がないこと、修辞的表現などが含まれていること、冗談で文脈を無視して居ることを表す。
Zu, si'd kante es ci'd selunstan nillast lyeu. 「つまり、彼は彼女の子供なのだそうだ」(Skyl.4:36 4:2) |
hartkarfel sietivel ad tvarcarel villast. 「住み方や信仰の仕方について学んだ事を伝えた」(Skyl.1:3 5:2) |
E? Jeska es annia qillast? 「え?イェスカって男でしょ」(初学者) |
相位動詞 alte は冷笑や嘲笑の態度を表す。
Lax velgana'd blurja p'zirl mieuss da dur alte,...... 「ヴェルガナの声が我々に近づくが……」(Skyl.4:26 2:2) |
La lex niecis sopit da alte edixa. 「それは法に背いていたからだった」(Skyl.4:21 2:1) |
相位動詞 blixe は冗談を言っていることを表す。
Fgir es desvele blixe. 「さっぱり分からん」(辞書例文) |
Ja. Lydiest celde tea. Mi es qaka'd larta n blixe. 「そう、lydiestじゃねえよwクワク人になったわ」(Cierjusteliumjt) |
相位動詞 alterblixe, firalterblixe はそれぞれ反反語法、推量反反語法を表す。反反語法とは「~するだろうか(いやそうだ、そうに決まっている)」という意味を表す。推量反反語法の場合だと「そうに決まっている」ではなく、「そうかもしれない」というくらいの意味になる。
Alterblixe no io miss lecu jisesn da ja. 「今我々は進んで命を差し出そう」(ISDE#3) |
Lanerme letoka'st nosturjeso las es la demoale alterblixe? 「ラネーメの電車が遅延とかいつもの事だろう」(辞書例文) |
Firalterblixe is niv farkzirvhi. 「体調でも悪くしたんじゃないのか」(辞書例文) |
Fqiu chajo’d fey io veles pusnisto tierij’s firalterblixe? 「この先は通行止めなのだろう」(辞書例文) |
相位動詞 alteme は自嘲を表す。
Edixa mi agesquik alteme ja! 「私ってば馬鹿げたことを言ってたよ!」(辞書例文) |
Illemavain is fai movierstan alteme. 「この馬鹿のせいで失敗だ」(辞書例文) |
日本語の役割語のようにリパライン語には性別を表す相位動詞が存在している。
相位動詞 do は強気の男性、勝ち気な男性が主に利用する。
Lech zelon lkurf ny la lex kele da ja do. 「レチは続けてこのように言ったのだ」(Skyl.1:17 1:1) |
Knloanerl nat mol dea do! Cuturl! 「食糧はまだあるだろうが!出せ!」(いせにほ#80) |
地方や出自によっては相位動詞 da と混同している場合があり、女性が利用している場合がある。下記の例文はラネーメ系リパラオネ人で20世紀末期に生まれた少女とフレッドシャー系リパラオネ人で20世紀中盤に生まれた女性が発言しているものである。
Salarua, Xalijasti! Edixa mi klie dea do! 「こんにちは、シャリヤ!来たぞ!」(いせにほ#3) |
Ej! Miss klie dea do, leijuafasti! 「おーい、来たぞーレイユアフさん!」(いせにほ#62) |
相位動詞 fo, fyn は落ち着いた男性が主に利用する。ボーイッシュな女性が使う場合もある。どちらの単語を使っても意味の違いはない。
Mi jel la koni’endeili’a fo. 「僕には良く分からないや」(辞書例文) |
Liaxe miss qune elx deliu eso harmie’i fyn. 「僕たちは何をすれば良いのか分かっている」(辞書例文) |
相位動詞 my は女性が主に利用する。地域や出自によっては年配の女性は使わない傾向にあるが、語源の古典リパライン語 myu が主に若年層の女性に使われていたためである。ユエスレオネ時代では一般的でなく、利用することはかわいこぶっていると思われがちである。
Ers yuesleone ler l'ode dalarko my. 「ユエスレオネから落とすよ~☆刑である」(辞書例文) |
Fur lkurf larfi'l my. 「風が心にささやくの」(歌詞翻訳) |
相位動詞 ti は女性が主に利用する。my - ti は do - fo, fyn と対応し、丁寧さや落ち着いたニュアンスを持つ。
Pankalanerfe larta zirkan miss at pankalanerfeel'i lius deliu ti. 「非常識な人間を相手取るんですからこちらもある程度非常手段をとらないと」 (辞書例文) |
Ar, cenesti klie co's fal fqa ti. 「あー、翠、ここに来たのね」(いせにほ#5) |
相位動詞 fa は女性が主に利用する。ある程度砕けた会話で利用される。
Harmie co tisod fa? 「何を考えてるわけ?」(辞書例文) |
Edixa si veles amaleso fa. 「彼は捕まったわ」(辞書例文) |
相位動詞 mirs は女性が主に利用する。一般的に時代遅れとされる。
Harmie co tisod mirs? 「何を考えてるわけ?」(辞書例文) |
Edixa si veles amaleso mirs. 「彼は捕まったわ」(辞書例文) |
相位動詞 ex は中性的な相位詞である。詩語の場合、音数の調整に入れられている場合がある。
ci'st ex xelerl'it da penil io la l' mol nie. 「彼女が起きた時も降っていた」(Skyl.4:25 1:2) |
Vyrle es set lolerce ja mile ex nil. 「冬は例えようもなく長すぎるのだと思う」(Skyl.2:1 1:1) |
疑問の相位動詞には様々なものが存在するが性別と細かなニュアンスの違いで分けることが出来るが、同じ意味を持つ単語がいくつも存在するため注意が必要である。
ニュアンス | (基礎語形) | 中性 | 男性 | 女性 |
一般的な疑問 | (性別相位+-r-+n+-eu) | xerne (exerneu) | dorne (dorneu) | tirne (tirneu) |
n | n, eun, neu, yrn | |||
ng | ng, eung, yrng | |||
men | men, eumen, meneu | |||
推定の疑問 | jarn, jarng, jarngeu |
本項ではリパライン語の間投詞について説明する。間投詞は感情やある種の礼儀を表す。間投詞は主に文頭か文末に置かれる。
こんにちは、おはよう、こんばんは | salarua, salar |
お疲れ様 | afnartarlm |
おめでとう | ceatvirna |
すみませんが、尋ねますが | cespal |
さようなら | erfciknkra |
ようこそ | xux, klie, keples |
ありがとう / ごめんなさい | xace / nace |
了解、分かった、そうだろう、よろしい | carli |
仕方がない、しょうがない | celespacon |
はい / いいえ | ja, corsh / niv |
本当に、そうなんだ | cirla |
もちろん、聞くまでもない | corln |
大丈夫、無事だ | elajarnerfen, elaja |
理解、了解 | firlex |
まったくだ、そうだよ、だろう | jexi’ert |
間違いなく、お任せください | korlixtel |
それで、その続きは? | meseceda |
少々お待ちを、お待ち下さい | nal, nallot |
良いか、考えても見ろ、よろしいか | pefes |
えっ、わっ、何、あーあ、うわぁ | chbiar |
いざ、さあ | dhar |
ダメだ、悪い | dhave |
え、なんて、なに | e |
おい、ごら、やい | ej |
おい、ちょっと、ねえ | ekce |
ひぇぇ、ひえー、うわーん | ery |
はいよー、うぃー | fer |
ふー、はー、へぁー | fhur |
へっ、えっ、なに | hett |
えっと、なんかごめん、うーん | jopp |
おい、こら、やぁ | jei |
ねえ、なあ、よお、えっと、まあ、ええと | merc |
えっと、まあ、ええと、うーん | mer |
おー、おお | or |
ぐっ、ぐはっ | hgg |
えい、おら、よっと | hof |
うーん、うむむ | hn, hnh, hnn |
もぐもぐ、むむ | mm |
やったあ、よかった、なるほど | luarta |
行け、いいぞ | luxul |
でしょ、確かに | lys |
消えろ、失せろ、居なくなれ | iska |
縁起でもない! 不吉だ止めろ! | martnefi’e |
クソ野郎、クソが | xetten |
文体とはリパライン語文法で許可される文法や語法の選択基準となる文章様式の規範である。文体は第一階層文体と第二階層文体に分けることが出来る。
第一階層文体は基層となる文体であり、第二階層文体の基盤となる。
口語体 | 文語体 | 新文語 | |
発音 | 1.2.3. を参照 | 文体共通例外発音 までを適用 | 沿う |
他動詞規範語順 | SVO | SOV | SVO |
修飾語順 | NA/AN | AN | |
格接尾辞 | 省略可能 | 省略不可 | |
省略 | 8.1.5. を参照 | ||
前置詞と後置詞 | 動詞の前では後置詞 動詞の後では前置詞 | 全て後置詞として利用 | 前置詞も後置詞もその品詞に従って利用 |
助動詞の位置 | 文頭、文末、動詞前後 | 文頭 | |
命令表現 | 動詞を文頭に置く 助動詞shrloを使う | 助動詞shrloを使う | |
関係詞のzu | 使える | 使えない | |
関係節の語順 | SOV(lex), SVO(zu) | SOV | SOV |
従属節の-t | 使う | 使わない | |
受動態/使役態 | Veles/Celes V-o | V vel/cel | |
その他 | 口語単語を利用 | 文語単語を利用 語法以外の-en, -on利用不可 | 文語単語を利用 代名詞zi, ni, alsの利用を禁止 語法以外の-on利用不可 |
口語はユエスレオネ時代までに発達した口語表現を規範としたものである。自由度が高く以下のいずれかの文体に属さない文体は大体が口語体となる。口語とはいうものの、ユエスレオネ以降の言文一致運動によってこの文体で文章を書くことは良くある。
Nace cenesti. Pa, cene niv mi xelvin mol fal co. 「ごめん、翠。でも、もうあなたのところには居られない」(いせにほ#55) |
Jol ci lkurf fhasfa mal elx liaxa pusnist la lex. 「彼女は何かを言おうとして、やめた」(eldjx#11) |
文語は中期リパライン語を規範として発達した文語表現を規範としたもので口語と比べて自由度は低い。ユエスレオネ以降の言文一致運動によってもはや古臭い文章体として受け取られることが多い。
Nace cenesti, pa cene niv mi’s co io xelvin mol. 「ごめん、翠。でも、もうあなたのところには居られない」(いせにほ#55) |
Jol ci’s fhasfa’i lkurf mal eo lex liaxa la lex’i pusnist. 「彼女は何かを言おうとして、やめた」(eldjx#11) |
新文語は古典リパライン語を規範としてxelkenが提唱した伝統的文語である。
Nace cenesti, pa cene niv mi’s xelvin mol fal co. 「ごめん、翠。でも、もうあなたのところには居られない」(いせにほ#55) |
Jol ci’s lkurf fhasfa’i mal eo lex liaxa pusnist la lex’i. 「彼女は何かを言おうとして、やめた」(eldjx#11) |
第二階層文体とは、混在可能文体とも呼ばれる文体の第二階層であり、第一階層文体と共存可能な文体である。特定の単語が使われ、ある程度の語法や語順は決まっているが第一階層文体と比べて比較的曖昧な定義になっている。
敬語体は中期リパライン語の敬語規範に沿って成立した丁寧な待遇表現の文体である。敬語体はラネーメ語族の影響を受けて成立し、独自に発達した。目上の人に対する表現ではあるものの硬い印象を与えるために常用されるわけではない。
Cespal, sniertarleesal mol harmue lu? 「尋ねますが、郵便局はどこですか?」(辞書例文) |
Selene mi pelus nunerl melx zi tilien xei lu? 「恐れ入りますが、チェックインはお済みでしょうか?」(辞書例文) |
Mi nepyvon hartkarfel nioj! 「ご報告します」(辞書例文) |
Tlarkija listerditlerding'i, plax. 「シートベルトをお締めください」(辞書例文) |
Laxtin cix cukalmrei luartaves haltxergo iuesleone’it. 「スカルムレイ陛下はユエスレオネを視察される」(辞書例文) |
詩語体は16世紀の詩人エスポーノ・ドーハのスキュリオーティエ叙事詩訳を起源とする文体であり、単語の一部が変化していたり、表現が簡略化されていたりする。日常的に使われるわけでもなく、詩やそもそもスキュリオーティエ叙事詩のようなものに書かれているものなので、口語に混ぜて使うと衒っているような、格好付けているような印象を与えてしまう。また、口語や文語と同語形で違う意味になっている場合もあるので誤解される可能性も高いのでリパライン語話者(特に本土人やデュイン人)は会話には混ぜてこない。小説や歌にはよく出てくるが、それは衒っているなどという評価を受ける事はない。ただ必要なかった表現だと思われれば格好付けているといわれることもある。
Mylonacergeno'i akrulkurf ny l' l' edixa. 「傲慢であることが次のように言われるようになった」(Skyl.4:20 6:1) |
Fal fermija's ank cecil flan y, niss flesve 「サフィアが強く悲劇的に攻めた時、彼らは震え上がった」(Skyl.4:34 1:2) |
燐字理読体または燐理体は古くはラネーメ言語は燐帝字母によって書き表された文章文体の一つである。王朝時代における公式な文通は燐帝字母で書かれていたために、ラネーメ地域に残ったリパラオネ諸部族もそれに倣い燐帝字母で書かれたラネーメ言語の文章を翻訳し、燐帝字母と後期ファルファベットを使って書き表した。古理語やヴェフィス語を通して直訳のような形式で翻訳された文章を経て、現代まで文章語の一種として標準文語と併存している。現在においては、ラネーメ王朝を思わせるような古風な文章であるとされており、文章語であると共に独特の雰囲気をまとった文体となっている。
3te surul: anfarftyres ietostatef ad toxatef. 「その3 液体成分と固体成分を濾し分ける」(リウスニータの作り方) |
Fqiu liest fe pusnist jyruso. 「この時、混ぜるのを止めてはいけない」(リウスニータの作り方) |
Li'usnirta'it esel 「リウスニータの作り方」(リウスニータの作り方) |
リパライン語は造語規則に沿って新しい単語を生み出すことが可能である。造語規則には語根を特定することが出来る語根可逆的造語と語根を特定できない新たに語根を作り出す語根不可逆的造語が存在している。いずれの造語規則でも品詞は語根と同じとは限らない。
語根を特定することが出来る造語のことを語根可逆的造語という。基本的にリパライン語では語根に接辞を付与することで実現される。以下では主な接辞をまとめる。
xel 「見る」(動詞語根) | nefxeleris 「目をくらます」(動詞派生語) |
ietost [ietost] 「水」(名詞語根) | ietostrenalenergreufedirrgalanascherl [ietost-r-en-al-en-e-rg-r-eu-fedir-rg-al-a-nasch-erl] 「泉質」(名詞派生語) |
する人 | -er |
されるもの(内容、対象) | -o |
する物 | -erl |
する時 | -il |
する場所 | -al |
する方法 | -el |
する道具 | -yl |
する状態 | -ol |
する理由 | -ul |
する機械 | -axm |
離れる運動、~して行く | -lst |
近づく運動、~しに来る | -rlst |
簡単に出来ること、可能 | -syk |
状態遷移 | -ain |
一時的に状態遷移して戻る | -ein |
再試行、やり直す | -esk |
情報提供 | -ja |
上 | -effe |
下 | -ins |
前 | -font |
後ろ | -bacx |
普通 | -bacorlx |
度が過ぎた | -ce |
障害、症候群 | -adlis |
病名 | -kyt |
炎症 | -zide |
能力、力 | -anfy |
元、根源、発生、起源 | -dir |
~の子供である | -elun |
学校、学園 | -esnif |
権利、能力 | -irfe |
~間の、共有 | -isi'a |
物質、集合体 | -ium |
学問名 | -lyr |
性質を持った | -nasch |
無しの | -nerfe |
民族、人種 | -ni'ar |
愚弄、軽蔑 | -pe |
物の付着、適応 | -rfamo |
度合い、種類、根源 | -snej |
支配下、影響下 | -unsar |
動き、運動、動作 | -ust |
言語名 | -virel, -virle |
~の能力が在る | -welanfy |
~の量産場、養殖場 | -xeadra |
~の中間 | -xia |
~の中の | -xy |
通常通りに | niuax- |
通常と異なり、異端に | vlas- |
正しく、予想通りに | nyxvarl- |
間違えて、誤動作で | nix- |
~語に訳す | akru- |
追って~する 続けて~する 加えて~する | ata- |
超過して | macc- |
意図性 | axel- |
非意図性 | vanel- |
~語で翻訳する、~語に訳す | akru- |
離れる | lern- |
病的な、異常な | epotai- |
~長、~責任者、主な~ | dzepar- |
始まりの、始 | fass- |
耐~性のある、~アンチ | fente- |
~に覆われた | ferka- |
遠い、原始の 学校機関、設備、組織 | ini- |
そうであるかそうでないか 行為関係の二項対立の総称 | nista- |
極みの、最終の | pask- |
~の地、~場、~場 | polt- |
~に関係する、~関係の、星座、星 | stal-, stel- |
~派、~派閥 | ters- |
~の表面、表層 | xlea- |
頭の、先頭の、一番最初の | diun- |
(病的な)~異常 | epotai- |
対義語、逆~、対抗~、反対側に~ | gen- |
水、水分、液体 | ieto- |
~を持つ、~のある、~が存在する | kon- |
書く、描く、言葉を並べる、記述 | kran- |
離脱、逸脱 | lern- |
否定、不在、非存在 | nef- |
ウェールフープを使わない、ネートニアー | nielf- |
ウェールフープを使う、ケートニアー | welf- |
極みの、最終の | pask- |
前の、元の、外側の | sid- |
叙事詩的な、英雄的な、偉大な | xen- |
語根を特定出来ない造語(つまり、語根を新生する造語)のことを語根不可逆的造語という。本項における語根不可逆的造語は理論として確立したもののみを掲載する。
動詞連体形派生語尾によって派生した名詞が語根になる場合、第一音節の母音はyになる。
kantier 「教師」(名詞派生語) | kynte 「教師」(名詞派生語根) |
molo 「存在」(名詞派生語) | mylon 「誇り、名誉」(名詞派生語根) |
古理語の語尾がaである名詞の形容詞形は語尾をiuに置き換えて作る。
fqa 「これ」(名詞語根) | fqiu 「この」(形容詞派生語根) |
fgir (<fkhpha.li) 「あれ」(名詞語根) | fgiu 「あの」(形容詞派生語根) |
語族の継承語や外来語の変化規則などは下記のリンクを参照すること。
本項ではリパライン語の人名の命名規則をまとめる。なお、動物や物、概念の記号としての名前は akrapt という別の単語で表される。リパライン語の名前はリパラオネ人の伝統的なものを aloajerlerm と呼び、それ以外の外来名のリパライン語化したものは irmphark と呼ぶ。この三つを合わせて ferlk と呼ぶ。基本的にリパライン語名には男女の別がない。
リパライン語の名前は国の制度や慣習によって夫婦別姓・同姓のどちらの場合もあるが、伝統的には家柄が強いほうが同姓の基準として選ばれることが多い。ユエスレオネ革命以後のユエスレオネではそれまで法制化されていたヴェフィス革命以後のリパラオネ・ナショナリズム的氏族感覚に基づく同姓制度が廃止されたため、別姓であることも珍しくはない。子供には同姓である場合はその姓が付けられ、別姓の場合は協議の上で合意された名字が用いられる。この時、双方の名字を合わせて、新しい姓が作られることもある。
基本形式はリパライン名において派生する様々な形式の基本となる。三種類のタイプが存在するが、それぞれ基本形式における扱いでは特段に違いはない。
二ヶ名はA Bの二単語の形式で、それぞれAが名字とBが名前を指す。この名前を表記する際は姓と名の間に.(larl)を置くことが慣例である。
Ales(姓) | xalija(名) |
Ales.xalija |
例外として、アイル人やヴェフィス人などの姓名の並びは逆である場合がある。この場合、大半がユナ・リパラオネ人でないことが多い。
Felirca(名) | atam(姓) |
Felirca.atam |
三ヶ名はA B Cの三単語の形式で、それぞれ基本的にAが本家名とBが分家名、Cが名前を指す。この名前を表記する際は姓と名の間に.(larl)を置かない。
Skarsna(本家名) | haltxeafis(分家名) | elerna(名) |
Skarsna haltxeafis elerna |
Hinggenferl(本家名) | valar(分家名) | lirca(名) |
Hinggenferl valar lirca |
三ヶ名は本来その子供に与えられる名前は一番最初の名字を除いて、一番最後に名前を付与する形式であった。これは元々名字を持たなかった階級の低い人間の名前形式だったと考えられている。現在ではこのような風習は制度的には残っていない。
Ales estvaza ilern 父 | Estvaza ilern leferen 子 |
リパライン名には幾らかの補助的な名前要素が存在している。
三ヶ名の古い形式に由来して正式な場で名前を書く場合、三ヶ名になる最後の二ヶ名の先祖の名字を名前の一番最初に付ける場合があり、それを四ヶ名と言う。
Ales estvaza ilern leferen |
その人の専門や伝統的な称号、古代からの称号付与の権威的機関ADLPが個人に付与した称号などが正式な名前には含まれることがある。なお、個人は最大で三つの称号までしか持つことが出来ない。称号の前には必ず for という単語が伴う。
Ales lanerme lipakorl for adlpartalarta, werlfurpuraptalersseer |
派生形式は基本形式から派生する名前の形式である。派生形式は三つの形式がある。
グループの中などで名字がかぶったりして特定できなくなる場合、省略名称を利用する。
通常、名前の単語(四ヶ名は含まない)からそれぞれ先頭からC(子音)V(母音)C(CVVならCVのみ)取り出して並べる。名前の単語が母音から始まっている場合は、そこから最初の子音まで取り出す。名前に連ねて表す場合はfonを前に付ける。
Fafs falira sashimi fon faffalsas |
必ずしもこの形式に沿うとは限らず、独自の省略名称を持っている場合もある。以下の場合、規則的には tarlije になるはずだがそうなっていない。
Tarf lifan jetiestafis fon tali'e |
リパラオネ教の祈りに使うための名称。以下の生成方式を持つ。生成された名称は二ヶ名のように.を入れて表記しないことが多い。
Fafs falira sashimi → junafla sadzeme |
完全名称は四ヶ名と省略名称とフォーメと祭祀用名を合わせた完全な形の名前であり、非常に公式な場でのみ使われる。
Ales ales lanerme lipakorl fon allali for adlparaptalarta, werlfurpuraptalesseer fyra lepakull |
四ヶ名 | 省略名称 | フォーメ | 祭祀用名 |
Ales ales larneme lipakorl | fon allali | for adlparaptalarta, werlfurpuraptalesser | fyra lepakull |
リパライン語では親しい場合は省略名称や名前で呼ぶ場合が多いがこれらが長い場合は代替としてニックネーム(farxastisl)を付ける場合がある。これには特に語尾を付けたりすることはなく、一般名詞をそのまま利用する。例えば、ユエスレオネ連邦第四代目首相ターフ・ヴィール・ウォルツァスカイユ(tarf virl woltsasaiju)を呼ぶ場合、名前のwoltsaskaijuは長く、省略名称のtarfvirlwolも長すぎるため、よくニックネームの「お菓子」(lersene)で呼ばれている。
名前を聞く場合は以下のような表現を用いる。
Mal, co'd ferlk es harmie? | 「じゃあ、君の名前は?」 (いせにほ#183) |
Lirs, harmie co'd ferlk es? | 「それで、あなたの名前は?」 (いせにほ#184) |
Si'd aloajerlerm es harmie? | 「彼の名前はなんだ?」 (いせにほ#7) |
Mal, xarzni'arsti, ferlk es harmie? | 「では、シャーツニアーさん、お名前は」 (いせにほ#49) |
名前を紹介する場合は以下のような表現を用いる。
Mi'd ferlk es bierlnoj.niergaf. | 「私の名前はビェールノイだよ」 (いせにほ#190) |
Mi es skarsna haltxeafis elerna. | 「私はスカースナ」 (いせにほ#11) |
Mi veles stieso <fixa.leijuaf>. | 「私の名前はフィシャ・レイユアフです」 (いせにほ#49) |
Jazgasakisti, shrlo sties mi <inlini'a>'c. | 「私のことはインリニアと呼んでくれ」 (いせにほ#126) |
Mi'd tesnoken aloajerlerm es <leficenaviju>. | 「俺の名前は「レフィセナヴィユ」だ」 (いせにほ#160) |
文化圏によるが一般的にリパライン名で人を呼ぶ場合は親しさや場面によってそれぞれを使い分ける。親しい場合は名前を、公式な場や親しくない人との間では名字で呼び分けるが、病院や学校、親しさが微妙な場合などでは省略名称で呼ぶ場合も多い。ただ、省略名称は名前や名字が被っていた場合に本来の用法で使われている場合もある。また、本人が社会的な理由で名字を呼ばれたくない場合もあり、その場合にも省略名称が用いられる場合がある。例えば、ユエスレオネ革命直後の貴族家の名字を持つ人々の省略名称の利用などが挙げられる。また、三ヶ名の人を名字で呼ぶ場合は本家名だけでもよい。
英語の “Mr.” や “Ms.”、ドイツ語の “Herr” や “Frau” のように名前の前や後に付けて、敬意などを表す物が存在する。
xici | 普通敬称「~さん」 |
-ctor | 愛称「~たん、ちゃん」 |
-afi’a | 中度敬称「~様」 |
-xtin | 最高敬称「名を申すのも恐れ多い~陛下」 |
len | 学者敬称「学者の~氏」 |
Ales | alesまたはestvaza姓をもつ人。旧ラネーメの中心的王族であった、ラネーメ祖語の*atheisl(玉座に座っているもの)という旧王朝民族の自称に由来する。現在はラネーメ人(lanerme)と呼ばれる人種に区分された。ales lanerme一族によるラネーメ民族解放運動が有名。ales levia一族は一代目アロアイェールのales.leviaの流れでありADLP皇族の家系。 |
Fafs | リパライン語を開発したFAFS.sashimiのいる一族。発祥は旧クワイエの東北の島の原住民とされる。レアディオの商人一族との混血という説が濃厚。クワイエ公国の民族とされる。fafs falira、fafs lavnutlart、falira一族はADLP皇族の家系。 |
Viokk | Ales王族領のレアディオを統治する副王一族が発祥でないかと言われてる。ネートニアーが多くネルト大虐殺やフィア戦争でほとんどの本家は殺されている。今生きているのは副系である。 |
Tarf | リパラオネ国やクレオス国を立ってた一族。デーノ系の混血人の旧クレオネ農民の一族が発祥でユエスレオネ連邦の社会主義を支持した。レアディオにも向かっておりファイクレオネの50パーセントを占めている。 |
Lexerl | レアディオの山岳民族の兵士一族の名字である。レアディオ国内の70パーセントを占める。ラーデミンケートニアーが多く、血族の四人の血を飲む事でラーデミン(lardemin)を強化する事が出来る事から『血飲みの儀式』(la lixea fon kyrnao larfe)が存在し、他民族から恐れられた。lexerl falira一族はADLP皇族の家系。 |
Fixa | クワイエのlexerlの派生名称。リパラオネ教徒が多く、アンポールネムやフィシャの辿った道筋の記述よりクワイエ発祥とされている。 |
skarsna | ales一族のアレス王国の中流階級に位置した民族、skarsna haltxeafis一族やskarsna ivane一族など学者家系が多い。skarsna xelken一族はxelkenに流入したxelken一族であるが、skarsna xelken系のxelken.skarnaはWP学者である。 |
理名字 | 原語 | 由来 |
Kondarfafis | Suicmadin | サラス人の一族、アルテナ語の「砂使い」から。 |
Skurlavenija | Skyliautie | ヴェフィス人のスクーラヴェニヤ家、「描く者」から。 |
Qagir | Qagie<kua2 | ヴェフィス人のカギエ家、ヴェフィス化したパイグ人クア家の分家が由来である。 |
Hinggenferl | Hingenfarl | フラッドシャー人のヒンゲンファール家、「高貴な春月」より。 |
Kjaska | Kijacuka | タカン人のキヤスカ家、「日の昇る」より。 |
Bartnirmax | bhátnímaṣ | バート人のバートニーマシュ家、「バート人」 |
Dzilkodisnal | Zirkodisnar | ユーゲ人のジルコディスナル家、「信仰者、礼拝者」より。 |
Attaktei, Azzakzir | Attaktei | ユーゲ人系。 |
Kuntoitaktei, Kunzit'cakzit | Kuntoitaktei | ユーゲ人系。 |
Hahurisntaarib Faklerstarf Faklers Fakes, fakle, faklers | HahurisnTaarib | ユーゲ人系。 |
Li'axen | ? | リナエスト系、理祖語*ləjk̟aleと同根の説がある。 |
Harschiwsna | Zĵazsciyczga | リナエスト系、「髪を結う者」という意味。 |
Curlpuskasko | ĵuqsckasko | リナエスト系のスフルプスカスコ家より、「苺の木」という意味。 |
リパライン語名の名前には生成方法が幾らか存在するが、そのうちで一般名詞から派生しない固有伝統の名前が幾らか存在している。
聖名はアロアイェールと呼ばれる古代の権力者の命名した名前に由来する名前である。地域によって様々な形に変化したため、いくつかのバリエーションが存在している。
聖名 | クワイエ | レアディオ | デーノ | リパラオネ | ラネーメ | クレオス |
liverna | lirda | liena | liea | li’e | levia | liey |
qernu | gern | kerna | qi | ken | qern | qe |
tsuel | zul | curl | xurl | xul | xal’o | xala |
ierli | e’ri | eli | eri | elen | ilern | erli |
lifale | ivane | lifan | lifarn | lefarern | lifarlin | |
ilerinam | i’ri | ilan | iler | ilernu | elerna | ilirn |
xkarx | xkars | xkarse | xkadz | xkardzy | skarsna | |
kerlan | qerl | klan kladi’a | kirlna | klenan | kenan | kira |
fixa | fhisli’a | fisla | fisunde | fislkurfer | ficca | ficcer |
lavatluntatulart | lavnutlart | lalart | lat | lavutlanta | tatulanta | lavyrl |
aloajer | laz | lazer | alaz | lasce | lirz | lezo |
iumilia | emelie | emirju | jumili’a | jumili’e | jumirle | mili’a |
falira | falira | felirca | felixa | felirxa | falsar | falicirja |
ユエスレオネ時代に至ってからこれらの地域バリエーションにはあまり意味が無くなっており、名付け親が適当に変種から取るということが行われるようになった。代わりに古臭い元々の聖名を子供に付けることはあまりなくなった。
聖名の他にもリパラオネ教の教典などに登場する人物や神族などの名前をそのまま名前として付ける場合がある。
lech | リパラオネ教の教祖 tarf(fixa).lech から。 |
vileti | スキュリオーティエ叙事詩に登場する殉教者の名前。 |
yfi’a jurfheija | スキュリオーティエ叙事詩に登場する英雄の名前。 |
ateni’a | スキュリオーティエ叙事詩の編者。 |
hartan anhartija | スキュリオーティエ叙事詩で民を救って死んだ英雄の名前。 |
vinci’a | スキュリオーティエ叙事詩で英雄の右腕となる少女の名前 |
dznjelerche | アンポールネムの編者。 |
firna leseli’a xkardz solte | アンポールネム・レチ章に登場する六人の教え人の一部。 |
velgana, lena, fyrna, yszaplorca, keintel, xturga, jungkar, junafla, xertar, filena, lbar/eulbar, belche, berxa, ijerkhst, | 神族の名前。生まれた修正理歴の月に従って付ける場合が多い。 |
リパライン語には一般名詞から生産的に名前を作ることが出来る語尾がいくつか存在している。
-afa | 女性名の名前化語尾 |
-afis | 男性名の名前化語尾 |
-rdia -ija -iju -af | 中性(男女兼用)名のの名前化語尾 |
mylon | mylonafa(女性名) |
mylonafis(男性名) | |
myloniju, mylonija, mylonardia, mylonaf(中性名) |
リパライン語はユエスレオネ連邦だけではなく、長らく様々な場所で話されてきた言語であり、また協商言語としても国際的に用いられるために様々な外来の名前も取り入れてきた。
vefisaita | 「武士の」が由来のヴェフィス語名。 |
larxial | lexerl と同根のフラッドシャー語名。 |
lina | lena と同根のブルミエント・チャウデ語名。 |
lirracci’irn | 「教養のある」が由来のタウニラウィッリー語名。 |
kirtiwa | 「鳥」が由来のタウニラウィッリー語名。 |
julircan | 「正しい」が由来のタウニラウィッリー語名。 |
xalina | xal-ijaがラネーメ系言語に取り込まれてから、再輸入された名前。 |
lurk | パイグ語の lu2 kut1 に由来する名前。 |
nirlej | パイグ語の ni1 let1 に由来する名前。 |
xemcija | リナエスト語の Zsëmsija に由来する名前。 |
bierlnoj | リナエスト語の Pelgoi に由来する名前。 |
nivreveis | リナエスト語の Ülévysia に由来する名前。 |
likali’a | リナエスト語の Livtalia に由来する名前。 |
urxe | リナエスト語の Ëfšiy に由来する名前。 |
gailifija | 「勇敢な」が由来のユーゴック語 gairiph に中性名前語尾 -ija が付いた名前。 |
galta, galt | 「炎」が由来のユーゴック語 garta が由来のユーゴック語名。デュイン戦争に関わった英雄が意識されることが多い。 |
lartheiju | 「誇りの」が由来のユーゴック語 raathe に中性名前語尾 -iju が付いた名前。 |
altea | 「賢い、賢明な」が由来のリスターメ語名。 |
junita | 「海」が由来のリスターメ語名。 |
barch | 「我」が由来のラッビヤ語名。 |
cykhch | 「良い」が由来のラッビヤ語名。 |
リパライン語にもいくつかの方言が存在している。
デュイン方言はデュイン戦争後のユエスレオネの希望開拓者やハタ王国からの大量の資本家、宗教家が移植民として流入されていく中で構成されていった口語リパライン共通語と言える。
Jan gir'nd tiersna ji lfurf klert at den? 「この少女はいつも狐と話そうとしているらしい」(辞書例文) |
ファルトクノア方言とはファルトクノアで話されるリパライン語の方言である。
Lartass aus barfow'ct ison cierjustel arferdizjerni'l. 「人々が束になって党本部に押し寄せた」(辞書例文) |
アイレン方言はハタ王国、PMCFで話される理語の方言。 リナエスト語派の古典的な象徴とリパライン語派の文法特徴を持ち合わせる。
Hammie co ärs liaxö? 「どうした?」(辞書例文) |
パイグ方言とはPMCFで話される口語リパライン語である。パイグ人は非リパライン語母語話者が殆どで、口語ではパイグ方言を利用する傾向にあり、母語話者にとっては解りにくいものとなっている。
Mi tydiet en hugir potto, lusut salarua io kyluser huon huianxa. 「私はそこに入って、フィアンシャの運営者に挨拶をした」(辞書例文) |
ユーゲ方言は世界中で900万人のユーゲ系移民とその子孫などによって話されている。
Mi nibw rkuqph rinepaqine'i. 「私はリパライン語を喋らない」(辞書例文) |
裕福語はADLPやラッテンメ人によって話されている。本土ではADLPによる貴族語法の印象が強いが、ファルトクノアなどではラッテンメ人特有の俚言として捉えられやすい。
M'als mayn jiesnypi'ly sopeje'xi tydiestevirlu. 「私は午前に学校へ行く」(辞書例文) |
聖職語(または教会リパライン語)は三代目リパライン語の社会方言のひとつである。閉鎖的なフィアンシャ社会の中で生きるシャーツニアーの生活のなかでフィアンシャ個々の社会構造の中で独自に発達したものであり、リパラオネ教とシャーツニアーの生活、ADLP政治時代の思想と生活に強く影響を受けているが別の視点では外部のリパライン語から隔絶され、発達が遅れたリパライン語ともされていた。
Harmue io asti'een achkarjer m'es, l'teles harmie utes? 「電話技師は何処に居て、何をしているのです?」(辞書例文) |
水家語(または水家リパライン語)はヴェフィス人の宗教指導者によって話されるリパライン語の社会方言である。
Kaitt, mi lkurf lkurftless'd vefisaitér. 「やあ、私は水家語を話します」(辞書例文) |
リパライン語の社会と言語の関係、言語行政による言語利用の変化などについては「リパライン語と言語行政と文化」を参照すること。
本項ではリパライン語での詩にまつわる手法や考え方についてまとめる。
リパライン語の詩は定型音節数詩(Agleli’es durxe)と韻律詩(Agleblen durxe)に分けられる。定型音節数詩はADLP政権の崩壊以後から15世紀までの間に中心的であったラネーメ詩に影響を受けた詩の系列(一般に中世詩と呼ばれる)であり、韻律詩はADLP時代までの古典詩及び15世紀に始まる韻詩文復興運動によるスキュリオーティエ叙事詩の復権による近代詩の系列である。前者は音数の詩形の定義が中心であり、後者は韻律と押韻を中心とした詩形である。
韻律詩は韻律と押韻を特徴としている。
韻律とは特定の音の配列の形式、リズムのことであり、リパライン語詩では伝統的に長音節(loler nesnium)と短音節(narlen nesnium)の二対立をどのように配列するかが基本となっている。スキュリオーティエ叙事詩を元とする古典韻律と1700年代中盤に成立した近代韻律では韻律単位定義の考え方などが少し異なる。
音節とは一拍に当てられる音の塊であり、韻律を決めるうちで最も基本的な単位である。単語を音節に分割するには、(C)Vを前からまず分割し、母音に隣接していない子音は左右の音素のうち聞こえ度が高い方に統合するという手法が取られる。
akranti | 元の単語 |
a/k/ra/n/ti | (C)Vを区切った形 |
ak/ran/ti | 聞こえ度の高い方に統合した形 |
リパライン語詩での音節は主に長音節と短音節に分けられる。古典韻律では長音節は長母音のある音節か短音節はそれ以外(つまり、短母音の開音節)を指す。しかしながら、近代韻律ではこの辺りが更に複雑化している。
古典韻律の音節分類 | 近代韻律の音節分類 | |||
長音節 | 長母音のある音節 | 長音節 | DLNP | アクセント長母音の 閉音節 (コーダの重さ) |
LNP | 長母音の閉音節 (コーダの重さ) | |||
DLNF | アクセント長母音の開音節 | |||
LNF | 長母音の開音節 | |||
閉音節 | 中音節 | DNP | アクセント閉音節 (コーダの重さ) | |
NP | 閉音節 (コーダの重さ) | |||
短音節 | 短母音の開音節 | 短音節 | 短母音の開音節 |
近代韻律の音節分類では、長音節が中音節と長音節に分類され、またその下位分類が存在している。また閉音節には音節末の子音の数によって「コーダの重さ」というものが付され、それによっても音節の長さが定義される。
例:Agrieflarr | 古典韻律の分類 | 近代韻律による分類 |
ag | 長音節 | 中音節 NP𝄌1 |
rief | 中音節 NP𝄌1 | |
larr | 長音節 DLNP𝄌1 | |
例:Verliestra | ||
ver | 長音節 | 長音節 DLNF |
lies | 中音節 NP𝄌1 | |
tra | 短音節 | |
例:nefarzarg | ||
ne | 短音節 | |
far | 長音節 | 長音節 DLNF |
zarg | 長音節 LNP𝄌1 |
リパライン語詩の韻脚(Fiertium)は分類された音節をどのように配置するかの方法を表し、リパライン語韻律詩の韻律の基本となる。古典韻律では基本的に^が短音節、-が長音節として扱われるが、近代韻律ではより自由度が高い。
韻脚名 | 韻脚 | ||
Cathlirtlen 楽詩(二音節韻脚) | Jursyken | Pancathlirtlen 長短 | -^ |
Iucathlirtlen 短長 | ^- | ||
Stlerven 一声的 | Iumiume 短短 | ^^ | |
Panpanne 長長 | -- | ||
Verfelirtlen 黙詩(三音節韻脚) | Jursyken | Panverfelirtlen 長長短 | --^ |
Iupanpanne 短長長 | ^-- | ||
Panniupanne 長短長 | -^- | ||
Iupanniu 短長短 | ^-^ | ||
Iuverfelirtlen 短短長 | ^^- | ||
Panniumiu 長短短 | -^^ | ||
Stlerven 一声的 | Iumiumiume 短短短 | ^^^ | |
panpanpanne 長長長 | --- |
なお、ここで用いられている Cathlirtlen, Verfelirtlen という語はユーゴック語詩学の用語であり、固有語による表現を好む話者は長短、短長、長長短、短短長をそれぞれ panniume, iupanne, panpanniume, iupanpanne と呼ぶ場合がある。
近代韻律でのみ、長音節一つと短音節二つは交換可能であり、これを音節長の代用(レゾリューション)と呼ぶ。
元の韻脚 | レゾリューションの例 |
--^ | ^^-^ |
-^^^ | |
^^- | -- |
^^^^ |
レゾリューションは各韻脚の中で一回しか起こらない(レゾリューションを起こしたあとの韻脚の中でレゾリューション出来る部分をレゾリューションすることは出来ない)
可能 | --^ → ^^^^^/^^-^/-^^^ |
不可 | --^ → -^^^ → -^- |
どのような韻脚をどのように何個並べるかを脚数(fiertiumsnej)といい、またそれが複数行集まることによって一つの詩節を作って韻律となる。例えば、シャネン韻律(Xanen agcelle)という韻律は三行長長短四脚数黙詩(3’d leiju’d panverfelirtlen 4'd fiertiumsnej)というふうに表すことが出来る。
しかし、同じ韻脚を並べていない行や詩節内の行によって並べる韻脚が異なる場合もある。例としてユフィア韻律(Yfi’aven agcelle)があり、これは三行短短長長短長長短長長短長詩(3’d leiju’d iumiupannapanne ad Iupanpannekung ad iupannen durxe)という形式になっている。
Xanen agcelle (3’d leiju’d panverfelirtlen 4'd fiertiumsnej) | Yfi’aven agcelle (3’d leiju’d iumiupannapanne ad Iupanpannekung ad iupannen durxe) |
^--^--^--^-- ^--^--^--^-- ^--^--^--^-- | ^^--^--^--^- ^^--^--^--^- ^^--^--^--^- |
押韻(Virlarteust)は韻律詩の要素の一つであり、韻律と共に重要な役割を成す。リパライン語詩において押韻は同じような音を同じような位置で合わせることをいう。押韻は必須ではない。基本的に古典韻律では音節の主母音のみがあっていれば押韻されていることになる。子音韻は一般的ではなく、近代韻律になってから見られるようになる。
主に以下のような押韻法(Virlarteustel)が存在する。
文末の最終音節で押韻する押韻法を語尾韻と呼ぶ。リパライン語詩の中では圧倒的に使われる一般的な押韻法である。
Lajnef xefor icve fuaj fai ple ad tvasnko. Mal m'is da icco'd dodor, euvila'i virlio es vyn' dur lej desvelergeumesoss dal anno. |
文頭の最初音節で押韻する押韻法を頭韻と呼ぶ。語尾韻よりは少ないが、時折出現する押韻法である。
Pacergna, malfarnovon lkurf ny la l' vel da. "Xarzerstineu ferrgydies cun mi es men ka. Mal, harmie coss fal fqa mol mal eter ckurja? |
循環韻は行数が偶数の場合(四行詩であることが多い)に使うことが出来る韻律である。古典詩では一般的ではなく、近代以降に多い。語尾韻と頭韻を合わせたタイプの押韻法である。二行ごとに循環する二個循環韻と四行ごとに循環する四個循環韻が存在する。
二個循環韻 | 四個循環韻 |
--^--^--^--^ ^--^--^--^-- --^--^--^--^ ^--^--^--^-- | --^--^--^--^ ^--^--^--^-- --^--^--^--^ ^--^--^--^-- |
Fgir'd xerf kotiel roft cecioj miss snynisnoss'tj. Tidist dyril da cun la l''d l'jukernot ve mol cis. Ci's es la dyril niv pa seldfent tidist eul' l''i. Lidyster la jurfheija mol el fqa lerj fgir. |
wip
・スキュラーレ押韻法
・頭韻法
- 「-」(-) |
- 「-」(-) |
--^--^--^--^
--^--^--^--^
--^--^--^--^
本項ではリパライン語で特筆すべき修辞の手法や考え方についてまとめる。
elx縮約接続詞で繋がっているのは文として繋がっているからであり、その流れで読まれることを意図している。でも、そうでない場合は別にそこまで重要ではないということを暗に表していることになる。
"Jeskavera io xol (pelx fe ixvarladaliues stedelafa'd «xol» ad la lex) elx es latirnostana'd lakraptana." 「イェスカ主義における革命(しかし、ステデラフの『革命』と混同してはならない)はイェスカ哲学の概念である」 "Jeskavera io xol (pa fe ixvarladaliues stedelafa'd «xol» ad la lex) es latirnostana'd lakraptana." 「イェスカ主義における革命(余談だが、ステデラフの『革命』とは異なる)はイェスカ哲学の概念である」 |
リパライン語の比較に関しては絶対比較から相対比較までグラデーションのある表現があるとされる。絶対比較に近いil, ilsと中間比較と呼ばれる比較対象を置かないle, les、そして対象のある相対比較の三つに分けることができ、このようにレトリックによって使い分ける場合も存在する。
Unde io dolisn larta ad vynut larta mol mag miss zel tysneno la lexe'd dolisn larta melx wioll jol unde is (______) melx tvasnk la lex felx jol cene es ez, jexi'ert. 「世の中には悪い人と良い人が居て、悪い人を倒し続ければ社会はより良くなっていくなんて簡単な構造を信じられれば確かにまともで居られるのかも知れない。」 | (______)の内容 | ニュアンスの例 |
il vynutである場合 | この方法による世界の変化に疑問を懐いている。ゆえに世界のあり方の比較が(比較対象がないため)不可能だと考えている。 | |
le vynut(比較対象なし) である場合 | 以前の世界と比較しているが、新しい社会が具体的に想像し難い。だが、方法には肯定的だと考えている。 | |
le vynut(比較対象あり) である場合 | 具体的な比較例が出せる。方法への直接的な価値判断は留保され、比較によって評価しようとしている。 |
現代語における従属節主語は -’st であるが古理語から古ユナ語までは長らく -’d が使われてきた。このため -’d は動詞派生名詞を修飾することで古語的な少し硬い表現としての従属節主語を表す場合がある。
Harmie mi miscaon celdin larta zelx jol tvarl mi'd lirfer? 「何で私の好きな人を奪おうとした人と協力しなきゃいけないの?」(いせにほ#235) |
上記の例では、mi’st lirferと言うよりも深淵な意味で自分がlirfしている対象なのだというニュアンスを含む。
現代語では y はy類(i, -j, e)に分裂して、その用途ではほとんど用いられないが、現代に残ったいくつかの用法のうちにNAAN単語の修飾方向を明示するというものがある。NAAN単語の修飾方向は明示されないことが普通だが、明示が必要な場合はこの方法で明示される。
kivuj xale larta 「猫のような人」? 「人のような猫」? | kivuj xale y larta 「猫のような人」 |
これは「y 後置詞」が前置詞となり、「前置詞 y」が後置詞となるという名残であり、-j では実現できないために残ったと思われる。
ちなみに y には接置詞に対して前後の位置がありえたのに、何故後世のi類では後置に由来する -j しか残らなかったのかというと、前置詞の方が後置詞よりも数が多く、接辞となっていくうちに類推で -j のみが残ったとされている。デュイン方言には後置詞に付ける j- が存在する。
zi と co の使い分けはあくまでも主観的なものであり、物理的に対象が話を聞いているかどうかというのは絶対的に関係があるわけではない。この使い分けは「適当といい加減を混同するな」と主張する人と「適当」を「いい加減」の意味で使う人の対立のようなものである。
Jazgasaki.cenesti, celes xelo mi’st co’d vanmi’ja’d unde. 「八ヶ崎翠、私にあなたの理想の世界を見せて」(いせにほ#117) |
しかしながら、上記のような独り言で物理的に隔絶した状態で co で呼びかけるのは直接的ではないが何かが回り回って届くだろうというような希望を表す。zi の呼びかけの届かない絶望さを超えて、将来的な希望を見いだしているようなニュアンスを含めることができる。
本項では、文法書の特定の項目に還元できない「このように書くべからず」や「なんも間違ってないけどこう書いてよ」についてまとめる。本項目は翻訳講評などから抽出された情報を整列せずに掲載する。
他言語に影響されて学習者は属格を除いて書いてしまう場合が多い。規範的には属格標識か形容詞語尾、fon, lut以外の名詞の連続を修飾関係とは見なさないため、誤用とされることが多い。しかし、古典リパライン語ではこれが認められるため、Xelkenなど特殊な社会集団における社会方言として解釈することが可能ではある。
Co icve fqa laver?(机戦ソフト) 「この駒を取りますか?」(非規範的) | Co icve fqa’d laver?(机戦ソフト) 「この駒を取りますか?」(規範的) |
「そんな歳で幽霊なんか怖がってるの?」という文章で"Co ydicel nulter las fal larva xale __?"の下線部分に何が入るかというアンケートが行われた。この表現に関してはFafs falira sashimiの規範的には fgir であったが、その他にも様々な意見が集められた。アンケートの57%と悠里界隈のSkarsna.haltxeafis, Fafs.lavnutlartは fgir を選んだ。主にこれは「(la lexは)『前の文と同じ内容』なのであって、突然 la lex が現れるわけ無いので、fgir である」という考え方であった。アンケートの43%とFixa.siertijaは la lex を選んだ。主にこれは「(指示詞が指している内容は)coだと思ったのでla lexにしました」という考え方であった。少数意見としては、jekto vatimeliju nordelijaの fqa やskurlavenija.mavijaの larva co’dy などがあった。いずれの表現もはっきりと間違いであるということは出来ない。
リパライン語の言語名に関する表現には多種多様な表現が存在し、統一感がないため個別に表現を覚える必要がある。新たな言語の呼び方が何処に当てはまるかに明確な規準はないが、Fafs falira sashimiの規範的には-’d/lkurftlesse’d系を用いることを推奨している。
-virle, -virel系 | phertarsvirle, takangvirle, pergvirle |
-el系 | alsatzel |
-'d lkurftless系 | calassa'd lkurftless |
lkurftlesse’d -系 | lkurftlesse’d lineparine |
言語名単語系 | vefise, yrgokk, culp, pemecepelukupp |
リパライン語は時間と場所の順番は区別しない場合が多いが、口語では場所の前置詞句は最後に来ることが自然なので時間→場所の順で配置されることが多い。
Edixa mi lersse dieniep pesta knloavil heska fal dystis. 「私は夕食の前に自宅で数学を勉強していた」 |
vsfafghは古典理語husfafgh(思う)由来で発音も言語翻訳庁の綴り字改定後に破格として残ったもので文語、対してtisodは(おそらく)ナデュー語やフレリオン諸語由来で日常的にはこちらがよく使われる。他にはniexixがあるけどこれは古ユナ語では「贈る」の意で現代語では少し硬めな言葉に聞こえる。古典リパライン語にほhusfafghの他にinualという「考える」にあたる動詞があるが、これに由来する動詞は現代リパライン語には残っていない。代わりにヴェフィス語ではinyalという動詞になって引き継がれていて、これはスキュリオーティエ叙事詩に登場する名将イニュアリアの名の語源になっている。
印欧語族の影響かは分からないが、存在動詞とコピュラが同一だと考えて”es”を存在動詞として用いる場合が良くある。これらは一般的に古典リパライン語から分離していると考えられており、コピュラには”es”を、存在動詞には”mol”を用いる。
Mi vsfafgh mal mi es. 「考える故に我在り」(非標準的文の例) |
本来、リパライン語の副詞は動詞の直前(或いは-jが付くなら直後)に付いて、動詞を修飾する語である。このため連体修飾句を作るlex VのVを副詞で修飾する場合、どうすれば良いのかという問題が存在している。標準的には”副詞 lex V”や”lex 副詞 V”は誤りであると考えられており、今の所”副詞 V-en”という形が推奨されている。
Restutulon lex olo ziechija…... 「左に続く語形が……」(非標準的文の例) |
動詞派生名詞語尾”-erl”は本来動作の対象を表すが、時によっては動作に関わる別のものを表す場合がある。これに関してjekto.vatimelijuは「動詞派生名詞が主格やら対格やらを取り動詞としての機能を残しているときには動詞のしくみに従うので態が明示されるが、動詞から派生してはいるものの完全に単独で独自の意味を持った名詞である場合には動詞のしくみが薄れて態の明示が不要になる」との説を提唱している。
緩衝音早見表 | |||
v | rg | m | |
a | e | u | |
o | i | l | eu |
y | V |
単語の最終母音のセルを開始点とする。
《緩衝母音が知りたい》
開始点の上の母音があれば、それが緩衝母音である。
開始点の上に母音がなければ、その母音自身が緩衝母音である。
《緩衝子音が知りたい》
開始点から上を見て最初に当たった子音が緩衝子音である。
《例えば》
・例1(緩衝子音が直上にある例)
lineparineという単語の緩衝子音を探す。
lineparineの最終母音はeなのでeのセルからスタートする。
すぐ上にrg(子音)があるのでこれが緩衝子音だと分かる。
・例2(緩衝子音が直上にない例)
parloという単語の緩衝子音を探す。
parloの最終母音はoなのでoのセルからスタートする。
oの上はaなのでその上を見る。
v(子音)にたどり着いたためこれが緩衝子音だと分かる。
[EOF]