ひとまず対象を集めてこないと考察のしようがないということで、無識化していたアイル語の文を存在の知られている限り収録したスプレッドシートを作成した。
「アイル語コーパス」という名前のドキュメントなのにタカン語、ヴェフィス語、リナエスト語に古理語まである。名が体を表してなさすぎるが、まあ分離先が見つかるまではまとまっててもいいでしょう。
なんといせにほが出版されて満6年になろうとするにもかかわらず、いまだに本文中のアイル語を誰も校閲できていなかったらしい。膨大な量の誤字と文法違反を指摘し、なんとかコーパスとしての使用に耐えるものとさせた。
とうとうあのエスペラント魔改造辞書に引導を渡す時がやってきた!
というわけで、やはりスプレッドシートに正式なアイル語辞書の情報をまとめていく。
例えばjuoはail.jsonではもともと「{B}ウシ(牛),[他]インクを塗る,[他]金をかぶせる,金箔(きんぱく)を張る,金メッキする」という語義であったが、 他のラネーメ語で採用されている「牛」の義を残し、さらに「塗装する、メッキする」という義の語もまた必要であったため、entryを分けて立てている。
収集作業が完了し、ある程度決裁に足るだけの資料が集まったので、いよいよ鉈をふるう。
さすがにそこに -bd- は立たないだろ。abudijey。
アイル語で先に /air/ があってから理語に行ったはずである。airu, airaniija。
これはちょっと ' の挙動が読み切れていないので寝かせる。
これも寝かせる。
-bt- も同様に母音挿入を起こそう。ebutuzulu。
etoxapelu。
多少迷ったが、/n/の後に子音が来る例がないことを考慮して inutaku。
1年前からおかしいと言われていた敬称。いせにほAPIの利用に伴いめでたく語義変更。
bladai や zablei などをはじめとして、bl という子音クラスタはあまりに頻出するため、認めることとした。
駅で使われそうな文章を生成しようと試みた結果、「駅」「列車」「すみません」「乗る」「降りる」の表現が必要になった。
staleを漁った結果「列車」として t^enuai を引き上げ、「乗る」「降りる」には sauta, utuka を引き上げた。この二語が【上】【下】と関連があるかは不明であるが、おそらく派生語であろうと考えられる。
また「駅」には muo + -hep で muohep【止処】を造語し、「すみません」は kouai【謝】に間投詞用法を設定することで対応した。(cf. faniu が「よろしく」という間投詞用法を持つ)
そうしてできたのが以下である。
p: kouai, taupwonu moho masu dipaimi nannuga pwojeige pheounu moho liwor? b: taupwo? a, huroe titimusvia... chesim, canaita. kissige t^enuaine sautasvia iwa jatukijanu utukasvia. iwa, amuama taupwonu moho t^enuaim ata acau liwopam. p: jatukijanu utuka liwor? chesim, xace! p: すみません、タウポに行くには何番線に乗ればいいですか? b: タウポですか?あー、ちょっと待ってくださいね……よし、わかりました。そこの列車に乗ってヤトゥキヤで降りてください。そうしたら、タウポ行きの列車が見えるはずです。 p: ヤトゥキヤで降りればいいんですね?はい、ありがとうございます!
かなりいいスキットになった。
文法もまとめる必要がある。編集の利便性を考え、リナエスト語などと同様にgoogle docsで執筆することにした。
動詞の連体形は接辞がない必要がある(接辞がつくと主動詞になってしまう)ため時制や相などをどう表現するかという問題が生じた。
meloviliju — Today at 00:50 困りごと1 連体形の時制・相(・法)の表現がわからない 「行く人」と「行こうとしている人」と「行った人」の区別ができない 接辞がついちゃうと主動詞になっちゃうのよね 一応解決策としては、過去は副詞での表現、未然は V hiya S (Vするを望む/考えるS)あたりで表現という形がある
この解決策を採用することにした結果、過去を示せるような副詞がそもそもラネーメ語族に全体的に欠けていることがわかり、staleから引っ張り上げてくることにした。
meloviliju — Today at 01:10 「もう」でstaleを調べたところ、woa2 と tobai が出てきた MIT「tobaiじゃない?」 mel「tobaiにしますかね」
ということで、過去の連体形は tobai を伴うこととなった。これに関しては過去と完了は合流していて問題がないと思われるため、同一の表現を用いることにする。
tobai moho asuka 行った人 moho hiya asuka 行こうとしている人 / 行こうと思っている人 / 行きたがる人 moho tobai hiya asuka 行こうとした人 / 行こうと思った人 / 行きたがった人
下の「8-2. いせにほAPI」の利用に伴い、連体形にも接辞をつけてよいという規則の存在が分かったため、この議論が一度やり直されることとなった。
mohopam asuka「行くであろう人」とmoho hiya asuka「行きたがる人」などが区別できるようになったほか、燐文の書き下しを行う際にも直感的であるため、時制と相は連体形でも接辞で示すこととした。
meloviliju — 25/05/2024 03:21 どうだっけ アラインメントか? 単に二重斜角の他動詞で片方が省略されたときの挙動がつらいだけかもしれない そもそもSOV言語で二重斜角ってなんなんだよ meloviliju — 25/05/2024 03:36 > あの言語で分詞と主動詞ごっちゃにしたら死ぬだろ 少なくともSOV言語だとそんな問題ないかも 全原形英語とか燐文が毎回つらいのが私の中で根拠になってたっぽいけどあれはSVOゆえのつらさだったのか hsjoihs — 25/05/2024 03:40 > あの言語で分詞と主動詞ごっちゃにしたら死ぬだろ 中国語、なんと分詞がない hsjoihs — 25/05/2024 03:56 よく「中国語には文法がない」云々言われるけど、どちらかというと「印欧・日韓の文法が全てだと思っていると、あらゆる曲がり角で驚きがある」だと思っている meloviliju — 25/05/2024 03:57 まぁついたほうがシンプルだし燐文も読み下しやすいからな しょうがないから副詞で時制をってなったのちょっと東島通商語に毒されすぎてた可能性があるな SY — 25/05/2024 03:58 OV語順だからV+Nの順で出てくるとまあ修飾だろうってなるだろうしな
東島通商語コーパス検索システムbixe の index.sh を参考に、スプレッドシートを wget して OTM-JSON を自動生成するスクリプトを書いた。
relations 実装のため、一意に語を参照できるようにする必要が出た。このためにIDカラムを追加し、関連語にはIDとタグの記載を義務化した。
細かい挙動はここにまとめてある。
一旦辞書生成が回るようになったと思われるので、ドキュメンテーションに戻ろう。
皇論は皇に関する考え方の総称であり、ラネーメの伝統的な宗教である。
他のラネーメ言語ではシンプルに【皇論】と燐字表記されるような言い回しをするのだが、いせにほのアイル語テキストでは atamuja tunuga zunaii となっている。燐字表記にすると【皇神論】である。
これが【皇神】+【論】なのか【皇】+【神論】なのかがはっきりしないが、前者の場合タムという概念のことをアイル語では atamuja tunu と言うであろうことが予想され、後者では【皇神論】が皇論のうち特に神学的要素について焦点を当てた学問であろうことが予想できる。
性質格の作用に関してもまだまだ分かっていないことが多いため、今後の議論が待たれる。
2024年5月23日時点で、いせにほのコーパスはコピュラと存在動詞を兼ねる aima を含む文が 10 個あるが、そのうち aima がコピュラであると思われるものは 6 個であり、そのうち 4 つでは主語と対象がどちらも他格、1 つがどちらも同格となっており、主語が自格になっているものはわずか 1 つである。さらに、その 1 つも対象は理語であり、格接辞が省略されている。
まい/MIT — 20/05/2024 16:00 ヴェフィス語 faile が自動詞としてコピュラ・存在動詞、他動詞として「<主格>は<対格>になる」らしいけど、その借用として説明つく?
こういう話も俎上にはあがったが、どれも変化を示す動詞としての用法ではなく、意味を考えると「<自格>は<同格>/<原形>である」という構文であってほしい。
APIの使用に伴い、構文を「<自格>は<同格>/<原形>である」に確定した。
格の支配に混乱が生じていた aima の文に改訂を入れたところ戻り値なしに実行されたため、やはりこれは単なるいせにほ著者の混乱であったらしい。
2024/05/24に大規模ないせにほAPIの利用を行い、いせにほコーパスを改訂した。
これらに関する入力の結果、連体形にも接辞はつきうるという出力が得られた。これは 4. の議論に重要な進展をもたらすブレイクスルーとなった。
【為】の chauchu には「する、行う」という語義が書いており、どうやら「作る、為す」というパイグ側にある語義は含んでいないらしい。ということで、「作る」の義を持つ語を用意しよう。
staleでそれらしい単語は mahe, lose の2つが候補。1d2で1が出たため、mahe で登録。
これらのプロセスを経て、以下の文が出力された。
meloviliju「kitu kaisa! (料理の写真)」 meloviliju「kinutim suir iwa kasumuma maher」
「とてもよい!」「鍋を使ってご飯を炊いた(lit. ご飯にした)」
燐王謝石で使う必要が発生。kouai「謝る」の構文は、「<自格>は<処格>に対して謝る」とした。【清王】ってアイル語どういうんだろうね。
無識字人で必要になった「増える」の候補をstale.txtから探したところ、以下の7つが見つかり、乱数の結果 phokhou が選ばれた。
balau: ふえる (増える) duxoo: 多くなる,増える h^aixai: 増える,増加する phokhou: 多くなる,増える SASISU: ふえる,増える twiru: 増える,増加する,地球 yofu: ふえる (増える)
というか今まで【増】って字音決まってなかったのか。(まあlin-marn.htmlの109にもそう書いてあったが)
パイグ音だと pok1, ko1/2 あたりになりそう。
また対になる「減る」も同様に探索し、以下の3候補がhit、乱択により simua を登録。
boue: 少なくなる,減る qooa: 少なくなる,減る SIMUA: へる,減る
パイグだと sim1 とかになるかな?
せっかく古牌音 (ho) があってアイル音がなく、かつstaleもエスペラント的な語彙しかなかったので同根語を立てたいということに。
ゼロ韻尾の0声なのでメインの音節の後ろに音節は立たず、母音は /ou/, 頭子音は /f/ または /h/。メインの音節の前の母音はあってもいいしなくてもいい。
母音があるか?1d2 → 1 (true) 母音は?1d5 → 1 (a) 頭子音は?1d2 → h
ということなので、ahou【軟】で造語。
同じく無識字人より。「偉い人」ニュアンスの語なんていくらあってもいいし、sau + asuka で素直に sawasuka で造語。
kisi + -mi → kissimi, chaba + -ma → chabbama のように、/CVCV/ の語に /CV/ の接辞がつくと /CVCCVCV/ となるが、これが /CVjV/, /CVwV/ の時にも発生するのだろうかという疑問が生じた。
半母音の同質連続はさすがにアイル語っぽくないしやらなさそうということで、圧心享蜜には hiyama, chuwomo などの語形が出現することとなった
staleからのランダム発掘により、nyoupi を採用。
これにより、【賢人】
mel「バートは nophi とかかね」(語頭 ṇ > n) MIT「唇音+狭母音は無理」 mel「nophaúḷ?」 MIT「-ṇop「〜に明るい人」みたいな変な残り方している気がしたけどどうだろう @hsjoihs」 j.v「-ṇop「〜に明るい人」かなりありそう」
mel「これどうしようかな、パイグは韻図で乱択だった」j.v「独自語根でもよさそうですけどねぇ」mel「そうするか~」
staleで純粋な「多い」を示すものは、goxe, kime, tasami の3つ。乱数を振り、tasami に決定。
理 kreos と同根で、かつ燐字が【草】による形声であることを考慮した語形でなければならない。
j.v, SY, れもんで話しあい、{k, k', kh}ewo{s, t} あたりであれば逃げやすかろうという結論になった。乱択し、k'ewos を採用。アイルでは名詞に -s 終わりは不可なので、落とすことに。
こちらもstaleからサルベージすることに。
aciu, bici, bwoubo, cheipwai, cup'aai, daublai, fait'aii, gaiqeo, gaikhi, gauwe, gazaii, hoyue, khoai, lebai, lexea, menye, noubu, nyihei, odzua, pavaai, podzuo, puhee, pwaubwei, raucwe, roshi, sibau, sik'oai, sinaie, t^ut'ue, t'airae, teho, tiyaai, turuu, wukaia, youxa, zujeai の35個から。
乱択 → tiyaai。tiyaa + i、か?
王加賢人の「年等下、国傾始」を訳すのに時間経過の動詞が欲しくなったため、サルベージ。
staleから直感で chauna「銀」、satamu「錫」、aupwau「銅」をサルベージ。金(gold; Au)が kinuka であるかは考察不足。
j.v「【金】は gold vs. metal の軸だとかなり metal 寄りです」
アイル共和国を舞台にした小説を書き始めたことに伴い、必要な単語を造語。
食べ物。一食の代わりになれるようなクレープの類である。「上手に生地を焼くのには技量が要求される」らしく、専用の器具や火力、あるいはコツが求められる可能性がある。
meloviliju — 06/08/2024 01:44 薄い生地だったら作るのめっちゃ簡単なのに「技量がいる」ということなので、たぶんこのセーシムに使う生地は厚さと言うか弾力が要求されるんでしょうね
語形成としては cee + sím.bt で「巻きパン」だが、どうせこういう料理はどこにでもあるだろうし名称もいくらでも揺れるはずなので、sím と同根な語であろう。実態は饼(bǐng)なので coucu【餅】の類も使われる可能性は高い。
cwouphi に ma がついて人名となったもの。ma の正体はよくわからないが、バートの人名接尾辞 -m から借りてこられた可能性もある。
【無口叮生行下神赤】(腹が減っては戦はできぬ)という故事が出来たので、【無口】(=飢)の訳語としてサルベージ、h^ibao。kat^oe の対義語である。
上を訳すのに必要になったのでサルベージ、sishu。
staleを眺めていたところ「pochu: たけ 竹」を見つけてラネーメらしさを感じ、採用。パイグで採用されるなら pot(0|1|2) か。
一大翻訳タスクである。おそらく訳し終えるとコーパスが倍以上に増える。
盤にある駒を取るにあたって、guko より積極性のありそうな言い回しが欲しくなった。phobo が動詞になるかが非常に疑わしく感じたため、staleからサルベージ。
phobo を動詞として使わずに回せそうな語環境が整いつつある。
「捨てる」に必要となった。牌 cuat と同根な語を考え、cwatu となった。
tiu の畳語。
【多少】の訳語に使用。アイルでは「多い」は tasami に使われたが、こちらでは taun(y)- 部分に痕跡が残るということに。大小に注目した時の「数」である。
「触れる」でstaleからサルベージ。
「場所」で語が立った。これに伴っていよいよ 'iai が謎の語素になった。khazu との使い分けはよくわからない。
naipei【労】と chauchu【為】の融合。まあこの辺に落ち着くでしょう。
【上裁】の直訳。「準備、事前の用意、根回し;準備する、事前に用意する」
それぞれ【歪片】【囲】【無】の借用。ゲーム用語なので、そのまま借用されてもいいでしょう。
こちらは【光片】【友連】の翻訳借用。aikachuwo は子音連続を避けるのに母音挿入が行われただけともとれるが、語形が一致しているので翻訳借用であることにかわりはない。
そしてこちらは「無視する」「中心、中央」「ルール」「返す、戻す」の理語からの借用。元の語形はそれぞれ xelnkan, sysit, niukirna, dosna。
並列の句接続語。文接続用法は iwa が存在するので多分なくて済む。baってどこから来たんですかねこの語形。
【時片】を一語で言える便利な語。ボドゲでは chuwo があまりに酷使されておりさすがに百分の一日を指せる語は欲しいと思ったため、立てた。
【筆】【兵】。これが元からある固有のラネーメ的表現なのかどこかからの借用なのかははっきりしない。
staleを眺めていたところ、haugei「黄色いもの」を見つけ、huangi との関連を見出したので、huagei に変形したうえで採用。
「形容格がもとの語から離れた用法を持ちうる」という文法を思いついたので、「火」「墨」からそれぞれ「赤」「黒」を生成。このセンスは通ラネーメ的なようである(cf. kok1.pk, huok1.pk, ghán.bt, úro.bt)
アイル独自語根。staleからサルベージ。deiphe。
【積値】のはずだったのだが、shomumaka ではなく shomamakaとなっていた。たまにはこういうことがあってもいいよね。
ルールブックには関係ないが、立ったので記述。
「特別な」という意味の語。書いた後寝て起きたら由来を忘れていたので元の単語が何だったかの情報は失われてしまっているが、形容格の独立用法から生まれた語である。
書いているうちに、anau が限定の形容詞、zabee が名詞という感覚が沸いてきたため、固定することに。いせにほでanauが名詞になってるけどあの時代のアイルは非母語話者いくらでもいるし問題なし!w
cep.pmcp。初めは dado で書いていたが、しっくりこなかったので東島通商語に。
2024/09/14 追記
……と思っていたのだが、cep.pmcp はあくまで「政府、省」の方であって地域としての行政区画の方は dat で言うことに気づいた。借用(分化)し datu とするか、dado とするかでダイスロール → dado。というわけで、しっくりこないがアイル語で「郡」は dado となった。cepu は語義を変えて「(中央政府の)省;地方自治体」として登録。
アリスにおいて「持つ」の意味でつかわれていたため、せっかくなので役に立ってもらうことに。
【目軸人右左而貧人端生遊術周行之道】「スタートプレイヤーの左右のうち、より点数の少ないプレイヤー方向にゲームが進行します」を訳すのに使用。
最終的な訳文は"reasukaga yanionu aima asukama atar iwa inini al makkama kaniti asukama reasukama tacoar."
follow の意味で tacoa が使えるか気になっていたのだが、同根の dácúḷ.bt がアイパニの"MAK-MAK IT KA"に使われているという実績があったため、めでたく採用。
staleに「soh^aa: 凱旋;大勝利」という語を見つけたため、sau と関連する余地を残せる語形に変えて造語。
「残る」の意味でstaleからサルベージ。パイグ音もついでに tuek に決定。
理語「leryn: 会社、企業」から借用。
人名の【翰】のために語をあてねばならなくなった。古牌が筆将後であったためもう素直に【筆】+【将】としよう。これまで出番のなかった k'uaa を呼んできて合成。
「慣れる」の訳語に困りstaleを眺めていたところ、「twaupei: 飼い馴らす」を発見し、牧畜の重要性に全員が賛成したことでサルベージ。
"A hanu twaupei gukor"で「Aに慣れる(lit. Aに飼い馴らされる)」
staleから「guaqa1: まゆ まゆげ 眉 眉毛」をサルベージ。
理語「liorwel: 大いに注意せよ(標識などに良く使われる)」から借用。標語として多いなら十分行けそう。
ご存じ温故知新。アイル語では燐読体らしく"cira ki hiyar iwa lutwu hanu mohor"「古きを心いて新しきに行く」とした。
lafimete < lafirmeter「専門家」で借用。
mel & j.v「アイル語はリパライン語からこういう類の単語を借りてくるかなあ……」 j.v「英語はめちゃくちゃノルマン入ってるが」 mel「あれは支配者がノルマンだから致し方なしみたいなとこある」 j.v「えー、ペルシアはかなりヘブライ語から借りてるな」 mel「あ、ロシア語は高級語彙をごりごりフランス語ドイツ語から借りてるな。ラネーメ共和国も350年ほどリパライン語の影響受けてるので十分行けそうだな」
ひとまず "Welfare Fraud" のWikipedia記事の他言語でのタイトルを確認。
j.v「『不正受給』は印欧とかフィンランドでは「社会の{詐欺|濫用|ずる|不正}」の類でいうみたいですねー」 mel「『盗む』もそのラインナップなら入ってきうるなぁ。」 mel「……『国の果実盗み』とか行けませんかね」 j.v「あーーーー、これは横領とかも含みうるかな、まあ原文【悪享】だし行けそう」
というわけで、「盗む」をstaleから探し、chouga, deipwu, dilau, heqe, matuka, toni, waigii の七つを得る。乱択→matuka。
matuka「盗む」。盗みの対象は処格で言うかな、四則演算とか考えると言うのかな。
盗む対象を考えたが、「変に奇をてらわず素直な言い回しをすべきそう」というj.vの意見もあり、"sup'uine suma matuka" で「不正受給、補助金詐欺、横領」あたりがすべてさせるようになった。
いろいろ考えたが、これはオノマトペだろうということで、ten1 ten1と同様の語構成をした。連濁が起きて tenden。
理語ソースにはあったが、用例がなかったものを引っ張り出した。「0より小さくなる」の文脈で使用。
staleを眺めていたところ sepai「収穫する、刈り入れる、採取する」を発見し、【享】はこちらではないかという話になった。
SY — 25/08/2024 02:13 案1: sep-hu, sep-pai 案2: *sepphai 案3: 実は別語 hsjoihs — 25/08/2024 02:27 個人的には「アイルではそこの情報が落ちているので、アイルだけ見てても分かりません」が一番筋がいいと思いますよ まい/MIT — 25/08/2024 02:38 あとありがちなやつとしては「語形は sephu 由来だが、ニュアンスは形態・意味ともに近い sepai 系列に乗っ取られた」のシナリオ meloviliju — 25/08/2024 02:40 paxoとphaxoがどっちも「犬」だし、なんかp周りは揺れるんですかね 単系統とも限らんしな hsjoihs — 25/08/2024 02:43 少ないサンプル数で overfit しても微妙だし、「今後の研究に期待」で置いておく勇気が必要なシーンかもしれんな meloviliju — 25/08/2024 02:44 よさそう > sepai「収穫する、刈り入れる、採取する」 ひとまずこうかな〜
このような議論が交わされ、p, ph, p' の表記は地域や話者などさまざまな要素で揺れるのではないかという話にもなった。
どうも
・ラネーメの主流であるSOV語順
・接続の形に悩まなくてよい
・話者数がそれなりにいる
・声調がない
・
語彙に関してはどれもそれなりに外れた部分があるが、ことにアイル語に関しては理語由来の語彙の多さが相互理解の壁となっている可能性が高い。
SY — 25/08/2024 03:07 アイル語中心主義は「アイル語ぐらいしか正書法が安定してなかったから」という話と矛盾しないような落としどころ考えるとこの辺かなあと meloviliju — 25/08/2024 03:09 建前なんじゃないかと思うんだよな、正書法で言えばバートとかの方が安定して見えるので…… まい/MIT — 25/08/2024 03:09 正書法以上に、行政実務を担う書記言語としての実績が問題視されているイメージがあった SY — 25/08/2024 03:12 あ~~~「口語でかつ行政ができる」ってのが唯一アイル語か まい/MIT — 25/08/2024 03:12 「バート語話者はアイル語話者より顕著に少なく、バート語が公用語の選択肢に入れてもらえない主要な原因になっている」ってイメージがある SY — 25/08/2024 03:13 燐文で議会は回らんからな…… meloviliju — 25/08/2024 03:14 パ、パイグ…… あれかなぁ、語順とかでみんな困ったのかな SY — 25/08/2024 03:16 まあ結局多数派はアイル系ってのはあるんだろなあ…… パイグ語で行政回すとどこで迷うかなあ meloviliju — 25/08/2024 03:19 日本人が英語で主語言ってから動詞で詰まる現象が頻発するかも SY — 25/08/2024 03:20 確かに語順は結構異端か meloviliju — 25/08/2024 03:20 燐文からアイル語に訳していった感じだと、同じ燐字からかなり頻繁に訳語が割れるので、非アイル語話者がアイル語を話すときはそこが苦しそうかなぁ SY — 25/08/2024 03:22 逆にパイグは熟語で賄いすぎてわかりづらいというのもあるか meloviliju — 25/08/2024 03:23 口語としてのパイグ語は四字を重視する? SY — 25/08/2024 03:24 あ~~~~そこ確かにきついな~~~~~ meloviliju — 25/08/2024 03:24 口語もか…… SY — 25/08/2024 03:24 むしろ結構口語の制約 音声的な現象を引き起こすので meloviliju — 25/08/2024 03:25 それだな〜〜〜 SY — 25/08/2024 03:26 まあすごくだらだら話さない限りは分かってもらえるとはおもうけど meloviliju — 25/08/2024 03:28 アイル語は理語の割合が高めなのが母語話者と非母語話者を互いに苦しめてそう 非母語話者は母語話者の使う理語由来の単語がよくわからなくて、母語話者は非母語話者が理語由来の単語の代わりに使うラネーメ的代用表現に戸惑ってそう SY — 25/08/2024 03:32 CJKみあるな~~~
ルールブックで一部が必要となったため、整備。
umine asim nahor hubwa nammini 三に一を足すと四
umimi asine phoukour hubwa nammini 三が一増えると四
umimi asine simuar hubwa ikuna 三が一減ると二(三から一を引くと二)
ikuga umi guyaomo nikkuna 二の三倍は六
ikuma umine guyaor hubwa nikkuna 二を三倍すると六(lit. 二を三つ重ねると六)
ikim ikunu kakitar hubwa nammini 八を二で割ると四
「~したとしても」のような反実仮想or仮定の話は動詞パラダイムで吸収して "-pamesa cunya" で表現できるらしいということがわかってきた。
破壊的変更。他のラネーメ言語と揃えて「A a B」で「AのB」とする。属格が比較的厳密に所有しているもののみを扱うようなので、「~からなる」のような『緩い属格』で活躍する機会がありそう。
運用を通して少しずつ分かってきたこと。
所有格は厳密な所有や支配関係が成立しているものや譲渡不可能なもの(cf. 家族、身体部位、位置関係など)に適用され、それ以外の性質(色、)や
理語辞書を眺めていたところ、ayplerdなど未回収のアイル語が存在していることがわかったため、収録。ついでに何が理語から取り込まれたかをわかるものははっきりさせる。
未回収。ayplerd「(-'sは-'iを-'sciについて)なめる, 蔑む, 下卑する」から。aipuleduとaibleduで悩み、乱択でaibleduになった。
' を削除。fop'ei は「fopooei:AIR:薄暗い森」を発見したため、fopoeiへ切り替え。(理語辞書はダイアクリティカルマークで狂うため)
こちらは「つまり」という接続詞に切り替え、理語が借用したことにする。
blesva「(-'sは-'cに-'iを)委任する」からの借用。
blowka「中性, 第三性」から。語義を「中性の、中立な、第三者の」に切り替え。
元はblujauだったが、理語でblurjaなのを反映し語形をbluujaに変更して「天啓、神の声、素晴らしい美声」として借用した。
理語辞書の語源欄では「cidoxile:AIR:(パンに)挟む」となっている。1. 決裁の当時は単体で「はさむ」として収録していたが、今考えるとこれはceecimuのcimu (cf. ṣím.bt)にdoxile~toxileがついた形であるかもしれない。
理語では「セルロース」となっている。「セルロース」が一音節なのなんか違和感があるので、原義を立てたい。
SY「"筋"とかどうだろ。あとは繊維質なそういう植物の名称とか」mel「あー、没食子酸とか」j.v「化学は結構そういうのやりますよね、蟻酸とか」
他に繊維(nyalu)や酸性紙(niunin<niu+nin1)もラネーメ由来ということになっており、もしかしたら紙の産業化の際にラネーメから関連語彙が流入した可能性がある。
cituar「脅迫する」から。
civior「学生服」から。語源欄のアイル側の語義は制服になっていたため、いわゆるユニフォームとして借用。
理語辞書ではchomadipai(チョマディパイ;民族名)が語源ということだが、「しばしば私」はさすがに「何?」であり、アイルに部族があったという設定があったころのメタ的に古すぎる記述なので、chomadipaiは抹殺。
これは理語がxorga「アイル料理、ショーラ料理」という形で、しかも頭子音もいい感じに弱化しているためアイル語からの輸出。
xorlaという「燻製魚の干物」を表す単語が理語に存在し、これの語源がk'ebaie chaulaで「燻した焼き魚」ということらしい。
しかし別に製法に焼くプロセスがないことから、chaulaを「食材や料理としての魚全般」として取り、元からあるラネーメ語根のamuiは「生き物としての魚」を指すことにした。
必要のなくなっていた「用例の存在」欄を廃止し、また「派生した理語」の欄が実際にはアイル語の方が子孫である場合も出てきたことを踏まえて「関連する理語」へと変更した。
2024年9月2日、15. lauzait cepルールブックで行っていた翻訳がひとまず完了したため、アイル語をよく覚えていないSYとj.vが、翻訳を担当したmelの補助とともに読み進めつつ誤字や表現の改良を指摘するという作業を行った。
この結果「CVCV に -CV 接辞がつくと CVCCVCV になるが、VCV に -CV 接辞がついても VCCVCV とはならない」という現行の振舞いはあまりに合理性に欠けるという指摘を受けたため、VCV でも VCCV と長子音化することになった。これに伴って現象の記述が「単一短母音の二音節名詞が三音節となる際は二音節目の子音が長子音化する」というシンプルなものに書き換えられた。
語頭で確認されている子音クラスタは現状 bl- だけだが、/blVCV/ は長子音化して /blVCCV/ になるのだろうか?
規則改定に伴って、今回のテキストで用いた構文を『アイル語概論』になるべく網羅しておこうということになった。
2024年9月3日の未明から始まったこの大幅加筆の中で決まったことやそれまでに提案されており決裁がなされたこと、および新たに提案されたことを以下で記述する。
アイル語に関する記述に誤りがあったため、訂正。
"lauzait cep"という語の訳や閉音節への接辞の付加などの際に起こっていた母音の挿入にまつわる話で、 「挿入されているのは本来的にはシュワーであって、通常シュワーは五つの母音のうちもっとも地位の低い u で表記されているが、 単語クラスの要請によって一部で e で書かれるようになり、やがて表記に引きずられて音声的にも /e/, /u/ に近づく場合が生じているのだろう」という結論になった。
なおこの話をしていたSYがいつかこのアイル語の音韻現象について東島通商語で論文を書いてくれるらしい。やったあ。
23で長子音化の対象が二音節名詞全体に広げられたことで asi「1」, iku「2」, umi「3」の数詞も長子音化を起こすのかという話になり、「数詞はいろいろ挙動が他と変わっていてもいいだろう」として asi, iku, umi の三単語がこの規則の最初に見つかった例外とされた。
iki「8」。iku「2」と区別するためにあえて規則を適用するのではないかという案がj.vから出たが、クラスがそもそも別なことからその必要はないだろうということになり適用外に。
umu「1000」は「規範的には適用外。しかし他の数詞に比べると頻度が低いため、適用されている例も散見される」ということにする。
動詞を直接修飾できるのは副詞であり形容詞ではないアイル語において、"dipaimi kaisa aimar"「私は良い」のような形容詞とコピュラを用いた叙述文の文法的な記述としてj.vによって考案された事項。
aima, mamu が自動詞化、mahe が他動詞化の動詞として記述された。
なんだかんだでstaleはよく利用するため、検索ページを作ることにした。stale.txtを行ごとに分割してincludes()メソッドで雑にマッチさせ、<li>で挟んで<ul>タグの中に並べていく。
一応検索でメインスレッドをブロックしないようにWorkerを使ったが、UXはさほど改善していない。まあもともと検索対象が7万要素以内であり、行の長さが50程度なことからたかだか一千万オーダーと見てよく、それくらいならギリギリ我慢できるだろう。
作ってから、乱択のしやすさという面や検索性のことを考えると検索結果の番号と正規表現検索機能があってほしいよねとなり、足した。
AILの名を冠しておいてこれまで一切アイル語がなかったが、ここ数か月にわたって労力を注ぎ続けたことにより、なんとかコメントが訳せそうなラインまで到達することができた。
というわけで、まずは2024年9月現在で次に控えたイベントであるゲムマ2024秋のコメントを翻訳していこう。
アイルの代名詞である文化。staleを眺めていたところbliblo「文化の,文化的な」を見つけたため、名詞用法を追加してサルベージ。AIL MO LETI CEP は "airuga bliblo cepu" となった。
基本的に「AであるB」として "B(同格) aima A" と書いていた同格表現だが、長くなるともっと簡潔な表現があってもいいのではと考え、a【之】を用いた表現も可とした。
これによって「Sという文」という言い回しを "S a tauhi" で表わせるようになった。
staleからvaoa「祝う」をサルベージ。今見ると祝う対象が処格になっているので、処格で言うことになった。万能だな処格。
ゲムマ後のboothでの販売予定を書くにあたって、輸出先の東島通商語で用例が先に存在した tunii「予定する」がアイル語でも使われることとなった。
燐字文化圏であることに乗っかり、素直に【上】【下】を用いて前後を表現する。まあ性質格の派生でしょう。こんなの起源古いだろうし分化は長子音化より前でしょ。
ということで sauja, utuja になった。utuja「後の、次回の」と uttuja「下賤な、卑しい」が対立したぞ!
「おもちゃ」の言い回しを考えた際に発生。燐字が【遊刀】であることや、「正直「utui に何らかの接辞」ぐらいが無難な気はする」「そもそも【刀】の義が「かたな」ではなくて「たまに用いられる、 *-ŋau という音形の名詞化接辞」な可能性はあるな」というj.vの言などもあり、-ngau を接尾辞として立ててutuingau「おもちゃ」という語を形成した。
さてこれはどうしようか、英語で輸送がshipであることにヒントを得て、交通手段をそのまま動詞化してみようか。
mel「昔のアイルって輸送手段なんだろ、やっぱ船かな」 MIT「船じゃないかなぁ」 mel「あんだけ水産物関連の話出てるし水運は盛んそうだよねぇ」
これらから【船行】【船来】で輸出と輸入をそれぞれ言うのではないかということになった。
さて、ここで【船】にはパイグ音でnuak1, muak1の二つがあり、ともにnua2+mok1の合成語であると説明されてきた。しかし、nuak1はともかくmuak1についてはこの説明では無理がある。この疑問は古くから論じられており、今回staleから tumua「帆」を発掘したことで、「布に関連した何らかの語素 *tq と船を示す *(V)mua が存在し、tumua < *tq + *(V)mua である」という仮説が提唱された。この仮説に基づけば、taku【衣】も *tq + *a + *qku であるという説明が可能になる。
パイグで韻母が ua なもののうちアイル語で oua になっている例が一つだけ(cf. kuai1, kouai【謝】)あったため、乱数で o が入らないことを確認して umua「船」を立てた。輸入、輸出はそれぞれ動詞接尾辞の -moo, -sakka を付けて umuamoo, umuasakka。
MIT「-moo、mohoじゃないんですね」
mel「タカンも本動詞【行】は morlu だし落ちやすいんでしょうね」
MIT「たしかに説得力はある」
「理語からakru-を借りてくる」案と「固有の高級語彙がある」案と「複合動詞で言う」案の3つが出ている。
mel「bohai「交換する」で複合動詞言えるかなぁ」j.v「あまり言わない気がする」
staleから geda「歩く」と kitua「たいまつ」を発掘、採用。kitua はランタンなどの手持ちの灯り全般を指せるかもしれないが、要議論。
いくつか記述に変更が起こり、追従する過程で分かったことを書く。
baibae aimaで言うことは間違いないのだが、同じの対象の格が同格なのか処格なのかというのがわからなくなった。
同格だと「~でもある」に見えそうなので、処格にすることに。
燐字が【紙銭】らしいので、素直に ninusuu。「五ズー紙幣」は suna suuja ninusuu だろうな。