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バート語の造語をするpart4

bhátán lauzait-cep により、緊急的に造語圧力が高まってきた。

バート語は非常にゆっくりまったり造語をする慣習のある言語であり、みっとんからも「バート語の魅力は、その造語の遅さにあり、ひとつの単語が何年も待たれることによって味が出ているため、ペースを上げることによりそれが損なわれないか心配である」との意見が出ている。

私としても、ボードゲーム用語だけを育てることは望まないため、今まで散々溜まってきていた造語欲を集められるだけ集めきった「バート語 特例緊急造語リスト」を立て、今までのゆっくりの作業の味を損なわずに若干加速するだけに留まれるように工夫していく。

また、需要を満たすための新規造語だけで辞書更新を埋めるのではなく、自然に今まで湧き出ていたが収録から漏れていた様々なものを収録することも引き続き継続していく。

2025-08-19 更新:結局普通にいつも通りのペースで造語をしているではないか。

166. dhák「【激】:いち早く、素早く」

58.667% ガチャに落選。dh- -á- -k- -í- -s- -í- -j-。副詞だし短めに dhák かな。

アイル t'ak'ei「暴風・大風」との語源的関連を見てやるのが素直だろう。

167. 「してはならない;することが禁じられている」造語せず

【勿】の訳語。具体的には、lauzait-cep の【勿生来斥片而片無能行之時。】を訳出する。

みっとんによると、lauzait-cep においては、命令形と「不定詞 + zallokátá」が大まかに使い分けられている。というのも、ルールブックとは、個人に命令する文章ではなく、個人の持つ権限を客観的に記述するものであるため、zallokátá で処理される傾向があるのだとのことである。

まい/MIT — 2024/08/26 02:02
今目についた命令形で説明すると、
汝須識々須為「引人」。
ásúkadhel 引 zalloúḷ [改めて/今一度] cánaj.
は、「注意への要求の存在を理解してほしいのではなく、本当に注意してほしい」という事情により命令形が使われている気がする。

さて、否定命令を表す最も素直な形「ám + 命令形」にはいくつか用例がある。

一方で、肯定命令であれば -úḷ zallokátá「~すべきである」を用いるべき、「客観的な権限の記述」を目指す文脈では、否定命令を表す最も素直な形「ám + 命令形」は避けるべきだろう。

ということで、客観性をもって「することが禁じられている」を表す表現を考える必要がある。

あ、danúḷ「~(不定詞)してもかまわない」があるので、それを否定して -úḷ ám danakátá「~してはならない」が言えますね。

168. úpadácúḷ「〜(対格)の直後に後続している」「〜(対格)のすぐ後ろにいる」

「【連】;consecutive」が要求された。数が連番であり、麻雀でいう順子を成していることを説明するのに使いたい。

58.667% ガチャに再び落選。

s- -a- -n- -á- -z- -o- -r-、う~ん。

あ、そういえば dácúḷ「〜(対格)に後続している, 〜(対格)の後ろにいる」がある。

これに対して接頭辞をつけてあげる形にして「ぴたっと後続している」といった形にするのはどうだろう。

-úp と同様の【即】で、úpha- か úpa- とでもすればよいのでは。まあ、擬属格の -úpán で不帯気なので、úpa- かなぁ。

úpatácúḷ の可能性も考えたが、まあ úpadácúḷ でしょう。

169. tcuwo「ボードゲームの駒」

古くは 2020 年 1 月 30 日に ehai lásijakátá cekhaihomá aghauṭa において cekhaiḍi hína ásúkazá tcuwodhel bohazácai ja dháradele janáúḷ ema rijacainá. と書かれていた。語形に険しさのありすぎる借用語であることもあり、今まで掲載を見送っていたが、このたびついに掲載することとした。

170. ṭaxot「(セットカイクの)シーズン終了」「(ニーンセットカイクの遊戯名)タショッ」

初出は、2021 年 11 月 14 日に CETKAIK LETI DUXE を途中まで訳した際の

cekhai bhámaom sápakátá núdha.
ṭaxot, tumok. nautuhomá bhoḷog.
* * * * * * * * * * *
núdhabághaḍi hína áma sujadíha, bhog.

ce-khai bhá-ma-om sá-pa-ká-tá nú-dha. (11)
ṭa-xot, tu-mok. nau-tu-ho-má bho-ḷog. (10)
* * * * * * * * * * * (11)
nú-dha-bá-gha-ḍi hí-na á-ma su-ja-dí-ha, bhog. (14)
机戦は我々(包括)の伝統的な遊び。
ṭaxot(シーズン終了)、tumok(続行)。(これは)言葉の法(である)。
* * * * * * * * * * *
得点のために私はお前を使おう、色よ。

である。これまた掲載を見送っていたが、今回「(ニーンセットカイクの遊戯名)タショッ」としての用例が出てきた。採用だ。

171. ṣibhaijoṇu「政府」「中央政府」

joṇu「政府」「行政府」「管理部門」「事務部」「運営」のうち、狭義の「政府」を指す語。

【汝引官人而心生善官】の後ろの方の【官】の訳語として、みっとんが 2024 年 7 月 19 日に使用。

SY に共有したら「【集】dat2 の y1 に対比される『中央政府』を特に指せそうよね」とのことだったので、そういう書き方にしておく。

172. núdhaháta「(特に布製の)ゲームボード」

núdha「遊び」+ háta「布」。みっとんは、2024 年 7 月 19 日に【衣】を háta と訳した後、2024 年 7 月 28 日に明確化のため núdha をつけて núdhaháta とした。

173. xíju「投げ棒」

まい/MIT — 2024/08/27 03:40
投げ棒、xíju かなあ
そうすると、投げ棒を投げて出た数を xíjubágha と呼びたくなりそう
hsjoihs — 2024/08/27 03:45
まあ、そうでしょうなぁ~

174. kuwá「(セットカイクの)筆駒」

初出はehai lásijakátá cekhaihomá aghauṭa における登場なので、2020 年 2 月 6 日か。

政府役職としての【筆】はこれで言わないんだろうな。

SY — 2024/09/03 04:48
エッセンスが抜け落ちているなぁ

hsjoihs — 2024/09/03 04:49
翻訳って往々にしてエッセンスが抜け落ちるものですからね。
まあ、駒にそもそも階級章がデザインされているので、十分気付けるでしょう。支障ナシ。

ところで、á で終わっているけど、単数形扱いでいいよね?

みっとんが kuwázá と書いている。さすが。

175. elame「軍人・兵士」「階級・身分」

リパライン語 elmer「戦う人・軍人・兵士・戦闘員」とリパライン語 elme「階級・身分」が合流したもの。

バート語は語末の長短対立について相対的にゆるいこと、短い ĕ はかなり marginal であることなどから、区別がされないのであろう。

まあ、日本語話者も、

となる環境で問題なくやっていけているので、バート語話者もここの対立が滅んでいようと問題ないのであろう。

176. -ṇop「〜に明るい人」

176-1. -ṇop「〜に明るい人」

meloviliju — 2024/06/13 13:26
nyoupi「かしこい」【賢】
バートは nophi とかかね

まい/MIT — 2024/06/13 13:41
唇音 + 狭母音は無理

meloviliju — 2024/06/13 13:47
nophaúḷ?
語末は結構揺れるっぽかった

まい/MIT — 2024/06/13 13:48
-ṇop「〜に明るい人」みたいな変な残り方している気がしたけどどうだろう
@hsjoihs

meloviliju — 2024/06/13 13:48
cuop2, cwouphi に同根な codhi があるな、dhになることもあるのか

hsjoihs — 2024/06/13 14:35
-ṇop「〜に明るい人」かなりありそう

176-2. niṇṇop「製紙職人」

まい/MIT — 2024/09/01 08:59
-ṇop「〜に明るい人」、niṇṇop「製紙職人」を派生しそう

meloviliju — 2024/09/01 09:01
おっ、職人の派生語素になるのか!

まい/MIT — 2024/09/01 09:02
私の偏見なので、hsjoihs の偏見に却下される可能性がある
あと職人を表す用法はかなり例外的な気がする

hsjoihs — 2024/09/01 10:23
ちゃんと i が短くなり ṇ が反るなどといった香りへの配慮に満ちあふれており、さすがである

たしかに、 -ṇop が職人を意味するのは exception rather than the norm という気がするな。

177. xíjubágha「投げ棒を投げて出た数」

前述した。

178. líbhaṭ「後悔」、ghibháṭúḷ「後悔する、後悔している」

「220. 名詞と動詞の交替、そして名詞 scansion の自動化」で既に登場していた。経緯としては、以下のような議論が行われていたのである。

hsjoihs — 2024/08/29 06:03
hsjoihs「『後悔する』、しれっとリパライン語から借りていそうだよな」
みっとん「あ~~、やりそう」

まい/MIT — 2024/08/29 06:05
形容詞 lypit「悔しい、後悔した」か、えーと
名詞形 líbhat、動詞形 libháṭúḷ とか?

hsjoihs — 2024/08/29 06:07
語末の ṭ は許されているので、-ṭ かな

まい/MIT — 2024/08/29 06:11
líbháṭúḷ, ribháṭúḷ, nibháṭúḷ あたりが li- の回避に使えるか?

hsjoihs — 2024/08/29 06:12

前に 
hsjoihs — 2022/12/22 22:57 今日発見された規則: 語頭 li- および lí- は不安定で ni- / ní- になるのが普通だが、第二音節が鼻音であるときにはこの現象が抑制される cf. limmo, líṇa- はともに第二音節に鼻音がある
hsjoihs — 2024/06/13 23:07 これ ni- / ní- って書いてあるけどなんでだろう。ghi- / ghí- ルートもありそう
という意見が出ていますね。ghibháṭúḷ か?

ということで、 líbhaṭ「後悔」および ghibháṭúḷ「後悔する、後悔している」で。

アスペクトどうしましょうね。

みっとん「瞬間動詞と状態動詞の両方があるやつでしょうな」

みっとん「動作動詞『後悔の念が積もっていく』は、バート語の動詞としてはあまりにも繊細過ぎる」

たしかになぁ。

179. ághim ghátu koṭaim

まい/MIT — 2024/08/23 03:44
「ághim ghátu (頻度 31 位の名前を造語せよ)」らしいので、koṭaim を提案
荒洲の好きなバート伝統芸能の名人

hsjoihs — 2024/08/23 03:44
よさそう

ということで、koṭaim を辞書登録し、ághim ghátu koṭaim を人名登録。

180. ábha「いさかい、いがみ合い、不和」

たまにある、理由なき唐突な造語割り込み。

181. e「軸」の複合語 esúka, ekághi

181-1. ekághi「nautuhomá e の先頭部分」

hsjoihs — 2024/09/10 03:39
nautuhomá e の先頭部分は ekághi(軸の口)、末端部分は「軸の尻」とかだと思うんだよな

hsjoihs — 2024/09/10 03:45
みっとん「はいはいはい」
みっとん「口なら尻か」

182. wíclatí「本物;本質;仕事に値する人間」

リパライン語 svizlatj「本物 実物 正規品 真作 実機 正体 本質; 実務 業務」からの借用。「二百題で学ぶバート語基礎 - 荒洲 宗保谷」第 10 課にある「仕事に値しない人間が職に就くことがよくあるというだけのことなのだ。」の思想的下支えとなる語。

183. noṣ「~(具格)の半分」

アイル nusha より。dáṣ からの類推で基準具格となる気がし、意味的にも特に違和感がないので基準具格で。

184. lammí「3 分の 1」、ríkalammí「3 分の 2」

かなり幅広く諸言語を確認した中で「3 分の 1」は「3」と同根だったので、lumi の子音重複形 *lummi を考え、l- の後に u が許されず -mm の前に o が許されないことから lammí となる。

「3 分の 2」は一語化して ríkalammí となる。

185. jodhit「4 分の 1」、lomán jodhit「4 分の 3」

「4 分の 1」はなんか隣の大言語から借用されている率がそれなりにあるっぽい(英語とかスワヒリ語とか)ので、iup(qa) + it(ep) を考え、ところで cuop2 ~ codhi を考えると当然 jodhit となる。「4 分の 3」は一語化しないだろうから、規則的に lomán jodhit となる。

以上の ½, ⅓, ⅔, ¼, ¾ の 5 つがバート語話者にとって常識として知られていて日常的に用いられる語だろうなという感覚がある。これ以外の不規則分数数詞は「度量衡でのみ使う」か「ほぼ廃れた」かのどちらかだろう。

186. 「3 分の 2」の語中 -l- は当然反る

みっとんが 2025 年 5 月 18 日 15:46 に「ríkalammí について、これの一語化よりも早く複数形の衰退が始まったという想定ですか?それとも語形成の自明性により衰退に巻き込まれたという想定ですか?」とのメンションを投げてきた。

そのメンションを見て、hsjoihs は「あっ l を反らせ忘れている」ということに気づき、サイレント修正を入れることを決めた。

なお、みっとんの元来の質問については、ゲームマーケット会場で回答を与えた。

187. 「食べる」

187-1. 「食べる」と iam1

2024 年 8 月 29 日に、このような会話がなされていた。

みっとん「この言語、『食べる』がまだない」
SY「『味』から派生とかしないんですか」
hsjoihs「bhattúḷ か」
みっとん「bhattúḷ は『食べる』ではなく『賞味する』では?」
SY「それぐらい語義がズレたり派生したりしません?」
みっとん「語源が明確だからなぁ~」
みっとん「もう少しシンプルな『食べる』がありそう」

みっとん「『口に沈める』ができるのではないか」
hsjoihs「『沈む』がもう『消化されて取り込まれる』で使ってますからね」

hsjoihs「bhattúḷ は雅語かなぁ。ていねいな食事をするときには使える」
meloviliju「待遇表現としては使えるのでは」
みっとん「bhattúḷ 以上の待遇のを使って表現しないと失礼になるランクのレストランがありそう。現世でいう帝国ホテルみたいな」

これもあって、「○○が言えるのに『食べる』が言えないバート」などと言われたりしたこともあった。まあそういうこともあるよね。

その後放置していたのだが、

双叶 舞 (ales laelija stedelaf) — 2025/05/31 1:06
タカン語で「食べる」ってiam1系統で言いましたっけ
通話で流石にバート語に「食べる」が必要だという話になったので

双叶 舞 (ales laelija stedelaf) — 2025/05/31 1:37
マトナ語でも iam1 系統で言うらしいので、バート語でも「食べる」は iam1 系統で言えそうという話になった

まい/MIT — 2025/05/31 1:37
ほな jamúḷ か
でも jamúḷ なんか変な意味な気がするんだよな〜

と言われたので、まともに考えてみることとした。

とりあえず朝の時点で思いついたことを書き、

hsjoihs — 2025/05/31 8:59
iam1 系統の語、たぶん古さと語形のやりづらさのせいで、残っていたとしても変な比喩義で痕跡的にしか残ってないパターンだと思うんですよね。「ラテン語 edō 系統が完全に滅んでロマンス諸語では comedō か mandūcō 系統しか生き残ってない」ってパターン。

hsjoihs — 2025/05/31 9:00
逆にいうとスキュリオーティエ・バートでは iam1 系統なんだと思う

hsjoihs — 2025/05/31 9:07
日本語も「食べる」は「給う」系統とされているし、リトアニア語は *h₁édti「食べる」由来の ėsti は「動物やマナーの悪い人が食べる」で、通常語は「濡らす」系統の valgyti らしいし

hsjoihs — 2025/05/31 10:57
nauṇamúḷ "to excessively consume food or drink; to binge on food or drink" は全然いけそうなので、まあ *jamúḷ は語形の短さがよろしくないんでしょうなぁ 

まい/MIT — 2025/05/31 11:01
nauki_namúḷ? 

hsjoihs — 2025/05/31 12:09
普通に naun- + *jamúḷ だけどたしかに言葉遊び的に nauki + namúḷ とも解しうるなぁ 

家に帰る途中で以下のアイデアが固まった。

みっとん「わかるわかる。そうなんですよね。 jamúḷ には家畜が喰らうみたいなニュアンスがある。」

187-2. とりあえず nauṇamúḷ を書く

まあ和訳は「(食べ物や飲み物などを)過剰に摂取する;暴飲暴食する;ドカ食いする」かな。

188. 登録 streak 再開

バート語は「創作者が覚えられるペースを上回る速度で造語をしない」という原則がある。

私は「自分が覚えられるよりも速い速度で造語しないようにする」を心掛けていますね(統計取ってるけど、平均すると 1 語あたり 4.1 日とかのペース)。すると内容語はなんだかんだ 8 割ぐらい覚えていがち。活用語尾は怪しい。

— 【ゲムマ両サ-19】hsjoihs (はすじょい) @ 言語が好き (@sosoBOTpi) March 28, 2023

ただ、「とはいえ、それを言い訳にしてサボりすぎである」という実情がある。

下限を設定していないからそういうことになる。

さて今や 2025 年 11 月 16 日。さすがにそろそろ「サボりすぎ」の誹りを免れない。やるぞ。

188-1. 今回のレギュレーション

hsjoihs — 9:22
@まい/MIT @双叶 舞 (ales laelija stedelaf) 
前に「1 日 3 単語までなら学習に耐える」って言ってたじゃないですか。
最近ずっとバート語をできてなかったので、今週から coin streak を再開しようと思うんですが、
ちょっとペースを上げたいので、

の両方をこなしたら 1 day としようと思います

189. 2025/11/17 (1-day streak)

189-1. kacúḷ「復讐する、仇討ちする、報復する」

hsjoihs — 2025/07/26 23:33
今日の天啓:kacúḷ「復讐する、仇討ちする、報復する」は、借用語 kaci(アイル語:復讐・報復、リパライン語:仇敵。どちらに由来するかは判然としない)に由来するため、語幹が短いけれども規則動詞としてふるまう。

文法書に「suḷorúḷ は sul- の形だと短動詞になるので、-(a)z などの前では語幹の強化が起こる。」というふうにある一方で、kacúḷ はこれを起こさず名詞化第一が kacaz になる、ということ。また、「-cを-ṣとするほうが自然」も適用されないということになるだろう。

189-2. úrokajúḷ「〜(具格)(公害など)で〜(hína)を黒くする」

バート語話者が東島通商語で書いたという設定の「AIL ICCO E NUPANKALETI ALAILEN」(『アイルの国というのは悪しき名だ』)で登場する、XULIP CET LETI LENEN DELNE DEXIT NUJON AT CUNOTIL LETI AUC.「工場の煙が空と肺のすべてを黒く塗る。」を受けて。

hsjoihs — 2024/12/03 0:40
「工場の煙が空と肺のすべてを黒く塗る」、まあ úrokajúḷ かなぁ
hsjoihs「こうしかないでしょ」
みっとん「それはそう」

格については、okajúḷ「~(対格)をまき散らす」の対格項が埋まった形なので、「〜(具格)(公害など)で〜(hína)を黒くする」とすべきだろう。

189-3. 後置詞 bhauya「〜の間に」

hsjoihs — 2024/11/03 14:20
みっとん「between が欲しい」
hsjoihs「最初期から登場しているが語が当たっていない【内】の使い時かもしれん」
SY「いいですね。あ、今回一応字としては使ったわ。【箱内】。」
hsjoihs「ガチャに落ちたので乱択したら bhauy- と言われたな。まあ bhauya かな。リパライン語 falvit『隙間』や具格語尾 -bhau との繋がりも模索できそうな形ではある」
みっとん「いいですね~~」
hsjoihs — 2024/11/03 14:27
みっとん「依存名詞としてデカい顔をしていて全く違和感のない語形なので、大変よろしい」

189-4. bháparohúḷ「~(主格)は~(具格)(特性)を共有している」

hsjoihs — 2024/11/02 5:00
判決:bhogi ghi bhápúḷ「*色へ、である」を使って「色が等しい」という意味を表すことはできない。

理由1:単独 bhápúḷ は今や完全にコピュラの補充形であり、原義は漂白されきってしまっている

理由2:-i ghi「~へ」という終着点を表す後置詞は、このような状況を表現するのに極めて筋が悪い。

・-i ghi aḍuhaidúḷ「覗く、調査する」
・-i ghi aḍuhazoúḷ「直線的に向かう」
・-i ghi dháradaidúḷ「なだれ込む」
・-i ghi náhúḷ「~に付け加える」

などの例から分かるように、ghi というのは「ちょっかいをかけにいく」後置詞である。

今回の状況では、「色を確認するための視線は『色』へと刺さっている」と強弁することは不可能ではないだろうが、しかしそれは強弁である。

また、ghi は「ちょっかいをかける動作」と相性が良いのである。ghi を取る状態動詞も存在はするが、たとえば ṣásubhozúḷ「〜(ghi)に入るのを許可する」は -i ghi ídúḷ するという動作の許可の存在を表している状態動詞である。

以上の 2 点から、bhogi ghi bhápúḷ「*色へ、である」を使って「色が等しい」という意味を表すことは決してできず、私はこれを排除する。 
-----------------------------------

さて、この問題は如何にして修正されるべきであろうか。

①まず、極めて不適当な -i ghi を用いたという悪臭を正そう。

今回、「色が等しい」という状態を描述する上での「色」というのは、「等しさの達成に不可欠であるが、二次的な要素として他者に選ばれて動作・状態に参与するもの」である。数を比較することも、大きさを比較することも許される中で、「色」という比較基準を選定して、評価の基準として据えたのである。

つまり、これは荒洲 10.3「具格とその用法」
具格が表すものは「動作・状態の達成に必要不可欠であるが、二次的な要素として他者に選ばれて動作・状態に参与するもの」、いわば「環境」である
がぴったり当てはまるシーンである。 hsjoihs — 2024/11/02 5:11 ②次に、今や完全にコピュラの補充形であることに対する bhápúḷ を用いて「等しさ」を著そうという anachronicity を正そう。 一般に、古義は複合語に宿る(というか、語が文法化される前に複合語化したものは、当然原義に基づく)ことを考えよう。-bháp- はこれまた文法マーカーだが、bhápa- ならなにも困らない。 接ぎ木の対象は、まあ状態動詞である必要があることを考えると、【無傾】のコアイメージと結びつきうる rohúḷ「平らである」が思い浮かぶであろう。(cf. 漢語「平衡・均衡・平等」)。よって、-ai bháparohúḷ という精緻な表現を釣り上げることができる。 ------------------------------------------- Remarks: -ar- という並びに対して心が不安になるべきである。jarúṣi からも分かるように、形態素境界がある以上は「短母音 + r」という配列には問題が無い。 -ai bháparohúḷ のような表現は、bookish で pedantic であると心得るべきであろう。日本語でも、たとえば外交官が「価値観を共有する 2 ヶ国」と言うのは自然だが、恋愛の文脈で「僕と君は最寄りバス停や学校などといった多くの特性を共有している」と用いるのは極めて変である。

189-5. phegán「顔立ちのよい、顔が魅力的な」

まい/MIT — 2024/09/14 4:58
造語提案:連体詞 phegán /-g-/(< 理feg + -án)「顔立ちのよい」

189-6. esúka「中心人物、(カードゲームの)親」

hsjoihs — 2024/08/22 0:30
【軸人】は超素直に esúka なのではないかなぁ

meloviliju — 2024/08/22 0:30
そういえばeだった

hsjoihs — 2024/09/16 18:48
esúka、ボードゲーム用語に限定されず「中心人物」を普通に指せる(なぜなら普通に燐字文化圏であるため)という直感なんですが、どう思います? @まい/MIT

まい/MIT — 2024/09/16 20:17
燐字圏であるなあ、問題ないんじゃないでしょうか

bhat-to-eng.json の語釈を書くのが難しい。英語では「カードゲームの親」の概念は banker/dealer/declarer などに分かれるらしい。

190. 2025/11/18 (2-day streak)

190-1. dínaum「自身の」

まい/MIT — 2024/09/09 4:45
dínaom、縮約して dínaum になりませんか?

hsjoihs — 2024/09/09 4:47
ありそう

190-2. 迷惑連体形 III-mán

まい/MIT — 2024/09/11 22:41
擬属格の一つとして「迷惑連体形」III-mán ありそうじゃないですか?
例外的な語形として、komán「こんな」と hĕmmán「〜でありやがる」

hsjoihs — 2024/09/12 1:15
たしかに、人名の -m は主属一致だから、衝突するとしても散発的に -m で終わる一部の名詞の属格ぐらいか。耐えそう。

aṭam, bániṣom, dháḷom, ghuttám, hátaṣom, káṇám, lom, ákíjam, ánom, áṭam, ṣom

そういや迷惑幹の命令形もなぜか -mán であり語形が一致するんですね。ここの a が伸びるのそもそもよく分からんし、相互に影響を与えているのだろう。ゆえに迷惑連体形 -mán の存在に説得力が出る。

ああそうか、辞書の上では -mán と -amán は別立てで収録することになる。

190-3. komán「こんな、こうでありやがるような」

上記参照。

190-4. hĕmmán「〜でありやがるような」

上記参照。辞書ではブレーヴェを書かず発音欄で対処するんだったな。

190-5. phílex「了解した、OK;考えてもみれば、言われてみれば」

hsjoihs — 2019/04/26 2:12
間投詞firlex、バートに借用されている可能性はあるな (phílex)

なんと 6 年半寝かせてからの採用。

リパライン語側で、文末に来る間投詞「理解 了解 わかった おk OK」と、接続詞「そういえば 考えてもみれば 良く考えれば」の両方の義があるので、バートでもこれを両方採用していそうだ。

文接続詞のほうの意味は、直前との思考的連関が要りそうなので、誤解を減らすために和訳からは「そういえば」を削り、「考えてもみれば、言われてみれば」と書き、英訳は [ "Come to think of it", "Speaking of which", "Now that you mention it" ] と掲載しよう。

ところで、文法書では間投詞とは「文中どこにおいてもよい」とだけ書かれているが、実際のところは

の 2 つは品詞として分離する必要があるな。まあ deja の類を「間投詞」、xízía の類を「単立間投詞」とでも呼べばよいか。

190-6. wápúḷ「油が酸化して悪臭を帯びている、酸敗している;単語や表現に『バートらしさ』が欠けている」

2024 年 12 月 24 日に、「油が酸化して rancid である」(特に髪の毛について使う。)を造語したいとメモっていた。やろう。

58.667% ガチャに当選。stale.txt を見ると fupoe / keikhe / naijau / s'umaa であり、乱択で fupoe。えーっと。まあ素直に wápúḷ かなぁ。

ところで、suḷorúḷ に「外来語に bhátán rásit を振りかける」の意があるのと同じ話で、今まで「悪臭」と呼ばれてきた「バート語らしくなさ」をも指せそうだな。

まい/MIT — 2023/05/21 07:40
闇:heju cf. アイル haivuu(コメント:ej あたりからなんか悪臭がする)

まい/MIT — 2023/05/21 22:50
heju、heyáúḷ があるのに何が気に食わなかったのかわからなくなってきたが、á と u では話が違う気もする

hsjoihs — 2023/09/17 14:56
heju 気に入らんわかる

hsjoihs — 2023/09/18 00:19
判決: *hajju > háju
さて、この問題は如何にして修正されるべきであろうか。

①まず、極めて不適当な -i ghi を用いたという悪臭を正そう。

登録。

191. 2025/11/19 (3-day streak)

191-1. jaupha「留め針;付加することで連用節(連用修飾節)を作り上げる代物」

investigate 223.「副詞」という文法用語の指す範囲を細分化』で既に定めていたが、収録が漏れていた。

191-2. bhogán rek「顔料」

まい/MIT — 2024/05/30 1:08
造語案: bhogán rek「顔料」

登録。

191-3. xetá「正義と判断を司る神族シェーター」

2025 年 7 月 31 日に、hsjoihs は「アクロスティック ṣahabát を書こう」と思いつき、他の数人との通話の末、以下の 4 行を完成させた。

phe, ¶masátu-/-dhel nota / o-/-kajъmúha?
そりゃないだろう、(騙す意図のある)嘘を(お前らは)いくつばらまくつもりなんだ?

bohakátá / zákubhauná / dá-/-ṣom sáka.
行った(=野垂れ死んだ)(お前らの)仲間たちの後ろの道だ(=お前らもその後に続いて野垂れ死ぬことになる)。

mábha phettuj. / híjahome / xe-/-tá_ṣíya
お前らはフェーッテュイ (ferttyj)[1][2]。(人々の)良心による正義と判断[3]の法廷が、

codhidhel / já ¶asíja-/-ká-/-ṣlo káṇám.
(おまえらの罪深き)声を確実に永久に石打ちするであろう。


[1]: 小麦粉に砂糖や果物のジュースを加えて発酵させずに焼いたクラッカー状のものにどんぐりの餡(baneart)を塗った物
[2]: 「お前らは、それの材料である『果実』(=木から吊るされた人の死体)となり、弔いの儀式で用いられる baneart を塗られるべき存在だ」ということ。
[3]: リパライン語 xertar「正義と判断を司る神族シェーター」

xetá の方が語釈を書きやすいので、先に登録する。

まあ -á で終わってるけどこいつは普通に単数形の名詞として扱われることでしょう。helazá「波」は -zá だし複数の山谷がイメージされるしで複数形のみの名詞となったけど。

191-4. phettuj「フェーッテュイ」

上記参照。まあ辞書登録はいまの ṣahabát の脚注をそのまま参考にすればいいか。

えーーっと、これは子音幹、だよね。

191-5. bheghahhá_okajúḷ「疲労をアピールする」

まい/MIT — 2025/10/21 1:46
bheghahhá_okajúḷ「疲労をアピールする」とかないかなあ

hsjoihs — 2025/10/21 1:46
はいはいはい

191-6. bákatúnáme「勇敢な者どもが打ち開いた」

bhom-「持つ」から来ているとされる単数属格 -homá および複数属格 -home のパラレルで、他の他動詞についても


といった化石化した連体詞があったりしそうだなぁ

192. 2025/12/08

2 週間お休みをいただくこととなった。具体的には、ScalaMatsuri 2024 で発表した内容を書籍にする手伝いをしたり、Kernel/VM 探検隊@北陸での発表に備えたりしていた。さて再開するぞ。

192-1. nese「家具」

リパライン語 sniesej「家具」からの借用。2022年9月6日に提案されていた。

192-2. lopud「家具・内装」

リパライン語 lopud「家具・内装」からの借用。2022年9月6日に提案されていた。

英訳は、nese が piece of furniture で、lopud は furniture や upholstery かなぁ。

192-3. dhán V-ma「~だというのにもかかわらず」

2024年10月12日に、『V-ma の前に強意の副詞を置いて「~だというのにもかかわらず」』というのが提案されていた。

freq2022_gen.html を開き、物色。dh- -á- -n- -i- -s- -á- -l- とな。じゃあ dhán かな。

ああそういや dhán ってダーン湖の意味もあったな。素晴らしいですね同音衝突。

192-{4, 5, 6}. adhaháṣin, aḍuhaháṣin, aḍuháṣin「審美眼に乏しいような、極めて基本的なものの区別がつかないような」(3つ語形がある)(物理的に盲目であることは表さない語)

2025 年 12 月 7 日に北陸新幹線で東京に戻る最中に聞いた通話をもとに思いついた語。極めて気に入ったので異例の高速採用。

193. 2025/12/09

193-1. attujúḷ「真っ直ぐである」

「二百題で学ぶバート語基礎」の「14.4. 不定代詞と任意代詞」において、「有名なバート系学者;[24th] ghátu [47th] bhátnímaṣ」が要求されているので、考えていく。

語は「真っ直ぐである」かなぁ。ガチャをすると非アイル。 ∅- -aQ- -t- -u- -j- よさそう。とりあえず登録しておこう。

193-2. attúghim「(人名)」

語尾をどうするかは迷いどころだが、直感でこれを選定。24 位として登録しよう。

193-3. lásin「(人名)」

造反側の「レーネガーディヤ > 登場人物」に登場している旨の報告を、2024 年 12 月 6 日に受領した。1 年寝かせた計算になるなこれ。

素直に採用なのだが、ランキング何位の人名とするかを決める必要がある。

name_freq2024_gen.htmlをリロードしまくったら「(頻度 40 位の名前を造語せよ) ghátu (頻度 40 位の名前を造語せよ) (姓もほしい)」が出た。揃うのは面白く、寿ぐべきなので、40 位としよう。

193-4. ṭáxaisia「岩間」

リパライン語 toxaisi'a からの借用。リパライン語 toytar に対応する借用語が toyat である以上、先頭の to- はそのまま to- を維持しても全然よさそうなものだが、これはなんか ṭá- の予感がしますね。アイル toca が ṭác になるのと同様。

末尾は、fedi'a が pedia なので素直に -ia とする。

193-5. bhaṇṇoúḷ「腐る、腐敗する」

まい/MIT — 2024/09/11 0:28
アイルに pwungou あるな
バートだと bhaṇṇoúḷ か bhághoúḷ かな
マトナに借用して、「腐った」くらいの義の接頭辞 man- か magé- を生やすか

まい/MIT — 2024/09/11 0:33
「バートに語彙を押し付けて、そこから借用した便利接辞を生産する」はライフハック感ある

hsjoihs — 2025/12/10 0:48
-gho- が若干悪臭なので、bhaṇṇoúḷ でしょうね

193-6. -(ḍ)íṣi ghi「〜化すべく、〜の実現に向けて」

hsjoihs — 2024/12/04 23:43
@まい/MIT 

-(ḍ)íṣ が名詞として熟していない動詞語根に対しても -(ḍ)íṣai と  -(ḍ)íṣi ghi は言えるという霊感が出てきたため、これらがどのような状況で使える連語表現なのかをお考え下さい

なお、-íṣi ghi はおそらく下賤だと -íṣli という潰れ方をします

まい/MIT — 2024/12/04 23:53
第一印象: よりによって語義がわけのわからない第三かい & -íṣí には行かないんだなあ

hsjoihs — 2024/12/04 23:58
ṣi ghi は [ʂɨji] であるため、潰れ先は [ʂɨ̯i ~ ʂɻi]  であり、‹ṣli› と表記することが適切。
荒洲お怒り「な~~にが『適切』だ。品という概念が貴様の脳内から揮発したとでもいうのか」

hsjoihs — 2024/12/05 0:02
『単独名詞としての -íṣ 用法がかなり痕跡的であるがゆえに、今の我々にとって zígh-「規則的だ」> zíghíṣ「時計」は異常な語派生に見える』なんでしょうな

まい/MIT — 2024/12/05 0:03
名詞として熟してないときにこそできる表現になりますが、具格は「〜という事象をきっかけに」、ghi 格は「〜という事象を実現させるために」かもなあという第一案が生じた
ただ、音節数あたりのややこしさがラーヴァヌーな気もするので、かなり積極的に疑念をぶつけていきたい

hsjoihs — 2024/12/05 0:08
とはいえ「名詞化接辞 + 格接辞」で接続表現を作るの普通に定番なので、少ない音節で多少ややこしいことが言えても個人的には全然違和感ないですけどね
英語 "in that S V"「S が V するという観点で」
韓国語 "-으므로" [= -음 + -으로]「~するがゆえ」
日本語 "~ものの"「~だけれど」
の類い 

まい/MIT — 2024/12/05 0:20
II-므로、そりゃそういう構成だわ
意識してなかった

hsjoihs — 2024/12/06 4:21
現代語、現状よりもまああともうちょいは情報密度は高いと思ってますね。

一般に

ということを考えると、低い分には別に全然いいんですが(逆に、高すぎる場合に救済策はほぼ存在しないので)、逆にいうと実際の情報密度は我々が手慣れているよりももうちょいは高いところにあるのでしょう

これを久々に見返し、少なくとも -(ḍ)íṣi ghi は安心して採用できるという気分になった。また、-(ḍ)íṣ が状態動詞につく接辞として知られていることのみを踏まえて -(ḍ)íṣi ghi を見た段階で今の hsjoihs の脳内に思い浮かんだ訳語が「〜化すべく、〜の実現に向けて」であったため、みっとんの「〜という事象を実現させるために」という訳語と比較的整合的であると判断できる。

194. 2025/12/14

194-0. アクロスティック再び

2025 年 12 月 13 日に、「最近 streak freeze が続いてしまっている」と判断した hsjoihs は、アクロスティック ṣahabát を書くこととした。

なお、

hsjoihs — 2025/08/23 4:15
アクロスティック詩、普通に「それなりに定番ジャンルのひとつ」として確立させて、 phettuj 詩はその数ある中のひとつってことにしたほうがどう考えても筋が良さそうだな
数ある狂歌の中に「動きいだして たまることかは」がある、のノリ 

という感じなので、前回の phettuj 詩とは別物となる。

そうして、みっとん・SY からのアイデアの追加注入も経て完成したのが、以下の 4 行。

dhák bátú, / káṇa, bháha-/-dhel / ám cejá!
いち早く飛んでゆけ、時よ、時代に取り残された者を待つな。

nautughaubhau / bháḍi bhauya / ághi / ammaká.
言葉の刃で我々の間に血が流れる。

líṇabáni-/-dhíná bhán / ṣot ¶ta-/tú háṣin
燐字による数多くの約束無き

rekasúká / we kádai / bhaṇ-/-ṇokáṣlo.
泥人形(複数)は次第に(日の)光で朽ちていくのだろう。

「流血沙汰が発生する」の意図で【生】方面の語根は使いづらそうだと判断し、amm-【傾】で血が「降下する」旨を表すのが良さそうである。

194-1. tatú「約束」

リパライン語 taty「誓う、約束する」より。bacú とかの長短パターンが似合うので tatú です。

194-2. bháha「時代に取り残された者、落伍者」

「bháheúḷ [状態動詞] <主格>は遅刻している、<主格>は遅れている」に関連する語形で短い名詞を生やすなら、まあこうだろう。

194-3. we「だんだん、徐々に、次第に」

リパライン語 ve「ゆっくりと, 漸次的に, じょじょに, 徐々に, だんだん, 次第に」からの借用。

バート語の固有語では決してありえない音素配列の一音節なら、安心して払い出すことができる。

「だんだん」といえば baukká もありますね。なんなら bhat-to-lineparine.json では baukká の訳語として ve を充てている。

194-4. híjarecúḷ「秘めていた心のうちをさらけ出す」

バートの「名詞 + 動詞」の複合語ってだいぶ対格項ばかり埋める。荒洲にも「但し、対格の擬属格は幾分か翻訳調の表現であり、adheṣṣíya のように複合語とする方が普通である。」と書いてある。

jarúṣi や bháparohúḷ のように、形態素境界があれば -ar- が現れうる。

194-5. zákátá zausáṇauṭu「使役動詞」

「荒洲」の「付録D: 文法用語対訳」に 2023 年 2 月 1 日から掲載されている訳語。záhoná aibhausa「使役具格」を立項しているのであれば当然掲載すべきだろう。

194-6. naunáhaz「総和」

2024/11/02 に lauzait-cep のサマリーを部分的に翻訳しようとした際に提案されていた。

195. 2025/12/17

195-1. koṇau「橋」

2024/11/02 に lauzait-cep のサマリーを部分的に翻訳しようとした際に提案されていた。『qornalc「橋」;語形は bhoṇau「巣穴」に影響されたか』との記載あり。

195-2. dhaiz「長さ(寸法)」

2024/11/02 に lauzait-cep のサマリーを部分的に翻訳しようとした際に提案されていた。

用例は、「9個の連続する数」を bághahome taku bháṣ dhaiz nághu bhaṣ hem(つまり、「長さが 9 である、数たちの繋がり」)と訳した例。

195-3. borúḷ「〜(oṣa)に由来する」

hsjoihs — 2024/07/06 7:18
アイルに moroo「由来」があるらしいので、boríṣán báni の borúḷ ってこれだろうなぁ

まい/MIT — 2024/07/06 11:01
boríṣ、語源かあ