SYが2021年7月28日に「そういえば今日変種考えたんですよね」として以下の文を出してきたのがきっかけである。
これを(数回の試行錯誤ののち)【此日我心而為之我等言之周言如此。汝目而識(SY「=力」)識来乎?】であると解読できた。
11, 33, 55, 13, 35 の五声調であり、介音が滅ぶと上昇調、とのことである。母音は /a/ /æ/ /ɔ/ /ə/ /e/ /o/ /i/ /u/ /y/ の9種であり、韻尾はゼロ・声門閉鎖・母音の鼻音化の三種。
頭子音は:
iə ei → e, uo → o
あとは変調規則として 55 35 → 55 55 と 11 11 11 → 11 11 33 があるらしい。
j.vが「hia1 は -i- が h- に完全に吸われて ʃa³⁵ だけど、 pia2 は -i- が吸われないので -æ で反映したりしませんかね」と提案。pa2 → pa¹¹, pia2 → pæ¹³, pai2 → pæ¹¹ という面白い反映をすることに。
基本的にパイグ文字の体系を継承することになり、
p b m hu(声母の位置に) c s x z zi(声母の位置に) t d n l k g h i u a ai au e ei o i u y k n 2 - 1 2 1と 介音符号(もはやただの点) 【之】の形をしたã用の字母
とのことである。つまり、
ただし、声調符号の点は韻母の上に打つとのことである。
具体例としては、
|
となる。なおコーダのʔはkっぽくもpっぽくもなるとのことである。
「翻字はパイグ文字の転写で良い気がしたな」とのことで、
を
p, b, m, c, s, z, zi, t, d, n, l, k, g, h, hu, i, u a, ai, au, e, ei, o, i, u, y -k, -n, 2, (0), 1, '2, '1, "2, "1, ã
とすれば良いわけだ。/f/ については、j.vが最初に hw を提案したものの、SYが「huでいい気もする」とし、それに対しj.vは「/f/ 合字だからなぁ。f で写しても良いか(というか f の具体例を生まねば)」と発言。まあ結局 hu になった。
先ほどの文はka1 zi"a1 pai2 x'a1 ua zau an pai2 e ziek1 an cei2 ziek1 en ka1. m'a2 ta2 ua can2 can2 s"ak2 m? といった感じか。なおSY「パイグ文字表記はなんか学者感がある」とのこと。
結論としては、この変種では古牌の f は痕跡を残しておらず、パイグで hu- になるものだけが f- として反映されることに。以下ログ。
jekto.vatimeliju: 【地】huep2 fəʔ¹³ 【処】hue fə¹³ SY: まあ二重語だし あれ、声調そうなんのか jekto.vatimeliju: hia1 も pia2 も上昇なので、介音を声母が吸うかどうかは無関係と判断した SY: あー というかf -> hu -> fか jekto.vatimeliju: 古牌は【地】【処】は f-、【少】は hr- か hue1 は古牌 hruvh 【地】frvp 【処】fv 【手】fohp んー、fv なら fə³³ なのかなぁ jekto.vatimeliju: 【手】は foʔ⁵⁵ なのか hoʔ⁵⁵ なのか jekto.vatimeliju: 【手】の字音どう思います? SY: frohpとかだっけ jekto.vatimeliju: fohp ですわな 古牌よりちょっと後のデータに hoop と記録されている旨が燐字海にあるんですよ f -> hu -> f を取るなら、これは hu- ではないので hoʔ⁵⁵ になるんですよね SY: frV - fV fV - hV fuV - fV (上昇) とかだと楽しそう jekto.vatimeliju: 【地】frvp 【処】fv ちなみに 【少】hruvh SY: あー、処そうなるんかあ まあhかなあ 少はf'e1かなあ jekto.vatimeliju: これをとると、 【地】 fəʔ³³ 【処】 hə³³ 【手】 hoʔ⁵⁵ 【少】 hə⁵⁵ なんだろうな これはこれとして別体系としてアリだな。再構の役に立ってもらうド田舎方言 SY: そうね jekto.vatimeliju: 今回の体系は本来的 f の名残が見られない一貫した挙動にしよう ゆえに【手】hoʔ⁵⁵ 【少】fə³⁵ SY: hue1はhu潰してるもんな jekto.vatimeliju: これによりこの方言が f -> hu -> f であることが明確に分かった
パイグ語豆覆 方言。以下ログ。
jekto.vatimeliju: ところでこの方言って一般になんて呼ばれてるんだろう SY: pai2 eとか?(ほんまか jekto.vatimeliju: ワート弁みたいな命名のやつだ SY: 共通語話者ならたぶんpa2 eとかなんよな jekto.vatimeliju: 「犬とは人聞きが悪い」として無難な名前で学者は呼ぶとか? 蔑称【犬如言】でしょ SY: どこの方言なんだろ jekto.vatimeliju: いや、【犬之言】かな SY: 大陸時代の祖地が気になる jekto.vatimeliju: 辞書曰く、 a 噫 弱化してeに近くなることもある。 じゃあ【犬吁言】とか書いてるかもな SY: 総称として「長短同言」とかはありそう 上位分類だけど jekto.vatimeliju: 土地に十分な解像度の命名がされてないので、今からなんか地名考えますか SY: そうねえ jekto.vatimeliju: 【豆覆】 SY: 肥沃そう jekto.vatimeliju: 農業生産量が高そうな縁起の良い地名 kuot1 ko1 zep1 SY: k'ok1 ko1か パイグ語ココ方言 jekto.vatimeliju: 日本語話者ならコッコと写しそうじゃない? SY: 確かに
SY「non-cognateはめちゃめちゃ多いわけではない」
Google spreadsheets にまとめてみた。
SY: 於、規則的には'e2かな jekto.vatimeliju: ʔie と見てこそ ə¹³ になるのでそう載せてる ie と見ると je³³ じゃないかな 文白であってもいいけど。je³³ SY: ie ei -> eiなので jekto.vatimeliju: そうか ʔie だと e¹³ か SY: まあ機能語弱化かなあ jekto.vatimeliju: やっぱり文読【於】je³³があってもおもろいかもな。なにに使うんだろう SY: 伝統文語の音読(?) jekto.vatimeliju: 伝統文語の音読および分数数詞とか如何 SY: あー分数 いいね SY: ネイティブどこまで適当でも読めるんだろ jekto.vatimeliju: 【傷】gui2 って y¹¹ かな。これおもろい gui2 -> gy¹³ (文) gui2 -> y¹¹ (白) かもしれん SY: g, 後舌母音の前で脱落かな jekto.vatimeliju: gua2 で残存してるし、語によるのでは SY: かなあ
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