燐帝字母

燐帝字母燐帝字音、燐字)はピリフィアー紀元前5122年、アレス国王アレス・リンの手によって当時の異体字、発音、表記法などを整理し、統一した表意文字体系である。

ファイクレオネ で使われている文字の中では最古の文字体系であるラネーメ表意文字の特徴を最も残していると言われ [要出典] 、現在最も文字数が多い文字体 系である。古代から周辺諸国家や地域に伝播して燐字文化圏を形成し、言語のみならず文化上の大きな影響を与えた。

現在では、この文字を専用的に使う言語はほとんど無く、補助的に表音文字を使用する言語が大半である。

概要


特徴

燐 帝字母はリパーシェや、ロライヘル文字などに代表される表音文字とは性格を異にする。表音文字では、一字が一音素ないしは一音節に対応するのに対し、燐帝 字母は表意文字であるので、一字が一単語ないしは一形態素に対応する。これは燐帝字母の大きな特徴であり、語の発音でなく、語の意義を通じて各々の形態素 などに対応するため、発音を知らずとも大まかな意義を知ることができる。このことから燐帝字母は広い範囲 [ どこ? ] に広まった のではないかというのが専門家 [ ] の中では言われている。

歴史


燐 帝字母の起源となったものはラネーメ表意文字の子孫であるアイル・パイグ文字(藍牌文字)である。これは筆で書くためにラネーメ表意文字の字形が変化した ものである。しかし、発生当初から燐帝の時代に至るまで、強力な文字政策が行われなかったがために、大量の異体字が発生し、遠距離間での情報伝達は困難を 極めていた。そこで、アレス・リンは通用していた文字の中から、簡便なものを取り出し、字体、発音などを整理した上で、ピリフィアー紀元前 5122年に 公布した。これが燐帝字母である。字体は当時の非識字層を中心に広まっていったが、発音は容易に変えがたかったために、燐帝の統一した字音は普及しなかった。

構成


字種

字種とは、字の種類である。二つの文字図形を見て、「同じ意義である」と認識できれば、それは同じ字種である。

字体

字体とは、字の骨格である。文字図形を見て、「文字である」と認識させる概念を指す。字体は点画の配置によって生み出される。
字体は、点画、字素などの構成、配置などによって作り上げられる。

点画

点画とは、筆を描画面に置き、離すまでに書かれた線や点である。燐帝字母官字では以下のように分類される。
例えば、「」のような字形は「行横曲鉤」のようになる。

字素

字素とは、字の素である。単独で字になることもできる。字素は二種の造法を持つ。
  • 象形―物の形を直接象ることによって示す。
  • 指事―点画の位置関係により、抽象的な概念を示す。
その組み合わせをさらに下のように分ける。
  • 会意ー意義と意義の組み合わせによって新たな概念を示す。燐帝字母の大半を占める。
  • 形声―意義と音声の組み合わせによって新たな概念を示す。パイグ語における方言字が殆どである。
その他、指事象形のように組み合わされたものもある。

字形


字形とは、字の形である。字体に肉付けがなされ、認識できるようになった実体のことである。

書体

書体とは、書く道具、媒体、速度、書き方などによる字形の様式の違いが文字体系全体に及んだものである。
燐帝字母以前より、アイル・パイグ文字には多くの書体があった [要出典] 。燐帝字母学においては、この分野の研究を一般に書体学という。

書体は刀字筆字の二種に大別される。刀字は「刻む」書体であり、筆字は「書く」書体である。

刀字

刀字をさらに細分すると、以下の様に分けられる。
  • 針字―針状のもので引っかくことによって書かれたもの。直線的で、細い線が特徴的である、
  • 鋳字―金属器に鋳込まれたもの。曲線的で装飾性が高い。
  • 印字―石に彫刻のように刻まれたもの。上の二つより遅く発生したと言われ、体系性が現れ始めている。

筆字

筆字をさらに細分すると、以下の様に分けられる。
  • 官刀―印字を始めとする刀字を筆書するようになったもの。役人が主に使用したために、スペース削減のため偏平である。
  • 風字―官刀を早書きしたことによって生まれたもの。曲線的で画の省略が多い。
  • ―風字よりも省略の度合いが少ないものをこのように呼ぶ。
  • 官字官刀などが正方形に近くなるよう体系化されたもの。燐帝が標準的な官用書体としたと伝えられているが、 実際は官刀を統一しこのように呼んだという説もある[要出典]

書風

書風とは書体の枠組みの中で、各個人が文字に対して与える「味付け」である。