ごにょごにょすることで、以下の基本色を得た。
視覚の仕組み自体に大きな差はないので、RGBを用いて表現しようとすること自体は自然である。ただし、そのとき基本色として使われる色が完全に一致しているというのは不自然なので、ごにょごにょをした。
現世: | #ff0000 |
#00ff00 |
#ffff00 |
#0000ff |
#ff00ff |
#00ffff |
悠里OS: | #f01004 |
#1efc0a |
#f9f813 |
#0206f7 |
#fc0ae8 ??? |
#23fcfc |
このうち、マゼンタ相当については現世のと明らかに色調が異なる。マゼンタという色自体が自然界であまり出てこないことも合わせて考え、マゼンタについては暫定値とする。
赤もそれなりに差があるが、好意的な意見を得られたのでこのままとする。
1.で得たhex codeは、ガンマ補正という操作が行われた状態での値であるため、これにsRGBの逆変換を用いて本来の物理学的明るさ情報を復元する。
とりあえず、腕慣らしに黄色とシアンを単純な和でやってみよう。赤と緑の和は[241.57, 252.59, 13.62]である。緑と青の和は [30.85, 252.21, 247.35]、赤と青の和は[240.07, 20.01, 247.14]
#f2fd0e |
#f014f7 |
#1ffcf7 |
黄色がちょっと濁って見えるが、HSVは63° 94° 99°だそうで、結局背景色が白いのが原因っぽさある。
ということで、
#f2fd0e |
#f014f7 |
#1ffcf7 | |
まあそれっぽくなるなぁ
さて、問題は白である。
わずかにずれるだけで白っぽくなくなるので、難しいところである。ということで、線形代数に頼る。
現状は、変換行列AでjRGBベクトルがsRGBベクトルにできる。
一方、求める特性はこうである。
要するに、固有値1で固有ベクトル v1= t(1 1 1) であるような行列である。他に固有ベクトルとして v2= t(p q r) [固有値x] とv3= t(s t u) [固有値y]を持つと置く。B = (v1 v2 v3)-1と置くと(e1 e2 e3) = (v1 v2 v3)Bである。
ゆえに、A = A(e1 e2 e3) = A(v1 v2 v3)B = (v1 xv2 yv3)B = (v1 v2 v3) diag(1,x,y) B = (v1 v2 v3) diag(1,x,y) (v1 v2 v3)-1
現状のを対角化したものがこちらになります
M = S.J.S^(-1) where M = (0.871367 | 0.012983 | 0.000607 0.005182 | 0.973445 | 0.001821 0.001214 | 0.003035 | 0.930111) S = (0.125314 | 0.00104632 | -0.998587 0.989536 | -0.0419881 | 0.0500506 0.071515 | 0.999118 | 0.0178499) J = (0.974233 | 0 | 0 0 | 0.929985 | 0 0 | 0 | 0.870705) S^(-1) = (0.050927 | 1.00109 | 0.0420176 0.0141312 | -0.0738991 | 0.997763 -0.995009 | 0.125551 | 0.00631831)
固有値はともかく固有ベクトルがひどいなぁ。とりあえずSを{{1/8,0,-1},{1,-1/24,1/20},{1/15,1,1/60}}、Jを{{39/40,0,0},{0,93/100,0},{0,0,87/100}}と有理数近似して再合成すると
(674761/775000 | 252/19375 | 21/38750 2539/484375 | 377511/387500 | 357/193750 1663/1453125 | 276/96875 | 360421/387500)小数にして
(0.8706593548387097 | 1.3006451612903225e-2 | 5.419354838709677e-4 5.241806451612903e-3 | 0.9742219354838709 | 1.8425806451612904e-3 1.1444301075268818e-3 | 2.849032258064516e-3 | 0.9301187096774194)
これを色にすると [240,16,4],[30,252,9],[2,6,247]なので、
となってちゃんと元に戻る。(Gの0a→09は許容誤差の十分範囲内)
さてどうするか。とりあえずv1をt(1,1,1)にして再合成してみるか?
まあ、まずはWolfram Alphaの出力を直に色に変換してくれるスクリプトを書いて手間を減らそう。
書いた。
となって問題なし。さてv1をt(1,1,1)にして再合成すると
となっていい感じになる。せっかくならJ[1][1]を1にしてみよう。結果は
(106/121 | 72/605 | 3/605 961/157300 | 155937/157300 | 201/78650 661/157300 | 2484/39325 | 146703/157300)
であり、
とても良い。緑がちと明るすぎる気がするが、赤が暗いので仕方がない。さて、分数では扱いづらいので2進数近似をすると
を適当な桁数で打ち切って、またv1+v2+v3=t(1,1,1)でなければならないことを考えると
(7/8 | 123/1024 | 5/1024 11/2048 | 127/128 | 5/2048 1/256 | 1/16 | 239/256)
とすれば完全にだいたい一致する。
シアン・マゼンタ・黄色は
まあ色としてはいいんじゃないの。問題は色相環にちゃんと載ってくれるかどうか。
ということでやってみた
H | S | V | |
#f0100d | 1° | 95° | 94° |
#feff49 | 60° | 71° | 100° |
#61fe47 | 111° | 72° | 100° |
#63feff | 180° | 61° | 100° |
#0f08f7 | 242° | 97° | 97° |
#f116f8 | 298° | 91° | 97° |
少なくとも色相環には綺麗に載ってくれるやん(くれるやん)(わーい)
「30日でできる! OS自作入門」に載っていた16の基本色と似た色で、悠里色空間で自然に表される色を探すと次のような感じになろう。
明るい8色
暗い8色
理語辞書のtamdejixによると、皇論において重要なイメージカラーであるタムカラーは現世のカラーコードでいうと#005242であるらしい。
さて、この記事を最後に更新したのが2017年8月20日、つまり3ヶ月前なので、完全に諸々を忘れてしまっている。復習せねば。
えーっと、
function jRGBlinear2sRGB(jrl, jgl, jbl) { var sr = normalize_sRGB(jrl * 7/8 + jgl * 123/1024 + jbl * 5/1024); var sg = normalize_sRGB(jrl * 11/2048 + jgl * 127/128 + jbl * 5/2048); var sb = normalize_sRGB(jrl * 1/256 + jgl * 1/16 + jbl * 239/256); return [sr,sg,sb]; }
これに通したときに[0, 82, 66]が返ってくれば良い。
normalize_sRGB
はlinear2sRGB
をMath.round
したものなので、linear2sRGB
を通した結果が[-0.5~0.5; 81.5~82.5; 65.5~66.5]であれば良い。
linear2sRGB
の逆関数はsRGB2linear
なので、
jrl * 7/8 + jgl * 123/1024 + jbl * 5/1024 = -0.000151763 ~ 0.000151763 jrl * 11/2048 + jgl * 127/128 + jbl * 5/2048 = 0.083325624 ~ 0.085434486 jrl * 1/256 + jgl * 1/16 + jbl * 239/256 = 0.053666898 ~ 0.055300801
さて、これ厳密に解くのめんどいなぁ。とりあえずは普通に[0, 82, 66]で近似するか
jrl * 7/8 + jgl * 123/1024 + jbl * 5/1024 = 0 jrl * 11/2048 + jgl * 127/128 + jbl * 5/2048 = 0.08437621154414882 jrl * 1/256 + jgl * 1/16 + jbl * 239/256 = 0.05448027644244237
とりあえず
(7/8 | 123/1024 | 5/1024 11/2048 | 127/128 | 5/2048 1/256 | 1/16 | 239/256)の逆行列を求めると、
(1942272/1698191 | -234536/1698191 | -9545/1698191 -10496/1698191 | 1713112/1698191 | -4425/1698191 -7424/1698191 | -113704/1698191 | 1819319/1698191)
だそうなので、
jrl = -0.011959357568943422 jgl = 0.08497561539753895 jbl = 0.05271673757520321
という感じである。赤-1.2%、緑8.5%、青5.3%ということか。
実際これでやると#005242が生成できるので、その点では問題ない。ただ、負の値が入ってしまうのでなぁ
色調変えずに明るさ上げて再挑戦してみるか。もちろんその前にスクリプト書くけど。
赤0%、緑8.5%、青6.0%だと#1a5246か。
| 現世RGB: # |
現世RGB: # |
|
なお、3.で書いた「明るい8色」はそれぞれ(悠里赤、悠里緑、悠里青のパーセンテージで)
100, 0, 0 100,100, 0 0,100, 0 0,100,100 0, 0,100 100, 0,100 100,100,100 50, 50, 50
であり、「暗い8色」はそれぞれ
25, 0, 0 25,25, 0 0,25, 0 0,25,25 0, 0,25 25, 0,25 0, 0, 0 25,25,25
この文章最後に書いてから(2017/08/20)もう3年が経とうとしている(2020/07/18)。その間に私の色空間についての知識は多少なりとも改善し、(↓とかわりと楽しめた。あと授業とかも取った。)
さらに言えば色方面についてはその後一切の派生創作も生まれず、完全に埋もれて放置していた。
とまあ筆者本人もほぼ完全に忘れていたメモ(ファイル名がcolors_memo.html)を、ゆかたゆさんに発掘された結果、画像処理で修論書いたるなすたさんの目にこの駄文が留まることになり、問題しか無いこのファイルに具体的な指摘を頂くことができた。とてもありがたい。
曰く、
Mathematical. Transform to. Munsell あたりは概論として読んでおいて損はないかなと。XYZ 色空間から、人間の感覚的な色距離と3次元空間のユークリッド距離が等しくなる色空間、マンセル色空間にマッピングする論文だけど。(s)RGB 色空間やガンマ補正を加えた XYZ 色空間や、それらからの線形変換で得られる空間は、結構、人間の色覚に対して歪んでいるというあたりの直観を得られるといいかなというお気持ちです。読んだのもう10年以上前だけど、確かざっくり色空間の歴史とかも既存研究として並んでた記憶。マンセル色空間にも種類があってーみたいな話も出てくるので。
とのことである。私jekto.vatimelijuとしても「この駄文、書くだけ書いて一切派生を生やしていないので全文に<s>掛けて書き直すの全然アリなんだよな」と思っていたところなので、とりあえず全文にtext-decoration: line-throughを適用した。
やっていこう。現世の場合、ブラウン管(CRT)がガンマ値 2.2 の特性を持っていたらしく、しかもそれがわりと人間の視覚に合った輝度の割り振りになっていたために、後世の RGB 色空間もそういうのが引き継がれたらしい。じゃあ、ゲーム機とかが最初から線形応答する素子を使ってたという可能性を考えるか。
XYZ = 4.392 6.584 8.246